みんなが過保護過ぎるんですが、誰か助けてくれません? 作:因幡の黒兎。
「えーっと…あっ、これとかは興味引くかも!」
『何か良いのがあったの?』
「うん! 陸上部、関東大会3位だって!l
『へぇ〜。確かに興味を引くけど…それって何時?』
「…5年前」
『うん、もう卒業して成人やってるね。却下』
うーっす! 家に帰って来てからことりちゃんと『学校の良いところ』探しを再開した南ひばりだよ! …まさか本当に隣に座ってるだけとは思ってなかったけど、ことりちゃんが見てるのを横から見れるからいっか。
「うぅ…。全然良いのが無いよぉ〜!」
『お母さんに頼んで10年分の記録を出して貰ったけど、やっぱり目立つ成績が出てるのって大抵5年前までっぽいね』
「剣道選抜大会3位も5年前、水泳の自由形2位は6年前、ソフトボール部大会優勝は7年前…」
『良い記録がどんどん遠ざかって行くね…』
10年前は黄金時代って言っても過言じゃ無いほど凄い記録が残ってるんだよ? 殆どの部活が大会とかで良い記録を出してるんだもん。…まぁ昔は昔、今は今なんだけどね。
『それに、近くに新しい高校が出来ちゃったもんね〜』
「確か…」
『UTX学園。なんか凄いらしいね』
なんか生徒手帳が学園に入る為のパスになっててセキュリティは万全、様々な部活が目を引くような記録を叩き出していて、更には芸能界との繋がりもある。…音ノ木坂、戦う前から惨敗だね。
「お兄ちゃん、結構詳しいんだね。なんでそんなに知ってるの?」
『前にテレビで特集みたいなのやってたんだよ。それに雪穂ちゃんが目指すらしいし』
「えぇ!? そうなの!?」
『ちょっと前に電話で言ってたよ? もしも穂乃果ちゃんが知ったら「お母さん、お母さぁーんっ! 雪穂、音ノ木坂受けないって言ってるよ!?」…とか言ってそうだよね♪』
「穂乃果ちゃんならありそうかも。ふふっ♪」
別に予知能力があるとかそう言う訳じゃ無いんだけど後日。雪穂ちゃんからお姉ちゃんとこんなやり取りをしたって話をされて…まんま予想的中してたね。これって凄くない? 奇跡だよ〜っ!って感じだよねっ!
「でも、やっぱり音ノ木坂とUTX。どっちに入りたいかって言われると…」
『UTXだろうね。実際、雪穂ちゃんもそうだったし』
「だよね…」
安全性が高くて色々なツテがある。将来の事も考えれば、どう考えても目立つ点の無い音ノ木坂は無いよね…。
『今誇れるような良い点は見つからなかったね〜』
「そうだね〜…」
『まぁ落ち込んでても仕方無いよ。それに、まだ諦めるには早いんじゃ無いかなぁ〜?』
「えっ?」
UTXの特集が組まれた理由、それは…
『ことりちゃん、スクールアイドルって知らない?』
今、人気絶頂期な…なんだっけ? セミプロアイドルグループ…? 『あらいず?』って言うやつが理由だったからね。その『あらいず』の活躍が国内中にスクールアイドルブームってのを起こしたって言ってたんだよ!
「スクールアイドル? スクールって…」
『うん、学校で生徒がやるアイドルなんだって。芸能人とは違ってご当地アイドル的な感じ? 『あらいず』を始めにすっごく増えたらしいよ』
ちょっとネットで調べてみよっか。…あっ、朝に凛ちゃんが携帯で音ノ木坂までのルートを検索してるのを見て、ネットの使い方を大体理解したから心配しないでも大丈夫だよ!
「A-RISE…お兄ちゃんが言ってたのって、これだよね?」
『それそれ! へぇ〜、A-RISEってこう言う風に書くんだね。なんかアイドルっぽい感じだ〜♪』
3人グループなんだ。僕の好きな歌を歌ってるアイドルグループ同じなんだね。ポリリズムって良い曲だよね♪
『このリーダーの子。おでこが可愛いね』
「ほんとだ〜! あっ、この左に居る人、おっぱい大きいね!」
『ことりちゃん…今聞いてる曲の感想を言おうよ…』
今流れている曲の名前は『Private_Wars』。曲はテンポが良いし、振り付けもしっかりとしていて目を引くし…これでスクールアイドルがブームになったってのも理解出来るや。…でも、ことりちゃんの方が可愛いね! なんたって、僕の自慢の妹だからさ! どやぁ!
「…」ギュッ
「わわっ! ど、どうしたの…? お兄ちゃん…!?」
『ちょっとことりちゃんが愛おしくて堪まらなかったんだよ。大好きだよ〜♪』ニコッ
「──っ! うんっ! ことりもお兄ちゃんが大好きだよ! 愛してる!!!」ギューッ‼︎
ちょっ、苦しいよぅ! でも良い匂いするし、すっごい柔らかい…。あー、困りますお客様ー! 顔が…顔面全体が幸せ過ぎますー! …おかしいね、僕。どうしちゃったんだろ?
『話が逸れちゃったけど、スクールアイドル。結構良い案だと思わない?』
「音ノ木坂で? でも、アイドルを出来る子って居たかなぁ?」
『…えっ?』
おーっと? これは素で言ってらっしゃいますねぇ?
『いや、ことりちゃん達がするんだよ?』
「……?」
『ことりちゃん達がやるんだよ。良い案じゃない♪』
やっぱり僕って天才だよね! ねっ?
「ことり達が!?」
『うん。』
「なんで!?」
『適任でしょ?』
「えぇ!? た、確かに穂乃果も海未ちゃんも可愛いし、アイドルになったら絶対に人気出るけど…ことりはダメだよ!」
『なんで?』
「だって、ことりは2人と違って可愛く無いし…」
『何言ってんの? もしもことりちゃんが可愛く無かったら、世界中の全員が不細工になるからね?』
「ふえぇ!?」
なんで僕の周りの子って自己評価が低いんだろうね? 穂乃果ちゃんも海未ちゃんも、ことりちゃんまでも、自分は全然凄く無いって思ってるしさ。こんだけ可愛いのに「2人と違って可愛く無いし…」って、全国の女の人からしたら嫌味に感じちゃうかもね。本人に悪気は無いから許してくれると嬉しいな。…許してくれるよねぇ?
『ことりちゃんは可愛いよ? これは僕じゃ無くても同じ意見だと思うな〜♪』
「うぅ…」カァー‼︎
わぉ、林檎と比べれるくらいに真っ赤になってる。ことりちゃん、やっぱり可愛いねぇ〜!
「お兄ちゃんの方が可愛いもん…」
『えー。ことりちゃん達と比べたら月とスッポンでしょ。それに、僕は可愛いって言われても嬉しく無いし…』
「いや! 絶対にお兄ちゃんの方が可愛いよ!」
いやいや、なんで僕が可愛いかどうかでムキになるのさ…。これでも僕、男の子だからね? …おいこら。「お前、男の娘じゃん」とか言わないでくれるかなぁ? 訴えるよ?
「ならこれを見てよ! 前に来てもらったスカート姿のお兄ちゃん!」
「!?」
あっ、ちょっ! なんて写真を持ってんだい君は! す、好きで着た訳じゃ無いんだよ!? 寝てたらいつの間にか着せられてて…そのまま写真を何枚も…。
「あとは穂乃果ちゃんの服を着せた時のとか、ワンピース姿の写真もあるよ!」
『なんでぇ!? と言うか僕にそんな物を見せて何がしたいの!?』
「お兄ちゃんは自分の可愛さに気付いて無いんだよ! だからそれを自覚して貰いたいの!!!」
『なんでさぁ!?』
だっ、誰か! この暴走天使ことりちゃんの事止めてよぅ!
このあと、帰って来たお母さんも混じってアルバム(ひばりくん女装Ver. )を無理やり見せられました…。
僕、もうお婿に行けないや…。あと、女装写真のアルバムなんて作らないでよぅ…
色々あって病み上がりなのにコンタクトデビューして来ました。…うぅ、コンタクト馬鹿痛い…。ワイ、コンタクトなんか要らんけん新しい眼鏡が欲しかったで…。と言うか眼の中に異物入れるとか気分悪い…。考えた人、もしかしてサディスト?(失礼)
☆9評価を下さったBoaさん! ありがとうございます! これからも読んでくれると嬉しいです!
それでは、また次回更新でお会いしましょう!
おい作者ァ! 投稿頻度についてなんだけどよぉ!!!
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毎日投稿しろやゴラァ!
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週に数本投稿しろや! あ゛ぁん!?
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月に数本でえぇんじゃボケェ!
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暇なら書いて速攻で投稿せんかい!
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…あれ? 何を言おうと思ったんだっけ…?