みんなが過保護過ぎるんですが、誰か助けてくれません? 作:因幡の黒兎。
「よーし! 次は歌と踊りの練習だよっ!」
そんな穂乃果ちゃんの台詞から始まります! どーも、グループ名については丸投げしちゃった南ひばりだよ♪
『なら練習出来そうな場所を探そっか?』
「おー!」
「身体を動かす場所なら、やっぱりグラウンドだよね!」
「でも、他の生徒や部活動での練習でほとんど埋まっていますね…」
『歌の練習をする事になったら、他の人の迷惑になっちゃうかもだし…』
「違う場所を探そっか」
「体育館ならどうかな?」
『ここも部活動で使われちゃってるね…』
「グラウンドと一緒で、ここで練習させて貰っても迷惑になるかも知れませんし…」
「なら別の場所…」
「中庭は…ご飯を食べてる人も居るけど、これくらいなら大丈夫そう!」
「無理です!」
「えぇ!? なんでぇ!?」
「人前で歌うとか踊るだなんて…考えるだけでも…うぅ…!」
『海未ちゃん…スクールアイドルを始めたら嫌でもステージで歌う事になるんだよ?』
「ならスクールアイドルは無しです!」
『海未ちゃん!?』
『クラスが少ないんだし結構空いてる教室があると思うんだけど、そこで練習は出来ないかな?』
「それだったら他の人に見られないだろうし、良いかも!」
「って思ったけど、鍵が掛かってるよぉ…」
「無許可では使えない様になっているのでしょう。職員室で先生に聞いてみませんか?」
『自分達で探すんじゃ無くて、最初からそうすれば良かったんじゃ…』
「空き教室を? なんに使うんだ?」
「スクールアイドルの練習を…」
「お前らが? アイドル? ふっ…」
「あぁ!? 鼻で笑った…!?」
『後でお母さんに報告しよっと♪』
「南兄!?」
「だめだぁ…全然練習に使える場所が無いよぉ〜!」
『これは困ったねぇ…』
色々な所を回ってみたけど、練習出来そうな場所は見付からなかったや…。空き教室の件については部活動ならまだしも、部や同好会として認められてない個人活動の為に貸し出す事は出来ないって言われちゃったんだよね〜…。
「学校が終わって、その後にどこか広い場所で練習するしか…」
「でも、それだと練習出来る時間が少ないだろうし…」
『まだ何も決まってないのに、場所すら確保出来なかったら…。もうお手上げ状態だよぅ…』
「うがぁ…!」
急にどうした穂乃果ちゃん!? まるで怪獣みたいな呻き声を上げながら頭を押さえて…可愛いなぁ。穂乃果ちゃん達ってほんと何しても可愛いよね〜♪
「おや〜? 廊下の真ん中で固まって、どうかしたん?」
「…? っ!」
このエセ関西弁に和らげな声は…まさか!?
『希ちゃん! 今朝ぶりだね♪』
「副会長!? どうしてここに…?」
なんかのカードを片手に、小さく微笑む希ちゃん。…あれ? なんか頭の中に女神ってワードが浮かび上がって来たんだけど、それって僕だけ?
「いや〜、カードがこっちに来たら面白い物が見れるって告げとったんよ。ほんま、面白い物が見れて良かったわ♪」
『面白い物?』
「ほら、そこで頭を押さえて身体を捻っとる子がおるやん♪」
『穂乃果ちゃん、悶えてる所も可愛いよね〜♪』
「ほんまやな〜♪」
「二人とも、何を言ってるんですか…」
うん! やっぱり希ちゃんとは仲良くなれそうだね!
『そのカードって、タロット?』
「そうやで〜。これで占って、ここに辿り着いたんよ?」
『おぉ〜! スピリチュアルだね!』
「スピリチュアルやろ〜?」
希ちゃんが持つタロットは年季の入ってる物で、昔から大事にしてるんだろうな〜って感じさせられるね。…どっかで見た様な気もするけど…なんでだろ?
「それで、悶える程の何かがあったん?」
『実は、スクールアイドルとしての練習をする場所を探してたんだけど…』
「どこも使えなかったんです…」
「あらら…それは不運やったねぇ」
『なんか良い場所って無いかなぁ〜って考えてて、穂乃果ちゃんは悶え始めちゃったんだよね〜』
「がるる…! がおー!」
「…あれってほんまに悶えとるん? ウチには怪獣の真似に見えて来たんやけど…」
『可愛いでしょ?』
「…せやね」
うん。今、なんでちょっと間があったのか、詳しく話そうじゃないか。なに、素直に話してくれたら3時間くらいで終わるからさ? ん? 駄目だって? そうかい…ならば次回、改めて話そうじゃないか!
「練習出来る場所が無くて困っとるんやろ?」
『うん。無さすぎてグラウンドにいる人達を消し飛ばそうか迷うくらいに困ってるよ?』
「ちょっと物騒やない!? こ、こほんっ…。なら、ウチが占ってあげよっか?」
「占う…?」
『おぉ〜、面白そう! お願いしても良い?』
「ウチに任しとき♪」
自慢げな表情でタロットをシャッフルする希ちゃん…可愛いね。あれだね。可愛い子って何しても目の保養になるよね!
「…これや!」
希ちゃんは一枚のカードを捲って、僕たちに見せてくれた。
「これって…?」
『”愚者”の正位置だね』
「ひばりは解るんですか?」
『色んな本を読んでたからね〜。それに、誰かに教えてあげた様な気がするんだよね〜』
「っ…」
なんか希ちゃんが辛そうな顔をした気が…?
確か、“愚者”の正位置の意味は…自由とか可能性、発想力、天才とかだっけ。
『…えっと? この“愚者”のカードはなんと占っているので…?』
「…」
『希ちゃん?』
「…ぁ、ごめんごめん。ちょっとぼーっとしとったわ」
『そっか。それで、占いの結果は?』
「これは…ひばりんならすぐに思い付くって告げとるね♪」
僕ならすぐに思い付くって…
『要するに自分で考えろって事!?』
「そう言う事やね〜♪」
『それが思い付くなら困ってないよぉ〜!』
そんな悪戯が成功した様な可愛い笑みを浮かべてぇ…! 可愛いから許すけどさ!
「…」
「思い付きそ?」
『う〜ん…』
完全に占いを信じてるって訳じゃないけど、そう言う結果が出てるなら思い付くのかな?
練習が出来るくらいに広くて、歌の練習をしても迷惑にならない、そして海未ちゃんの為にも人の居ない場所…。
「…!」
「思い付いたん?」
「〜♪」コクッコクッ
多分彼処なら誰も居ないし、歌っても迷惑にならないよ!
『希ちゃん! ありがとね!』
「ウチは占っただけやで〜♪」
『それでも助けられたのは本当だから! ありがと♪』
よしっ、そうと決まれば…!
『ことりちゃん、海未ちゃん、穂乃果ちゃん! 屋上だよ!』
「「「…それだ!」」」
▽▼ ▽▼ ▽▼
「うんっ! 広くておっきな声を出しても大丈夫そう!」
「それに人も居ませんし、誰かに迷惑をかける事は無さそうですね」
『まぁ雨が降ったら練習出来ないけど、その時は室内でも出来る様な練習とか準備をすれば良いよね♪』
「そこまで贅沢は言ってられないもんね♪」
屋上だから床が少し汚れてるけどモップとかで掃除すれば全然綺麗になりそうだし、練習するには充分な環境だよね! 希ちゃんにはほんと感謝だよ!
「まずは歌の練習から!」
「「はいっ!」」
3人とも練習プランとか立ててたんだね。僕知らなかったよぅ…。
「「「「・・・。」」」」
…えっと? なんで3人とも黙ったままなのかな? 歌の練習を始めるんじゃ無いんです…?
「…えっと…曲は?」
「…私は、知りませんが…?」
「…私も…」
─チュンチュン‥
「「「…ひばりくんは!!?」」」
『…言うまでも無いよね?』
─ カァ、カァ‥
「「「「・・・。」」」」
…誰か、この気不味い空気から助けてくれませんか…?
やっぱ、一話につき1500〜3000くらいの方が書きやすいし読みやすいよなぁ…。
ピックアップガチャの海未ちゃん、めっちゃ可愛くないですか? 欲しいけど物欲センサーがガチャ妨害して来やがる…!
それじゃ、次回更新で会えると嬉しいです!
読むならどれくらいが良い?
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文字数とかどうでも良いからボリュームを!