みんなが過保護過ぎるんですが、誰か助けてくれません?   作:因幡の黒兎。

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へぃ! 絶賛スランプ中な作者だぜぃ! 今日はみんな大好きな凛ちゃんの誕生日でぃす! いぇーい!

みんなで祝おう! 凛ちゃん、誕生日おめでとう!

スランプのせいで地の文少ないし、ぐちゃぐちゃで、更には今までで一番長い7000文字以上だけど許してね! 何時も通りにちょびちょび修正入れるから!

それじゃ、本編です! どーぞ!


星空凛:イエローな彼女と、星空の元で狂愛を。

「…うん、ここまでにしよっか。みんなお疲れさま〜!」

「にゃ〜…。今日も練習、疲れたにゃ〜…!」

「特に今日はハードだったもんね〜。はいっ、凛ちゃんが好きなスポドリだよ♪」

「ほんと!? ありがとにゃー!」

 

 えへへ〜、ひばりくんから貰っちゃった〜♪ 今日はユニットごとの練習だったんだけど、希ちゃんが用事で来れなかったから代わりにひばりくんが一緒に練習してくれたんだ〜♪

 

「また凛のことを甘やかして…」

「もしかして海未ちゃん、やきもち?」

「なっ…!? ちっ、違います! 別にやきもちだなんて…」

「素直に言ってくれたら、汗を拭いてあげようかなぁ〜?」

「ぁぅ…。えっと、その…ちょっとだけ…」

「もぉ〜! 海未ちゃんは可愛いなぁ〜♪ ほら、おいで? 汗拭いたげる♪」

 

 …突然だけど、最近、凛には悩み事があるにゃ。それは…

 

「凛ちゃん? どうかしたの?」

「えっ? ぁ…な、なんでも無いにゃ! それよりも凛も凛も!」

「うん。でも、今は海未ちゃんの事を拭いてあげてるから、ちょっとだけ待ってね?」

「は〜い…」

 

 …また、胸がキューってなった…。

 

 ひばりくんがみんなと仲良くしている所を見ると、胸が締め付けられるみたいに痛くなって…なんだか苦しくて…。これってなんだろう…?

 

「よし、これくらいかな。それじゃ、りんちly「ひっばりく〜ん!」ちゅん!?」

「やっと練習終わったよ〜! つっかれた〜!」

「穂乃果ちゃ…ちょっ、くすぐったいよぉ〜…!」

 

 …。

 

「海未ちゃん、汗拭いて貰ってたの!? 良いなぁ〜…」

「う、うぅ…!」カァー‼︎

「穂乃果も拭いてよぉ〜!」

「その前に凛ちゃんと約束してるから、その後ね? さて…凛ちゃん?」

 

 穂乃果ちゃん、なんでひばりくんに抱き付いてるんだろ…。羨ましい…けど、それよりも…なんか、ムカムカする…!

 

「凛ちゃ〜ん?」

 

 海未ちゃんも、凛にはいっぱい怒ってくるのに何時もひばりくんにはデレデレしてて…!

 

「りーんーちゃーんっ?」

「にゃにゃ!?」

「あっ、やっと反応してくれた…。なんだか最近、ぼーっとしてる事が多いけど何かあったの?」

「な、なんでも無い! それよりも凛のことも、拭いて?」

「うん。任せてよ♪」

 

 ひばりくんの言う通り、最近みんなのことを考えててぼーってしちゃう事が多くなってきたにゃ…。μ'sのみんなの事は大好きなんだけど、なんだか見てるとイライラして、凛が凛じゃ無くなっちゃいそうで…。

 

 

「ほんと、変だなぁ…」

 

 

 

 

 

 ▽▼ ▽▼ ▽▼

 

 

 

 

「あっ! ひばりくn…

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃん! これ見て〜!」

「これって…次のライブの衣装?」

「うんっ! お兄ちゃんはどう思うかな〜って思って、走って来ちゃった♪」

「廊下は走ったら危ないからめっ!だよ?」

「ぴぃ…、ごめんなさぁい…」

「怪我がないなら良いけどね。…うん、すっごい可愛いデザインだね! 一緒に頑張って作ろっか?」

「うんっ♪」

 

 …。

 

「ねぇ、ひばr…

 

「あっ、ひばり! ちょっと良いですか?」

「ん〜? 海未ちゃん、どうかしたの?」

「今度のダンスのステップなんですが…、こうしようと思ってるんです」

「ちょっと見るね?」

「でも、なんだか違う気がして…」

「…なら、ここを…こうするのはどうかな?」

「確かに…。それが良さそうですね! 何時も有り難うございます♪」

 

 ……。

 

「…。」

 

「ひばりくん発見!」

「あっ、穂乃果ちゃん! ちょうど良かった!」

「なになに? 穂乃果に用事?」

「うんっ♪ 前に約束してたパン屋さん巡り、今日の放課後に行かない?」

「えっ!? いいの!?」

「約束してたでしょ? 今日は練習も無いし、美味しいメロンパンがあるパン屋さんがテレビでやってんだよ!」

「行きたい行きたい! もぉ〜! ひばりくん大好き!」

「僕も大好きだよっ♪」

 

 

「…痛い…。」

 

 ずっと胸が刺されてるみたいで、すごく痛い…。

 

「あっ、ひばりくん…!」

 

 かよちんがひばりくんの事を呼んだ。

 

 ─チクリ。

 

「ひばり、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…良いかしら?」

 

 真姫ちゃんがひばりくんの事を呼んだ。

 

 ─チクリ、チクリ。

 

「ひばり?」

 

 絵里ちゃんが、

 

「ひばりん♪」

 

 希ちゃんが、

 

「ひばり!」

 

 にこちゃんが、ひばりくんの事を呼んだ。

 

 ─グサッ…、ザクッ。

 

 

「痛い…。痛い、痛い、痛い…!」

 

 なんで? なんでこんなに苦しくて、こんなに痛いの…!?

 

「煩い…!」

 

 穂乃果ちゃんが、海未ちゃんが、ことりちゃんが…。かよちんが、真姫ちゃんが、絵里ちゃんが、希ちゃんが、にこちゃんが…! ひばりくんの名前を呼ぶたびに胸が痛くなる…!

 

「煩い、煩い煩い煩い…!」

 

 

 

「煩い…! 煩い、煩い煩い煩い煩い煩い煩い煩い煩い煩い煩い煩い!」

 

 

 

 

 

「五月蝿い!」

 

 

「り、凛…?」

 

「あ…」

 

 気付くとベットの上で、クッションを蹴飛ばして跳ね起きていた。扉から顔を覗かせるお母さんは不安そうに凛のことを見てて…。

 

「ど、どうかしたの…?」

「…ううん。なんか、変な夢を見てて…」

「そう…。ホットミルク、作って持ってこようか?」

「いい。気分転換に走ってくるね…」

「もう11時よ…って、凛!?」

 

 お母さんが声を掛けてくれてた気がしたけど、全然聞こえなくて、頭に響く()()()()を振り切るように真っ暗な道を走った。

 

 走って、走って、走って…。

 

 ずいぶん遠くまで来た気がして、走る速度を遅めた。

 窓から外を眺める小さな女の子と、そのお母さんらしき人が視界に映ったから。

 

「鳥さん、もう帰って来ない…?」

「お怪我が治ったから、飛んで行っちゃったのね」

「そっか…」

鳥籠にでも入れておけば、逃げ無かったんでしょうけど…」

 

 とりかご…。そういえば、ひばりって鳥の名前なんだよね…?

 

 …アハッ、ソッカ。ソウスレバ良インダ♪

 

「…でも、かごの中に閉じ込めるなんて可哀想だもん…」

「ふふっ…優しいわね。きっと家族のところに帰って、あなたの事を話しているわ。優しい子に怪我を治して貰ったってね…」

「そうだと良いなぁ〜」

「ほら、もう遅いから寝ましょ? 子守唄でも歌ってあげるわ」

 

 凛は何も省みる事無く、その衝動と欲に身を任せて──

 

 

 

 

 

 ▽▼ ▽▼ ▽▼

 

 

 

 

 

『『『凛ちゃん! たんじょーび、おめでとー!!!』』』

 

「えへへ〜♪ ありがとにゃ!」

 

 こんばんは、南ひばりですっ! 今日は凛ちゃんの誕生日という事で、練習は無しで誕生日パーティーだよ♪

 

「でも、凛ちゃんのお家に押し掛けちゃって良かったのかな…」

「お母さん、今日はかよちんのお母さんとどっか行くって! だから朝まで大騒ぎ出来るにゃ〜!」

「そっか。なんか悪いことしちゃったかな…」

 

 気を使って貰っちゃったみたいだね…。今度なんか美味しいお菓子でも持ってこよ。

 

「おぉー! みすとないとぱーてぃー!」

「それを言うなら、ミッドナイトパーティーじゃ…?」

 

 もうプレゼントを渡し終えて、後は騒ぎ疲れて寝るだけだね。僕は最後まで起きとくよ? みんなに毛布を掛けないといけないからさ。…そこ、「一番最初に寝そう」とか言わないでよぅ! 確かに疲れたらすぐに寝ちゃうけど、眠気を欺けば良いだけだもん!

 

「あっ、これ美味しい…!」

「前にテレビでやってた有名店のケーキでしょ? よくホールで、それも4つも買えたわね」

「ことりちゃんとお母さんの3人で朝から並んだんだ〜♪ せっかく帰るならいっぱい買いたいでしょ?」

「お店に座れるところがあって、そこでちょっとだけ先に食べちゃったもんね♪」

「え〜! ことりちゃん達ズルイよぉ!」

「朝にも食べてるんなら、ちょっとくらいにこの分を多くしなさいよ!」

「今日の主役は凛ちゃんだし、そもそもにこちゃんのは苺が多いんだから良いでしょ〜!」

 

 みんな楽しそうで良かった〜♪ ほんとはサプライズの予定だったのに、花陽ちゃんが口を滑らしちゃった時はどうしようかと思ったけど…最初から凛ちゃんにバレちゃってたって言うね…。凛ちゃんから「かよちんやひばりくんが凛の誕生日を忘れてる訳ないじゃん」と言うなんとも御もっともなお言葉を頂きましたよ、えぇ…。

 大体、最初からサプライズなんて無理だったんだよ! 誰さ、「凛ちゃんも誕生日にサプライズでパーティーをやろう!」とか言ったのは! 僕ですね、すみません!

 

 

 

 そんなこんなで気付くともう日付が変わりそうな時刻。相当騒いだし、みんな疲れてソファーなり机なり床なりに倒れて寝ちゃった…。

 

「ソファーはともかく、硬いで寝たら身体を痛めちゃうよ〜」

 

 まぁ、僕もたまに机とかに突っ伏して寝ちゃう事とかあるけどさ? 僕はそれなりに頑丈に出来てるから大丈夫だけど、女の子だと首が痛くなっちゃったりすると思うなぁ…。

 

「取り敢えずクッションと枕を…」

 

 そう呟きながら腰を下ろしていたソファーから立ち上がろうとすると、腹部に何かが絡み付いた。…この感じ、もしかして…

 

「凛ちゃん? まだ起きてたの?」

「うんっ♪」

「凄くはしゃいだんだし、疲れたでしょ? 寝てて良いんだよ?」

「う〜ん、まだ眠く無いにゃ〜!」

 

 凛ちゃんが一番盛り上がってたから、一番疲れてると思うんだけど…まぁ僕たちアイドル研究部の中で一番体力があるんだし、あまり疲れて無いのかも?

 

「そっか〜。でも、意外と目を瞑ってたらすぐに寝ちゃえるんじゃ無いかなぁ〜?」

「…それは無いと思うにゃ」

「…?」

 

 今の凛ちゃん…なんと言うか、何時もと違う気が…?

 

「それより、ちょっとだけ出掛けようよ!」

「えっ、今から?」

「うん! 夜のお散歩って気持ちが良いんだよ♪」

「でも…」

 

 外は真っ暗で危ないと思うんだけど…。

 

「だめ…?」

「ぅっ…!」

 

 その上目遣いはずるいと思うなぁ…。まぁ僕も居るんだし、危なくなったら凛ちゃんを引っ張って逃げればいっか。

 

「仕方ないなぁ…。今日は凛ちゃんの誕生日だし、ちょっとくらいなら我儘を聞いてあげるよ」

「ほんと!? やった〜!」

 

 そんなに嬉しがってくれるのは嬉しいけど、もう遅い時間だから声のボリュームは下げようね?

 

 

 

 

 

 ▽▼ ▽▼ ▽▼

 

 

 

 

 

「やっぱりここは星が綺麗に見えて、気持ち良いにゃ〜!」

「街灯がほとんど入って来ないもんね♪」

 

 凛ちゃんの連れられてやって来たのは、とある森林公園の奥。凛ちゃんのウェディング騒動の時に連れて来た思い出の場所。見上げると街では見れないような星空が広がってて…ほんと、綺麗だなぁ〜。

 

「誘ってくれてありがとね。また凛ちゃんと見れて嬉し♪」

「えへへ♪ どう致しまして!」

 

 こっちを向いて満面の笑みを浮かべる凛ちゃん。やっぱり可愛いなぁ〜♪

 

「…ところで、凛ちゃん。」

「ん〜?」

「何を持って来たの?」

 

 さっきから気になってたんだよね。「準備するからちょっと待ってて!」って言われて、すぐに戻って来たと思ったら紙袋を持って来て…聞こうと思ったら手を引かれてここに着いてたんだよなぁ…。

 

「あのね? 今日、ひばりくんがプレゼントをくれたでしょ?」

「えっ? あぁ、うん。誕生日だしね♪」

「だからお礼を持って来たの!」

「…ん!? いや、ちょっと待って? 誕生日プレゼントにお礼なんて必要ないよ?」

「貰って、くれないの…?」

 

 ごふぁッ!? 涙目上目遣いはもっとずるいと思うなぁ!? いや、貰えるなら嬉しんだよ? でも、誕生日プレゼントのお礼って…今まで聞いた事ないよ…。えっ? 「お前は誕生日にことりちゃん達にプレゼントを買ってるだろ」って? …いや、ことりちゃん達の笑顔が僕にとっては最高のぴプレゼントだからね?(真剣)

 

「…いや、嬉しくって動揺してただけだよ。凛ちゃんからのプレゼント、有り難く貰うよ」

「ほんと!? やったにゃ〜!」

「あんまり大声出したら近所迷惑に…って、ここなら大丈夫か。」

 

 森林公園だから近くに家は無いし、時間も時間だから全然人いないもんね。

 

「じゃあじゃあ、目を閉じて両手を出して欲しいにゃ!」

「ん〜」

 

 凛ちゃんの言う通りに目を閉じて、両手を前に差し出す。すると…

 

 ─カチャン…。

 

「…?」

「もう良いよ♪」

 

 両手首に不自然な冷たさを感じる。季節的に寒いのはわかってるけど、これは外気の冷たさじゃ無い。それにさっきの聞き慣れた音って…

 

「わー…、これ、なにかな…?」

 

 やっぱり…

 

の間にあるお星様、可愛くて綺麗でしょ?」

「っ…!」チャラ‥

「すっごい似合ってるよ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──その手錠♪」

 

 …何かの間違いって思いたいけど、その可能性は完全に無くなったね。今、凛ちゃんの口からプレゼントの正体が伝えられた訳だし…。

 

 僕の腕には、月明かりを冷たく反射する一組の手錠が掛けられていた。目を逸らしても、鉄の重さが現実だと嫌なほどに語りかけて来る…。

 

「えーっと…、凛ちゃん…? 前から少し思ってたんだけど、なんだか変だよ…?」

「…」グッ‥

「わっ…!?」

 

 混乱している頭をなんとか落ち着かせようと凛ちゃんに話しかけると、後ろへの圧力が掛けられた。押されて、手を使えない僕はバランスを取ることが出来ずにそのまま、地面の倒れ込んでしまった。

 

「ぃったぁ…」

「…ひ…くん…」

「?」

「ひばりくん、ひばりくんひばりくん…!」

 

 背中の方に手を回されて、ぎゅーっと力強く抱き締められる。…いや、ちょっと違うかな。

 

「ぃ、痛いよ…、凛ちゃん…!」

「えへ…えへへ…♪」

 

 ─ギチッ…!

 

 抱き締められると言うよりも、締め付けられてる。どこからこんな力を出してるの…ってくらいに強い力で、思わず表情を歪めちゃって…。

 

「好き…好きで好きで、大好きだにゃ…♪」

「それは、僕も…だけど…!」

 

 ちょっとは力を緩めて欲しいかな…。ほんと、息がしづらいくらいに痛い…!

 

 抜け出そうと身体を動かしても結果は無意味。少しも緩むことは無くって、凛ちゃんは腕の中で浮かれた様に幸せそうな声を漏らしてる。

 

 

「やっぱり、あった。」

「…?」

「もぅ、ダメだよ? ひばりくん?」

、にが…? ぁ…」

 

 ようやく解放されて、思わず咳き込んでいると、凛ちゃんが掌に転がる()()()を見せて来た。

 

「盗聴器…?」

「マフラーに仕込まれてたにゃ。きっとことりちゃんのだよね?」

「た、多分…」

 

 ことりちゃんのなら別に付けたままでも良いと、そう伝えようとすると…

 

「なんで…」

「?」

 

「なんで凛のひばりくんに盗聴器なんて仕掛けてるのさ!!!」

 

「ッ!」

 

 地面に盗聴器を叩きつけて、何度も何度も踏み潰し始めた。原型が崩れるほどに砕けて、潰れているのに、それでも踏み付けるのをやめない辺り、相当頭に血が上っているみたい…。

 

 凛ちゃんの雰囲気が豹変して…ちょっと怖い…。それに、声を荒げて…いつもの明るい凛ちゃんからは考えられないね…。

 

「なにか怒ってる…?」

「…ねぇ、ひばりくん。」

「なに…?」

「ひばりくんって、誰の彼氏だっけ?」

「えっ…?」

 

 急になんで…?

 

「僕は…9人のk「違うよね?」…えっ?」

「ひばりくんは、凛の…凛だけの彼氏だよね?」

「なに、言って…」

 

 一度離れられたと思いきや、またもや抱き締められる。さっきみたいに締め付けられていないだけマシだって考えよ…。

 

「凛ね? 最近おかしいの」

「おかしいって…」

「だって変だもん。みんなの事が好きなのに嫌いなの」

 

 好きなのに、嫌い…?

 

「いつもひばりくんを独り占めしてることりちゃんが嫌い。いつも楽しそうにひばりくんの腕を引く穂乃果ちゃんが嫌い。いつも凛達に口煩いのにひばりくんの側に寄り添う海未ちゃんが嫌い。」

 

 凛ちゃん…。

 

「いつも距離感が近くてひばりくんへのスキンシップが激しい希ちゃんが嫌い。いつも幸せそうな表情をしてひばりくんとお話しする絵里ちゃんが嫌い。いつもひばりくんの事を笑顔にできるにこちゃんは嫌い…!」

 

 …。

 

「いっつもひばりくんと楽しそうに何かしてるかよちんと真姫ちゃんが嫌い! みんなみんな大っ嫌いっ!

 

 耳元を押さえて、なにも聞こえない様にして叫ぶ凛ちゃん。確かにそう思っているのかも知れない。でも、なら…

 

「でも…そんな事を思っちゃう凛が、一番嫌い…」

 

 泣ける訳無いもんね。

 

「みんなで決めた事なのに…嫉妬して、独り占めしたくて……」

 

 涙腺崩壊って言うのかな? ぼろぼろ泣き始めちゃって、ギュッと蹲るようにして頭を押さえてる。

 

「みんなの事が大好きで、ずっと一緒に居たいって…思ってるのに…。嫌いになっちゃって…!」

「…そっか。」

「またこうやって、迷惑かけて…。こんな凛が、大っ嫌い…!」

「…ぅんしょっと」

 

 ─ギュッ…。

 

「ぇ…?」

「抱き締めてあげたいんだけど、手錠があるから…今はこれで勘弁してね?」

 

 うん。やっぱり手錠って便利な時もあるけど、邪魔になる事の方が多いね。力いっぱい抱きしめてあげたいのに、手が交差出来ないや…。

 

「なんで…」

「決まってるでしょ? 僕も凛ちゃんの事が好きだからだよ♪」

「でも…! こんな我儘な凛なんて…!」

 

 “凛なんて”…かぁ〜。

 

「僕だって同じ。我儘で、嫉妬深いよ? それに、僕的には嫉妬してくれる方が嬉しいしさ♪」

 

 まぁ僕の場合は度が過ぎるから、直さないといけないんだけどね。流石に男の人に声を掛けられただけでムスッとしちゃうのはダメだよねぇ…。

 

「…でも…」

 

 こりゃ、まだ納得して貰えて無いみたいだねぇ…。

 

「…なら、凛ちゃんの望み通りにしてあげよっか?」

「ぇ…?」

「今日はまだ凛ちゃんの誕生日だもん。男の僕が言うのもあれだけど、プレゼントは僕だよ♪」

 

 凛ちゃんは訳がわからないって言った様子でぽかんとしてる。やっぱりこう言う表情も可愛いなぁ〜♡

 

「凛ちゃんが望むなら、どんな言う事でも聞いてあげる♪」

「なに、言って…」

「例えば、そうだなぁ〜…。凛ちゃんだけの鳥籠に囚われてあげるとか?」

 

 …もうちょっとかな?

 

「他には…μ'sをやめて、みんなと関わらないとか?

 

それは駄目ッ!!!

 

 そう声を荒げる凛ちゃん。さっきまでの怖い雰囲気は完全に消えていて、さっき以上に涙を流して抱き締めてくる。ちょっ、わりと苦しぃ…。

 

「やっぱり凛ちゃんは優しいね♪ きっと僕だったら、ほんとに何処かに閉じ込めちゃってるなぁ〜」

 

 手錠があっても、頭を抱いてあげる事くらいは出来るね。良かった良かった♪

 

「ちゃんとわかってるよ。凛ちゃんはみんなの事が大好きだもんね。僕が言わせちゃって…ごめんね?」

「なんでひばりくんが謝るの!? 全部、凛が…!」

「全部僕のせいだと思うんだけどなぁ〜」

「違うもん! 凛が子供みたいな事を言って…ごめんなさい! ごめんなさぃ…!」

 

 やばい、こんな時に考える事じゃ無いんだけど…めっちゃ良い匂いがする! どうしよう…ひばりくんの心拍数、ドキドキピポパポなんだけど!?

 

「僕はなんも気にして無いよ? だから泣かないで?」

「ひばり、くん…!」

「大丈夫。どんな事があっても、僕は凛ちゃんの事が大好きだよ〜♪」

「…うんっ♪」

「でも、もう日付けが変っちゃってるから、もうお家に帰ろ? 多分凛ちゃんのお母さん帰って来てるし、心配してると思うよ?」

「うん…ごめんね? ひばりくん…」

「大丈夫♪ あっ、でも…そろそろ手錠は外して欲しいかなぁ…」

「にゃぁ!? ご、ごめん! すっかり忘れてたにゃぁ!?」

 

 

 この後。凛ちゃんの家に帰って、凛ちゃんのお母さんとことりちゃん達に怒られたのは言うまでも無いよね〜。盗聴器を壊した件についても散々問い詰められて…なんと言うか、今年の凛ちゃんの誕生日は疲れる事ばっかりだったなぁ…。

 

 

 

 …まぁ、全部予想通りだったんだけどさ♪

 




「ねぇ、お兄ちゃん。凛ちゃんと何かあったの?」
「え〜? なんで〜?」
「最近、わざと凛ちゃんの事を避けてたでしょ?」
「そんな事は無いよぅ♪」
「…もしかして…」
「ふふっ…♪」

ねぇ、みんな思わない? 凛ちゃんの嫉妬顔って、すっごく可愛いよね♪

「そんな事ばっかりしてたら、いつか後ろから刺されちゃうよ?」
「みんなからじゃ無かったら、別に良いけどね〜♪」

おい作者ァ! 投稿頻度についてなんだけどよぉ!!!

  • 毎日投稿しろやゴラァ!
  • 週に数本投稿しろや! あ゛ぁん!?
  • 月に数本でえぇんじゃボケェ!
  • 暇なら書いて速攻で投稿せんかい!
  • …あれ? 何を言おうと思ったんだっけ…?

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