みんなが過保護過ぎるんですが、誰か助けてくれません?   作:因幡の黒兎。

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評価バーに色が付いた! しかもオレンジ! ありがとうございます!
更にUAが5000突破、お気に入りが100人突破しました! これもありがとうございます!

まだまだ拙い文章ですが、これからもお付き合いください。

今回はコメディ要素が少ないです。と言うか、もう少しストーリー進めないと解らない点があるかも…。まぁそこら辺は後々と言う事で!

それでは本編を〜、どうぞっ! あっ、今回も長いです。5000文字くらい?




学校くらい行けるよ!?

「お兄ちゃん、ほんとに大丈夫…?」

『一応、大丈夫だよ。ほんとに』

 

 あっ、どーもー。お風呂で大量の鼻血を出して、浴槽のお湯を真っ赤に染めちゃった南ひばりでーす。…鼻血の大量噴出と、そもそも逆上せかけてたって事もあって頭がクラクラするよぅ…。でも、それを言ったら病院に連れて行かれるかも知れないし、黙っとくけどね!

 

「ひばりも男の子だものね〜♪」ニヤニヤ

『お母さんはなんでそんなに楽しそうなのさ…』

「うちの息子は可愛いと思っていただけよ♪」

『お母さんのばか。もう一緒に寝てあげないもんね〜だ』

「えっ…? そっ、それは困るわ!」

 

 いや、僕って年齢的にはもう高校三年生なんだよ? 17歳で親と一緒に寝るって普通ないと思うんだけどなぁ〜。ただでさえことりちゃんと一緒に寝てるのに、お母さんも一緒だと大変なんだからね? 暑いし、狭いし、良い匂いだし…えっ、「代われ」って? …死にたいのかなぁ? 次そんな事言ったら、コンクリートと一緒にドラム缶に詰めて海に沈めちゃうぞ♡

 

『まぁ嘘だけど』

 

 もしもここで嘘だと言わなかったらお母さんが拗ねて面倒な事になりそうだし、ここら辺で許してあげるとしますかね〜。充分に反省してくれてるみたいだし。

 

『今度からは、ちゃんとタオルで身体を隠してね?』

「えぇ、わかったわ。忘れて無かったらね…」

『聞こえてるよ!』

 

 まったくもぅ…。ひばりくん困っちゃうんだよ!? 「母親なのに?」って? いや、未だに色んな事務所からスカウトされたりするような美人さんなんだよ? そんな人の裸を見ちゃったら、混乱するか襲い掛かっちゃうでしょ…。僕は前者だけどね! 襲い掛かる勇気も度胸も無いからさ!

 

「でも、ほんとに驚いたんだよ? 急に倒れちゃうんだもん…」

『僕にトドメを刺したのはことりちゃんだよ…』

「それって、ことりの裸で…? きゃっ♪」

 

 なーんでほっぺを赤くして嬉しそうに身体をくねくねさてるのかなぁ? …大方予想は付いてるけどね。「兄離れさせなくて良いのか?」って? 僕が妹離れ出来て無いのに出来る訳ないじゃん。する気もないしね〜♪

 

『それよりお母さん、そう言えば僕にお話があるんじゃ無かったっけ?』

「…あっ。」

『今の反応…』

「すっかり忘れてたわ♪」

『メールを送って来たのはお母さんでしょ? 忘れちゃめっ!だよ?』

「──っ! ほんと、ひばりは可愛いわねぇ!」ガバッ

「!?」

 

 …なんで僕は今、怒ってるのに抱き付かれてるのかなぁ。というか、なんで僕が怒るとみんな抱き付いてくるんだろ…? 不思議だね。

 

「お母さんだけズルいよぅ! 私も!」ダキッ

 

 にゃふっ!? 右側はお母さん、左側はことりちゃんに抱き付かれてる…どうしよう、幸せ過ぎてお兄ちゃん死んじゃうんだけど…。

 

「ねぇお母さん、それでお兄ちゃんに何を話そうと思ってたの?」

「ふふっ、それはね…」

 

 えっ、なんで二人とも僕に抱き付いたまま話を進めるの? 嫌な訳じゃ無いけど。嫌な訳じゃ無いけど! 大切だからね、二回言ったよ♪

 

「ひばり、貴方…」

「?」

 

 

「…学校に、興味はあるかしら…?」

 

 

「…っ?」

「お母さん!?」

 

 えっ…学校? でも、急に何で…?

 

「正確には、“テスト生”としてなんだけどね」

「?」

 

 テスト生ってなんだろ? 何かのテストをするの?

 

「なんでお兄ちゃんに学校の事を聞くの!?」

「ことり、これは大切な話なの。お願いだから最後まで聞いて頂戴…」

「でも! お兄ちゃんは学校で…」

 

 ことりちゃん…。心配してくれるのは嬉しいんだけど、ちょっと苦しいよ…。それ以上に柔らかい物が腕を包んでて…うん、左腕がすっごい幸せです。

 

『なんで興味があるか聞いて来たの?』

「実はね…ことりが通ってる音ノ木坂が──

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──廃校になるの」

 

『…えっ?』

「えぇ!?」

 

 音ノ木坂って、ことりちゃんが通ってて、お母さんが理事長をしてる学校だよね? 廃校って…えっ、無くなっちゃうの!?

 

「なにそれ聞いてないよ!?」

「だって言ってないもの。逆に知られてたら怖いわよ」

 

 通ってることりちゃんも知らなかったって事は、穂乃果ちゃんや海未ちゃんも知らないって事だよね。なんで僕にその事を伝えるのかな?

 

「音ノ木坂って国立じゃない? それで政府がそれを阻止しようとしてるのよ」

『へぇ〜』

 

 お母さんも大変だね…。僕はいっつも部屋で出来る事しか出来ないから苦労してないけど、みんなはきっと大変なんだろうなぁ〜。

 

「それで、幾つかの案を出されたのよ」

『それって?』

「一つ目は、このまま廃校として今通っている生徒達が卒業したら音ノ木坂を潰す事」

『阻止する案じゃ無かったっけ…?』

「ねぇ?」

 

 お母さんも同じ意見だったんだ。僕が変って訳じゃ無くて良かったよ。

 

「そして二つ目、学校側が様々な取り組みを行って入学希望者を集める事」

『…お母さんに丸投げしてない?』

「ほんと嫌になっちゃうわ。ひばり、お母さんの事を慰めてくれないかしら?」

『よ〜しよし。お母さん、いつもお疲れさま』ナデナデ

「ふふっ、癒されるわねぇ…」

「あっ、ズルい! お兄ちゃん、ことりも!」

『わかったよ〜』ナデナデ

「えへへ〜♪」

 

 今度マッサージでもしてあげようかな。ほんとは家事を手伝ってあげたいんだけど「危ないからダメ!」って言われちゃうし、僕に出来る事ってそれくらいなんだよね…。

 

『お母さん、それで他には?』

「おっと、忘れてたわね…」

 

 お母さんから振った話題なんだから、忘れないでくださ〜い。

 

「最後に、音ノ木坂を共学化する事。この三つよ」

『共学化…? 男子生徒も来るって事?』

「ちゃんと受験に受かったらの話だけどね?」

 

 音ノ木坂って国立だし、受験って少し難しいんだよね〜。穂乃果ちゃんが毎日僕の部屋で海未ちゃんに怒られながら受験勉強してたなぁ…懐かしいや。あの時って、まだ退院してから少ししか経ってなかったから三人とも僕にべったりだったんだよ。

 

 …もう、この部屋に来て二年も経ってたんだね。

 

「でも、なんでお兄ちゃんを…?」

 

 そっか〜、学校か〜…。嫌な思い出もあるけど、良い思い出もいっぱいあるんだよね〜。色んな行事で目立つ事してたから毎回みんな褒めてくれてたし、テストで満点を取り続けてたから学校で賞を貰った事もあったっけ。懐かしいなぁ〜♪

 

「一応何人か試験と面接を受けて貰ったの。でも、どの子も欲とかそう言う類の物で来てる子ばっかりでね…。それに対してひばりは邪な考えはしないし、何より信用出来るもの」

 

 それに音ノ木坂に入るって事は、ことりちゃん達とまたスクールライフを送れるって事? なにそれ最高だね! それに、もう二年近く家から出てないし、久々に外を自由に歩きたいって思ってたんだよ! 外の風景とかはテレビでしか見れなかったし…。

 

「それはそうだけど…」

 

 あと、ごめんなさいお母さん…。僕、お母さんとかことりちゃんに抱き付かれたりしたら結構邪な考えしちゃいます…。

 

 まぁそれは置いといて、返事は決まったね。

 

「もうわかっているけれど…念のために聞いておくわ。ひばり、貴方はどうしたい?」

 

 流石はお母さん! 僕が思ってる事を察してくれてるだなんて!

 

『うん。僕、学校に行きt「やっぱり嫌よね…」…えっ?』

「大丈夫、わかってたわ。そもそもひばりの事を外には出したく無かったし、何よりひばりが嫌な事はさせたくないわ!」

 

 …ねぇお母さん、僕の考えてる事がわかってたんじゃ無いの? 僕、学校に行きたいって思ってたんだけど…。

 

「そうだよね! 大丈夫だよ、お兄ちゃん! お兄ちゃんの嫌な事はことりが絶対に阻止して見せるからね♪」

 

 ことりちゃん、気持ちは嬉しいんだけど嫌じゃ無いよ? むしろ学校に行きたいんだよ!

 

『二人とも、最後まで聞いて? 僕、学校に行きたいんだけど…』

 

「「…えっ?」」

 

『だから、学校行きたい。テスト生になりたいんだけど。』

 

 えーっと、お二人さん? なんで固まっちゃってるの? 僕の目、いつのまにかメデューサの目に変わっちゃったのかな…?

 

「な…」

「?」

「なんで!?」

 

 こっ、ことりちゃん!? 僕の事を押し倒してどうしたの!? なんか目から光が消えてるけど…怖いよ…?

 

「なんでお外に行きたいって思うの!? お外は危ないんだよ? お家に居れば、なんの危険も無いんだし、だからお部屋に居てよ!」

 

 だから怖いってばぁ! さっき押し倒されたせいでボードとペンが飛んでっちゃったし、言いたい事が伝えられないよぉ…!

 

「…お兄ちゃん、もしかしてお部屋の居心地が悪い…?」

「…」フルフル

「それなら学校に行かないでも良いよね? ふふっ♪ これからもずーっと、お家でことり達の事を待っててくれるよね♪ …ネ?」

 

 ことりちゃんのハイライトが完全に消えちゃったよ!? と言うか最後の「ネ?」がすっごい怖いんだけど!?

 

「…」フルフル

「っ…! なんで…? なんで、なんでなんで!?」

「!?」ガクブルガクブル‥

「お外なんて危ないだけだよ? 怖い人だっているし、またお兄ちゃんに酷い事をする人が居るかもしれないんだよ? でも、お部屋に居れば安全でしょ? だってお外に出れないように鍵もしてるし、鎖で足を繋いでるんだし、危険な物も全部隠してるんだよ!? 本当はテレビとかスマホも危ないんだよ? でも、お兄ちゃんのお願いだから聞いただけ。でも、ほんとは嫌なんだよ? 誰も、何もお兄ちゃんを傷付けないようにしてるのに、何で…? ねぇなんで!?」

 

 ちょっ、急なマシンガントークはやめて!? と言うかほんと、お願いだから瞳の光だけでも元に戻してよぅ! 前にやってたホラー映画の10倍くらい怖いから!!!

 

「なんでなんでなんでなんデなンデなンデナンで?」

「っ…!」

「ネェ、おにィちゃン。ナンデェ?」

 

 …ちびっちゃいそう…。なんとか手を伸ばしてボードとペンを回収出来たし、ちゃんと理由を言わないとね。

 

『だって、音ノ木坂に行ったら、ことりちゃん達ともっと一緒に入れるでしょ?』

「…?」

『僕さ。もう馴れてるけど、あの部屋で一人って結構寂しいんだよね』

 

 まぁ、もう馴れてるけどね! 大事だから2回目だよ!

 

『でも、学校にはことりちゃんもお母さんも、穂乃果ちゃん達だって居るでしょ? そしたら、きっと楽しいだろうな〜って思ったんだよね』

「ぁ…」

『それに、僕の事を一人でお留守番させてたら危ないよ? 実は勝手に筋トレとかしちゃってるしね〜』

 

 この際だし、もうバラしちゃっても良いよね。買って来て貰ったグリップとかダンベルも、もう軽く感じてるし。

 

「最近やけに体力が付いて来たと思ったら、こっそりそんな事をしてたのね…」

『黙って危ない事をしちゃって、ごめんなさい…』

「大丈夫よ。…きっとお父さんね。あとでお話をしなくちゃ…」

 

 お父さんごめん。今度謝るから、お母さんからの☆O☆HA☆NA☆SHI☆…もといお説教から生き延びてね…!

 

「…でっ、でも! ことりはイヤだよ…!」

『なんで? ことりちゃんにとっても良い話だと思うんだけどな〜』

「だって、もう…」

「…?」

 

「お兄ちゃんの()()()姿()、ことりは見たくないよ…ッ!」

 

「…」

 

 原因はやっぱり()()だったかぁ…。だったら完全に僕が悪いね。()()って、大人でもトラウマになるだろうし…。

 

『それなら大丈夫でしょ?』

「えっ…?」

『だって、ことりちゃんが言ってたじゃん。僕の事、守ってくれるんでしょ?』

「…覚えててくれたんだ…」

『可愛いことりちゃんとの約束だもん。忘れる訳無いよ』

 

 目が覚めて、ボロボロ泣きながらことりちゃんが僕に誓った約束。こんな時に持ち出すのって、やっぱりずるかったかな?

 

『お母さん。僕、テスト生になるよ』

「…そう。わかったわ」

 

 ことりちゃんは何も言わずに僕に抱き付いたまま何も言わない。…今回も、僕の勝ちだね。口喧嘩になっても、結局はことりちゃんが折れちゃうんだよね〜。

 

 きっと、今ボードに謝罪の言葉を書いても、ことりちゃんは見てくれないだろうし…僕に出来る事と言えば、頭を撫でてあげるくらいかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな事を思いながら僕は、首に刻んだ一本の線を撫でていた。

 

 




…読み返したけど、酷ぇ文だな…。ちょっとことりちゃんの病みが出たんですけど、ちょっと伝わり難いし…出来たら今度修正しよっと。

☆10評価をして下さったななみのれいさん、ありがとうございます! これからも読んで頂けると嬉しいです!

アンケートなんですけど、次回更新で締め切りにさせて貰います。答えていない方は是非お願いします! ストーリーに関わるからね!

それでは、次回更新で会いましょう。さよなら〜!

おい作者ァ! 投稿頻度についてなんだけどよぉ!!!

  • 毎日投稿しろやゴラァ!
  • 週に数本投稿しろや! あ゛ぁん!?
  • 月に数本でえぇんじゃボケェ!
  • 暇なら書いて速攻で投稿せんかい!
  • …あれ? 何を言おうと思ったんだっけ…?

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