俺の我が儘はそう簡単には通らず、俺達は化石を貰う事は出来なかった。
が、リリーラとアノプスのタマゴは貰ったぜ!
化石を貰うよりも嬉しい!
流石ダイゴえもん!
俺達に出来ない事を平然とやってのける!
そこに痺れる!憧れるぅ!!
いやぁ~、流石大誤算と言われるだけの事はある。
何でも、化石自体は貴重な物だからおいそれと渡す事は出来ないらしいが、
何でタマゴを所持していたかは知らんけど!
どんな状況ならその2匹のタマゴを持て余すんだよ?
ダンバルのタマゴも持て余し気味とか言ってたな。
……メタグロス、良いよなぁ。
まぁ俺は草のスペシャリスト目指してるから、寧ろ対策する側ではあるけれど。
それにしてもあの人ホンマ神ですわ。
アルセウス?
そんな
そういう訳で、俺とツツジはダイゴ神に感謝を捧げつつ、ポケモンのタマゴの孵化方法について調べて、一生懸命タマゴの世話をしている。
調べた結果、特別変わった孵化方法は必要なかった。
大事にしながら人肌レベルで暖めつつ、適度な振動を___要は歩けって感じだ。
だから最近の俺達のブームは、タマゴを抱きつつお散歩デートをする事だ。
デートをしている意識があるのは俺だけだってのが、悲しい現実だがな。
だがまぁお揃いのカセキポケモンが本当に手に入るとか、これ完全にフラグだろ。
いずれはユレイドルとアーマルドでダブルバトルの大会とか出ようかな?
アーマルドは物理アタッカーとして優秀だし、ユレイドルは防御や補助に優れているから、相性良いぜこれ。
でもしかし、ツツジはこれでメレシーが防御、アノプス___後にアーマルドがアタッカーとして補完取れるから良いが、俺はエルフーンも後のユレイドルも攻撃能力が乏しいぞ?
俺が望んだ事ではあるが、そろそろ普通にアタッカーが欲しいんだよなぁ。
両刀型ジュカインとかやっぱ必要かもなぁ。
技枠が4つと決まってないから、この世界だと普通に両刀型だって強いし。
折角
何故ミシロタウンまで来たのかと言うと、それはお散歩デートがてらメレシーの経過報告をする為だ。
メレシーの人工変異計画はオダマキ博士も一枚噛んでいるからな。
本来ならオダマキ博士がカナズミシティーを訪れるべきなんだが、そこは俺達のタマゴ孵化うんぬんの為にも、立候補して自分で報告に来た訳だ。
「やぁ、良く来てくれたね! ソースケ君、ツツジさん!」
「オダマキ博士、こんにちは。」
「お久しぶりですわ。」
俺達は彼の研究所に入り、彼へと面会を果たし挨拶をする。
「経過報告は聞いているよ。 早速で悪いが、実際に見せてくれないかな?」
オダマキ博士がワクワク顔をしながらそう言うので、ツツジはコクりと頷いてメレシーをボールから出す。
「ほぅ! 成る程! 実際に見て観ると、確かに変化が起こっている!」
だから何でわかるんだよ?
やっぱわからねぇぞ俺。
大体はいつも一緒に居るからか?
全然変わってる様には見えねぇ。
「……わかりますの?」
「わかるさ! 宝石の色で判断するんじゃない、輝き方で判断するのさ。 メレシーの額の宝石がダイヤモンドの性質に近付くと、輝き具合が違うのさ!」
はぁ~、成る程。
メレシーの額の宝石は、確かにダイヤモンドではない。
……俺が発案しといて、わかってないとか恥ずかしいなこれ。
いやしかし、言い訳するなら普段ダイヤとか見ないから輝き方とか知らないんだよ。
ダイヤ見慣れている10才児とか普通いないだろ?
そんな風に俺達とオダマキ博士が話をしていたら、
……まさか、じゃ、ないよな。
あれは確実に___
「お父さん、今日も家にお弁当忘れてたよ?」
「あぁ、すまない
ハルカちゃん来たぁー!!!
ですよね!
やっぱハルカちゃんだよね!
俺達と同年代で、めっちゃ可愛いな!
……いやいや、浮気じゃないよ?
あれだよ、憧れのアイドル的なあれだよ?
めっちゃ印象に残ってる女主人公なだけだから。
「あっ!? このポケモン初めて見る! 可愛い!」
ハルカちゃんはそう言ってキラキラした目でメレシーを観察するが、そんな君が可愛いぞ!
……誤解がない様に明言しよう。
RSE世代ならハルカファンは多い筈だ。
そうだろ?
俺だってそうなだけだ。
嫁がツツジでファンがハルカちゃんだ。
何も問題ない筈だ。
第一俺は、ユウキ(仮)×ハルカ押しだからな!
仮に彼等のイチャイチャを見せつけられた所で、末永く爆発して欲しいと思うだけだ!
「こら、ハルカ! そのメレシーはツツジさんのポケモンなんだ。 勝手にジロジロ見るものじゃないよ。」
オダマキ博士がそうハルカちゃんを窘めるが、別に良いんじゃないかな?
メレシーだって多少見られるなんて、慣れたもんでしょ。
「あ、いえ、私は別に構いませんわよ?」
「へぇ~! 貴女がこの子のトレーナーさん?……羨ましいなぁ。 もっと見ても良いかな?」
「はい。 メレシーが嫌がらなければ、存分に愛でて下さって構いませんわ。」
オダマキ博士が少し申し訳なさそうにしながら、ツツジにお礼を言うが、ハルカちゃんはそんなのを無視してメレシーを愛でる。
……良い光景だ……尊い。
そしてメレシーを好きなだけ愛でたハルカちゃんが、オダマキ博士に可愛いおねだりをする。
「お父さん、やっぱり私も自分のポケモンが欲しいよ!……だめ?」
「……ハルカ。……駄目じゃないが___」
「お願い! 彼女だって私とそう年齢は変わらないのに、自分のポケモンを持ってるじゃない!」
オダマキ博士はハルカちゃんの攻勢に困っている。
あげてやれば良いじゃないか!
アチャモか? アチャモだろ? アチャモを渡せよ!
おら、あくしろよ、もっと加速しろ!
加速するアチャモを渡すんだ!
「ハルカさん……でしたわね? 私は___私とここにいるソースケは、キチンとトレーナー資格を得てポケモンを所持していますわ。……貴女は資格を持っていますの?」
ばっか、正論やめろぉ!
未来のチャンピオン候補にそんなん心配いらねぇよ!
「……まだ持ってない。」
「でしたら、先ずは資格を得る勉強をするべきですわ。 大丈夫です。 私達でも受かりましたし、ハルカさんだってすぐ受かりますわ!」
「……そうかな?」
えぇ!と、ツツジは笑顔でハルカちゃんを応援し、一先ずは騒ぎが収まる。
オダマキ博士の露骨な安堵が印象的だ。
「私、今年で10才だから試験を受けるのは初めてなんだけど、……試験ってやっぱり難しい?」
なんて、ちょっとした不安を感じながらハルカちゃんはツツジに試験の事について質問する。
……成る程、ハルカちゃんは俺達の1つ下か。
……………。
…………。
………。
……。
…。
じゃあ来年から原作スタートなのかなーとか、そろそろ悪の組織が活発化するのかなーとか、置いといて___
俺は改めてツツジとハルカちゃんを遠巻きに眺める。
……なんて、残酷な現実なんだ。
ハルカちゃんは俺達の1つ下の年齢だが、ほんのりと、だが確かに、明確に、膨らみが存在する。
だがツツジは、ツツジには、……岩タイプのスペシャリストらしくストーンとした現実がある。
も、問題ないさ!
俺達はこれから大人になるんだ!
まだ希望はあるさ!
俺は流れそうになる涙を堪えて、熱くなる目頭を押さえてツツジを応援するのだった。