~鬼滅の刃~転生鬼断譚   作:天龍寺

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第5話 「狂乱怒濤」

 

作戦のおさらい!!

 

鬼が外に出てこれる夜に、暴風を吐き出す鬼がいる洞窟から、実弥の稀血で鬼を外におびき出す。

 

鬼が出てきたら、実弥が団扇で風を起こし、鬼の風と相殺。

 

最後に、実弥の風を追い風にして、俺が斬る!!

 

その俺こと、天龍寺 旅龍です。

 

まいど~!

 

と、言うことで、鬼の風を相殺する為に、必要な物が必要です、うん。

 

その必要な物は!

 

巨大団扇!

 

それもかなり頑丈な!

 

ほんまは巨大扇風機とか欲しいけど、残念ながら、今明治なのよね…。

 

なら今あるもんで対抗するっきゃない。

 

そんで、風を起こすモーターエンジンは存在する。

 

それが将来風柱となる不死川 実弥である!!

 

実弥のアクロバティックな動きと超高速の剣速があるからできることや。

 

ただ、モーターエンジンがあってもプロペラが無いと風はおきん。

 

なら作るしかないわなぁ…。

 

次期風柱の羽を!

 

屋敷の旦那ァ、なんかええ材料ない?

 

え?ある?

 

こんなこともあろうかと、空気を通さない頑丈な布と、いくら曲げても折れねぇ頑丈な竹がある?

 

あと旦那の趣味の日曜大工道具もある?

 

え、神?

 

なら作るか~。

 

普通団扇は、ひとつの竹の先端を割いて外枠に取り付け、紙を貼る。

 

やけど、それやと小さい団扇しか作れん。

 

やけど、そのままデカくすると、横に広がり過ぎて、高機動の実弥に邪魔になりそうや。

 

ある程度は幅を抑えて、長さを伸ばすか……。

 

長くなるから、骨は細すぎると弱そう。

 

枠と骨はしっかり目にし、急な軌道にも耐えられるようにする。

 

まぁ重量は刀よりは軽くなるやろうから気にせんとこう。

 

枠を四角くするには、熱を与える事で曲げれる。

家具屋でもやってる技術やな。

 

「器用だな。」

 

「ん?あぁ、昔、色々やってた記憶があってな。こういう工作は得意な方や。」

 

珍し!実弥がボソッと褒めてくれたぜ。

 

実弥も男の子やから、こういうものづくりは本当は好きなんかもな。

 

大丈夫、強要はせん。

 

さて、団扇の紙は、代わりに布を縫い付ける。

 

骨一本一本しっかりな。

 

よし!出来た!

 

これが総持ちって状態や。

 

これで、全体の強度を上げる。

 

そんで最後にこれを書いて……。

 

よし!

 

というわけで出来ました。

 

幅50cm、長さ1mの長方形型巨大団扇2枚が!!

 

なんか知らんけど、竹刀並に頑丈になったぜ!

 

ちなみに、ひとつには悪鬼、もうひとつには滅殺と書いてます。

 

はい実弥くん、どーぞ。

 

「…………。」

(プルプル)

 

「おっ?喜んでる?」

 

「ん、な、わ、け、あるかぁああああああああぁぁぁ!!!!」

 

おおう喜んどる喜んどる。

 

作ったかいがあったもんや!

 

せっかくやから、この扇子には、

 

日輪扇と名付けよう!

 

太陽の御加護を!

 

「まぁまぁ、とりま振ってみてくれ、戦闘中めげたら大問題やから。」

 

「けっ、大丈夫なんだろな。」

 

ぶぅん!

 

ぶわぁ!!

 

「おお!ええ感じやないか!強度も大丈夫そうやな、邪魔になりそうか?」

 

「くっそ!意外と悪くねぇのがムカつくぜ!確かに幅はひれーが、技には問題なさそうや……。」

 

「ならよし!ほんなら他のもんも用意するかぁ。」

 

という事で、他にも用意するもんがある。

 

俺と実弥の履物に簡易やけど、釘を足の裏につけた簡易スパイクシューズを作り、取り付ける。

 

この辺は日本でも、まだあったけぇ場所やから、雪用のスパイク無かったんよね。

 

あっても、風が強い場所にある民家にあるそうやから、危ねぇからやめた。

 

住人は寺に避難しとるし、俺らだけで入るんは流石にな。

 

まぁ、これでちょっとは踏ん張れるやろ。

 

あと、鬼は槍を投げてきた。

 

槍自体は簡単に作られたもんやったから、槍使いって訳ではないかもしれんが、警戒しとこう。

 

もしかしたら、洞窟に置いてあったやつかもな。

 

「くっ、デカブツ、案外悪くはねぇが、本気でこれを使わないと行けねぇのか?他に方法はないのか?」

 

「すまんな、今あるもんで必死に考えたんや、俺の頭やったらこれが限界っすわ。なんか他に案があるんやったら聞くけど?」

 

「チッ!んなもんはねぇ…。しゃーねぇなぁ。やってやるよ…。」

 

「すまんな。」

 

「謝んじゃねぇ!!」

 

まぁ、ほなら行くか。

 

リベンジや!

 

出る時、屋敷の旦那が切り火をしてくれた。

 

大丈夫、必ず2人、生きて帰ってきますよ。

 

ここで死ぬ訳にはいかんしな。

 

風がさっきより強くとる。

 

急ごう。

 

 

~洞窟前~

 

くっ!やっぱキチィ!

 

やけど、スパイクのお陰でマシや!

 

あの洞窟の奥に、件の子供がおるらしい。

 

無事だとええがな……。

 

気になっとんのは、実弥の血の匂いを嗅ぎとって、予備が増えたから、子供を食うか、とならなければええんやけど……。

 

他に方法はねぇ。

 

覚悟を決めよう!

 

「実弥!」

 

「分かってる!」

 

ピシ!

 

実弥が左手の親指を噛みきった。

 

よくやるぜ。

 

まぁ慣れてんのかね?

 

風に流されながらも、その血が地面に着く。

 

もう一個懸念点がある。

 

実弥の血によって、鬼が強化さてまう可能性。

 

まぁやけど、見た感じ、出血した血はホンマに少量や、その少量の血を鬼が取り込んだにせよ、チョイ酔う程度やろ。

 

それと、俺が実弥に手を出させん。

 

さて、来てくれるか?

 

洞窟の中から、音が聞こえる。

 

これは釣れたぜ!

 

鬼がゆっくり洞窟から出てくる。

 

その鬼は一見、背の小さい中年のように見える。

 

だが、その鬼の爪は鋭く、簡易な槍を持っている。

 

腹は出ているが、手足はガリガリ。

 

こりゃまるで、ゴブリンやな。

 

餓鬼とも言うか。

 

やけど、見た目によらず、鬼の格は高そうや。

 

雰囲気から、上鬼ではありそうや。

 

まぁ、直接戦闘力は期待しとらんけど、血鬼術が厄介この上ねぇぜ。

 

鬼が完全に洞窟から出てきた時、風の勢いが弱まる!

 

「なんだぁ?まれちのにおいがするぞぉ、まだはらがへらないから、どうくつのおくはひじょうしょくにして、いいにおいのやつからくうか……すこし、はらへってきたきがするな…。」

 

どうやら、友好的かもと言うのは、杞憂やったようや、人を食料としか見てねーなこれは。

 

なら迷いはねぇ!

 

「実弥!」

 

「分かってる!差図するな!」

 

俺と実弥が動き出す。

 

「弐ノ型 爪々・科戸風!!」

 

俺の後ろから、突然突風が吹き出す!

 

さすが実弥!団扇の扱い完璧やねーか!

 

「お、おにがりのれんちゅう!でもうまそうなにおいがする!くう!」

 

鬼もこちらに向かってくる!

 

流石に至近距離は風がつえぇ!

 

「実弥!まだ!」

 

「だから分かっている!!参ノ型 晴嵐風樹!!」

 

実弥が鬼の風の流れを変え、一瞬だけ接近する道が出来た!

 

「くっキツイ!だが!天の呼吸!伍の型!神度剣!!」

 

説明しよう!

 

天の呼吸、伍の型、神度剣(かむどののつるぎ)とは!!

 

一度大太刀を縦に振り、わざと地面に食い込ませて、大太刀を支点にそのまま空中前転!

 

着地した瞬間に、大太刀をデコピンの要領で引き抜き、強力な一撃を与える技である!!

 

「じゃぁ!オラァ!!」

 

斬!

 

「ぎゃぁぁ!!なんだぉえは!なんでちかづけるんだ!?」

 

くっ、縦切りやったから、首は落とせず!

 

飛ばされんように技を出したのが、少し狂ったか!?

 

やけど、槍を持っていた右半身はきり飛ばした!

 

「何やってんだ!ちゃんと首を狙え!こちとら遊びでやってんじゃねぇんだぞ!!漆ノ型 勁風・天狗風」

 

鬼の半身をきり飛ばした事で、鬼が地面に倒れる!

 

「おれ……は……ただはらがへって……。」

 

その隙に実弥が飛び上がり、上から風圧をかける!

 

「すまねぇな!次で、決める!来世で償え!天の呼吸、壱の型!天叢雲!」

 

「くそ!おれが!おれは!12きづきに…」

 

斬!!

 

首が飛ぶ。

 

 

~翌日~

 

俺と実弥は、事後処理としてやってきた隠と共に倒壊した建物を片付けていた。

 

「ふぅー。寒い中身体を動かすと暖かくなるからええなぁ、実弥!」

 

「なんで俺まで手伝わなきゃ行けねぇんだ、ちくしょう。」

 

そんな事いいながらでもちゃんとやるのがこいつのいい所?なんかなぁ?

 

あの後、鬼を倒してすぐ、風は止んだわ。

 

洞窟の奥には部屋があって、村の食料庫になっとったんやけど、そこに稀血の男の子が怯えながら居た。

 

倉庫の食料は鬼が試しに食った後がある。

 

すぐに戻しとるみたいやったがな。

 

とりま、五体満足やって良かった。

 

助けた時は泣きながら、抱きついてきたな。

 

その後すぐ実弥が洞窟に入ってきたら、

 

また鬼が出たー!

 

って男の子が叫んで、実弥がキレれてた。

 

実弥、顔怖ぇからなぁ。

 

まぁすぐ誤解を解いたけど、精神的な衰弱が著しかったから、隊家医院でカウンセリングを受けていく事になるそうや。

 

風が止んでも、建物は直らん。

 

洞窟から近かった建物は特に酷い。

 

そんで、村からの要請もあって、昼頃に行政が来るまで、復興の手伝いを実弥としとる次第です。

 

「にしても、さすがは実弥やな、あの鬼に風で勝つとは。」

 

「うるせぇ。当然だ。鬼には負けん。」

 

素直に受けとりゃええのに。

 

「お前も、なかなかやるようだった…。俺一人でも出来たからな!勘違いすんな!?」

 

「へいへい、ありがとさん。あぁ、お前一人でも何とかなったやろうさ。」

 

被害は増えてたかもやけどな。

 

さて、そろそろ時間や。

 

「実弥、俺はそろそろ行かなあかん場所があるから、これでおいとましやす。片付け頑張ってな!」

 

「お前ぬけがけか!?チッ、俺は鬼を斬っている方が性に合ってんだ!早く次の任務をよこせ!」

 

「そんな事俺に言われてもなぁ…。まぁ、御館様には催促してたって鎹鴉に言付けしとくわ。次会う時はお互い柱かもな!」

 

「へっ、礼は言わねぇぜ。柱か……かもな。またな。リュウ。」

 

やっと名前で呼んでくれたぜ。

 

次会うときは、実弥が風柱になった跡かな?

 

楽しみや!

 

手合わせもしてみてぇしなぁ。

 

「あ、そうそう実弥、家族は大事にな。居ねぇやつも、鬼殺隊には沢山いんだ。ちゃんと話し合えよ。あばよとっつぁん!!」

 

「…余計な世話だ………俺に家族はいねぇ…。って誰がとっつぁんだ!!くだらねぇこと言ってねぇで、さっさと行きやがれ!」

 

ハハハ!

 

実弥には突っ込みの才能があるぜ!

 

さて、目的地はまだ遠い。

 

次は何が起こるかな?

 

 

明治こそこそ話!

 

今回の鬼、風鬼は元々窃盗癖があり、村八分にされて追い出された哀れな人間だったそうな。

 

そんな時、無惨に出会って鬼になり、血鬼術に優れた鬼になれたは良いものの、その血鬼術は制御出来ず、山をさまよっていたそうな。

 

時々不運な人間を幸運にも捕まえて食し、能力は強化されらるも、途中で人を食えなくなり、今回の事件になったそうな。

 

哀れだね。

 

 

次回6話

 

千岩競秀

 

多くの奇岩や険しい峰々が、互いにその美しさを競い合うようにそびえ立つ。

その中でも飛び抜けた、純粋な岩と再び…。

 

 




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