例えばこんな長谷川千雨の生きる道   作:紅シズク

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麻帆良祭準備編
36 麻帆良祭準備編 第1話 超包子にて


そして6月…学園祭の準備期間間際となり…私は超と二人で密会をしていた。

「じゃあ、確認だが、私は超が買収・統合した格闘技大会の司会、朝倉が落ちたら選手としての出場…それに人手が足りない時の超包子への応援だけでいいんだな?」

「ああ…基本的にはそれでいい、何か緊急で手伝ってもらう必要があれば連絡するヨ…大会の方は…まあ、朝倉は多分落ちるし、何も知らない体で好きにしてくれればいいネ、賞金を狙ってもらっても、遊んでもらっても…まあ、ルール上、千雨さんはあまり有利ではないガ」

「…あの舞台、狭いからなぁ…」

「それと…計画の第一弾が成功すれば私達に合流してくれるという約束は、変わらないという事で良いカナ?」

「ああ…と言うか、悪いな…この期に及んで魔法使い側へ義理立てして…」

一応、現時点で完全に魔法使い側を裏切るのはさすがに矜持が許さんのである…私がリークした諸々、目的を理解しつつ行った助力の数々を挙げて十分裏切っているだろと突っ込まれればそれまでであるが。

「ふふ…仕方がないネ、魔法使い側に対して身を寄せた以上は守りたい矜持だというならば…楽しみにしている、貴女と共に行く道を」

「ああ、ただ私欲で協力している私が欲しいと言うのであれば喜んで」

「…私欲か?魔法の科学的研究の為に広くその存在を知られて欲しいと願うのは」

超が笑う。

「私欲さ、どう取り繕おうが、私自身が一番よく知っている…いろんなものを踏みにじってでも、自分の望む世界を作りたいと願う悪党だ…ってな」

「あはは…それ、私にもばっちり刺さるんだがネ?」

「最初から自覚しているだろう?じゃなきゃ私は…たぶん聡美も…お前についていきやしてねぇよ」

「アハハハハハ」

「クッハハハハ」

私達は、こらえきれなくなって笑いだした。

「まあ、これ位にしとこうか、明日も早いし…もう部屋に戻るよ」

「そうした方が良いネ、数日したら屋台も始めなければ、だからネ」

そうして、私は超との密会場所を辞した。

 

 

 

「五月、食材の在庫確認、終わったぞ」

「電車の設備の最終チェックも完了しましたー」

「机と椅子の配置も完了アル」

「看板や旗の展開も終了しました」

「ありがとうございます、こっちの仕込みも終わりました…明日から、いよいよマホラ祭準備期間ですね」

「ああ、今年も皆の協力で無事に用意が整った、感謝するネ」

私達は明日から始まる屋台営業の準備をしていた。

日常的に開いている店舗はお料理研究会のメンバーを中心に回してくれているし、休日や平日夕方の営業もヘルプに入ってくれるのではあるが、平日の朝営業は私達の仕事である。

「では、今年も皆さんに美味しい点心を届けるために、がんばりましょう!」

「「「「「おー」」」」」

五月の掛け声に答えて声を上げ…その日は解散となった…準備終わったし。

 

 

 

「はい、3番テーブル、7番テーブルあがったぞ、こっちが3番、こっちが7番」

「了解しました」

翌朝、私は調理員として働いていた。

「千雨、4番テーブル、蝦餃子4個、焼売4個、小籠包8個追加アル」

蒸し器から注文の物を取り、積み上げて返す。

「了解、4番テーブル、あがったぞ」

「サンキューアル」

「聡美、小籠包の追加頼む」

「はいはいー了解しましたー」

そんな感じで忙しく働いて登校に間に合うように店じまいをして登校するのであった。

 

 

 

「私が賛成したのはメイドカフェであって、コスプレキャバクラじゃねぇ…」

「そーですねー…ネギ先生が遊ばれているのを見ている分には面白いですけれども出し物としてはちょっと…」

「ウム…しかし、クーはノリノリで会計役やっているネ」

委員長の財力で設備を含めて準備の過半が終わり、かつそこそこ稼げるであろう英国風メイドカフェを私達3-Aは計画していたのであるが…。

こう、何時もの悪乗り癖が発揮されて、ネギ相手にキャバクラ営業を始め、さらにメイド以外のコスプレも追加された…メイドカフェどこ行った。

なお、私達はなぜか超包子の仕事着姿である、まあ言われて着替えた私達も私達か。

あきれながら様子を見ていると、さらに如何わしい格好…刹那に至ってはスクール水着に猫耳に尻尾である。

流石にやりすぎたかとハルナが薄味でよいという主張を始めた…いや、それはいいが、正統派メイドに戻ろうぜ?そこは。

「はぁ…ってやべっ」

「お前ら朝っぱらから何をやっとるかーッ」

そんな混沌の最中、一時限目の担当である新田先生が現れ、当然お説教タイムに突入し、罰としてメイドカフェの禁止を言いつけられたのであった。

 

夕方のHRでも代わりの出し物は決まらず、翌日に持ち越しとなった。

…準備に手を抜けて集客にも優れる良い案だとおもってメイドカフェに賛成したのに…そうなると何するかね?

 

 

 

「お、いらっしゃい、ネギ先生、刹那、アスナ、このか、そこのテーブルで頼む」

翌朝、ホールのヘルプに出ているとネギ達がやってきた。

「6番テーブル、ご新規さん4名、ネギたちだ」

「お、ネギ坊主もきてくれたか、それはうれしいネ」

「あの、超さん、少しホールに出てきます…ネギ先生、最近元気がないようなのでスープをサービスしようかと」

五月がスタミナスープを一人前、用意しながらそう言った。

「お、それは良い考えネ」

「ん、わかった。私は厨房に戻るからゆっくり話して来るといい」

「ありがとうございます、超さん、千雨さん…じゃあ、行ってきます」

私は五月を見送り、私は厨房に戻った。

 

 

 

その朝、メイドカフェに代わる出し物を討議しようとしていたのだが、椎名の【ドキッ!女だらけの水着大会カフェ】なる提案からまたもやクラスは暴走を始めた…。

いや、ただの水着カフェなら(新田先生の審査を通るなら)やりたいかは別としてアリとは思うが、何だそれは…厨房と客席の間にプールでも作ってカフェするのか?

それから、悪乗りが始まって【女だらけの泥んこレスリング大会カフェ】だとか【ネコミミラゾクバー】だとか…。

具体的にどういうものを想定しているかは不明にせよ、名前からしてやばそうな物ばかり…。

「いや、お前ら、昨日の件で新田に目をつけられているんだからもっと穏当なもんにしないと…」

と、言う私の突っ込みにかぶさるように、那波から止めの一撃が入った。

「もう、素直に【ノーパン喫茶】でいいんじゃないかしら」

そこからはもうどうしようもなく、わけがわからずに思考停止していたらしいネギが暴走を始めたクラスを制止しようとしたが…。

それができるわけもなく…なぜか、ネギが脱がされる流れになった。

「今日も正座、お説教コースだなぁ…」

「ですねー」

私と聡美は諦めモードで新田先生が怒鳴り込んでくるまで、傍から観戦するのであった。

 

夕方のHR、改めて出し物を相談した所、案として大正カフェ、演劇、お化け屋敷、占いの館、中華飯店、水着相撲、ネコミミラゾクバーが挙げられ…多数決の結果、前者5つが6票ずつで拮抗となり…またもや決定は延期となった。ちなみに、私は大正風の衣装(メイド服含む)による喫茶店に手を挙げた。

 

 

 

「あれ、茶々丸、どうかしたのか?」

その日の夕方、別荘を自主練で使用し、外に出ると茶々丸が出待ちをしていた。

「はい、マスターは超包子で飲むとおっしゃられて、先に出立されました。私は千雨さんを連れて後から合流するように、との事です」

「あー夕食か…まあ中座を許してもらえれば、そうだな、たまには賄いや試食じゃなくて純粋に客として五月の料理を食べるのもいいな」

「ではまいりましょう、お母様」

「…気に入っているんだな、その呼び名」

「はい、とても」

そういって茶々丸はぺこりとお辞儀をした。

 

「あら、千雨ちゃん、今日はお客さん?」

「はい、同級生に夕食に誘われまして…」

エヴァと合流した後、注文に呼んだお料理研究会からの助っ人(バイト)の大学部の人に問われて答えた。

「そっか、千雨ちゃん、うちの首脳陣以外に一緒に数人で食事するような友達いたんだ…お姉さん、なんか安心しちゃった」

その人は注文を取るとそう言って去って行った。

「千雨…お前、友達いないと思われていたのか…」

エヴァが憐れむような眼で私を見る。

「少ない、な。お料理研究会とかロボ研だと割と人間関係の距離を遠目にとっているからな」

「その方がらしい気はするがな、お前にとっては」

「…否定はしねぇよ、うちのクラスだってグイグイ距離を縮めてくる連中ぞろいで…まあ聡美が一緒だったからこそ、だろうしな、そこそこ馴染めているの」

「千雨さん、お料理とお飲み物をお持ちしました」

「茶々丸、ありがとうな」

「いえ…マスターも何かご注文されますか?」

「うむ、では飲み物のお代りと…適当に蒸籠2、3枚ほど見繕ってくれ」

「了解いたしました、では」

 

茶々丸が去って行ってすぐ、ネギの叫び声が聞こえてきた。

「違うんです~~僕、強くなんてなってないんですーーっ」

「おや、珍しいな、ネギがあんなにわかりやすく弱音吐くなんて」

「ん?なんか甘酒飲んだらしいぞ?」

「…うちの甘酒、酒粕溶いて甘みをつけた品だからなぁ…酔っているのか」

「だな」

「僕っ…ただ逃げていただけなんですっ……うぇっ…僕は…僕はダメ先生で…ダメ魔法使いですぅ~~~~っ」

 

ぶふっ

 

飲んでいた烏龍茶を思わず吹く。

「さすがにそれはまず…いが高畑先生が付いているなら大丈夫か」

「うむ、タカミチに任せておけ…しかし、ぼーやがそんな事で悩んでいたとはな」

「ああ…まじめなネギらしいっちゃらしいか…」

「だが、どんな過程で手に入れたのであれ、力は力だ…残酷なまでにな」

「私とか力不足への不安感からの逃避が一番修練捗るしな」

自虐しながら点心を口にする。

「クック…貴様は怖がりだからな…」

エヴァも茶々丸の持ってきた飲み物を受け取りながらそう答えた。

 

「さて、私はそろそろ中座させてもらうぞ、エヴァ…茶々丸、私の分の会計頼む」

「はい、千雨さん」

と、茶々丸に飲食代を支払って席を立つ。

「おやすみ、エヴァ」

「ああ…お休み、千雨」

「おやすみなさい、千雨さん」

そうして、私は部屋に戻り、風呂に入って床に…はつかずに長々とPCにダイブしていた。

…いや、最悪返ってこられない場合もあるので、キリの良い所まで進めておきたい研究とかいろいろあるんだよ…あと、接収される可能性を考慮して外には漏らせないデータを消す用意とか色々と。

 

 

 

翌朝、ネギ先生は話し合いと準備をするという事で休日登校となった場で選考と抽選の結果として、お化け屋敷をクラスの出し物とする事を宣言した。それに対してクラスの反応は…おおむね好意的ではあったが、またネギが脱がされる展開になりそうになり…まあ何とか防げた事しておこう、若干危なかったが。

その日は、具体的なアイデア出しとその整理、大まかな仮の役割分担をして夕方には解散という事になった。なお、私は衣装班とメカ班に兼任で割り振られた。

 

 

 




今回はダイジェスト風になってしまった感が…まあ、色々と交錯しながら進んでいるので、元々…

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