好きな子の為ならば、俺はもしかしたら勇者を超えられるかもしれない。   作:うちのこ

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というわけで新たな物語の幕開けです。
不定期に更新することになりますが、よろしくお願いいたします。


第1部
赤毛の少年、モヤモヤする


七色の神が見守るこの世界で赤の神(アフマル)を主神と崇める国の一つ『ラーバンド国』

そのラーバンド国の王都アオスブリクと港町クヴァレの間に位置する冒険者の集う街

それがラティナたちの住む『クロイツ』だ。

 

クロイツの中央には大きな広場がある。

その広場の公園でラティナはいつものように東区に住む友達と遊んでいた。

 

そんな時──

 

「ルディ!またラティナを!」

 

「うわっ!?」

 

クロエの飛び蹴りがルディに炸裂する。

どうやらルディがまたラティナを少し苛めていたようだ。

 

「はぁ……まただね…」

 

「うん…」

 

(巻き込まれなくてよかった……)

 

マルセルとアントニーがクロエの制裁に巻き込まれなくてよかったと安堵する一方

ラティナはその勢いについて来れず、ぽかんとしている。

 

「はあっはあっ……だから違う!」

 

「嘘つかない!じゃあどうしてラティナが声をあげたのよ!」

 

「それは……ちょっとからかったらあんまりにも声がよ…」

 

「結局違わないじゃない!」

 

更にクロエから追い打ちを喰らうルディ

 

「ってえ……」

 

そのやられようは思わず被害者であるはずのラティナがルディに駆け寄り、回復魔法を掛けるほどである。

 

「全くルディは…」

 

「ルディはラティナ相手だといつもあんな感じだよね…」

 

「うん、最近は見慣れたけど……やっぱりルディって…」

 

「………」

 

他の3人が何やら話し込んでいるうちにラティナの詠唱は終わり、ルディは回復したが、しばらく黙ったままである。

 

「どうしたのルディ?まだいたいの?」

 

「いや、なんでもねえよ……」

 

「?」

 

その様子にラティナは頭の上にはてなを浮かべ、首を傾げる。

ルディはいつも以上に素っ気ない対応であった。

 

「………はぁっ」

 

――――――――

 

「はぁ……」

 

ルディは他の4人と別れ、家へ帰ると

すぐさま自分の部屋へ直行し、荷物を乱雑に放り投げ、ベッドに身を投げた。

 

(なんだよ…これ……)

 

ラティナと出会い、学舎で学び始めてからもう数ヶ月以上経つ。

あれから事件など少しはあったが、変わらず学舎でみんな一緒に勉学に励んでいる。

 

そしてある時から、彼の中では段々と何かが膨らんでいた。

もちろん体調自体は万全であり、悪いところはない。

だが、それでも彼の中にはモヤモヤのような、何かひっかかるものを覚えていたのだ。

 

そのモヤモヤはラティナを見ると更に大きくなり、何故かイジワルをしたくなってしまう。

その結果クロエにボコられるというわけだが、そのイジワルをしたところでモヤモヤは消えず、むしろ増えている気がするというスパイラルに陥ってしまったのである。

 

ルディはこれの対処法を見いだせず、一人で抱えて悩んでしまっていた。

 

(どうすればいいんだ……これ……やっぱなんかの病気なのかよ……?)

 

そして今回はさらにそのモヤモヤが悪化したらしく

ルディの脳裏にはラティナが浮かんでおり、何度目をつぶっても決して消えないのである。

 

(くっ……なんでラティナのことを考えてるんだよ俺……!)

 

そしていつもは気にならないラティナの仕草などを思い出してしまい、どこか顔も赤くなってきている。

 

(なんで……一体どうすればいいんだよっ……!)

 

「おーい!ルドルフ!」

 

「うわっ!?」

 

急に父親の呼び声か聞こえ、消沈していたルディはベッドから跳ね上がるように驚く。

 

「ど、どうしたんだよ親父!」

 

「暇なら少し手伝え、納品までの時間がねえんだ」

 

「お、おう!今行く!」

 

(……なんかしてれば忘れるだろ…多分)

 

とりあえずこのモヤモヤを誤魔化すために普段は嫌がる鍛冶の手伝いをしようと

鍛冶場の方に行くルディであった。

 

――――――――

 

「………」

 

そしてその日の夜、再びルディはベッドに身を放り投げる。

ぱふ、っとベッドが反動した後も、ルディはそのまま静かに横たわっている。

 

先程の手伝いである程度モヤモヤは小さく出来たが、綺麗に消せるはずもなく依然残る。

親や兄弟達にも「いつもと変だぞ?」と心配されたが、適当にごまかし飯を取り、今に至る。

 

「……ラティナ」

 

無意識にその彼女のことを口にする。

それと同時にモヤモヤが急に大きくなる。

 

「って……寝よ」

 

そのモヤモヤからなんとか逃げようと、なんとか目をつぶる。

モヤモヤは依然あったものの、そもそもルディも疲れていたからか

そのまま寝に入っていった。

 

――――――――

 

「……はぁ…結局俺が……」

 

次の日、いつも通りに朝の支度を姉や兄に急かされながらも終えた後

ルディは鍛冶屋の父に言われ、店番をしていた。

なお父は奥でお客さんの刀などを作ったり磨いたりなど、いかにも忙しそうである。

 

「………」

 

なおモヤモヤは依然として残っており、ルディを悩ませる。

とりあえず抑えて誤魔化しているが、それもそれで気分があまり良くない。

 

「はぁっ……」

 

そしてため息をつき、顔を下に向ける。

 

(本とか読んだらこのモヤモヤについてわかるのか…?でもまともに本なんて読んだことねえし…)

 

少し対処法について考えるも、特に案は浮かばず

とりあえずは気を取り直して、顔を上げると

 

「……うわっ!?」

 

いつの間にか店の前に居た人物に思わず驚いた。

 

普通なら驚かないであろうが、その人物は──

 

モヤモヤの原因である彼女に近い人物であった。

 




とりあえずこんな感じで進んでいきます。


ホント、ラティナはかわいい(確信)
アニメ版とコミカライズ版を見てると更に思う。

まだまだ本人の本格登場は少し先ですが、なんとか可愛さを描写できるように頑張っていくぞ……!

ちなみにサブタイトルは基本原作リスペクトです。

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