好きな子の為ならば、俺はもしかしたら勇者を超えられるかもしれない。   作:うちのこ

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というわけで番外編です。
本執筆はT ogaさんが担当しています。



高等学生と西区の少女 (前)

あれは、僕が初等学舎に通い始めたばかりの頃──

 

あの先生は僕らが学舎に入学したその年に赴任してきた先生だった。

マルセルは彼女のことを「いつもキンキンしてる」と称しており、クロエも「苦手」だと口にした。

僕とルディももちろん警戒していたが、あの先生を一番怖がっていたのはラティナだったのだろう。

 

そして、あの日──『事件』は起こった。

 

「読み書きは人として生活していくうえで絶対に必要なのです。そのために……」

 

授業の途中、ついに先生はラティナの『角』に気付いたのだ。

 

「『魔人族』……」

 

低く呟いて、ラティナの髪を掴む先生。

リボンに隠れた彼女の『角』が露になると、先生は憎々しげに言葉を吐いた。

 

「何故、『ひと』の街に、忌々しいお前のような()()がいるのっ! 」

 

()()っ! って……」

 

「異形にして、百年以上も同じ姿で生き続ける『化け物』が、()()であるはずがないでしょう」

 

いかにも当然であるかのようにそう言い放った先生──否、()()()()()は自分の言葉が何一つ間違っていないと信じきった顔で、絶望し言葉を失ったラティナの髪を掴んだまま、まるで獲物を見せびらかすかのようにして前に突き出し、その状況に困惑していた僕らにこう告げた。

 

「人間族以外の亜人は人ではありません!このような異形の証を持ち命の在り方すら人と異なる化物です!皆さん騙されてはなりませんよ」

 

『人間族』は、比率において圧倒的に多数を占める種族であり、時には『閉鎖的な種族』以上に『閉鎖的』な者も少なくはないと聞いたことがある。

『人間族』こそ唯一の『ひと』であり、他種族を『亜人』と呼ぶ『人間族絶対主義』と呼ばれる考え方も、悲しいことに少数派とは言い切れないものがあるのだろう。

 

しかし、クロイツは違う。

 

旅人と流通で成り立つこの街では、どんな職業の者でも他種族との関わりが深い。

 

この街に住む者ならば幼い子供でも知っていて当然の

『人間族も他種族も同じ()()

という常識を否定する先生(このおんな)に僕らは嫌悪感を募らせていった。

 

「特に魔人族は魔王に連なる邪悪にして卑劣なる生き物!決して油断してはなりません!!このように素性を隠して人に紛れこんでいるのが何よりの証拠なのです!」

 

「きゃあっ!!」

 

そして、更に髪を強く掴まれ、顔色を真っ青にしたラティナが悲鳴を上げた時、ついにクロエがキレた。

 

キレたクロエは僕らの中で一番力強いルディですら圧倒する強さを見せる。

 

クロエは先生(そのおんな)に全力で石板を投げつけたのだ。当たりはしなかったが、壁に叩きつけられたそれは大きな音を立てて砕ける。

 

「何をするのです!」

 

クロエの行動に感化され、僕もルディやマルセルと目配せをして、『敵』を威圧するように無言で立ち上がった。

 

それを見て、先生(そのおんな)は目を吊り上げて、金切り声を上げる。

 

「やめなさい…神官に対して敬意をかくような行為をする者は即刻破門にしますよ!!」

 

『破門』──その言葉を聞いて、少し萎縮してしまった僕らだったが、そこに助け船を出してくれたのが……『彼女』だった。

 

「なら破門してください!」

 

「な、何を!破門になればあなただけでなく家の人も傷付くことになるのですよ!」

 

「よそは知らないけどうちのお父さんはきっとよくやったと言ってくれると思います!生徒を化物呼ばわりするような先生の話をすればね!

 

そう叫んで、石板を机に叩きつける彼女。

 

それを見たクラスメイトたちは皆、彼女を真似して石板を机にバンバンと叩きつけ続けた。もちろん僕らもそれに続く。

 

「やめなさい!やめなさい!…やめなさい!!」

 

そして、激しい物音を聞きつけた他の先生達によって、『先生という立場だったはずの女』は連れ出されていった。

 

 

 

今思えば、その日からだったのだろう。

 

 

僕──アントニーが、

 

『彼女』──シルビアに

 

恋 を し た のは……

 

 

――――――――――――――――

 

 

恋を自覚して以降も、彼女に好意を伝える事が出来ぬまま……僕は初等学舎を卒業し、高等学舎へと進んだ。

 

恋心を必死に隠していた僕とは違い、皆に相談し、悩み、そして自分の想いを伝えた親友(ルディ)が想い人であるラティナと両想いになれた事は純粋に自分の事のように嬉しかった。

 

その嬉しさはクロエやマルセル、そしてシルビアも同様だったはずだ。

 

 

──ただ、僕は嬉しいだけではなかった。

 

親友のその行動は自分との違いをはっきりと見せつけられているようで……

僕の心の中には徐々に親友に対する嫉妬と憧れが募っていった。

 

だから僕は……高等学舎に通い始めてから、ルディやラティナ、マルセルやクロエ──そして、自らが想いを寄せるシルビアとも、積極的に関わりを持とうとは決してしなかった。

 

彼ら幼馴染に会うのも赤の神の夜祭りなどのイベント事が開催された時のみである。

(たまにクロエやマルセルからは手紙で連絡が来るのだが、僕から手紙を出す事はなかった)

 

そして、今年も例年通り、赤の神の夜祭りが開催される事となった。

 

――――――――――――――――

 

 

赤の神の夜祭りの前日、高等学舎にて──

 

「明日の赤の神(アフマル)の夜祭り楽しみだねっ!」

 

「……ああいう人が多いところは俺、苦手なんだけどな」

 

「あっそう、それじゃ誰か他の人と行こっかなー」チラッ

 

「や…やっぱ楽しそうだなー!俺も行きたいかも!」

 

今日の高等学舎での話題は明日開催される赤の神の夜祭りの事で持ちきりだ。

 

教室の片隅で本を読んでいる僕の耳にもデートの予定を立てるカップルの声が届いてくる。

 

赤の神の夜祭りは年に一度開かれるこのクロイツ最大級のお祭りだ。

 

去年まではシルビアが緑の神(アクダル)の神官の仕事で忙しかったため来る事が出来ず、マルセルもパン屋の出店で忙しかった。そして、ラティナも保護者(デイル)同伴であったため皆で集まる事は難しかった。

ルディも保護者(デイル)のいる間はラティナと表だってイチャイチャする事が出来ず、やきもきしていたことだろう。

 

しかし、今年はシルビアから仕事が早めに終わりそうだと連絡があったらしい。

そして、ラティナもついに一人で夜祭りに行く事への許可が貰えたというのだ。

(クロエから嬉々として連絡が来た)

 

ラティナとルディ、クロエ、マルセルとはなんだかんだで一年に一回以上は会っていたが、

シルビアと──秘めた恋心を向ける彼女と出会うのは初等学舎卒業以来だ。

 

4年振りくらい……だろうか。

 

僕も久しぶりに彼女に会える事に対し、心が踊っていた。

 

「よお、アントニー。いつにも増して笑顔じゃないか?」

 

高等学舎の友人が僕に声を掛けてくる。

僕は平然を装って、彼に対し、こう口を開いた。

 

「別に、いつもと変わらないよ」

 

「そうか?なんか顔つきがいつもより柔らかい気がすんだけどなー」

 

「気のせいだって、でも明日の祭りの事で街中が浮き足だっているからそれに当てられたのかもしれないけどね」

 

「ははは、そうかもな。あー俺も彼女欲しー」

 

「僕はどっちでもいいかな」

 

「告白してきた子みんな振ってるくせに」

 

「まあ…ね」

 

彼の言う通り、高等学舎に通い始めてから、僕は女子に告白される事が多くなった。

 

高等学舎の友人は口を揃えて僕の事を「イケメン」だと言う。

自分では自覚はないのだが……

 

しかし、僕は誰からの好意にも答える事はなかった。

 

「もしかして、お前、あの『妖精姫』を狙ってたりするのか?幼馴染なんだろ?」

 

「違うよ。大体、彼女には彼氏がもう居るし」

 

「あー『赤き勇者』な」

 

『赤き勇者』──ルディは巷では、そう呼ばれているそうだ。冒険者として力もつけ、巷で噂の『妖精姫』を護る赤毛の勇者。ということらしい。

 

幼馴染の僕らからするとただの奥手な少年なのだが……

 

「あ、でも…その『妖精姫』を見てるから目が厳しいってのはあるかもよ」

 

「ははは、それじゃここに通ってるやつらじゃ勝ち目ないわけだ」

 

本当はその『妖精姫』の隣に居た少女をずっと目で追ってきた僕なのだが、それを他の誰にも言うつもりはない。

 

想っているだけでいい。

 

口にすれば、全てが崩れてしまう。

そんな気さえしていた。

 

 

――――――――――――――――

 

 

そして、赤の神の夜祭り当日

 

「アントニーくん、お父さんと良く似ていい顔立ちしてるわねー。将来結婚する女の子はさぞ幸せでしょうね」

 

「今、彼女とかいないの?私の娘で良かったら紹介しようか?」

 

「いえ、お気持ちだけ受け取っておきます」ニコッ

 

僕の父さんは領主館の下級役人の職に就いている。

 

今、僕がいるのはその父さんの勤める領主館の近くで僕を取り囲んでいるのは父さんの上司や同僚達。

特に父さんの同僚の女性達があれこれと質問をしてくるので、僕は愛想笑いを浮かべているという状況だ。

 

高等学舎を卒業した僕が父さんと同じ職につけるとは限らない。だが、父さんの上司や同僚達と顔見知りになっておく事で高等学舎卒業後の進路が有利になるかもしれない。

そう判断しての挨拶回りだった。

 

そんな時、久しぶりに耳にした声とともに軽く肩を叩かれ、僕は後ろを振り向いた。

 

「よっ!」

 

「アントニーっ、久しぶりっ!」

 

声の主を間違える筈もない。

 

──ルディとラティナだ。

 

二人の後ろにはクロエと……シルビアもいる。

 

おそらく、見知らぬ大人たちに囲まれて『声の掛け難い』状況であった僕に「声掛けてきなさいよ」とクロエかシルビアがルディに言ったのだろう。

 

そして、ラティナがいれば大分声も掛けやすくなるはずだ。

その理由は彼女の容姿にある。

 

ラティナ当人はいまだに自覚してないのだろうが、彼女の容姿は周囲を黙らせるほどに美しいものだ。

 

現に、自分の父親を初めとした、周囲の大人達はぽかんと呆けた顔になっていた。

 

「父さん、黄の神(アスファル)の初等学舎で一緒だった友達だよ」

 

「え……?あっ…」

 

父さんは一瞬、ラティナを見て呆けていたが、僕が声を掛けると、隣のルディと奥にいるクロエに気付いたようだ。

 

ルディとクロエ、マルセルとは家が近くにある上、初等学舎に通う前から遊んでいたため、父さんも良く知っている。

 

しかし、他の大人達はそうではないので、僕はルディとラティナには聞こえないように小さな声で大人達にこう教えた。

 

「『妖精姫』と『赤き勇者』ですよ」

 

彼らの二つ名を口にした途端、大人達はざわめき出す。

 

「なっ……『あれ』が、噂のっ……」

 

「実在していたのか……」

 

全く、僕の親友とその彼女は都市伝説か珍獣のような扱いでも受けているのだろうか……

 

――――――――――――――――

 

僕は父さんに改めて友人の紹介をする。

 

「改めて、紹介するよ。父さん。ルドルフとクロエは知ってるよね。それで、彼女はラティナ。緑の神(アクダル)の旗のあるお店で働きながら暮らしてる娘だよ」

 

「はじめまして、ラティナです。家名の無い地域の生まれなので、名前だけで失礼致します」

 

「それで、彼女はシルビア・ファル。憲兵隊のファル副隊長の娘さんだよ」

 

「はじめまして」

 

「よく来たね。今日の夜祭りはこの辺りで見ていくといいよ」

 

「「「「ありがとうございます」」」」

 

僕の父さんのおかげで、ルディ達は人混みに押され阻まれることのない、安全な場所を確保した。

 

しかし、夜祭りの本番にはまだまだ時間がある。

 

僕は久しぶりに会った友達たちとの会話に花を咲かせていた。

 

「ここに来る前にマルセルのところに寄ったんだ」

 

「マルセルはまたパン屋の出店?」

 

「うん、忙しそうにしてたよ。でも、マルセル。私たちにパンをサービスしてくれたの」

 

「あのパン出来立てでおいしかったわよね~シルビア」

 

「ええ、とっても」

 

「それで?ルディとラティナは食べさせあいでもしたの?」

 

僕がからかうようにそう言うと、ルディとラティナは顔を赤く染め、クロエはやれやれと表情を浮かべ、シルビアはクスクスと笑みを溢す。

 

どうやら当たりのようだ。

 

大方、マルセルの事だ。店の近くでラティナとルディにパンの食べさせあいをさせて、パン屋の宣伝にしようとしたんだろう。

 

あの『妖精姫』と『赤き勇者』が食べていたあのパンはどこのパンだ、って話題になることは頑なに想像出来る。

 

今頃、パン屋は大盛況だろう。

 

 

「……んなことはどうでもいいんだよ!!…で、マルセルに聞いたらアントニーが領主館の近くにいるだろうから尋ねてみろって言ってたんだ」

 

このパンの話をもっと掘り下げたいと思う僕だったが、クロエとシルビアに散々弄られたんだろう。

 

先ほどまでニコニコと笑いながら喋っていたラティナが急に静かになった。

ルディも顔を真っ赤にしながら慌てて話を変えようとするので、これ以上弄るのはよしておこう。

 

シルビアとクロエもこれ以上はやめてあげてとでも言いたげにルディの話に乗ってくる。

 

「アントニーのお父さんが領主館の人だなんて私初めて知った」

 

「私とルディ、マルセルは近所に住んでるから知ってたけど、ラティナとシルビアには言ってなかったわね。そういえば」

 

「うん。びっくりした」

 

ラティナのそのびっくりしたは本当に領主館についての事なのだろうか?

僕にパンの食べさせあいを当てられたことへの「びっくり」も混じってないかい?

 

「あと、びっくりって言えば、ルディの時も思ったけど、アントニーも大きくなったわよね。なんか見下ろされてるみたいで腹立つ」

 

シルビアのその言葉に僕は一瞬どう返そうか迷ったが……こう言うことにした。

 

 

「美少女を見下ろせて僕は気分がいいよ」

 

 

「うわ……」

 

クロエがそう言う反応を示すのは予想済みだ。

 

僕がどう返すか試したかったのは、シルビアだ。

 

そのシルビアが言った言葉はこうだった。

 

「でも、確かにラティナは美少女よね。昔から可愛かったけど、成長して綺麗になったわ。ねぇ、ルディ?」

 

「美少女?」

 

「……お前…」

 

ラティナは首を傾げ、ルディは再び顔を赤くする。

 

僕が言った「美少女」ってのはシルビアの事だったんだけどね……

 

まあ、それはいいや

 

僕の気持ちなど分かるはずもないシルビアが続けてこう言う。

 

「どこかは測定しないとわからない成長速度だったけど……」

 

「ねえ、シルビアっ!!」

 

ラティナが珍しく声を荒げる。

 

ルディは色んな意味で顔が真っ赤だった。耳まで真っ赤だ。

 

まあ、僕もその事に関しては思ってはいたけれど……それは男が触れていい内容じゃない。

 

僕は、可愛く怒るラティナとそれを見て笑みを溢すシルビアとやれやれとジェスチャーをしていたクロエをそっと見ていた。

 

 

――――――――――――――――

 

 

そして、懐かしの談笑を終え、僕とクロエ、シルビアはラティナとルディに二人っきりで祭りの出店を回ってくるよう促した。

 

昔もよくやった『お膳立て』だ。

 

 

そして、ルディとラティナが二人っきりで出掛けて少し経った頃──

 

「待ってるだけじゃつまんない!あの二人がどうしてるか見に行きましょうよ!」

 

クロエがそう言った。

 

しかし、僕とシルビアはその意見に肯定しなかった。

 

「出歯亀はよくないんじゃない?」

 

「せっかくの夜祭りなんだし、二人っきりにさせてあげたら?」

 

「ちょっ!……なんでよ?いつもはからかう側のくせに!」

 

「からかうのは二人の反応が面白いからよ」

 

「右に同じ。あと、見てるだけだったら焦れったくて仕方ないと思うよ」

 

「そう、それ」

 

シルビアとはやはり気が合う。

僕は話ながら、そう感じていた。

 

 

「でも待ってるだけはつまんない!!」

 

子供か、とも思ったが僕らはまだ14歳。

クロエの方が年相応で、僕とシルビアが大人びているのだろう。

 

僕は一つ提案をする。

 

「じゃあ、クロエとシルビアの二人でお店でも回ってこれば?」

 

いい案だと思ったのだが、シルビアはその案を否定した。

 

「えー、さっきラティナ達と一緒に回ったし、色々買ったじゃない。もうおなかいっぱいよ」

 

それに対して、クロエは──

 

「じゃあ、私一人でもっかい店見てくる!!」

 

と言って、立ち上がった。

 

「待って、クロエ。女の子一人で行くと危ないし、誰か……と、父さん!憲兵呼んで!」

 

僕は一人で走っていこうとする活発な幼馴染に手を焼かされた……。

 

 

――――――――――――――――

 

 

そこら辺にいた憲兵の人にクロエの護衛をお願いし、僕は再び領主館の人達が祭り見物のために確保した場所の一角に戻ってきた。

 

クロエの買い物には付き合いたくない。絶対こき使わされる……。

 

「お疲れ様、アントニー。さっきアントニーのお父さんがお茶持って来てくれたわよ。ほらそこ、置いてある」

 

「ありがとう、シルビア」

 

「クロエの思いつきに振り回されて、疲れるでしょ」

 

「あれは昔からだから……もう慣れたよ」

 

と、そこまで話してふと気付く。

 

(あれ…?今、シルビアと二人きり…?)

 

完全に偶然が重なった結果だが、僕は今、想いを寄せる彼女と二人きりであった。

 

「そういえば、こうしてちゃんと話すことって学舎の時もなかったわよね」

 

「……そうだね」

 

「ふふっ、なんか新鮮」

 

そう笑う彼女は、僕の目にはこの世界の誰よりも綺麗に写った。

そう、あの『妖精姫』よりも……

 

「でも、本当に綺麗になったよね」

 

「そうでしょ。今日のラティナのメイクはね、クロエと二人でしてあげたの!結構自信作なんだから」

 

「そうじゃなくて」

 

「ん?」

 

僕は気付いたら彼女にこう伝えていた。

 

 

 

 

 

「綺麗なのは…『君』だよ。シルビア」

 

 

 

 

「……えっ?」

 

 

「僕は貴女の事が……好きです」

 

 

「…………っ!?!?」

 

 

その時、この世界の時間が停止したかのような錯覚に陥った。

 

長い、長い静寂

 

あれほど賑やかだったはずの祭りの音はどこへやら……

 

この世界は急にモノクロに変わり、音はパタリと消え去る。

 

…………そんな風に感じた。

 

 

これが僕と彼女の本当のはじまり

 

 




この二人のCVは福原かつみさんと高野麻里佳さんですが
そういえば全く関係ありませんが、この原作のアニメの監督の前作品にもこの二人がメインにいましたね。
全く関係ありませんが、不思議ですね。
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