勘違いの仕込みを捏ねている途中です。
頑張れ自分!お前はいつだって勘違いを捏ねてきた!例え人生初の0評価がついたとしても!俺は絶対に、負けない!なぜなら俺は末っ子だから!!
ショボンヌ
「なんだァ、テメェ……、俺達に喧嘩売ってんのかぁ?」
こんにちは☆おっすオラ一門流!!今すごい柄の悪い兄ちゃん達に喧嘩を売っているぞ!
…………。
ど う し て こ う な っ た 。
――――
家に帰ったら『流家出からお帰りなさい祝賀会』が開かれ、俺の日輪刀を見た露葉ちゃん(上の妹)がぶっ倒れたり、何やかんやあった。お祖父様には家出をめちゃめちゃ怒られたりしたが……いやそもそも家出じゃないんだけど。あらゆる説明を求めてオトウサマの元へ向かったのである。
「なんか刀持ってたし、どうやら鬼殺隊士になったようだな」
オトウサマは家族に説明する努力はしたらしい。しかし、どうにも最近周りからナメられて信じて貰えなかったようだ。なにそれワロタ。
オトウサマから俺は家の厳しい現実を知らされた。
「半年前に道場破りが来てな。抵抗したんだが、破られた。それ以来、門下生が三人に減ってしまい、非常に苦労している。家計が傾き、娘たちも頑張って稼いでくれるが、どうにもな……」
「まじかよ」
思わず素が出てしまった。この父親無能じゃね、って思った。
一門は曲がりなりにも地主の家であり、道場だけで稼いでいるなんて事は決してない。実際、俺も小さい時にお祖父様からそういう説明を受けていた。
「土地はあげた。だって農民可哀想だったんだもん」
だったんだもん、じゃないんだけど。優しい理由なら何でも許されると思うなよ。妹たちはまだ十三なんだぞ、なに働かせてるんだ。というか三人残った門下生って俺、露葉ちゃん、攸花ちゃんの三人だろうが。
遠回しにクソ親父を非難すると、親父は一言「すまん」と言った。
「だから道場の再興をするために道場破りをした奴らを蹴散らして『一門古流剣術』を宣伝しつつ、看板を取り返して来てくれ」
看板取られたんかィ!!!!
――――
妹たちが働いている分、何もしないのも気が咎めた俺は、一門の家紋をデカデカと書いた羽織を着て、道場破りのすみかに突撃していた。こんなことして本当に大丈夫なのだろうか、隊服は着ていないが隊律違反じゃなかろうか。というか仮に看板を取り返せたとして、後からまた復讐されないかがとても心配。
ここらへんは昔から剣術が盛んな地域で、一門古流剣術道場以外もいくつか道場が有ったらしいのだが、全部潰されてしまったみたいだ。道場破り達の中には地元出身で、それらの道場の門下生だった人間も複数まざっているらしい。三十人程の集団だ。最近は破る道場もなくなり、夜中に酒を飲んで周りの人に無体を働くこともある、と。警察もんじゃないか。
教えてくれたお婆さんも孫がそいつらに混ざって悪さをしている事に悲しんで涙を流していた。
明らかにヤバめの集団に一人でカチコミは、正直言うと本当にやりたくない。相手は呼吸を使えないから強く無いんだろうけど、逆にこっちが背骨とか折って重傷を負わせて仕舞うかもしれない。木刀とはいえ、充分に凶器なり得る。
そもそも鬼を倒す為の技術を人に使っていいのか相談すると、
「呼吸ハ常人ノ力ヲ倍以上二ヒキアゲル。受身ノトレナイ人間二使エバ、木刀トイエドモ危険ダ。オススメハシナイ」
との事だ。使っても良いけど力加減は相当難しいとのこと。
「圧倒的ナ差ヲシメシテ、降伏サセルノガ最良。カァー!」
圧倒的な力って何をすれば良いんじゃい。
だがしかし。
「貴様らが、昨今巷を騒がせている輩か……!近所の方々への迷惑行為、許せん!!この瀬戸内海の風雲児、村雲宗治が叩き直してやろう!」
うだうだしながら移動すると、道場破り達の住みかの前で、鬼殺隊の隊服を着た女が仁王立ちで啖呵を切っていた。この子、隊律って知ってる?というか法律って知ってる?
昼日中に刀を抜くってどういうこと……。
よく見たら同期の子じゃん。本当に俺の同期やべえ奴ばっかだな!!
大正コソコソ噂話
お父さんは正義感が強いですが、ダメダメです。剣術の腕もなく、師範はお祖父さんになっています。
ちなみに一話で流に負けた叔父さんは、その後に露葉(上の妹)にも負け、心が折れました。
攸花(下の妹)はそんなダメダメお父さんを反面教師に、しっかり者に育ちました。