どうしたんですかラウラさん   作:樫木

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トッモ:
ラウラと弾のカップルだって?
バカ言ってんじゃあないよ、そんなものないよ。
そんなに言うんなら、書いてみろよ。
出来んのか?(慈悲)

ワシ:
出来らあっ!(宣戦布告)



Back In Black

2XXX.XX.XX

 

「1年半ぶりか」

 

空港から降り立ち、車で揺られること一時間。

もうすぐ収穫時期を迎える麦が一面に広がる中をぶち抜く小径をのろのろと進む車の窓を開け、胸いっぱいに空気を吸い込む。麦独特の香りを感じると、帰ってきたのだと改めた実感する。久しぶりに訪れた故郷の風は乾いていて、昨日まで居た日本の、べったりと纏わりつくような湿った空気とは大違いだ。

 

「黒兎隊のみんなは元気にしているだろうか」

 

唐突に日本に行くと宣言した私を、快く送り出してくれた彼女達は、月に一度は手紙をよこして、最近あったこととか、私の体調とか、色々と話題を提供してくれた。とても気のいい奴らなので、また顔を合わせることができてとても嬉しい。

手紙に書ききれなかった土産話がたくさんあるのだ。

 

「1週間前に手紙で元気だと言っていただろう、昨日のメールでもだが」

「そうなのですが、やっぱり国防組織ですし…欠員はそうそう出ないとはいえ、怪我が付き物ですから」

「私が1カ月も教導したのだし、大丈夫だ。お前も強くなったし、簡単にはやられたりなどはしないさ」

「ええ、そうですね」

 

今回の帰郷についてきてくれた織斑教官には、日本に居た1年半の間お世話になりっぱなしだった。もっと言えば、第二回モンドグロッソ後にドイツ軍の特任教官として1カ月訓練を受けた時からだ。

軍で落ちこぼれて自暴自棄になっていた私を、一流のIS搭乗者に育ててくれた恩は返しきれないほどだ。

軍という世界しか知らない、試験管ベイビーであった私を外に連れ出してくれたことも、本当にこの人でなければ成し遂げられなかったのだろうと思う。秘密裏の存在であるはずの私を他国に連れていかれるなんて、軍からしたらとんでもない博打だったはずだ。もしも存在が公になってしまったら、国の威信が問われてしまうのだから。国相手にケンカを売ってくれるような人が教官でいてくれて、私は幸運だ。

 

「この一年半、教官にはお世話になりました」

「なあに、ISについてだけだ。普通の生活についてなんて、むしろ私が世話になったしな」

「そんなことは無いです。ここから連れ出してもらえなかったら、私は狭い世界で生きていくしかなかったんですから。一年半どころか、一生分の生活を変えてもらったんです。本当にとんでもないことです。こんなこと、都合よくなんて起こらないんですから。お世話になったなんて言葉じゃ足りないです」

「…そうか、そこまで思ってくれていたのか」

「はい。すごく感謝しています」

「ははは。私なんて、ISに乗るのが上手いくらいしか取り柄がないんだがなあ、そこまで言われるとむず痒いぞ、ラウラ」

「教官…」

「なに、今日が今生の分かれではないのだし、そんなに焦って言葉を重ねなくていいさ。またゆっくり聞かせてくれ。私以外にも伝えるべき相手がいるだろう、お前の言葉を独り占めしてはもったいない」

「はい」

 

車は麦畑を抜けて、周りに何もない道を走り続ける。

30分もすると、目的地が見えてきた。

ドイツのIS特殊部隊、黒兎隊の本拠地だ。

受付で諸々の手続きをすませ、隊長のいる部屋へと向かう。基地内には独特の緊張感が漂っていて、懐かしい感覚が呼び起こされる。ここで殺し合いの訓練を積んでいたのだと、うすぼけていきつつあったあの頃の記憶が鮮明に蘇る。

 

「さ、帰ってきたぞラウラ。しっかりとあいさつをしてやれ」

「はい」

「嫌ならいつでも代ってやるからな」

「大丈夫です」

 

重厚な雰囲気を纏った隊長の部屋。大丈夫なんて言ったものの、声をかけて了承を得て扉を開けるだけのこと、これがとんでもなく緊張するのだ。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒです。ただいま、長期休暇より戻りました」

「入れ」

 

扉の先には、意味ありげな笑みを浮かべた隊長と同僚の姿があった。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ、随分と健やかな姿じゃあないか、嬉しいぞ」

「は、これも黒兎隊のサポートあってのことです。大変お世話になりました」

「あー、そういうのはいいぞ。軍の不手際のせいで色々と迷惑かけていたわけだからな」

「そんなことは」

「本当のことなんだから別にいいんだって、はい、軍が悪かったってことでこの話は終わりだ」

「はあ」

 

相変わらず権力階層のこととかを気にしない人だ。気持ちとのいい性格をしている。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ君、我々は土産話が聞きたい。今日は込み入った用事は無いのでね、少し早いが夕食の時間なわけだ。付き合ってもらえるかな?」

「はい、よろこんで」

「男日照りなこの部隊じゃあ、色恋沙汰はいい肴だしな。楽しみにしているよ」

「え」

「誤魔化しは効かないからな、ブリュンヒルデから仔細は聞いているので」

「教官…?」

「いや、その、つい口が…」

 

誰にも言っていなかったはずだ。

教官は勿論、手紙には書いていないし誰かに写真とかを渡した記憶も無い。

弾が口を滑らせるとも思えない。

 

「その、五反田への態度からバレバレだったぞ」

「そ、そうなのですか…?」

「目に見えて表情を変えるなんて、昔のラウラじゃあ想像つかないねえ。いやあ、長い夜になるよお。明日はお休みだし」

 

気持ちもいい性格といったのを取り消そう。

面倒な性格をしていそうだ。

 

「すまない、弾…」

 

とりあえず、赤裸々に暴かれてしまうあれやこれのことに関して、弾に謝っておこう…

いや、本当にすまない…

 

 

 

 

 




できねぇっ!(敗北)
AC/DC好こ。
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