サクラ大戦~来たれ次世代の戦士~   作:ユウジン

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第一章 新たなサクラが咲き出す時
桜舞い散る空の下で


「魔の活発化……か」

「はい」

 

高級そうなスーツに身を包んだ男達が並ぶ前に、一人の女性が立って言葉を発していた。

 

「もはや猶予はありません。あの計画を実行に移させていただきたいのです」

「だが予算はどうするのかね?」

「そもそもなにか問題が起きたら誰が責任を……」

「やはりアメリカに助けを……」

 

そう口々に言葉が発せられる中、ドン!と女性は机を叩き、視線を自分に集める。そして、

 

「言った筈です。もはや猶予はないと!ここ数年降魔の出現率が上がりつづけ、更には謎の魔操機兵も確認されております!降魔の増加は第二次世界大戦後にも見られましたがその際はGHQを介してニューヨークの華撃団が対抗してくれました。ですが今は違います。アメリカでも同様に魔の出現が増え、とても日本にまで手を回してくれる状態ではありません。日米安全保障条約なんて何時だって無視できるんですよ!故に今必要なのはアメリカの庇護ではない!日本独自の防衛……帝国華撃団なんです!」

 

そう一気に言った女性は一人の男に詰め寄る。

 

「総理、ご決断を。なにか問題が起きたら私が責任をとります。出資者は既に何人か見つけています!」

「……分かったよ。藤枝くん」

 

総理と呼ばれた男は、詰め寄ってきた女性を藤枝くんと呼ぶと、目の前に置かれた書類にサインをし、

 

「藤枝くん。これより君を帝国華撃団総司令に任命する。君には帝国華撃団に関する全ての決定権を有するがそれに対する責務を知った上で職務に励んでもらいたい」

 

その言葉に、藤枝と言う女性はしっかりと頷いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、あの人かっこよくない?」

「外人さんだよね?ちょっと話しかけてみたら?」

「私英語できないから無理だよ……」

 

そう小声で喋る少女たちの視線の先には、一人の男がいた。

 

歳は十代半ば程、すらりとした背丈に金髪の短めの髪型、そして碧眼から日本人ではないらしい。そんな男がサクラが舞い散る空の下立って居ると言うのは、中々絵になる光景だ。その男の元に駆け寄る少女が一人。

 

「あ、あのぉ……」

「?」

 

男が振り替えると、そこのいたのは腰まで伸ばした黒髪を、大きなリボンでポニーテールにした同じ年ほどの和風美少女だ。その少女はしどろもどりしながら、

 

「えぇと……はろー?いや、ぼんじゅーる?えぇと、まいねーむいず~」

 

どうもこちらにコンタクトを取りたいらしいのだが、言葉で悩んでいるらしい。それを読み取った男は笑みを浮かべて、

 

「日本語で大丈夫だよ?」

「……え!?日本語喋れるんですか!?」

 

普通に流暢な日本語で返事をされ、少女が眼を見開く。そんな様子に男はクスクス笑いながら、

 

「それでなにか用事?」

「あ、そうだ。えぇと、ローア・シャトーブリアンさん……ですよね?」

 

そう確認してきた少女に男は、

 

「そうだけど……なんで俺の名前を?あ、もしかして!」

「はい!初めまして!私は真宮寺 八重。帝国華撃団より貴方をお迎えに上がりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしてもまさか帝国華撃団からの使いが君みたいな女の子だなんて思わなかったよ。もっとこうお堅い軍人みたいな人が来ると思ったからさ」

「私もまさか日本の上野公園の桜を見たいからって言う理由で迎えの人が空港までいくはずだったのに断った人がいたって聞いたときは驚きましたよ

?」

 

二人は道中そんな話をしながら、道を歩いていた。話しているうちに判明したのだが、彼女はローアの一個下らしく、そこまで年が離れているわけではないらしい。と安心したのはローア。正直、日本人は年が分かりにくい。と言うのは、きっと自分だけではないはずだ。

 

「それにしても日本って良いよなぁ。ずっと憧れてたんだ!道も綺麗だしゴミもない!」

 

そうフランス在住のローアは、憧れの日本の地を踏みしめながら感激していた。だがそんな姿を見て八重は、

 

「でも私はフランスのパリとか憧れちゃいます。やっぱり世界のおしゃれの最先端ですし」

「パリって結構ゴミとかあって外国人が思うほど綺麗な街じゃないぞ?」

 

それでもです!なんて八重に詰め寄られ、ローアは苦笑いを浮かべる。お互い、ままならないものだ。そんな中、八重は少し表情を変え、

 

「そう言えばシャトーブリアンさんはどう言った経緯でここに?」

「ローアで良いよ。俺はフジエダって人が来てスカウトされたんだ」

 

訂正しつつ、ローアは答える。

 

ある日のことだ。フランスにある自宅に突然日本人がやって来て、自分をみるなり一言言った。

 

《君の力で日本を救う手伝いをしてほしい》

 

なんのことだか分からず困惑したが、ずっと憧れだった日本に行けることもあり、すぐにOK。まあ正直その後両親と大喧嘩一歩前まで言い合いになってようやく許可を貰ったのだが、それは割愛。

 

とにかく日本だ。ずっと憧れてた日本だ。もうそれが嬉しくてしかたがなかった。

 

日本のアニメやゲームはフランスでも大人気で、ローアも勿論大ファンだ。日本語も、アニメやゲームで覚えたものである。

 

とまあそんな感じで眼をキラキラさせて歩いていると見えてきた。二人の目的地の大帝国劇場が。しかし、

 

「ん?」

 

突如悲鳴が聞こえ、ローアが振り替えると、視線の先には道路にボールを落として、車が来てるのも気づかず飛び出した瞬間だった。

 

「危ない!」

 

八重も声を上げる中、ローアは少し息を吸うと一瞬体が発光し、

 

「っ!」

「え?」

 

ローアは子供を抱き上げながら、地面を転がり車を避ける。それを見た八重はポカンとしていた。

 

なにせ、ローアは八重の隣にいたはずなのだ。なのに、突如子供の背後に出現すると、子供を抱き上げ転がった。

 

いつの間に移動したのだ?というか、そもそもこの距離を気づいたタイミングから計算しても、走っても間に合わない筈だ。

 

そんなローアは子供に怪我はないかと微笑みかけ、頭を撫でてやっていた。それから母親と思われる女性にお礼を言われて、

 

「どうしたの?」

 

と言って戻ってきた。そう聞かれ、八重もいつまでもポカンとしているわけにもいかないので、首を横に振って何でもないという。

 

まあ自分より先に反応したし、多分自分が反応した頃には走り出した後だったんだろうと思うことにした。

 

勿論。そんなわけないのだが、真相が判明するのは、もう少し先の話である。




新サクラ大戦今から楽しみですね。いやもうキャラも主人公もそう取っ替えですが楽しみです。個人的には初穂ちゃんが……
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