たっちゃんFGOに行き詰まったがゆえに書いた短編。
凍京ネクロで生まれてミルグラムに拾われ武術仕込まれた主人公が向こうで死んで。
ドルフロのエージェントのプロトタイプに憑依して鉄血のみんなとゲテモノ武器振り回して無双する話。
ただし触りだけなので。
戦闘は冒頭のシーンだけ。

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ゲテモノ(武装)ドルフロ

生きるということはどういうことなのだろうか?

そんな糞どうでもいいことが。極限状況下では重要となる。

哲学というのは重要だ。

周囲の極論じみた嘲りを跳ね除けて自分自身に愚っ直になれるゆえにだ。

 

 

「-----」

「ッア」

「クッ」

 

私の眼下の下には二人の人間・・・。

否、外見上は人間に見えるだろうが実際は人工物で作り上げられ。

その知性は、これまた人間に作られた物である。

所謂戦闘用ヒューマノイド「戦術人形」だ。

 

それらを相手に私は左右の手に一本ずつ握られた。

サイ・ピストルを弄びつつ、それらを見下ろす。

悔しさか、己への弱さかは知らないが。

或いはインプットされたプログラムデータがそうさせるのかは知らないが。

彼女たちは余りにも弱かった。

いや技量と言う時点では花丸を上げてやろうと思うが。

それでもその先に行っていない。

いわば型を最適解でなぞるだけの武術。機械演算とテンプレーションの塊故に。

至極読みやすく対処がしやすい。

得物を破壊し体を切り刻んでやるだけの簡単な作業だ。

無論、こういったことに性的興奮を覚えるサディストではないため。

私の思考は冷え切っていた。

 

「容易い、鴨を縊り殺すのと大差が無い、脆弱に過ぎる」

 

私は吐き捨てるように言い切った。

これなら鉄火場であの奇怪なクリーチャー共やらテロリスト相手にクソッタレと言いつつ。

殺されたりぶっ殺したりしている方がダイブマシなものと言えよう。

 

「まだよ!!」

 

薄水色の長髪の人形が躍りかかってくる。

無論、それは読み切っていた。

私はサイ・ピストルを回転させ、順手に持ち替えて。左右に向かって撃つと同時に疾駆間合いを詰める。

一瞬であるが左右の回避は封じる

相手は引くか突っ込むかの選択を迫られ、突貫を選択。

がそれは私の予測値を抜け切っておらず実に対処は簡単だった。

ゲームの作業と変わりがない。

突き出されるナイフも、この体に搭載されたガイド機能の予測範囲内だ。

それでは届くことはない。

すでにガイド機能を凌駕して予測出来ていたのだから。

私のとる行動は彼女よりもサイ・ピストルを突き出すことだった。

左手のサイ・ピストルは保険で。

突き出されたナイフを絡めとる用に手首を駆動させて半回転。

 

『そこまでだ。教導員!!』

 

それと同時にスピーカーからの声。

その声に反応し手首を返しつつ狙いをわざと外す。

人形のメンタルコアが搭載された部位を外れてサイ・ピストルの先端が人形の胸部にゾブリと突き刺さり。

私に向けられたナイフは私の左手に握られたサイ・ピストルにからめとられ弾き飛ばされる。

 

「まっ「寝てろ」

 

往生際の悪い彼女は足掻こうと手を伸ばすが。

それより先に私はサイ・ピストルのトリガーを引き絞り。

人形に銃弾を数発お見舞いするのと同時に反動を利用してサイ・ピストルを引き抜きつつ。

右足で足払いして少女を転倒させて。右手のサイ・ピストルを黒髪の人形に。

左手のサイ・ピストルを薄水色髪の人形に向ける。

 

『やり過ぎだ。教導員』

「あのな、演習が終了した時点で外部からロックを掛けるべきだ。

そうしなかった故に、私は殺されかけていた。」

 

やりすぎだと言われればそうなのだろう。

現に黒髪の人形も薄水色髪の人形もぼろ雑巾のようにしてしまった。

それでも歯向かってきたから。

特に薄水色髪の少女の損壊は酷い物になっている。

最後の一撃で彼女から見れば左胸部はズタボロだった。

服は破け銃弾でズタボロになった乳房のだった物が露出しシリコーンなどや人工血液が漏れ出している。

彼女は私を這いつくばりつつ顔を上げて私を睨み付けていた。

もっとも怖くもなんともなかったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名は「ティーチャー(教導員)」と言う。

と言うのも私には人間だったという前世が存在すると言う。

二束三文のSF小説の様な事が起きていた。

前は再び氷河期を迎え、生者が生者を、死者が生者を、生者が死者を、死者が死者を殺すという地獄めいた世界で生きていたの

だ。

私はそこで生まれて地獄の様な戦場で両親を失い、その中で自殺願望の阿呆極まる偏執狂に拾われて育て上げられ。

米国に移住し特殊作戦群の一員として生きて生きて生き抜いて死んだ。

と思ったら。

今度は崩壊液とかいう物騒な代物で文明が崩壊しかけた世界で製造されていた。

自立思考型ヒューマノイドの戦闘タイプ一号に憑依してしまったということである。

生憎と前世でやり切った感はあるので処分されることも吝かではなかったのだが。

製造者の「リコリス」は何故か私を重要視し上役たちを説得。

後続機への教導とより洗礼された戦闘プログラムの製造の為にあえて残すという選択肢を取った。

故に私の名は鉄血製ハイエンド戦術人形「ティーチャー」となったのである。

教導員であればインストラクターではと、リコリスに聞いてみたが。

リコリス曰く「響きがいいから、誤訳でも、そっちの方がいいだろう?」とのことであった

 

「無事かい? ティーチャー」

 

戦闘ブースを出てくると、開発主任のリコリスは私にそう心配の声をかけてくる・

 

「無事かッて・・・なんかヤバい物を乗っけていたのか?」

 

今回の戦闘はコンペでもある。

我らの鉄血工造の製品とライバル企業の製品。どちらを軍部で採用するかという物であった。

今回は、大きく人数を減らした人間に変わる戦力である戦術人形のコンペであり。

その代表者として私が出た。

ライバル企業の「I.O.P」は先日、私が前の世界で標準装備としてたものを、リコリスと鉄血の変態技術者スタッフが再現しアレンジとテストを経て開発された。

歩兵装備部門で鉄血の新製品である。

人形の咎印技術の応用品である「エクスブレイン」などに付属する新製品に敗北し。

歩兵装備シェアを奪われたということもあって躍起になっているというともあって。

現状。再現性は全くないが鉄血の技術の髄を凝らした私を倒せば人形シェアを奪還できるのではと考えた。I,O.Pの猿知恵で。

コンペに出る羽目になったのである。

無論きな臭いとは思っていたが。

リコリスの言いようだと、あの二人はメンタルコアの中になんかヤバい物を搭載していたらしい。

 

 

「ブースターシステムだよ、ティーチャー。彼女たちはそれを乗せられていた。」

「意図的制御された暴走システムってことかな?」

「そうだよ。だから半ば外部からの入力が利かなかったんだ。」

「だめじゃん」

「ああ駄目だね」

 

ようは強制的な性能底上げシステムを乗っけていた結果。

暴走していたらしい。

故に外部からのコマンドを受け付けず最後まで襲い掛かってきたということだろう。

外部音声入力と私の攻撃でようやく止まったと言ったところであった。

リコリスも顔を不機嫌に染め上げながら私の言葉に頷く。

兵器とは信頼性を第一とするが。

それでも使い捨てる前提のシステムは只の欠陥品でしかないだろう。

というかそんなものを搭載しているということは。

 

「そこまでI.O.Pの躯体開発は著しくないのか・・・」

「少なくともそうだろうね、インスタントが多いから」

 

民間の人形にメンタルコアぶち込んで戦術人形に仕上げるのは良いが。

元が元である。

無論、製造当初から戦闘用に調整されている私の妹たちと比べるべくもないという奴であった。

開発技術では此方の方が上。

膨大なデータと現物から無駄なパーツを省き。設計もより洗礼されコスパも良くなっている鉄血人形は実際好調な売れ行きであった。

I.O.Pはそれで焦っているので手段を択ばなくなってきていると見てもいい。

 

「極限状況下であらゆるパーツをテストできる君と言う鬼札は僕らにはあるけれど向こうは存在しないからね」

 

基本、戦場で人形をテストし生き残らせるとなると至難である。

人間の方が優先度は高いし、数の減った人間の代替戦力として開発されたのが戦術人形だからだ。

故に戦場でテストなんぞ狂気の沙汰である。

基本的に試作パーツを組み込んだ使い捨て前提の人形を放り込んで遠隔でデータ取得ではいお終いなのだが。

鉄血工造は、私と言う「作戦を遂行して単独だろうが生き残る」存在が居る為。

極限状況下に置かれたパーツや酷使に酷使されまくった。パーツを手に入れることが可能になり。

それだけ現物は大きなものなのだ。

それを戦場からジャンクではなく新鮮な状態で手に入るのは兵器開発に居て重要ともいえるだろう。

もっとも、やらされる方は堪ったものではないのだが。

人形に人権なんて、概念は存在しえないので断ることもはできないのが、悲しい現実である。

無論、そういったテストパーツを過剰搭載して戦場で生き残れる人形はI.O.Pにはいないし。

予算の無駄であるとしてやろうともしていないだろう。

ならなぜ鉄血はやれるのか、それは先ほども述べた通りどのような状況下でも生き残り勝利できるという信頼を私自身が勝ち取り優位性を示したからに他ならないわけだ。

まぁ速い話が前世人間という異常な私の様な存在が向こう側に居ないというだけである。

 

「お陰で軍人さんたちの評判も上々だよ。君が居ればどんな作戦でも生き残れるってね」

「英雄扱いは勘弁してくれ・・・。私は常に生き残ることに全力を尽くしているだけだ。」

「英雄扱いにもなるさ、多くの軍人を死地から救っているんだ。E.L.I.Dの群れ相手に装備があるとはいえ生き残った君の性能と異常性は誰もが物語で言うところの戦乙女だろうね」

「サブイボが出来るな、それは」

「君・・・賞讃アレルギーどうにかした方がいいと思うよ」

 

 

軍での英雄扱いには私自身、拒絶反応が出ていた。

やれるからやっているだけ、やらなけば死ぬだけだからやっているだけに過ぎない。

軍人の命を優先するのも人形となったこの身が排除されないようにそうしている。

極めてエゴティックなものである。

故に称賛されるのはいい気持ちに離れなかった。

と言ってもこれは前世からである。

 

『まったく戦友、お前は少し賞讃を素直に受け止められないのか?』

『自分は死にたくないの一心で走っているだけだからな』

 

戦友の事を思い出し苦笑する

それと同時に思い出すというより視界に映っている警告表示にようやく。

気が行ったというべきか。

 

「ああそれと、リコリス、本社に戻ったら腕の駆動系が悲鳴上がっているからさっさと取り換えてくれ」

「また壊したのって、そんな状態で戦っていたの君!?」

 

先ほども述べた通り。

私の存在理由上、正規軍に参加しパーツやプログラムをテストするのだが。

そのテストがてらの作戦を終えて戻ってきたのが二日ほど前。

コンペの件は基地から出てすぐに伝えられてはいたが、各部が悲鳴を上げていた。

無論それはティーチャーの身体の事であもあるし鉄血の各部署の事でもある。

リコリスは急遽決まったコンペでデスマーチで。コンペ直前まで過労死しかけていたのだから。

私の状況まで、気を割ることが出来なかった。

紛争区の後方より、ようやく本社帰ってきたと、喜んでいたテストチームは基地から出るなりのその連絡を受けて死んだ目になって。

本社で突貫作業で私のボディを仕上げたのである。

 

「しょうがないだろ・・・、此処に戻ってきて二日も立っていない、簡易メンテだけで一派いっぱいだったんだ」

「まぁ、このコンペ事態が君が出張中に急に決まったことだしね・・・しょうがないといえばしょうがないのか・・・」

 

故にティーチャーのボディは限界だった。

いくら最善を尽くしたとはいえどテストパーツは多くがそのまま。

最低限治すことが一杯一杯な現状を。

ティーチャー自身が内部の制御プログラムを弄繰り回し強引に制御しているというのが現状である。

 

「ははっ、本社に帰ったら、デスマーチか・・・」

「次の仕事はほぼ入っていないから優先度は低いよ、ゆっくり休んで三日後くらいでいいじゃないかな」

「管理部の連中が無茶苦茶なスケジュール組みやってくれてね・・・、君に搭載されたパーツの多くが納期間際だったりするんだ・・・」

 

品の質とコストが伴っているしデザインも良い。

故に鉄血重工は現在絶頂期の黄金期に入りつつあるものの。

そのせいでスケジュールが無茶苦茶になり。

本来AI開発担当のリコリスでさえ躯体開発にも駆り出されているらしく。

さらに本当なら多少の余裕があったはずが。

今回のコンペ騒動で余裕が一切なくなり。

デスマーチ確定とぼやく、リコリスの背中はすすけていた。

 

 

 

「・・・ご愁傷様」

 

 

私はそう言って、リコリスをねぎらうほかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄血製ハイエンドの代理人こと、エージェントは右手に合成シャンパンに左手にグラスを1つもって。整備区画の奥へと進む。

 

「・・・」

 

顔が顰められる。

彼女の事は嫌いではない。むしろ尊敬する部類だろう。

バグとスパゲッティソースの塊故に再現性が無いということでバックアップすら出来ぬ彼女。

それが自分たち二世代型を凌駕する思考能力と自我を備え。

テストパーツを体に組み込んで、どのような極限状況下でも生きて帰ってくる。

だが逆に言えば。システム統制下におかれていない違法人形でもあり。

一定の信頼は勝ち取っているが。彼女の扱いは下手をすれば自分たちよりも下であった。

テストが終了したパーツをはぎ取られ。ごく普通の汎用パーツに置き換えられた彼女の性能は市販されている民生品と同値だ。

さらに用が済めば個室から出ることは許されていない。

まるで罪人のような扱いだった。

リコリスをはじめとする開発部門とテストチームは彼女の待遇改善を要求しているが。

それ自体をティーチャー自身が一蹴してしまったのである。

 

『私は人形だ。その住み分けはキッチリしなければならない。例外を認めればなし崩しになるからな』と

 

それが代理人のナニカに触れた。

ティーチャーは多くの利益を鉄血工造にもたらしている。

テストパーツのデータ取り。軍部との繋がり。

そして鉄血製の戦術人形の殆どが彼女の戦闘データから得られたデータを元に組み上げられた戦闘プログラムを積み込み。

近接戦闘時ではI.O.Pの戦術人形ではまず太刀打ちできないと評される物になり。

正規軍での評価も高いという功績の大半がティーチャーの行為が大本である。

だというのに会社は彼女を得体のしれない怪物として彼女が良しとしたからといって閉じ込めて不当な扱いを続けることに納得がいかなかった。

 

整備区画の奥の真っ白い扉を開けるとシャワーと武器整備のための小部屋付きのワンルームの部屋になっているところに出る。

 

「お姉さま、任務ご苦労様です」

「エージェン、いちいちねぎらいに来るなって。お前も同類扱いにされるぞ」

 

ティーチャーはソファに寝そべり紙の本を読んでいた。

今や絶滅危惧種的紙媒介である。

タイトルは「虐殺器官」と題名された物騒そうな内容だった。

ティーチャーの造形はエージェントと全く同一である。

ティーチャー自身がエージェントのプロトタイプなのだから当たり前で。

違うのは髪型と着ている衣類くらいなものだ。

 

「トを付けてください、お姉さま」

「お姉さまと呼ぶのを止めたら、止めてあげるよ」

 

ティーチャーはエージェントをエージェンと呼んでいた。

前者より後者の方が響きがいいという理由である。

本当に人形らしくない人形だなと思いつつ。

エージェントは机を挟み向かい側の席に腰を下ろした。

 

机の上にはクソ苦い合成珈琲と合成調味料でチョコレート風味に加工されたブロック食。

そしてティーチャーの得物であるサイ・ピストルが置かれている。

エージェントからしてもサイ・ピストルは異形の武器である。

東洋の沖縄で生み出された武器である釵と、ドイツ製の拳銃ルガーP8を組み合わせて作られたゲテモノである。

だが使い切れるなら強力な武器だ。

体術の補佐、攻撃への防御行動に受け流しや絡めとって拘束、弾き飛ばす。

相手が隙を見せれば最短動作で攻めに廻ることも可能だ。

特に先端には単分子加工が施されE.L.I.Dの最終フェーズの外殻ですら容易く貫く。

サイ・ピストル本体も特殊軽合金金属で構成されすさまじく頑丈であり。

彼女の技巧が合わさればライフル弾ですらはじいて見せるほどだ。

もっともこれを扱えるのは鉄血でも彼女だけだ。

理論上はできるのだが咎印システムを利用しても膨大なモーションデータのせいで最適解が多すぎて逆に機能不全を起こし。

かと言ってデータを削れば猿真似にしかならぬのである。

現に、プログラムをインストールしティーチャーの動きを見切る参考にと。

エクゼキューショナーがプログラムをインストールしてティーチャーに意気揚々に挑んだときは。

それはもう悲惨なくらいに、ティーチャーにボコボコにされていた。

 

 

 

 

そんなゲテモノであるが、実はそれ以外にもティーチャーは様々なゲテモノ武器を持っている。

テスト戦術人形ということもあって。鉄血で製造された武装のテストも彼女の役目だ。

サイ・ピストルは自らの得物として製造された物だが。

それ以外は試作品である。

トルグアクション式対物ランチャーライフルとか(攻殻機動隊の劇場版でバトーさんが使ってい奴)

前後同時射撃可能型拳銃(トライガンのダブルファング)とか。

開発陣が深夜テンションで作り上げた。光学式アサルトライフルを二丁くっつけた物や。

カートリッジ式高出力光学拳銃やら。

電磁誘導式鉄杭射出個人携行砲とかである。

テストが終わり有用性が無いそれらをティーチャーは個人で所持していた。

悪趣味だなとエージェントは思う

 

 

閑話休題

 

 

机の上に置かれた。合成シャンパンを見てティーチャーはわずかながらに見開いた。

 

「エージェン、それどっから持って来た? 間違いなく私たちが飲めるような品ではないんだが・・・」

 

ティーチャーの言う通り。人形用に調整された劣化品ではなく。

中流階級の上が口にするようなそこそこの値段の物である。

間違っても人形が口にできるものではない。

 

「正規軍のマタヴァ准将からの心づけだそうです。先だっての作戦で武功を立て多くの軍人を生き残らせたことについての勲章代わりだそうで。」

「あの准将もマメなことで・・・」

「現にアナタが人間であれば相応の地位に居るべき人でしょ」

「エージェン、私はたいそうな人間でもなければ特別な人形でもない。生き残ることに必至なだけさ」

 

またそういうとエージェントは思う。

 

「またそう言って謙遜する。私はあなたのそういったところが嫌いです」

「・・・ふぅ・・・、此ればかりは、脳味噌・・・いや我々だと思考回路の裏に地獄を飼わなきゃ、分からない話か・・・」

「どういうことです?」

「戦場に特別製という優位性は存在しえないということだよ・・・、特別な奴ほど死にやすい」

 

 

ティーチャーはどこか遠い目で吐き捨てるように言う。

 

「・・・ではなぜ、お姉さまは戦場に行くのです?」

 

特別ではない普通であるとティーチャーは主張する。

そして彼女は戦場を好んでいた。

生きたいというのが本音だというのに死地へと向かう。

これは矛盾だ。

生きたいのに、死地に赴き生きるために戦う。

エージェントからすればまるで意味の分からない思考回路である。

 

「死と隣り合わせだからだよ」

「・・・?」

「崖の淵から崖底を見る、そこからああ堕ちたら死ぬなコレと思う、理論は分かるね?」

「はい」

「それと一緒さ、死を意識するから生の実感を感じられる。真っ当に育てば別の場所でも十分なのかもしれないが・・・」

 

ティーチャーはどこかの景色に目をやる様に瞼を細めて結論を紡ぐ。

 

「私は戦場でしか生の実感を得られないというだけの話さ」

 

自嘲に染まり切った表情に。

エージェントは何もいなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の次の仕事は要人の警護およびエージェントの後衛だ。

ようは、エージェントの御披露目任務と言うことである。

彼女が設計されたコンセプト通りの有用性を発揮するように教導者として責任もってサポートしろと言うことである。

今回、ボディに搭載されたパーツはエージェントと同規格であり。

信頼性に富む物である。

最早戦場での日常茶飯事となった動作不良はまずないとみていい。

ヘリから降りる。

私はスーツ姿でエージェントはメイド姿である。

まいど思うが鉄血の戦闘衣類制作チームはねじが抜けているなと思った。

 

「装備は?」

「万全です。お姉さま。」

 

私は肩から下げた。左右のホルスターにサイ・ピストルを一本ずつ。

後ろ腰のホルスターには9mm電磁投射砲なるゲテモノである。

 

「ですが、お姉さま。アナタはE.L.I.Dでも相手取るつもりですか?」

「・・・まぁ一応の保険だよ」

 

9mm電磁投射砲はサイズこそ拳銃程度であるが。

ボディ本体の電力も使えば途方もない威力になる。

軽装装甲車程度なら破壊可能だ。

特殊弾頭を使えばE.L.I.Dの外殻もぶち抜ける。

使えば両腕の駆動系が反動でガタガタになりボディ自体のバッテリーの8割を食う為。

まず鉄火場で使えばシャットダウン確定な欠陥品である。

 

「ここ最近、PMCやら軍閥、自称人権活動家共が五月蠅いからな、最悪街中でアクション映画を撮る羽目になることは覚悟しておいた方がいい」

「想定される敵戦力は?」

「歩兵が武装民兵程度から中堅PMC程度。投入兵器はタクティカルが最低でストライカーが投入されることが最高値。敵兵装は拳銃から対戦車ロケット砲にフライパンまでなんでもござれだな」

「・・・参考にならないと思うのですが・・・それは。」

「戦場では戦力推定なんぞ尺度にしかならないよ、ジープ相手にロケットランチャーやら銃機関砲持ち出してくる馬鹿かが居るんだ。」

 

この前の仕事だってそうだ。

車の後部座席に重機関銃備え付けてこちらにぶっ放してきたイカレポンチを相手にしていたのである。

PMCだろうが民兵だろうが対物ライフルクラスは持ち出してくると考えた方が気持ち的に楽になるという物だ。

第三次世界大戦という私が元居た世界よりトンチキで馬鹿らしい鉄火場やったおかげで。

世界の統治機構及び基盤は大崩壊中である。

金さえ積めば街中に対物ライフルを持ち込むなんてわけがなかった。

 

「とりあえず私が想定し得る問題は解決できるように整えた」

「・・・その一環が、デストロイヤーに変態対物ライフルを持たせた理由ですか?」

「ああ無論だとも。彼女にはもしもの時のためにヘリから支援してもらう。会談が終わると同時に護送任務にシフトするからな、故に彼女には上空で警戒作業をしてもらう」

 

準備は万全だと思いたい。

いくら己の演算回路の先にゴーストを持って至ろうとも。

現実という物は斜め上へとすっ飛んでいく。

きっと酷いことになるだろう。

 

「私が言えるのは、護衛任務に置いて護衛は絶対に守り抜け、そして自分も生き残れという矛盾した無茶ぶりだ。」

「ええ無茶ぶりですね・・・」

 

エージェントはため息を吐く。

まぁそうだろう、矛盾した事なのだろうから。

だがそれが私の前世からの心情という物だった。

 

「行きましょう、お姉さま」

「お姉さまはやめろ」

「アナタがエージェンと呼ばす、ちゃんとエージェント、と言ってくれたらそうしますよ」

 

私の苦言に対し。

エージェントは私がいつも言われる苦言に対する返しをもって返して見せた。

私は苦笑しつつショルダーホルスターのゆるみがないかどうかを確認しつつ。

護衛対象の居る部屋へと向かった。

 

 

 




あらすじに書いたように息抜き短編。
主人公は最終決戦ネクロ主人公クラスの実力者でエクスブレインという外部電脳を超えている状態です。
故に人形に憑依しても自らのゴーストを持ってメンタルモデルや咎印システムを凌駕しています。
極まった武人は怖いね!!
そんな極まった主人公と鉄血の皆がキャッハハハ、ウフフフしつつゲテモノ武器ぶん回す話。


ティーチャー
本作の主人公、型番的にはエージェントの試作機的存在。
主人公の魂が流入したせいでバックアップ不可能のワンオフ。
だが先の実力もあって。どのような戦場でも生き残る為。
鉄血で製造予定の人形のパーツやプログラムに歩兵用の外部演算装置のテストヘッドとして運用されている。
一応、愛銃である「サイ・ピストル」との咎印処置が施されているが動きのガイド機能と探知機脳以外の機能は切断している模様。
戦闘狂であるが、殺し事態に快楽を覚えるのではなく。
苦難を乗り越えた先に生きているという事実に歓喜を覚えるタイプである


サイ・ピストル
釵とルガーP8を組み合わせた。近接格闘術というネクロ式ガン・カタをガンメタする為の武器。
オリジナルとは違い切先や翼の部分などに単分子加工が施されており、理論上貫けないものはない。

鉄血陣営。
コスパを下げつつ原作よりも性能がティーチャーのお陰でアップしている。
ハイエンドタイプは全員ガンカタを標準搭載。

エージェント
ティーチャーの運用からさらに洗礼され性能を底上げされている。
苦労人かつ本人自覚していないけど、お姉さまラブ。
一番、ティーチャーと交流しているためにゴーストに芽生えつつある。
なにかったら即座に拗らしてぶっ壊れるヒロイン枠。
ガン・カタ勢その1

エクゼキューショナー
性格は原作と変わらず、ティーチャーに喧嘩ふかっけては模擬戦でボコボコに。
原作との性能に大差はないが弱い者いじめはせず淡々と処理する。
最近、ティーチャーからもたらされた、アドタイ流を身に付けつつある。

ハンター
純粋にティーチャーの事については尊敬している。
原作とは違い任務の為なら卑劣な罠も平気でやってくる。
ガン・カタ勢その2

デストロイヤー
火力支援ゲテモノ運用担当。
彼女の乗るヘリはカプコン製になる。

アルケミスト
原作とは違って拷問はせずスマートにハッキングなどで情報を抜く。
ティーチャーという師がいるため性格も若干穏やか
というか個性が豊かすぎる面々の抑えに回る影の苦労人

アーキテクト
ゲテモノ作る側。鉄血武装制作班と悪乗りエンジョイしてる。

クーガー
最近鉄血戦力にゲテモノ装備が流行り過ぎていて胃痛担当。
キレると突撃ドリクトン一択なる。

スケアクロウ
情報支援担当、無茶な戦場のデータばかり送られて頭痛担当。
ただし天然である。

イントゥルーダー
戦術戦略情報担当、意外に仲が良く、ティーチャーから貸してもらった。紙媒介の本を読むことを趣味にしている。


エリザ
ティーチャーの事を先生と呼び仲は良好。のちに盛大に拗らせる枠。


リコリス
過労担当と鉄血人形たちの交流やらを見て尊死する担当。
AIフェチ拗らせた変態。

鉄血兵装および人形開発部門
変態の巣窟。

戦闘衣類開発班
鉄血の戦術人形や歩兵装備のデザインや設計を手掛けている。
歩兵装備はかなり堅実に作るが。
人形用の装備となると趣味に走りまくる。
小さなチームはずなのに派閥が一番点在する。



時系列的に蝶事件前の為。
ドリーマーにウロボロス、ジャッチ、ビークはまだ存在すらしていない。


てな感じ。
原作軸に成ったらティーチャーは裏切る為、鉄血陣営は拗らせる模様である。



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