「今日もいい夜だ、月が綺麗だなぁ。」
昼や朝だと、太陽で炙られて死んでしまうので主に行動するのは夜だ。睡眠する必要がないため、昼間は掘っ建て小屋で夜や雨などの日に集めた人骨を砕いて粉にしたり、ほぼ綿用の畑の肥料を作ったりなどをして暇を潰している。
あとごろごろもする、なにもしないことも良いことだ。暇で暇で死にそうになる。本当に死にたくはないけど。
「すこし川に畑用の水汲みと、散歩行ってこようかな。」
ついでに骨集めも、いまのところざっと見て一年間はなにもせずに過ごせそうだが、なるべく食糧……余命は増やしておいた方がいい。
いつまたご飯が尽きるかわからないからだ。
それにここには飢えた鬼が多くいる、こっちと違って少量では満足できないし、共食いのものもある勝てる気がしないし、戦っている最中で日が出たりしたら大変だ。
人間今回出ているのなぁ……たまにやっぱり人が来る、何度も殺されかけた。でもたぶん襲ったら他の鬼たちと同じようにより殺される。
とてもコワイ。
「でも、長く生きたほうなのかなぁ?」
もう数えることをやめてしまった。只恐ろしかった。
でも殺すための刀は綺麗に感じたのだから、本当は死とやらでも求めているのだろうか……それは飛躍のしすぎというものか。はたまた暇すぎて変なことでも考えているのか。
「あっ骨みっけ……やっぱり好き好んで骨食べる人は少ないのかな、固い肉として部分部分残す人もいるし。」
飢餓とも言えど、食べ物と思っていないものは残す。人間でも蟲を喰うものは少ないように。………なんかこっちがゲテモノ喰らいみたいに思えて悲しくなってきた。
◆
「………なんだここ、やけに整ってるな。」
この鬼だらけの山で7日生存する。弱い鬼だがずっと連戦するのはきつい。しかもここから夜になる………つまりやつらの行動範囲が広がるってことだ。
日の当たる場所でさけることはもうできない。なら一ヶ所にとどまるより移動をし続けたほうがいいだろうと考えた。
そうして見つけたのが、明らかに入りやすいように草が刈られている道。ここが普通の山ならば人が住んでいると思うだろう。だがここは鬼が集められた山だ。
………まさかここに鬼が住んでいるとでも言うのか?
聞いた話によると、ここの鬼は基本短命だ。俺たちが殺したり衰弱した結果日に炙られたり鬼同士で殺したりして自然に数が減る。
定着できているだけ力があると言うことだろう。ここから離れたほうが……
「………あっ……きゅうっ。」
頭に桶を乗せた男がこっちを見た瞬間気絶した………刀を持っていないから恐らく鬼だが……鬼かこいつ。向かう方向はこっち方向だが…。
切り落としたほうが良いが………。
「向こうから襲ってきてからでも遅くはないか……」
気絶した鬼とも言えない奴を抱え整えられた道を歩く。服が濡れて気分が悪い。
進むと開けた場所に小屋と小さな畑が見えた。とりあえず放っておいて手間賃として、勝手にキュウリを一本でももらって退散しようとしたが。
「あー死ぬかと思った、首とんでない?大丈夫、てかここどこ自分の家だ。なに転移転生ってまた……転生はしてないうんで……だぁぁぁぁ
殺さないでください!痛いのは嫌なんです、少食なのでお腹すいてません只飛び散った血の吸い込んだ土を食べるような生活してます。助けて……神様仏様っていたらこんな状況になってへんわ!
もうここでお陀仏か……」
なんだこの鬼。
起きたとたんに首を確認して、叫んで必死に命乞いをしている。こっちを襲うようすも素振りも見せない。
「………襲わない、キュウリやらを何本か貰っていく。」
「どーぞどーぞお好きなだけ。」
畑からキュウリを何本か貰う、7日の間の毒が入ってない食糧は大丈夫だろう……
「……たしか、ぼくたちみたいなもの殺す人達ですよね?あんまり時間過ぎちゃったので腕や足を切り飛ばされてここに入れられたのしか覚えてないんですけどね………
ちょっと休みたかったらここの場所しばらく使ってもいいのですこしお願いがあります。
あと自己紹介忘れてました、墓守といいます。」
◆
「墓守?」
来てしまったのなら仕方がない、餓集したはいいが量が多すぎて部屋がひとつ埋まりそうになってしまった。あの綺麗な刀たちは誰かの持ち物だろう。なら持ち帰れるだけ持ち帰って貰おう。
「ええそうです。すこしついてきてください、怪しい行動をしたら首を跳ねてもいいです。」
「花の呼吸」
確かに鬼の家だし、首跳ねてもいいとはいったが最初っから殺意高くてコワイまた意識飛びそう。呼吸とかわからないけど確実に殺そうとしているのははっきりわかる。
えーと刀部屋はどっちだっけな…………。
うんこっちだな。
「これは……!?」
「ここです、貴方のような人達がこの山で残していった物です。」
そこには様々な日本刀、折れたものは引き出しに綺麗なものは立て掛けられる物を用意して壁などに至るところにかけてある。
我ながらなかなかの作りだと思っている、もしここを降りられたらこういう作る仕事なんてやってみるのもいいかもしれない。
「お前が殺したものか……!」
なんでそうなるん。
「拾ったんですよ、貴方のような人達がここに来てくれるのを待って。ここにあるのは遺品か、運よく刀が折れても生還できたものたちの落とし物です。」
「それがどうした、お前が嘘をいっていない保証はあるまい。」
なんで信じてくれないの、悲しいよあったばっかりだけど。さてここからどう話を回そうか、人とも鬼とも話すことは最近というか全くしてない墓守として仕事をしていたときをはいいいえぐらいのものだった。
そう考えると現時点でもそれなりに言葉回しはできているのではないか?絶体絶命だが。
「じゃあなんで今の時点で貴方を殺していない、そして襲っていない理由の証明もできますか?
それと同じですよ、見えないものをあるやらないやら言っても表には証明できませんよ。
お願いはこの刀の一部を麓に持ち帰ってほしいのです。」
「どうして……」
「簡単ですよ、もとある場所に返した方がこの刀も喜ぶでしょう。中々の名刀達ですし……刀は好きですよ綺麗で。
これを受けてくれれば、7日まで支援しますよ。」
部屋の整理ができる。刀の荷物減らそうとすると鬼が武装して襲ってくるかもしれないし、それなら確実に持っていってくれるだろう人にそのまま外に出してもらった方がいい。
鬼血術や呼吸を習得など(これから)
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鬼血術のみ習得
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呼吸のみ習得
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両方習得
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習得しない
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チートなど強くなさすぎないように習得