「黒い・・・・・鎧?」
目の前に現れ、寸前の所から助けてくれたアーマードダークネスを見ながら、光は呆然と呟く。
『オオォォォォォ・・・・』
アーマードダークネスはチラリと横目に光を見ると、体勢を整えたエースキラーへと向き直り、低い唸り声を上げながらダークネストライデントを構える。
『キュオオォォ・・・・』
それに対し、エースキラーもナイフを構え、お互いに隙を窺う。
そして、アーマードダークネスがエースキラーへと突撃し、エースキラーも突進する。
それぞれの獲物がぶつかり合い、火花を散らしながらお互いに一旦後退する。
『キュオオオンッ!!』
エースキラーはそれに対し、アーマードダークネスへとスペシウム光線を発射する。
すると、アーマードダークネスは走りながらダークネストライデントを回転させてそれを軽々と防ぎながら再び接近し、ダークネストライデントの穂先でエースキラーを突いた。
『ギュアアッ!?』
それによりエースキラーは少しよろめくと、アーマードダークネスはエースキラーをダークネストライデントで下からカチ上げて吹き飛ばす。
『キュオオオオッ!!』
しかし、エースキラーはすぐに立ち上がると、怒り狂いながらアーマードダークネスへ突進していき、ナイフを振り下ろす。が、アーマードダークネスはトライデントを横手に上げて持ち手の部分でガード。そしてガラ空きのエースキラーの腹にヤクザキックを叩き込む。
「あの怪物を一方的に攻めているだと・・!?」
「一体何者なんだ・・・?あの鎧の巨人は・・・・」
蹴られたエースキラーはゴロンゴロンと転がり、起き上がると同時に八つ裂き光輪を放ち、続いてエメリウム光線を放つが、アーマードダークネスは八つ裂き光輪をダークネストライデントで弾き飛ばし、穂先から赤黒いエネルギー球体『レゾリュームショット』を複数弾放ち、エメリウム光線を相殺しながら、エースキラーへと命中させる。
『キュオオオッ!!』
そして、怯んだエースキラーの懐に飛び込んでダークネストライデントで近接戦を始める。
「光!」
「光さん!」
エースキラーがアーマードダークネスと戦っている隙に、海と風は光の下へと向かい、倒れているレイアースを起こそうとする。
「大丈夫!?」
「怪我はありませんか?」
「あ・・・うん!おかげさまで・・・」
二人に声をかけられ、光はレイアースを立ち上がらせ、自分の身体を確認する。どうやらどこも異常は無いようだ。
「あの黒い鎧騎士は一体・・・」
三人が視線を向ける先では、アーマードダークネスがエースキラー相手に近接戦をしている。
「分からないけど・・・多分、味方だと思う」
確かに禍々しい見た目ではあるし、邪悪な気配も感じる。だが、光はアーマードダークネスが自身を見た時に、どこか優しそうな視線を感じていたのだ。
エースキラーが飛び上がり、流星キックを放つが、アーマードダークネスは腕をクロスして防御しつつ、エースキラーの足を掴んでジャイアントスイングで投げ飛ばす。
戦いは完全にアーマードダークネスによる一方的な攻撃となっていた。
元々、スペックではアーマードダークネスの方が圧倒的に高いのだ。
エースキラーもワイドショットやシネラマショットを放って反撃するが、命中してもアーマードダークネスは少しよろけるだけでその攻撃をものともしないまま、エースキラーへと突っ込み、ダークネストライデントの連続突きでエースキラーを吹き飛ばす。
『キュオオオンッ!』
吹き飛ばされてもエースキラーはあきらめずにすぐに立ち上がり、アーマードダークネスへと一気に接近し、右手を突き出してウルトラアタック光線を発射。
「危ないっ!」
それを見て、光が思わず叫ぶと、それをアーマードダークネスは空いていた左手で受け止める。
『ギュオオオッ!?』
そのままアーマードダークネスは光線を受け止めた左手でエースキラーを殴り飛ばす。
エースキラーは体を回転させてキャッチリングで少しでもアーマードダークネスの動きを封じようとするが、リングが拘束した瞬間、アーマードダークネスはそれを強引に破る。
そしてアーマードダークネスはダークネストライデントの穂先を上に翳すと、穂先に赤黒いエネルギーが溜まっていき、エースキラーにレゾリューム光線を発射する。
対するエースキラーもM87光線を発射し、二体の光線はぶつかり合うが、拮抗もせずにレゾリューム光線はエースキラーへと押し返していき、命中する。
『キュオオォッ!?』
直撃を喰らったエースキラーは、断末魔の鳴き声を上げながらその場に倒れると大爆発を起こし、爆散した。
「すげえ・・・・・・」
「あの怪物を倒してしまうとは・・・・・」
一同が呆然とする中、光がアーマードダークネスに歩み寄る。
「光!」
「光さん!」
『・・・・・・』
すると、アーマードダークネスは何も言わず、光の方を向く。
「あ、ありがとう。助けてくれて」
『・・・・・・』
アーマードダークネスは無言でゆっくりと頷く。
その姿はまるで、「気にするな」と言っているようだった。
そんな中、ラバーンは機体の中で屈辱に震えていた。
「認めんぞ・・・・この私がたった一匹の獣に苦戦し、さらにそれを名も知らぬ様な存在に倒される事など!私はラバーン・ザラマンド!このバイストン・ウェルの王となる男なのだ!」
そして突如、ラバーンが乗るレプリコーンから禍々しいオーラを発生させる。
「ショウ!黒騎士のオーラがどんどん歪んで行っている・・・!」
「怒りと憎しみでオーラを増大させている・・・・!?」
そこへ、城の中から黒いオーラバトラーが現れる。
「何だ!?あの禍々しいオーラバトラーは!?」
初めて見るそのオーラバトラーに、ショウは驚きの声を上げる。
「この機体の名はズワウス・・・私の最高傑作にして、最後のオーラバトラーだ」
「その声・・・・乗っているのは北の賢者かよ!」
その声を聞き、北の賢者を知っていたトッドが、ズワウスに乗っているのが誰かをいち早く察する。
「いかにも・・・・しかし、まさかこの目でかの暗黒魔鎧装を見る時が来るとはな・・・」
そう言いながら、アーマードダークネスを、北の賢者はモニター越しに見つめる。
「お前は彼が何者かを知っているのか!?」
「知っているとも。今やごく一部の存在だけが知る、古い伝説に記されている存在だ」
「シオン!そこに居るの!?」
北の賢者と共にズワウスに搭乗させられているレムルが叫ぶ。
「レムル!お前もそれに乗っているのか!?」
「その通りだ。久しぶりだな、シオン・ザバよ」
「そのオーラバトラーは何だ!?何故、私に使わせない!?」
ラバーンが北の賢者に怒鳴りつける。
「ふっ・・・それは無理というものだ。今のお前には足りんのだ」
「何っ!?」
「黒騎士・・・いや、ラバーンよ・・・そのまま怒りに身を委ねろ・・・お前は今、真実のお前に目覚めようとしている」
「真実・・・」
ラバーンは北の賢者の言葉を呟く。
「そうだ・・!その怒りと憎しみを解放しろ!力と狡猾さを手に入れろ!そして、オーラロードを開くのだ!」
「「「「何だとっ!?」」」」
北の賢者のその言葉に、その言葉の意味を知るショウやマーベル達は驚愕する。
「うおおおぉぉぉっ!!」
そして、ラバーンのオーラがさらに高まった瞬間、空間に穴が開き、周囲の空間が歪み始める。
「こ、これって!」
「セフィーロに飛ばされた時と同じ状況じゃないか!」
「非常事態だ!各機を直ちに帰還させろ!」
ブライトの号令と共に、T3メンバーは急いでラー・カイラムとナデシコBへと帰還する。
「君も!早くこっちに!」
光がアーマードダークネスに声を掛けると、アーマードダークネスは赤黒い光を放ち、何処かへと消えて行った。
「消えた・・・?」
「光!急いで乗らないと!」
「う、うん・・・」
そして、強い光に包まれ、彼らはその場から姿を消した。
どうも、邪神イリスです。
というわけで、ようやくアーマードダークネスを戦わせる事ができました。
本当はお昼ぐらいに投稿する予定でしたが、少し描写を追加で書きたくなったので、この時間に投稿する事となりました。
次の話ですが、いったん自由遊撃隊ルートの方へと行き、それが終わったら、アーマードダークネスになって戦っていた雷夢の心象を書く予定です。