【RTA】VRゾンビサバイバー真エンド【解説】   作:ササキ=サン

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サボってたわけじゃないんです・・・(弁明)
こう、桃鉄なんて本編にあまり関係なさそうな場所は、一話で終わらせたいと思ったので、一話で書き切ろうとしたんですよ。

そしたら、文字数が28000くらいになりまして・・・実際、いつもの4話分くらいですかね。空いた期間は11日なので、2.5日に一回くらいは初投稿していたペースで書いてはいたんです。

つまり、初投稿です。


23話

やっぱりみんなで・・・ワイワイはしゃぐのを・・・最高やな!なRTA、はーじまーるよー!

 

はい。前回、茜ちゃんと午後から桃鉄をやろうと約束したところから再開です。

 

とりあえず、お昼ご飯を作りますよ~。これは缶詰の中身を取り出して一手間加えただけなので、あまり時間はかかりません。お手伝いを申し出るきりたんや茜ちゃん、ずん子さんなどを、「不要」の一言で追い払い、ササッとほもじちゃんの血液を料理に混入させましょう。

 

・・・・・・。おっと。ちょっとストップです。ストップ。

 

危ない危ない。頭が少しクラクラしています。これはちょっと貧血気味ですね。これ以上血液をぶちまけたら、顔色がまずいことになってしまうでしょう。やり過ぎは、こいつ具合悪そうだな・・・という顔色になってしまいます。余計な心労をヒロインズにかけるわけにはいかないので、ここらへんで自重しましょう。

 

しかし、相変わらずほもじちゃんはレベルのわりに貧弱だなって。順調に育ってくれているなら、そろそろどこかの桃色魔法少女みたいに片手でダンプを止めることもできるくらいの筋力はある筈なんですけどね・・・。あ、ついでに、ゲーム内では最強に近いゆかりんレベルのステだと、デコピンでダンプが数十メートルぶっ飛びます。もはやゴリラとかそういうレベルじゃねぇぞこれ(戦慄)

 

まあ、私も合気道的な何かを使えば、初期のステータスでも突っ込んでくるダンプを投げ飛ばすことができるんですけどね(謎の対抗心)。ただし中のドライバーはほぼ確実に死にますが。

 

とりあえず、特にイベントのない昼食の光景は倍速です。倍速中はみなさん少し退屈だと思うので、ほもじちゃんボイスのたべるんごのうたでも聞いていてください。

 

――少女食事中(たーべるんごー たべるんごー やまがたりんごをたべるんごー)

 

はい。まあ、ほもじちゃんは数秒で食事を終えていましたので、短い歌唱劇場でしたね。さて、後は歯磨きやお手洗いなどを済ませておいて、桃鉄のゲーム機をセッティングしておきましょう。

 

コードをテレビに繋いで・・・ふへへ、なんか楽しいですね。隙あらば自分語りをしますが、私、実はみんなで集まってワイワイする遊びがけっこう好きでして。リアルだとあまりこういう遊びをする機会がないので、新鮮なんですよね(ぼっち)

 

まあ、そんなことはどうでもいいとして、これからゲームで遊びます。しかし、これってロスじゃない?とツッコミを入れたい視聴者兄貴姉貴たちが多いと思いますが、オリチャーを発動し、これから習得するスキルによってそれを何とかします。

 

スキル《たーのしー!》。これをレベル5まで習得すると、遊戯によって得られる経験値が3倍になります。これを習得することで、時間のロスを効率的な経験値稼ぎの時間に変えるのです。

 

さて、ここで少し遊戯について、お話します。遊びという行動は、基本的にもらえる経験値がかなり多いです。しかも、一緒に遊んだ人物の信用値・好感度・恋愛値を上げたり、正気度を回復させたりすることもできます。ああ~いいっすね~!

 

ただし、それを行うには結構厳しい条件があり、そもそも遊びをしている暇がないのがこのゲームの難しいところです。本来、拠点強化に物資調達、探索に工作・生産、家事など、やるべきことが滅茶苦茶多いこのサバイバルでは、中々遊びのための時間を作ることができません。

 

そして更に、メンバーの正気度をある程度高めに保ち、楽観的な雰囲気を作り出さないと、遊ぼうと誘っても乗ってくれなかったり、誘うことそのものが人間関係の不和のもとになったりします。まあ、生きるか死ぬかの瀬戸際のゾンビサバイバルの最中で、スマブラやろうぜとかいってくる奴は、こいつ頭大丈夫か?と思ってしまうので仕方がないことですよね。

 

楽観的な性格の人物は、比較的ホイホイ誘いに乗ってくれますが、神経質なキャラの場合、状況によってはマジギレされることもあるので、遊びをする時はTPOをわきまえましょうね。

 

ついでにですが、子どもキャラと遊びをした時にもらえる経験値は、他のキャラクターと比べると、とても大きいです。このパーティーの場合はきりたんですね。

 

まあ、子どものキャラクターはステータスやスキル、さらにはメンタルまでもが貧弱極まりないゴミカスなので(ひどい)、どこかで優遇する箇所を付けないと、サバイバル生活においては完全なお荷物になってしまいますから、多少はね?そういった開発の計らいなのでしょう。

 

はい。以上がだいたいの遊びの解説です。

 

・・・・・・。ヒロインズはまだご飯を食べていますね。

 

すいませ~ん、ほもじですが、まーだ時間かかりそうですかね~?(レズはせっかち)

 

とりあえずスキルを習得しましょう。メニューからステータスを開いて、スキル習得。《たーのしー!》はどこだ~?

 

・・・・・・あ。

 

そういえばですね、スキルの習得には基本的に適性がございまして、最初の心理テストによって、一定の確率で習得不可能なスキル群などが決められたりするわけですが・・・。

 

じゃあみなさんに問題です。もしほもじちゃんに習得できないスキルがあるとするならば、それはどういったものになるでしょうか?

 

――はい。正解はコミュニケーション系統のスキルでした。会話の選択肢を良質なものにしつつ、会話による相手の正気度回復効果や好感度などの上昇効果を高める神スキル《話し上手》や、好感度等の数値の上昇に補正をかけつつ、全体的にグループやチームなどの雰囲気を向上させることができる《ムードメーカー》などなど。有用なスキルが多いコミュ関連のスキルは、適性によりほもじちゃんは一切習得できません。やっぱり、コミュ力ぅ・・・ですかね?あ゛あ゛ゴミカス!!!!!

 

失礼。少々取り乱しました。ともかく、《たーのしー!》はコミュ系統に分類されるスキルなので・・・習得はできませんでした。オリチャーが音速でぶち壊れましたね。誰ですかこんなガバガバなチャートを作ったのは。壊れるなぁ(壊れた)

 

うーん、一応この適性を変えるイベントはありますし、適性がなくても《たーのしー!》を習得することはできなくもないのですが・・・・・・いや待てよ、それだ!!

 

説明しましょう。このゲームはイベントやある一定の条件を達成することによって、スキルを習得することができる場合があるのですが、《たーのしー!》は狙えば比較的楽に(?)達成できます。

 

ズバリその条件とは、遊びをして多くの人物を楽しませることです。判定はNPCのAIの心情という、かなり漠然としたものからされるようなので、少々難しくもありますが、ゆかりん以外はだいたいのパターンを知り尽くしたヒロインズです。彼女たちを心の底から楽しませるのは、余裕のよっちゃんですとも。

 

はい。目標が決まったところで、他の人たちの食事や準備が終わるまでまだ時間がかかりそうですし、暇なので寝ます。スヤァ。

 

 

 

――少女睡眠中。

 

 

 

「ほもじさん・・・ほもじさん・・・」

 

ユサユサと揺すられて、起床しました。この緑はずんだ・・・じゃなくてセイカちゃんですね。おはようございます。

 

「はい。おはようございます。そろそろ始めるみたいですよ」

 

待ちくたびれたぞ!さあさあ桃鉄の時間ですわ。

 

さて、このゲームですが、実は4Pまででしかプレイできないんですよね。この人数だと、少しあまりが出ます。人数は多く参加した方が、もらえる経験値は多いので・・・ここはチームを組みましょうか。私はせっかくなので、スマブラの時に、寂しそうにほもじちゃんをチラチラ見ていたセイカちゃんをパートナーにしましょう。

 

「あ・・・はい。その、よろしくお願いします?」

 

なんか照れて赤くなっているセイカちゃんは可愛いですね。フフフ・・・。分かりますよ、セイカちゃん。真っ先にほもじちゃんに選ばれて、嬉しいんですよね?クスクス、クスクス。可愛いなぁ・・・本当に。

 

おっと、いけないいけない。えっと、そうですね。ここは語録に倣うならば、か゛わ゛い゛い゛な゛ぁ゛せ゛い゛か゛ち゛ゃ゛ん゛(キモオタ平野)といったところですかね。

 

「・・・」

 

おっ・・・少し茜ちゃんが悲しそうな顔をしています。あら^~茜ちゃん、やっぱ好きなんすね~。

 

「なるほど・・・ではあかりさん。ペアを組みましょうか」

 

「いいですとも!ゆかり先輩!」

 

ゲッ・・・。あかりちゃんとゆかりんのコンボはまずいですよ!あかりちゃん、基本的に運と直感がNPCの中ではトップレベルですからね。身体能力が低く、秀でた技能も特になく、頭が良いわけでもない上に、食糧だけは無駄に消費するうんこ製造マシーンなあかりちゃんなので、それに釣り合いを取らせるためなのか、無駄に運と直感がヤバイです。やばいわよ!やばいですね☆(謎のやばい三段活用)

 

本来、彼女のその高い運や直感の使いどころさんは、それを必要とするイベントに多いのですが、こういったミニゲームでもそれなりに猛威を振るうことになります。彼女はあまり頭が良くないので、戦略要素で圧倒できる分、ほもじちゃんが彼女に負けることはあり得なかったはずなのですが、その戦略を補えるゆかりんと組むとなると・・・NPCの組み合わせの中では、ほぼ最強に近いペアじゃないですかね?なんやこの厨パァ!

 

いやまあ、本気でやれば麻雀の時と同じように、ほもじちゃん劇場で圧倒的勝利を得ることはできるのですが、今回はみんなを楽しませて《たーのしー!》を習得するという目的があるので、それはキャンセルだ。

 

「じゃあお姉ちゃん、一緒にやろうよ」

 

お、これは安定の琴葉姉妹ですね。フタリグミ=ツクッテ(即死魔法)といわれたら、だいたいペアになるいつものです。姉妹の関係が良好なのは良いことですね。あら^~。

 

・・・・・・!

 

アッラ^~(激ウマイスラムギャグ)

 

・・・・・・。

 

はい。琴葉ペアが組まれましたが・・・これは少しマズイですよ。このままいけば東北姉妹がペアを組んで、ちょっとワンテンポ置いてから、マキマキが良心を発揮したペアに引き取られるという未来が見える見える。そうなればマキマキに、ハブにされてね私?というなんか色々とアレな精神ダメージを与えることになりそうなので、少し対策をしておきましょう。

 

実際の所、そんなに躍起になって対策なんてしなくても、正気度高めで良心ばつ牛ン(ばつぐん)のヒロインズなら、勝手に優しい世界を展開してくれますし、こんな些細なことを気にするほどマキマキのメンタルは弱くはないのですが、一発で《たーのしー!》を習得したいので、小さくても不安な要素はガンガン消していきましょう。

 

「弦巻マキ。来い」

 

「え?」

 

じゃあオラオラ来いよオラァ!ほもじちゃんの左側に待機させたセイカちゃんと、右側に引っ張ってきたマキマキの布陣です。これがチームほもじやない。でっかいの一つに中くらいの二つ。良い感じの山脈ですね(暗喩)

 

ストレートに言うなら、全体的にバストの平均値が最強です。それに比べて、ゆかりんとあかりちゃんのペアは凹凸が激しいですね・・・。おっぱい山あり谷あり。あ、いや。流石のゆかりんでも、凹んではいないか(正気に返る)

 

そもそも谷はおっぱいの谷間を想起させるので、ゆかりんの絶壁を表わすにはNG。-114514点です(厳しい自己評価)

 

え?東北姉妹ペアも似たようなもの?きりたんは小学生だぞ!小学生には貧乳も何も関係ありません。むしろ現実でロリ巨乳とかいたら、ホルモンとかに問題があって、乳腺肥大症とかの病気になっていないか疑うレベルなんだよなぁ(リアリスト)

 

そもそも、成人したきりたんはエンディングで見ることができますが、東北家のDNAをしっかり継いでいるため、普通に巨乳なんですよね。ね、ゆかりん?貴方とは違うのだよ、貴方とは(厳しい貧乳いじり)

 

はい。とりあえずマキマキをチームに勧誘したので、後は肯定的な一言を言って、ぼっちになりそうだからマキさんを勧誘したのではなく、マキマキが欲しいから勧誘したのだということを印象づけておきましょう。なんだこれは、チャートがないのに完璧すぎる采配だぁ・・・。

 

「両手に花」

 

おいこらほもじちゃん。気持ちは分かりますが、正直ちょっと意味不明過ぎて伝わらないし、びっくりされるんじゃないかな?案の定、マキさん結構びっくりした顔をしていますよ。まあ、嫌な顔はされていないのでいっか(適当)

 

茜ちゃんは、なんか切なそうな目でほもじちゃんを見ていますねぇ・・・。なんて言うんでしょう、乙女チック?これはもしかして、あの心中もどきイベントで百合フラグが立っちゃっていましたか?(今更感)

 

・・・・・・。まあ、今はどうでもいいか(思考放棄)

 

「フフ・・・じゃあ、きりたんは私とペアになろうか」

 

マキマキの戸惑う様子に、ずんちゃんはクスッと微笑みをこぼしてから、きりたんの傍へ歩いて行きます。これは・・・ほもじちゃんの意図がバレていますかね?いや、別にマキマキにバレなければそんなに問題はないのですが、私はお見通しだぞ、といった上から目線はいただけませんね。イラッ☆ときます。

 

あとで、立場をしっかりと分からせる必要があります。

 

・・・ハッ!いけないいけない。今はRTA中でした。そんなRTA上全く必要のない行為なんて、している暇はありません。ふふ、今日の私は紳士的だ。運が良かったな、ずんだァ・・・。

 

ずんちゃんがきりたんのもとへ行く途中。すれ違い様に、ボソッとほもじちゃんに呟きます。

 

「やっぱり、優しいところがあるんですね。ほもじさん」

 

・・・・・・。

 

 

フッ・・・・・・。

 

 

 

――お前を殺す(デデン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。これから桃鉄ですが、午後はずっと桃鉄をしていたので、基本的に倍速をさせてもらいます。超スピード!?

 

では、画面は倍速にしながら、桃鉄を知らない兄貴姉貴たちのために軽いルール説明をして、一部のシーンを抜粋してお届けします。

 

まず桃鉄は、言ってしまえばすごろくです。サイコロを振って、目的地を目指す。途中の青いマスに止まれば、所持金が増える。赤いマスに止まれば、所持金が減る。黄色いマスに止まれば、特殊な効果を発揮するカードをもらえます。

 

桃鉄は目的地に到達すると、非常にたくさんの資金をもらえます。そして最下位の人には、妨害をしてくる貧乏神が憑いてしまいます。目的地に辿り着いたプレイヤーが出ると、次の目的地が設定され、それを設定された年数まで繰り返して、最終的に総資産が最も多かったプレイヤーが勝利の栄冠を得ます。

 

桃鉄の各地には、様々な物件が売っているマスがあり、この物件を買うと、1ターン1ヶ月で進行していく中で、3月の決算で物件に応じたお金がもらえます。

 

物件にはその値段と収益率が決まっており、オーソドックスな物件は1000万で買うことができ、50%の収益率を持っていますね。つまり、この物件を買えば、3月になると500万円もらうことができるということです。

 

桃鉄では、この物件をいかに多く買いあさることができるかで、勝負が決まります。桃鉄では最後の総資産が高かった人物が勝つのですが、総資産は購入した物件と所持金の合計を指します。

 

はい。つまり、現金よりも年々収益をあげて現金を増やしてくれる物件の方が、所持している有り難みが多いということですね。ただし、赤マスに止まってしまったり、何らかのイベントで所持金が減らされ、それがマイナスになってしまうと借金をしてしまい、強制的に手持ちの物件を購入時の半額で売り払わなければいけなくなります。なので、現金と物件のバランスは、状況に応じてしっかりと考えなければいけませんね。

 

というわけで説明終了です。それでは、一部の抜粋をご覧ください。はい、倍速終わり。

 

 

 

 

 

1年目4月

1位 チームほもじ

1位 ゆかりんあかりペア

1位 琴葉姉妹ズ

1位 東北家

 

――チームほもじのターン

 

さて、まずは始める前に、一つ提案をしましょう。

 

「最下位は、罰ゲーム」

 

やっぱり、こういったゲームは賞品や罰ゲームがないと盛り上がらないよね!みんなを楽しませる目標を達成するためにも、熱くなれるための餌を投下しておきましょう。

 

ほもじちゃんの提案に、ヒロインズのみなさんは、ほう・・・っという空気になります。

 

「一位のチームの言うこと、一つ、何でもきく」

「――ええな!」

「――いいですね」

 

はやーい!なんだこの賛同の早さ!?あのー茜ちゃんとゆかりん、何か邪なことを考えていませんよね?もしやほもじちゃんにお願いを使って、乱暴なことをするつもりでしょう?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!(強調)

 

公序良俗(こうじょりょうぞく)、反しない」

 

常識的な範疇のお願いにしてね。まあ、好感度は高くても、恋愛値が劇的に高まっている訳ではないので、そんな性的なことを狙っているわけではないでしょうが。

 

皇女陵辱(こうじょりょうじょく)(難聴)に・・・反しない・・・!?」(興奮)

 

おいコラ弦巻ィ!なんか不穏な気配がするのですが。背筋がゾクッときましたよ、今。殺してもいいですか?

 

というか見たところ、ゆかりんも謎の悪寒を感じている様子。なるほどなるほど。ターゲットはそんな感じなのですか、変態さん。軽蔑に値しますね。

 

まあ、とりあえず最下位には一位のチームの人のお願いを聞くというルールが制定されました。

 

うん。みんなで楽しく、勝利を目指して全力で桃鉄をやろうね!妨害系のカードは使わないようにしようなんて、そんな生やさしい雰囲気を作られたら、ね・・・。こちらが愉しくないので。ええ、やるなら愉しくいきましょう。愉しくね?クスクス

 

 

 

 

 

1年目6月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 チームほもじ

3位 琴葉姉妹ズ

4位 東北家

 

――チームほもじのターン

 

「よし、やれ。京町セイカ」

 

このチームの役割分担ですが、サイコロ担当はセイカちゃん、ルーレット担当はマキさん、司令塔は私ということになりました。というわけで、セイカちゃんがサイコロを振ります。

 

「はい!せいっ」

 

コロンコロンと、出た数字は・・・6ですね。おお~ええやん。やりますねぇ!

 

「でかした」

 

撫でてやろう。ほーらよしよしよし。

 

「えへ、えへへへ・・・」

 

というわけで駒を進めていきましょう。目的地に近づくルートは道の分岐で2通り。一つは赤マスで、もう一つは赤マス。どちらも現金が減りますね。

 

目的地から遠ざかるなら黄色マスや青色マスに止まれますが・・・現状で、目的地から遠ざかるルートで6マスも逆走すれば、今回の目的地争いから脱落することは必至でしょう。

 

・・・・・・。

 

おいコラセイカァ!(手の平返し)

 

「えっ、ええ!?すいません!許してくださいっ」

 

いいや許さないね。足つぼマッサージの刑です。

 

「あいたたたたたたた・・・ッ」

 

ほらほらほらほらほら。暴れると痛いぞ~?暴れなくても痛いですが(鬼畜)

 

さて、今回は仕方がないので赤マスを享受しながら進みましょう。序盤の、目的地に到達した時にもらえる援助金は、序盤においては非常に大きなリードです。赤マスのちょっとした減額くらい、目的地に入ることができれば余裕でおつりがきます。

 

しかも幸いなことに、赤マスは夏に近いほど減らされる金額が少ないです。まあ、逆を言えば青マスに止まった際の所持金プラス額も大きいので、他のペアが青マスに止まったら差が広がるのですが。・・・まあ、まだ一回表、試合は始まったばっかりよ。そう焦んないで。

 

とりあえず、ルーレットでできる限り低い値を出すのですマキマキ。

 

「まっかせてー!」

 

出したマイナス金額は・・・140万?ぼったくり・・・ではないですね。結構少ない方でしょう。よーし、良くやったぞ。撫でてやろう

 

「ぁぁ~幸せぇ・・・」

 

うわ、気持ち悪っ。

 

「あだっ!?」

 

すいません。唐突な悪寒についビンタしてしまいました。

 

「ぅぅ・・・中々勘が鋭いね、ほもじさん」

 

ぺちん。

 

「二度もぶった!?」

 

うん。貴方は何というか・・・もうちょっとそのレズっけを抑えた方が良いんじゃないですか?あんまり酷いと殺しますよ。

 

「かなり殺伐としているねほもじさん!?」

 

うるさい変態!死ね!(包み隠すことなき直球の殺意)

 

「あ、ありがとうございます・・・!」

 

こいつ無敵か?

 

 

 

 

 

 

1年目8月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 琴葉姉妹ズ

3位 チームほもじ

4位 東北家

 

――チームほもじのターン

 

目的地まであと2マス。回り道を使えば6マスでも入りますよ。3分の1です。行けますよね、セイカちゃん?

 

「が、頑張ります!」

 

意気込んで振ったサイコロの結果は――5。

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

にっこり。思わず笑みがこぼれますね!

 

「足つぼ。闘魂注入ビンタ。ストレッチ。どれがいい?」

 

「えへへ、あのぅ、なしっていうのは、ダメですか?」

 

ほーん。ほーん。ほうほう。なるほどね。

 

「ほう、全部。よく言ったな。それでこそ男だ」

 

「女の子ですよ!?あ、や、ヒギィ!?」

 

はい。駄犬にお仕置きをしながら、5マス進んで黄色マスに止まってカードをもらいましょう。さあ、マキさん。ルーレットを止めて、良いカードを入手するのです。同じ黄色なので、良い感じにシナジーを発揮して良いカードを引いてくれませんかね?

 

「えいっ!」

 

おっ、良い気合いです。これなら良いカードが引けるのでは――

 

《リトルデビルカード》

 

《デレデデデデデデレデデデデデーデーデーデーデー》(不穏そうなBGM)

 

「・・・・・・」

 

 

 

「草生えますね」

 

「ふっ・・・」

 

「マキさん・・・」

 

『リトルデビルが ほもじ社長に とりついて しまった!』

 

『リトルデビルが 100万円 奪っていった!』

 

はっはっはっ。

 

「これはね、黄色いマスに止まることを選んだほもじさんにも少し責任があると思うんだ。だからね――」

 

もういい喋るな。ただ、苦しめ・・・(豚を見るような目)

 

「あいたたたたたたた・・・ッ、ちょ、痛い、これすごく痛いよぉ!?」

 

大丈夫ですよ。痛いだけです。この足つぼは痛いだけですから。むしろ終わった後は健康的になりますよ。はい(にっこり)

 

「ほもじさんのチームは、楽しそうですねー」

 

「ずん姉様?まあ、端から見るとそうですね。入りたくはありませんが」

 

おう。ずんちゃんから生温かい視線が送られてきていますね。お前、後で殺すと誓ったこと、忘れてねぇからな。覚えておけよ・・・後で、ものすごい勢いでうんちにしてやる(意味不明)

 

 

 

 

 

1年目9月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 琴葉姉妹ズ

3位 東北家

4位 チームほもじ

 

――チームほもじのターン

 

さて、セイカちゃんやマキマキが全然使えないことが分かったので、今月のサイコロは私が振ります。どれ、じゃあ私がサイコロの振り方というやつを教えてあげましょう。

 

さて、目的地にゴールできるのは3と6。3分の1ですか。これはもう余裕ですね。入りました(未来完了形)

 

私は桃鉄で何度もヒロインズを相手取り、勝利してきた桃鉄の王の中の王。ニワカは相手にならんよ。

 

「お魅せしよう・・・王者の打ちしゅじを」(噛みまみた)

 

コロ、コロ。出た賽の目は――1。

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「えーっと、王者の・・・何だって?」

 

うるせぇぞ弦巻ィ!!

 

くっ、ば、馬鹿にしやがって・・・。これはたまたまです。Biimの血族に定められた宿命なので、クズ運はノーカンです。

 

「カードマス。ここでとても良いカードが手に入る」

 

ざわっ。場の空気が、一瞬で変わります。ええ、そうですとも。私がほもじやないです(天下無双)。貴方たちの命を何度も救い、あらゆる敵を打破してきた英雄です(女の子やゾ)

 

例え一瞬ポンコツオーラが出ようと、そういえば前に車の鍵を忘れ物してたな・・・とか変なことを思い出されようと、様々な過酷な状況を切り抜けてきた力ある者なのです。その百戦錬磨の雰囲気は、一瞬で舐めたムードを出し始めていたヒロインズに緊迫感を与えます。

 

ざわざわ。なんて強そうな雰囲気だ。まさかたまたま外れてしまったサイコロでさえ、それは大いなる計画の一つだったのではないか・・・?そんなことを思わせるほどに、ほもじちゃんはカリスマ的強者の雰囲気を纏っていました。

 

ええ、では魅せてあげましょう。あらゆる状況に立ち向かい、それを打破してきたプロのサバイバーの力を。カードマスのルーレットに対し、凄まじい威圧感をもって、決定のボタンを押し――

 

 

 

《キングデビルカード》

 

《デレデデデデデデレデデデデデーデーデーデーデー》(不穏そうなBGM)

 

 

 

「・・・・・・」

 

沈黙。場の空気がまるで真冬の北海道のごとく、凍り付きます。それはさながら、入団の通過儀礼の時に、芋を持ち込んで食べていた少女が、教官に芋を半分差しだした時のように(巨人)

 

『リトルデビルが 100万円 奪っていった!』

 

『キングデビルが 1億円 奪っていった!』

 

「ぶふっ」

 

きりたんが噴き出しました。

 

『ほもじ社長さん!』

 

流れてくるのは、どこか悲しげなメロディーのBGM。

 

『お金が たりません! どの物件を 売りましょうか?』

 

それは借金をしてしまった時固有のBGMであり、敗北者へのレクイエム。

 

『・・・と 思ったら 我が社には 売れる物件が ひとつも なかったんですね!』

 

うるせぇ!煽るな畜生めが!

 

『ほもじ社長は 借金を せおってしまった』

 

「・・・・・・」

 

喋る言葉が見当たらなかったためか、ゆかりんの必死に笑いを堪える声はやけに耳に残りました。

 

「ほ~も~じ~さ~ん~?」

 

「やっちゃったねぇ?」

 

や、やあ、セイカちゃん。弦巻さん。そんなに怖い顔をしてどうしたんだい・・・?

 

「今まで、散々私たちに罰ゲームをしてきたので~」

 

「ほもじさんも。やらなきゃダメだよねぇ?」

 

ははは。あのですね。私、触るのは好きですが、触られるのは苦手でして。それとですね、責めるのは好きなんですけど、責められるのは嫌だなーって。だからですね。あのぅ。

 

ガシッ

 

「お覚悟を」

 

「うへへへへへへへ」

 

お、お情けを。お情けをっ!

 

 

 

アーーーーーーーーーッ♀

 

 

 

 

 

 

2年目10月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 東北家

3位 琴葉姉妹

4位 チームほもじ

 

――琴葉姉妹のターン

 

さて。桃鉄について少しお話しします。基本的にこれは運ゲーといってもいいゲームなのですが、年数が長期になればなるほど、運ゲーから戦略ゲーにその本質を変えてきます。今回は10年間、合計120ターンの試合であるため、重要なのは運よりも戦略です。

 

残念ながら、私は戦略においてはゆかりんを圧倒的に凌ぐわけではないので、ゆかりんとガチで争ったら、結局のところ最後は運がものを言う戦になります。

 

だがしかし。桃鉄は二人プレイのゲームではなく、四人プレイのゲームです。その面において、私はゆかりんよりも遙かに優れた手法をとることができます。

 

「茜」

 

茜ちゃんのターン。サイコロを振ろうとしていた茜ちゃんを手招きして、呼び寄せます。

 

そして耳元に口を近づけ、囁きます。

 

――うんちして♡

 

はい。一月前に彼女たちが入手した、うんちカードを使ってというお願いですね。

 

「ええ?これ、役に立つんか?」

 

立ちます立ちます。それを使えば、茜ちゃん達がいるマスの上にうんちを落とすことができますよね。そしてそこは通ることができなくなります。

 

つまり、茜ちゃん達がいる場所が、ハワイからの帰り道で、迂回路が一つもない一本道であり、その後方にゆかりんあかりちゃんチームがいることを踏まえると、そこでうんちカードを使うことによって、ゆかりん達を赤マスだらけのハワイ近辺に立ち往生させることができます。

 

ね?良い戦略でしょう?

 

茜ちゃん達が一位になるためには、一位のゆかりんあかりちゃんペアを全力で妨害する必要がありますよね?

 

一位・・・なりたいでしょう?茜ちゃん。

 

「そっか、そうやなぁ・・・」

 

納得した様子の茜ちゃん。これはやりましたね!

 

「くっ、なるほど、その手がありましたか・・・!」

 

無事うんちカードが使われ、ゆかりん達の道はでっかいうんこによって閉鎖されました。これが本当のクソゲーってやつですね。ハハハハ。

 

まあ、こうやって全力で妨害し合っていると、リアルファイト不可避の友情破壊ゲームとなるのが桃鉄なのですが、そこは上手いところ調整していきましょう。

 

ぶっちゃけると、先ほどからあえてセイカちゃんやマキマキの罰を無抵抗に受けているのも、その調整の一環です。煽り合いや罰ゲームなどの行為は、どちらか一方に罰が溜まってしまえば、片方はあまり楽しくないですからね。上手いこと勝ったり負けたりして調整しましょう。

 

そして普段のほもじちゃんの雰囲気だと、気軽に絡みづらいオーラが出ていますが、今ばかりは、どこか虐めたくなるような不思議な雰囲気を出しております(被虐体質:D)。普段はあまり使う必要のない、私のちょっとした特技の応用ですが、こういう場面では結構役に立ちますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

2年目12月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 東北家

3位 琴葉姉妹

4位 チームほもじ

 

――チームほもじのターン

 

お、セイカちゃんのサイコロは4。普通に黄色マスに止まって、マキマキのカードルーレットが・・・。

 

《ダイヤモンドカード》

 

でかしたぞチャンマキィ!!

 

「おお、なんか凄そうなカードですね!」

 

そうですぞセイカちゃん。これは素晴らしいカードです。カード売り場にいってこれを売れば、現状でもダントツで一位になれるほど、たくさんお金をもらうことができます。基本的に夏に近いほどもらえる金額は増すのですが、妨害上等の現環境なら、できるだけ素早く売った方が吉となるでしょう。

 

桃鉄にはカードを奪うカードや交換するカード、破壊するカードと、実に妨害手段が豊富ですので、貴重なカードを持ったらリスク管理はしっかりしていきたいですね。

 

「うへへへ、柔らかい・・・幸せぇ・・・」

 

ご褒美としてマキマキを強く抱きしめてあげたのですが、既にぶん殴りたくなってきました。まあ、嫌悪感はやばいですが、それでも調整に必要な一環ですからね。今回の目的はみなさんを楽しませることですから。ギャグ風味にマキマキをいじめるのはありでも、毎回やっていては金髪の子かわいそう・・・になってしまいます。

 

適度に、飴と鞭を使い分けていきましょうね。

 

 

 

 

 

 

3年目1月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 東北家

3位 琴葉姉妹

4位 チームほもじ

 

――琴葉姉妹のターン

 

おや、茜ちゃんたちはカードマスに止まったようですね。変なカードを引かなければいいのですが・・・。

 

《カード交換カード》

 

あ。

 

「ふふ・・・どうやら、貴方は中々運がないようですね・・・やない?」

 

お、おいおいゆかりん、早とちりするなよ・・・。まだ茜ちゃんがそれを使うかは確定していないんだぜ・・・?

 

あ。桃鉄未プレイ兄貴姉貴達に説明すると、カード交換カードは、その名の通りカード交換をするカードですね。相手を選択して、自分のカードを1枚選んで相手に渡す代わりに、自分の好きなカードを1枚相手から奪うことができます。

 

交換というわりには、使用者に一方的に有利な妨害カードですね(恐怖)。なお、ブロックカードがないと交換を断ることができないので、来月それを使用されたら、せっかくのダイヤモンドカードが秒で奪われます。

 

カード売り場で即時ダイヤモンドカードの売却は・・・サイコロを振っていける範囲のマスには、カード売り場が存在しないので、茜ちゃんがやる気ならほぼ確定で取られるんだよなぁ(絶望)

 

はは、まさかあんなに良い子な茜ちゃんがそんなことするはずないよ!うん、私知ってます。

 

 

 

 

 

 

 

3年目2月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 東北家

3位 琴葉姉妹

4位 チームほもじ

 

――琴葉姉妹ターン

 

「茜さん茜さん」

 

おっと、ゆかりんが茜ちゃんに話しかけましたね。まさか!?

 

「カード交換カード。やないに使っちゃいましょうよ」

 

おいコラゆかりん!それは卑怯ですよ、ひーきょーうー!(ブーメラン)

 

「因果応報。草生えますね」

 

「ほもじさん・・・楽しそうですね!」

 

東北の外野が何か言ってますね。きりたんはいいとして、ずんだの生温かい目線が腹立ちますね。妨害系のカードを手に入れたら、真っ先にお前に使ってやるからなぁ・・・。

 

「一位になっても、やないが最下位でなければ、つまらないですよね?」

 

「・・・・・・!」

 

待ちなさい。何ですかその茜ちゃん顔。なるほど!みたいな顔していますが、全然ダメですよそれは。嫌です嫌です、罰ゲームなんて受けたくない!(だだっ子)

 

「カード交換カードで、やないからダイヤモンドカードをいただいてしまえば・・・。貴方は一位になれて、やないは最下位のままです。ね、実に理想的な一手でしょう?」

 

・・・致し方ありませんね。そちらが全力で来るなら、こちらも抜かねば無作法というもの・・・。私も色々と解禁して、全力で対抗しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「茜」

 

聞こえたその声は、どこか蠱惑的な甘さをもっていた。

 

ゆっくり、ゆっくりと。ほもじやないは琴葉茜に近づく。みんな、座ってゲームをしていた最中なので、はいはいをするように、ゆっくりと近づいてきたほもじの姿は、どこか目を離せない妖艶な美しさを醸し出していた。

 

ごくり。誰かがその姿を見て、唾を飲んだ。そして、その部屋にいる人たちで、誰かを気にする者はいなかった。

 

なぜか。誰もが、思わず唾を飲んでしまうことを認めざるを得ないほど、ほもじやないの魅力は確かなものであったからだ。その唾を飲んだ者が自分なのか、他の誰かだったのか。彼女たちには見分けることができなかった。

 

同性愛者もノンケも。構わず魅了してしまう壮絶な魅力。ほもじやないは茜の傍によると。

 

両手を合わせて。

 

うるうるとした上目遣いで。

 

とても、あざとく。

 

 

 

「お願い♡」

 

 

 

ぶりっ子のごとく、甘く甘く、おねだりをした。

 

――その場に衝撃が奔る。

 

それは、あまりに大きな衝撃。さながら、芸能界の大御所が、最近流行した芸人の一発ネタのものまねをするような。

 

シュールさと、ギャップの核爆発。先ほどまで場を支配するような圧倒的美しさを発揮していただけに、それはあまりにも凄まじく。

 

その場の全員に、驚愕、困惑、可愛い、笑撃。様々な感情を与え。

 

――最終的に、その場の多くの人物の腹筋を崩壊させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

よし(適当)。色々ありましたが、最終的に茜ちゃんを籠絡することができたので万事解決です。

 

まあ、あざとい演技でヒロインズの腹筋にダメージを与えましたが、真正面にいた茜ちゃん本人にはおねだりがかなり効いていたようなので、無事カード交換カードを使われることは回避できました。

 

現在、床に座って、足の間に茜ちゃんを確保し、後ろからぎゅーっと抱きしめる体勢で桃鉄をプレイしております。茜ちゃん、セイカちゃんやマキマキにご褒美をあげていた時、じーっと物欲しそうにこちらを見ていましたからね。

 

みんな楽しく。それを目指す以上、茜ちゃんの欲求もある程度は満たしていかないといけません。ついでに茜ちゃんが不穏な動きを見せたら、すぐさまささやき戦術で洗脳・・・おねだりできるので、まさに一石二鳥ですね!

 

「あはは、なんだか幸せやなぁ・・・」

 

茜ちゃん、かなり真っ赤になってオーバーヒートしていますが、大丈夫なんですかね?まさかここまで恋愛値が高くなっているとは、ちょっと予想外です。

 

「お姉ちゃん・・・」

 

このふぬけた様子のお姉ちゃんには、流石の葵ちゃんも呆れたような視線を茜ちゃんに向けます。まあ、可愛いけど情けないからね。仕方ないね。

 

それにしても、結構視線を感じますね。ずんだの生温かい視線はともかく、葵ちゃんやきりたん、マキさんにゆかりんやセイカちゃん。あかりちゃん以外のほぼ全員が、何かしらの感情をもってこちらに視線を送ってきています。

 

うーん。ここで一つ、みなさんに注意をすることがありまして、性的なことをすると、百合フラグが立っていなくても恋愛値が高まります。だから、ヒロインズにマッサージやセクハラをしないようにする必要があったんですね(手遅れ)

 

同性でスキンシップやボディータッチが容易だからといって、気軽に触ってはいけないのです・・・。

 

ついでに、セクハラや性的な接触による恋愛値の上昇は、主人公の魅力ステに依存します。低いと逆に下がったりすることもありますが、ほもじちゃんの場合は・・・(察し)

 

はい。きりたんや葵ちゃんの視線は、つまりそういう意味だったんですね(白目)

 

マキさん?彼女はレズなので、異性と同じように恋愛値が上がります。故に、魅力ステが高いと、一緒に過ごしているだけで自然と恋愛値が上昇していきます。まあ、これは視聴者諸君にも覚えがあるのではないでしょうか?学校で隣の席に美少女がいたら、特別なイベントがなくても自然と好きになることがある。まあ、そういうことですね。

 

・・・・・・。

 

これ。正直に言ってしまうと、好感度調整、滅茶苦茶ガバってません・・・?ヒロインズの欲求を満たしながら、全員を桃鉄で楽しませるの、すっごい調整が面倒なのですが。

 

・・・・・・。

 

ヨシ!(思考放棄現場猫)

 

 

 

 

 

 

 

 

3年目7月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 東北家

3位 チームほもじ

4位 琴葉姉妹

 

――東北家のターン

 

ぐ、ゆかりんあかりちゃんペアが目的地へゴールしましたね。あかりちゃんのラックとゆかりんの戦略が合わさり、ダイヤモンドカードで一財産を得ても、中々追いつくことができません・・・。むしろちょくちょく彼女たちに妨害カードを使われるので、ほぼ洗脳・・・協力関係にある琴葉姉妹を抜くことはできても、東北ペアにもまだ総資産は届きそうにありません。

 

次の目的地は・・・仙台ですか。

 

仙台・・・?東北・・・。ずんだ餅・・・。

 

閃きました。

 

「あ、やないがすごい悪い顔してる?」

 

「え?あ、本当だ。無表情なのに、悪いことを考えているのがヒシヒシと伝わってくる・・・」

 

ほもじちゃんの豹変を感じ取った琴葉姉妹が、口々にコメントしてくれます。うん、まあ、そういう雰囲気をあえて出していますからね。かなりの演技力を必要としますが、極めればかなり面白いギャグとして一発芸になりますし、今回のような調整には色々と便利です。

 

まあ、小技の紹介はひとまず置いておいて、ずん子さんに向かって呟きましょう。

 

「仙台の物件、ずんだ餅屋がある」

「――行きますよきりたん、新幹線カードです」

 

はい。ずんだキチが釣れました。みなさんも覚えておきましょう。きりたん生存ルートのずん姉様は、ずんだ大好きのずんだキチです。きりたんゾンビ化ルートのアヴェンジャーずん子の場合は、シリアス一辺倒の真面目キャラなので、一番好きな食べ物はずんだ、といった程度の話です。だがしかし、きりたんが生きているとけっこうシリアスが抜けるので、ギャグが入ってくるんですよねこれが。

 

「待ってくださいずん姉様、私たちは目的地から最後尾だったので、貧乏神が付いています。これをなすりつけてから仙台に向かわないと、貧乏神の被害をモロに受け――」

「――行きますよきりたん。ずんだが私を待っています」

 

ずん姉様、おいたわしや・・・。脳をずんだに犯されて、正常な判断ができなくなっているんですかね。正直ドン引きですが、セイカちゃん以外のヒロインズは、うわ出た・・・みたいな顔をしています。

 

はい。彼女たちはゾンビハザードの以前から、ずんちゃんと友達ですからね。ずんちゃんのキチ(・・)ガイな一面も、既知(・・)のものです(激ウマギャグ)

 

よし(満足)

 

ひとまず、これでずん姉様が貧乏神を連れて、猛烈な勢いで目的地の仙台へ向かい始めました。目的地はほぼ確実に取られるでしょうが、今回は諦めて、貧乏神が憑いてしまう最後尾にならない程度に駒を進めつつ、近場の物件を漁っておきましょう。

 

さて、新幹線カードを使ったおかげで、ずんちゃんのサイコロが4つに増えました。一体どれほどの目をだしてくれるのでしょうか。これによってのんびりできる具合が変わるので、できる限り低い目を――

 

「――24。やはりずんだが私を喚んでいますね」

 

ファッ!?なんだこの全ダイス6ゾロは・・・。たまげたなぁ。

 

ずんちゃん以外の全員が驚愕する中、ずんちゃんがズンズンとずんだ餅屋へ向かって行きます。ずんだだけに。

 

――ずんだだけに(くどい)

 

 

 

 

 

 

 

3年目10月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 東北家

3位 チームほもじ

4位 琴葉姉妹

 

――東北家のターン

 

それから、ずんちゃんはずんだに呼び寄せられるように、サイコロで常に6を出し続け、ぶっちぎりの早さで仙台を射程圏内におさめました。回り道を含めて、1か6の目が出れば仙台に到着しますね。

 

「この勝負、もらいました・・・!」

 

ずんだ極まったずんちゃんの一投。もはや背景にずんだ餅を幻視してしまうほどに高まった、おぞましい何かをもって振られた賽は、見事に目的地へ辿り着くことができる目でとま―――

 

 

 

《3》

 

 

 

―――りませんでしたね。なんで?(困惑)

 

「ええ・・・?これ、完全にいく流れやーと思ってたんだけど、違うの?」

 

「いや、分からないよお姉ちゃん。今はまだ一回外しただけ。次は入るかもしれない」

 

まま、今までのサイコロが異常だっただけで、これが普通なんじゃないですかね?よく分かりませんが。じゃけん、のんびりカードや物件を集めましょうね~。

 

 

 

 

 

 

 

 

4年目4月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 東北家

3位 チームほもじ

4位 琴葉姉妹

 

――チームほもじのターン

 

冬が明け、日差し柔らかな春の訪れ。赤マスもその温もりに優しさを思い出し、3月の決算で物件の収益を受け取ったことで、社長さん達の懐にも暖かな春の気配が芽吹き始めました。

 

ですが。

 

 

「なんで・・・?」

 

 

ずんだは、未だに仙台へ入ることができていませんでした(苦笑)

 

ええ、どうした。随分調子が悪いじゃないか。良い気味だなぁ、ずんだぁ・・・!(ド畜生)

 

10月から3分の1や6分の1を外し続け、積もった黒星は5つ。大敗北の五連敗でございます。

 

外す度に大きなショックを受けたリアクションを取るずん姉様の姿に、最初は笑いを隠せないヒロインズのみなさんでしたが、度が過ぎるとそれはもはや憐れみに代わり、ヒロインズの間で、何とかしてよこのずんだ・・・というアイコンタクトが飛び交います。

 

じゃあ仕方ねえ・・・俺がすっぱり散らしてやるぜ!(CCO)

 

やるのか、ほもじさん!?そんな視線を受けながら、カードメニューを開き、あるカードを選択します。

 

《ぶっとびカード》

 

ランダムで全国のどこかにぶっとぶカードなので、かなりの博打になりますが、現状、仙台に全く向かう気がなくダラダラしていたので、目的地までまだまだ遠い場所にいます。この差を一気に詰めるには、やはり多少の博打が必要になるでしょう。

 

ぶっとびカードで東北地方に大きく近づき、先に仙台に入ることができれば、あの豆狂いをずんだの呪縛から解放できるのではないでしょうか?まったく根拠はありませんが、とりあえず停滞し始めている現状に一石を投じる心境で、ぶっとびカードを切ります。

 

カードを使うと、ヘリに乗った駒が北東の方向へ空を駆け抜けていきます。

 

お、これってもしかして、もしかするかもしれませんよ。

 

そして辿り着いたのは――仙台。まさかまさかのホールインワンですね。

 

「やったぜ」

 

褒めてもいいんだぞセイカちゃんマキマキ。ドヤァ・・・と胸を張ってみますが、お二方はどうやら脅えている様子。ん?と思って彼女たちの視線を辿ると、視線の先には、光の消えた瞳で私を見つめるずん姉様の姿が。

 

ヒェ・・・。急にホラーになりましたね。どうしましょうかこれ?とりあえず何か言わなければ。

 

「ずんだが喚んだのは・・・私だ」(煽るんご)

 

失礼。ブレーキとアクセルを踏み間違えました(上級国民並みの感想)

 

「どう、して・・・?」

 

光の消えた瞳でゆらゆらと近づいてくるずん姉様。捕まったらゲームオーバーになりそうだなって(ホラゲ並感)

 

「私はどうして、ずんだに選ばれないのでしょうか・・・?」

 

いや知らんよ。ずんだに選ばれるってなんやねん。

 

「私の思いが足りなかったのでしょうか・・・?私の祈りが足りなかったのでしょうか?私の一体何が足りなかったのでしょうか」

 

うん、足りないのは理性じゃないかなって。ですがあれですね。これじゃ埒が明きません。さっさとなんとかしたいのですが・・・じゃあ、電波には電波をぶつけてみましょうか。

 

「馬鹿野郎」

 

ガシッとずんちゃんの肩を掴みます。目を真っ直ぐ見て、強固な意志をもって言葉を紡ぎます。

 

今は理性を捨てましょう。電波を上書きするのは、より強力な電波です(お目々ぐるぐる)

 

 

 

「ず ん だ 力 が 足 り て い な い」

 

 

 

やない!?困惑の声をあげるヒロインズはひとまず無視して、更なる毒電波を発信します。これでも浴びろ~!(ほもビーム)

 

「これを着て、ずんだ力を上げるといい」

 

どこからともなくほもじちゃんが取り出したのは、緑色の全身タイツ。

 

?????

 

私そんなもの拾ってきていないのですが・・・まあ、ギャグ時空特有の謎現象でしょう。この現象を理解するには・・・その説明をする前に、今の銀河の状況を理解する必要がある。少し長くなるぞ(侍8)

 

「こ、これは・・・ほとばしるずんだのエネルギー・・・!これがあれば私も・・・ッ!」

 

・・・もはや何も言うまい。カルト宗教の教祖とかって、こんな気分なんですかね?馬鹿を支配するのは楽しいかもしれませんが、ただの馬鹿を支配しても品位がないというか・・・なんでしょうね。もうちょっとこう、反発力とか未知とか、反乱とかの可能性が欲しいというか・・・(謎の食通)

 

ああ。達成感がない、というのかもしれません。なるほどなるほど。だからChinChin巨匠も一度、催眠解除!というリスクを負ってから、再び催眠!するのかもしれません(意味不明)

 

あ。ついでに言っておきますが、私、催眠はあまりしませんよ?葵ちゃんのあれは不慮の事故ですから。やっぱり、純愛が良いというか・・・好きな人には、まごころを込めて私を愛して欲しいというか・・・?(隙あらば自分語り)

 

好きだから調教したい支配したいという邪心も、お恥ずかしいですが、時折出てしまうんですけどね・・・(照れ)。ですが、きっと私が好きになる人なら、それくらい耐えてくれると信じています。

 

耐えられなかったら?私のお気に入りのお人形が一体増えるだけじゃないですかね?どっちに転んでもお得なので、モーマンタイです!(サイコパス)

 

さて、ずんちゃんが数分離脱して、緑色の全身タイツを着て帰ってきました。

 

「どうですかほもじさん・・・!このあふれ出るずんだエネルギィッ・・・!」

 

すごく・・・・・・緑です。

 

それにしてもずん子さん、まだ最下位になったわけじゃないのに、どうしてセルフで罰ゲーム受けてるんだろ(素朴な疑問)

 

「素晴らしい」

 

適当に褒めておきながら、とりあえずスッと、ほもじちゃんの予備の制服の上着を、羽織るだけでもいいので着せてあげましょう。

 

全身タイツという体のラインが出まくりな衣装だと、ナイスバディーなずん子ちゃんはやばいです。これは親子で見れる健全なRTAですからね。いらん編集に気を遣うハメになります。ゆかりんならこんな気遣い必要なかったんだけどなー。ゆかりんならなー。

 

とりあえず、ずんちゃんの全身タイツ姿は、見せられないよ!で隠しておきましたが、みなさんどうですか。え、余計卑猥になっている?それは貴方たちがドスケベなだけでは?

 

「あ・・・ありがとうございます」

 

自分がどのような格好をしていたのかを今更認識したのか、ずんちゃんは恥ずかしげに頬を染めながらお礼を言ってきます。みなさん知ってますか?こういうの、マッチポンプっていうんですよ(ゲス)

 

さて、だいぶゲームが中断していましたが、桃鉄を再開しましょう。

 

仙台に着いたので、物件を買うか選択肢が出ますが、せっかくなので買うことを選んで、ずんだ以外の買える物件を買っちゃいましょう。ずんだは買わないのかって?そんな疑問を抱く時点で、お客さん、中々鬼畜ですね。まあ、疑問には答えましょう。どうしてずんだをわざわざ残すのかというと、撒き餌になってもらうためです。

 

「ずんだ力、見せてやれ」

 

「ほもじさんっ・・・!ありがとう、ございますっ・・・!」

 

感謝っ・・・!圧倒的感謝っ・・・!といった感じでずんちゃんにお礼を言われますが、うん。まあ、素直に受け取っておきましょう。

 

クスクス。クスクス。愚かだからこそ・・・いじらしい・・・。実に、愉快ですね。

 

――そして次の月に、ずん子ちゃんは緑タイツから引き出したずんだパワーを発揮したのか、見事に仙台に到着し、念願のずんだ餅屋を買収したのでした。

 

クスクス・・・クスクス・・・しかしまだ、彼女のずんだ騒動は終わらせないのであります。

 

 

 

「東北ずん子・・・まさか一回買って、満足?」

 

 

 

説明しましょう。桃鉄の物件は、物件を売っている駅に止まったら、そこにある物件を一回買うことができますが・・・もう一度同じ駅に止まることで、その購入した物件に増資することができるのです。増資した物件は収益率が上がるので、基本的に桃鉄における増資はかなり効率的にお金を稼ぐことができる手段ですね。

 

増資できる回数は最大2回まで。つまり、ずんだ餅屋に最大限の増資をしたかったら、一度仙台から離れる。仙台に帰ってくる。といったことを繰り返し、最短でやっても四ヶ月の期間が必要なわけです。となると、増資がそれなりに効率の良い手段といえども、目的地に一切向かわずそれだけに固執することは、逆に非効率です。

 

つまり、東北チームにはここで一気に順位を落としてもらおうという魂胆なわけですね(暗黒微笑)

 

「否・・・否ですよ、ほもじさん!私のずんだ熱は、冷めることを知りませんっ・・・!」

 

こうかは ばつぐんだ!

 

うん。知ってたけど、本当にお馬鹿です(畜生)

 

「ず、ずん姉様!それはいけません・・・!」

 

「なるほどなぁ・・・そういう狙いやったんか」

 

必死に止めるきりたんと、腕の中でほぇーと感心したような声をあげる茜ちゃん。ふふん。褒めてもいいんですよ。全ては私の手のひらで踊っているのです。

 

「え、えげつない手を使うねえ・・・ほもじさん」

 

うるせえぞチャンマキ。私は悪くない。ずんだに固執し過ぎるお馬鹿がいけないのです。

 

全体的にドン引きなヒロインズですが、それ以上にずんだにドン引きしているのでまあ、大丈夫でしょう。何が大丈夫かは知りませんが。

 

「ずんだ、ずんだ、ずんだぁ・・・!」

 

「ずん姉様・・・」

 

姉のせいで、ほぼずんだに頭脳を乗っ取られている東北チームです。姉が一人だけ別ゲーをやり始めたせいか、ハブにされているきりたんが可哀想ですね。

 

というわけできりたんを確保です。おいでおいできりたん。

 

「??」

 

はてなマークを浮かべながらも、手招きすると素直に寄ってきてくれます。か゛わ゛い゛い゛な゛ぁ゛き゛り゛た゛ん゛

 

では、ぎゅーっと抱き寄せて、茜ちゃんと同じくコレクションしましょう。よーし、ネグレクトを受けている妹を保護したぞ。なんて人道的なほもじちゃんなのでしょうか。全米が感涙にむせぶこと間違いなしですね(主犯)

 

よーしよしと頭を撫でると、うへへへ・・・といった感じの、どこか恍惚とした笑みをきりたんは浮かべました。

 

「私、ほもじさんのお家のきりたんになります。ほもじきりたんです」

 

そっかぁ・・・じゃあ略してほもたんだね。

 

「え・・・ちょっとそれは、嫌かなって・・・」

 

あァん?ほもが嫌だって?お前ホモって言ったら先祖代々引き継がれてきた、由緒正しき勇者さまの名前だぞお前。ふざけんなよこの野郎メスガキ孕めオラァ!(唐突な下ネタ)

 

「お仕置きかな」

 

「何でですか!?」

 

ぶっ、と。ヒロインズの間に笑いが広がりました。ふむふむ。良い感じですね。みなさん楽しそうなようで何よりです。

 

――それはともかく、みなさんにほもという名前を忌避するまっとうなネーミングセンスがあったんですね。身近にほもじやないという、例のアレ過ぎる存在が傍にいるので、そういう感覚はないものだと思っていましたが。

 

あ。この後、ずん姉様は八ヶ月ほどかけて、ずんだ餅屋に最大まで増資をしました。これのおかげで、目論み通りチームほもじは二位に浮上したのでした。ちゃんちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8年目5月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 チームほもじ

3位 琴葉姉妹

4位 東北家

 

――ゆかりんあかりペアのターン

 

 

「ふふっ・・・確かにやない、貴方は強い。ですがあかりさんの幸運を味方に付けた私に、敗北の二文字は存在しません」

 

「にへへへへへ」

 

フラグくせぇこと言ってんなぁこいつ。と思いつつも、振られたサイコロの目は6を出します。うーん、やはりあかりちゃんが振るサイコロはかなり強いですね・・・。どうしたものでしょうか。

 

「あ」

 

――おや、何かのイベントが起きたようですね。

 

 

 

《ヨー! ヨー! 現金そんなに 持ってちゃ いけないヨー! ヨー!》(不穏なBGM)

 

 

 

あ(察し)

 

《ラッパーは スリの銀次の 変装だった!》

 

《スリの銀次は ゆかり社長の お金を 半分盗んだ》

 

《ぐぬぬぬっっ! 4億3000万円も盗まれた!》

 

《ゆかり社長の 持ち金は 4億3000万円に なった!》

 

毎回思うんですが、こいつどうやってこんな量のお金をするんですかね?トランクケースに詰め込んでもなお、普通に足りないと思うのですが。

 

はい。これは桃鉄恒例のイベント、スリの銀次ですね。青マスや黄マスなどで、バージョンによっては仕様の違いがありますが、たまーにやってきて持ち金の4分の1か半分、もしくは全額盗んでいくはた迷惑な野郎です。こういったイベントがたまにあるので、現金よりも物件をたくさん持っていた方がいいという一面がありますね。

 

それにしてもゆかりんペア、銀次初被害ですが。やっぱり、このペアはかなり運が良いですね。良いことが多いだけじゃなく、悪いイベントの被害を受けることも少ない。戦略面でも大きく上回ることができていないので、このままだとまずいですかね。

 

まあ、あんまり露骨に他のチームに干渉して3チームに勝てるわけないだろ!の構図を作り出しても、TDN(ただの)いじめになってしまって楽しくないですからね。みんなを楽しませつつ、ゆかりんにも勝利しなければいけないのが少し難しいところです。

 

――ならば、ゆかりんペアが失速し始めた今がチャンス。ここは正々堂々、神の如き私の豪運をもって、一気に差を埋めていきましょう。

 

知っていますか?こういう運ゲーにおいて、あえて意図的に不運を引くことによって、自身の意図で盤面を動かしたという功績を作り、盤面への支配力を高め、最後の最後で盤面を完全に支配し、怒濤の勢いで逆転するという手法があることを(意味不明)

 

失敗は成功のもとであるのなら、もとがあってこそ成功は成立する。失敗なくして成功は生まれないのです。まあ、もとが溜まりすぎてモト劇場になっている気がしますが(意味不明)、今こそ逆転の狼煙を上げる時。行きますよ~イクイク。

 

――チームほもじのターン

 

セイカちゃんマキさん。ここは私にお任せあれ。すっごいやつ、ぶちかましてやりますよ。

 

というわけで、サイコロを・・・とぉぉ↑おぅ↓(熊野)

 

《6》

 

よし(安心)

 

カードマスへ入れますね。

 

《のぞみカード》

 

よし(勝ち確)

 

サイコロが5個振れる移動系最上位のカード。これはいいものです。

 

――お、イベントです。

 

 

 

《何で 列車の中に 犬がいるんだ?》(不穏なBGM)

 

 

 

よし(絶望)

 

あああああああもうやだああああああ!!!!(ひでぇ死ね)

 

 

 

《チワワ犬だ!》

 

帰って、帰って!

 

《くーーーん! くーーーん!》

 

わぁ、可愛いわんちゃん!

 

ってなるか氏ねぶっ頃すぞ!(殺意全開)

 

《チワワ犬は スリの銀次の 変装だった!?》

 

いや無理があるでしょそれは。

 

《スリの銀次は ほもじ社長の お金を 全額盗んだ!》

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「えっと、どんまい?」

 

茜ちゃんからのぎこちない慰めが、とても辛いです。

 

所持金0円。一体なにがダメだったんでしょうかね・・・。

 

「げ、元気出してくださいほもじさん」

 

きりたんが撫で撫でしてくれました。実際、全て想定通りなので全くダメージは受けていませんが(瀕死)、小五ロリのお手々で撫で撫でしてくれるのはかなりポイント高いですよこれは。ああ^~生き返るわぁ^~(KNN姉貴)

 

「げ、元気出してわん・・・!」

 

何やってるんですかセイカさん?(素)

 

そんなんでお前私が元気でると思ってんのかゴラしばくぞオラァ!てめえの勘違いした根性叩きのめしてやるオラオラオラオラオラオラオラオラ(元気100倍)

 

ぷにぷにぷにぷにぷにぷに

 

「んんんんんんんぇっ、ほもじさん!?」

 

はえ~セイカちゃんのほっぺ柔らかいわぁ・・・。ええやん、気に入ったわ。

 

「ふ~、平和ですね」

 

お茶を飲んで、のんびりしていたあかりちゃんが呟きました。ちょっと待ってあかりちゃん、ぷはーが入ってないやん。お茶を飲んだのにぷはーをしないのはマナー違反ですよ(クッキー☆信者)

 

なっていませんねぇ・・・これは極刑ですかね。クッキー☆本編及び派生全編視聴の刑ですわ。

 

・・・・・・。考えただけでおぞましい刑ですね(戦慄)

 

 

 

――それから、ゆかりんあかりちゃんペアはこれ以降様々なマイナス系イベントの被害を受けるようになり、ドンドン資産を減らしていくのでした。やっぱりフラグだったじゃないか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

9年目9月

1位 ゆかりんあかりペア

2位 チームほもじ

3位 琴葉姉妹

4位 東北家

 

――ゆかりんあかりペアのターン

 

おっ。ゆかりんペアが目的地へ到達しましたね。年数が経ってきたことで、さらに高額になってきた目的地到達時の援助金と、ゆかりん達がもともと持っていた所持金を合わせると、ギリギリその止まった駅で販売している物件を全て買うことができそうです。

 

「ふっ、この勝負、私の勝ちですね」

 

うへぇ・・・。ゆかりんはその駅の物件を購入し、その駅を独占しました。駅を独占すると、その駅の物件の収益が全て2倍になるので、かなり強力です。この終盤で、それなりに高額な物件が揃った駅を独占されると、かなーりやばい差を付けられてしまうのですが・・・。

 

 

 

《テレデデン! テレデデン!》(不穏なBGM)

 

 

 

ん?このイベントは・・・。

 

《緊急ニュースです! 海中から ドジラースが 出現しました!》

 

《近くの都市にすむ みなさんは 警戒に 警戒を かさねてください!》

 

おや。これはドジラ襲撃イベントですね。ランダムで選ばれた都市をドジラが襲い、その近辺の物件を全て灰燼に帰す、システム的に説明すると、購入した物件が未購入状態に戻り、失われてしまうという、おっかないイベントです。

 

《こちら 桃太郎スタジオ! ドジラースは ――を おそう もようです!》

 

あ。その都市って、ゆかりんがさっき独占した場所ですね。クックック・・・素晴らしく運がないな君は(笑)

 

あかりちゃんの運がいくら良くても、ゆかりんの運が足を引っ張っている感じですかね?運も胸も貧相だなお前(トテモ=シツレイ)

 

《――を 独占しているのは・・・ ゆかり社長です!》

 

《さあ みなさん! ドジラースを 退治できるのは モモトラマン だけです!》

 

《スタンバイしている モモトラマンを 呼び出してください!》

 

はい。ドジライベは物件を消し去るおっかないイベントですが、事前にモモトラマンカードを入手し、使用してモモトラマンをスタンバイ状態にしておけば、意外と防ぐことが容易なイベントでもあります。

 

でもゆかりんさぁ・・・モモトラマンカード持ってなかったよね?知ってますよ。モモトラマンカードはカード売り場でも買える、比較的入手が楽なカードですが、攻めの戦略を執っていたゆかりんは、ドジラが来ないことを祈る方針で固めていましたもんね。

 

あかりちゃんの強運を信じることで、保険を用意するリソースすらも飛躍のための原動力としていたからこそ、不動の一位をキープし続けたゆかりんペアですが・・・どうやらしかるべき報いを受ける時が来たようですね。ゆかりん、すっげぇ白くなってる(顔色)。はっきりわかんだね(焦燥)

 

というかモモトラマンカードを持っているのは、偶然にも私だけですね。偶然、ですよ?少しだけこの展開を待ち望んでいた思いはありますが、偶然です。相手のカードをランダムで破壊する豪速球カードを使い、わざわざ一回サイコロを振ることを放棄してまで、先々月辺りに東北チームのモモトラマンカードを砕いた気がしますが、偶然です。

 

《ほもじ社長! モモトラマンを 出動させますか?》

 

どうしよっかな~。別に私はモモトラマンを出動させる意味はないですし、むしろ妨害上等のルールの本日なら、あえてここをスルーしてゆかりんの落日を狙うのが、戦略上の大正解ですよね?

 

「・・・・・・っ!」

 

ね~ゆかりん?

 

「・・・やない、お願いです。モモトラマンを出動してもらえませんか・・・?」

 

えー?嫌だよ(即答) 何で使う必要なんかあるんですか?

 

それにですね、お願いをする作法がなってないですよ。

 

「くっ・・・」

 

くっ・・・殺せ・・・ッ!そんなことを言いだしそうなほどに、屈辱にまみれた顔で、ゆかりんはゆっくりと膝をついて、土下座の姿勢に・・・

 

――違うだろ?

 

「え?」

 

人にものを頼む時は、どのように頼むのか。既にほもじちゃんが見本を示しましたよね?(畜生)

 

「まさか・・・」

 

ぶりっ子して♡

 

見たいんだ、君の可愛いおねだり。

 

「・・・・・・やれば、出動してもらえるのですか?」

 

おう考えてやるよ(使うとは言ってない)

 

「・・・・・・っ!」

 

意を決したように、ゆかりんはほもじちゃんに近寄ってきました。

 

手を組んで、上目遣いで、あざとく。

 

 

 

「やない・・・お願ぃ・・・♡」

 

 

 

・・・・・・(堪能中)

 

・・・・・・(反芻中)

 

・・・・・・(永久保存中)

 

エイシャア!(謎の奇声)

 

流石ですよ、ゆかりん。基本スペックは相変わらず高いようで、ほもじちゃんのやつを上手にコピーしております。しかもほもじちゃんのやつと違って、恥じらいという感情が大きく態度に出ているため、可愛らしさという点ではほもじちゃん以上に素晴らしいです。

 

いいよ!モモトラマンカードを使ってやるよ!(優しい世界)

 

はい。モモトラマンが出動し、ドジラースと対峙します。退治するために対峙するんですね(激ウマギャグ(マヒャド)

 

モモトラマンが攻撃をしかけ、それをドジラースが弾きます。そして戦いは最後に、お互いの必殺技の打ち合いとなります。モモトラマンは例の光線を。ドジラースは口から火炎を。お互いの必殺技がぶつかり合い、一進一退の激しい鍔迫り合いです。

 

はっ、ゆかりん!モモトラマンが若干押されていますよ!みんなで応援して、モモトラマンにみんなのパワーを届けてあげて!(ヒーローショーのお姉さん並の感想)

 

「いえ、勝敗は確率の問題であって、やるだけ無駄でしょう。恥ずかしいだけなのですが」

 

つれないですねー。そんなんじゃモモトラマンが負けてしまいますよ?勝率はモモトラマンの方が高めに設定されているとはいえ、たまーに負けることはありますし。

 

「ほーら、だからお姉さんと一緒に応援しよう?いくよ、せーの・・・」

 

「いや待ってください。先ほどから何キャラですか貴方は・・・」

 

ヒーローショーのお姉さんだよ?これもウケをとって、みなさんを楽しませるための調整の一環だから、多少はね?

 

基本無表情なことが多い私ですが、別人のような演技をすることには、先祖の影響もあるのかとても得意でございます。まるで別の貌を持つみたいだぁ・・・(直喩)と良く気味悪がられますが、使い所さんを間違えなければ笑いをとるにはちょうどいいものでしょう。

 

それを証明するように、茜ちゃんやきりたんとかはツボってるのか爆笑していますね。他のヒロインズも、面白がっている様子ですし。

 

はい。それはともかくとして、そろそろモモトラマンの戦いに決着がつくのですが・・・。

 

あ。

 

ボンッッ!!と、普通にモモトラマンが押し負けて、火炎を喰らいましたね。

 

といっても、モモトラマンの勝負はパチンコの演出みたいなものなので、一度負けても一定の確率で復活して、逆転の一撃をたたき込むのですが・・・・・・。

 

・・・・・・。

 

・・・・・・。

 

モモトラマン、復活しませんね。

 

「応援しないから」

 

「か、確率の変動はありませんから・・・」

 

声が震えているぞゆかりん。ドジラースが都市を破壊し、ついでに周りの駅の物件も破壊する様を見ながら、ほもじちゃんは憐れみの目線を向け、ゆかりんの肩を優しく叩きました。

 

「人生山あり谷あり」

 

これから良いことあるゾ。そんな趣旨で言った発言なんですが、ゆかりんのこれまでを考えると、今が運気の落下中だぞざまぁ!と言っているようにも聞こえなくはないですね。これは煽っているのかもしれない?

 

ん?ほもじちゃんの視線がゆかりんの胸部に注がれ。

 

 

 

「・・・ないか」

 

「――やない?貴方は今どこを見て、ないと思ったのですか・・・?」

 

どこって・・・そりゃあねえ?うん、これは煽っていますね。

 

あーおるんごー あおるんごー むらさきぺちゃぱいあおるんごー(歌:ほもじ)

 

「ゆかりのおっぱいには、山も谷もない」

 

真っ直ぐ行ってぶっ飛ばす。ほもじちゃんはまあ、天然が入っているので多少はね?

 

はい。若干あれな発言ですが、ヒロインズの多くが腹筋に力を込め、必死に笑いを堪えているようです。良識をもっているからこそ、人の身体的特徴を笑ってはいけないと思っているのでしょうが・・・ゆかりんが乏しいからね。仕方ないね♀

 

「――いいや、それがいい。それでいいんだよ、ほもじさん」

 

唐突に自称ゆかり通の弦巻さんが謎のツッコミを入れてきましたが、友達をフォローしてるように見えて、実際これは煽っていますよね?

 

あーおるんごー あおるんごー むらさきへいやをあおるんごー(歌:弦巻)

 

「そうなの?」

 

「そーなの」

 

「そっか」

 

ほもじちゃんと弦巻さんが謎のやりとりをしていますが、彼女たちの背後から、瞳の光彩が消えたゆかりさんが――。

 

「初めてですよ・・・」

 

うおっ、ほもじちゃんとマキさんがBオーラのねばねばに捕まりましたね。ん?もしかしてえっちなことをするんですか?

 

「この私をここまでコケにしたお馬鹿さんたちは・・・」

 

ああ、胸への拘束がキツイですね。執拗にぐにぐにと胸にBオーラが絡みついてきて、ちょっと・・・えっちです。

 

「ゆ、ゆかりん?ちょっと胸、乱暴で、痛いよぉ・・・」

 

マキさんの胸あーこれすごい。いけませんいけません。こんなのえっち過ぎますよ。ご禁制です。編集でしっかり隠さなきゃ(使命感)

 

「うるさいですね・・・そんなに胸に脂肪が付いていることが偉いんですか。畜生め・・・」

 

偉くはないと思いますが、需要はあるんじゃないですか?知らんけど。

 

「脂肪が死亡」

 

激ウマギャグ。

 

「――ぶっ飛ばしますよ!?」

 

あ、待って怒らないでゆかりん。ちょっとヒロインズのみなさん、笑ってないで止めてくださいよ。

 

「ダメだよゆかりん!ゆかりんには分からないかもしれないけど、女の子の胸はもっと丁寧に触らないと・・・!」

 

貴方もだいぶ煽りますね、チャンマキ。まあでも、煽るのは好きな人の色々な表情が見たいが故ですから。つまり、愛ですよ。知らんけど。

 

あ。そろそろゆかりんの怒りのボルテージがマックスに達しますね。ちょっと、ヤバイですよ・・・。

 

 

「頭にきました」

 

 

あ。何か超えちゃいけないラインを超えてしまったような気がします。へー。ゆかりんは怒りのボルテージが限界を超えたら、逆に冷静になるタイプなんですか。メモしておきましょう。

 

あ。そうだゆかりん。

 

 

「――優しくして♡」

 

「断ります」

 

 

ダメみたいですね(諦観)

 

あ、あ、あ。

 

 

 

アーーーーーーーーーーーッッ♀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、ドジラース事件の損失もあり、ゆかりんあかりペアはその後大きく失速し、最終的にはチームほもじが一位の座を手にしたのでした。めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上。夕方、夜の帳が降りる頃。

 

結月ゆかりは、ほもじやないに問いかける。

 

「手を、抜きましたね?」

 

ほもじやないは、いつもの無表情でゆかりを見つめると、彼女に10個のサイコロを手渡した。

 

「見抜けた、ご褒美」

 

「??」

 

ゆかりは首を傾げると、ほもじは、振ってみてというようなジェスチャーをゆかりに送る。

 

疑問に思いながらも、ゆかりは無作為に手渡された10個のサイコロを振る。

 

コロコロコロコロと、小うるさい音を出しながら転がったダイスは――

 

 

 

―――全て、6の目を出していた。

 

 

 

ゾクリ、と。ゆかりの背筋に凄まじい悪寒がはしる。

 

ゆかりはサイコロをもう一度手に取り、その構造をじっくりと見る。

 

――重心が寄っているということもなく、形も正常。何か特別な材質が使われているわけでもなさそうだ。

 

何か小細工があるわけではない。ゆかりの持つあらゆる知識は、そう結論づけていた。

 

で、あるならば。

 

「もう一回」

 

ほもじの声が告げる。

 

まさか。そんな筈がない。そう考えながら、ゆかりはもう一度10個のサイコロをふる。

 

 

 

――そして再び、十の賽の目は全て6の数字を出した。

 

 

 

馬鹿な。ゆかりは目をこする。信じられない。まさか、そんな。

 

「もう一回」

 

――再び全て6。

 

「もう一回」

 

――全て6

 

「もう一回」

 

――6

 

「もう一回」

 

――6666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666666

 

 

 

 

 

「もういいかい?」

 

 

 

荒い息を吐く。ゆかりはおそるおそると、ほもじへ視線を向ける。

 

クスクス。クスクスと。

 

彼女は嗤っていた。

 

いつの間にか変わっていた、夜。

 

その夜空に浮かぶ三日月のように、彼女の口角は笑みを描く。

 

「ねえ、ゆかり」

 

聞こえた声は、おぞましくも美しい。

 

 

 

「――愉しかった?」

 

 

 

みんなでワイワイしながら行なった遊びは、愉しかった?

 

彼女は、そう問いかける。

 

「・・・・・・」

 

少しの沈黙。その間にゆかりは一度目を閉じ、呼吸を落ち着ける。

 

「・・・楽しかったですよ。全て、貴方の手の平の上だったのでしょうが」

 

どこか憎々しげな。それでも、その中に浮かび上がる確かな喜び。よくも弄んでくれたなという複雑な感情を持ちながらも、ゆかりは素直に胸の内を語った。

 

「そっか」

 

――意外。それが今のゆかりの心情の全てだった。

 

ほもじは、ゆかりの答えを聞くと、どこか安心したように微笑んだのだ。

 

それはゆかりの目を持ってしても、ほもじやないが微笑んだのか。それとも彼女の(うち)にいるおぞましい何かの微笑みなのか。見分けることはできなかった。

 

「ご飯」

 

ふと思い出したように呟いたほもじは、そのまま部室の方へ歩いて行く。

 

彼女の雰囲気は既にいつものものに戻っていた。冷たく、硬い。しかしながら、内に優しさを秘めた独特な雰囲気。

 

「貴方は・・・」

 

ほもじが部室に入り、見えなくなってから。ゆかりは呟いた。

 

「貴方は何者なのでしょうか。ほもじやない・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『スキル《たーのしー!》を習得しました!』

 

 

 

やったぜ。桃鉄という友情破壊ゲームで、《たーのしー!》を習得しようとするのはだいぶ無謀でしたが、無事一発習得することができました。

 

 

 

<レベルアップ!! 魅力+3>

 

 

 

しかも、だいぶ長時間遊んだので経験値も結構もらえたようで、レベルも上がってしまいましたね。ステは・・・うんまあ、いつもの。

 

それにしても。いやー、ゆかりん、貧乳を煽りすぎたのではないかとちょっと心配していたので、ちゃんと愉しかったって言ってくれた時は、本当に安心しましたね。

 

とりあえず今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 

次回もまた見てね。

 




最近FGOのRTAの妄想をしておりまして、なんか良い感じのものができたものの、書く暇がないので、誰か書いてくれないかなーという淡い願望を秘めつつ、せっかくなのでプロットというか設定だけでもここに書いておくことにしましょう(後書きとは一体・・・?)

興味がない人はスルーしてください。

《設定》
主人公はまず、EX級の千里眼を持っている。そしてその千里眼は、平行世界どころか、型月以外の異世界まで視野を広げる特殊な千里眼である。

ただしその代わり、自身の世界の過去現在未来を見るといった能力はないので、主人公の世界にいる千里眼:EX持ちの人たちと目が合うことはない(重要点:ソロモンと面識がなし)

主人公は、異世界及び平行世界の自分たちに向かって、RTAをするよ~と呼びかけ、注目を集める。主人公にとってはリアルというクソゲーをRTAするという、若干変わった設定だが、この異世界及び平行世界の自分の注目を集めるというのは、後の重要な伏線となる(違う世界の自分も、多くがEX級の千里眼を持っている)

まず主人公はRTAをする上で、藤丸リツカ(ぐだ子)と知り合いになり、仲良くなる(ただし、時系列的にはRTA開始前からぐだ子とかなり仲良くなっている)。ぐだ子というあらゆる英霊と絆を結べる存在と知り合うことで、起源:絆の、絆魔術の素質を得る(謎設定だがかなり重要)。

そして平行世界の絆魔術を習得した自分を参考にして、絆魔術の熟練に励む(幼少期の出来事)

以後、主人公は魔術師の家系といったルートから、そこそこに高いレイシフト適正により、カルデアへ招かれる(絆魔術はかなり珍しくはあるが、超常存在と絆を結ぶことで真価を発揮するので、有用なものとしての注目はされていない)

第一部のポイントは、主人公の召喚鯖は割とどうでもいいとして(強いほど第一部のピンチで見せ場は多くなるが、必須ではない)、一番重要なポイントはロマニと強い絆を結ぶこと。

絆魔術は絆というラインから、相手の力をダウンロードしたりする(プリズマイリヤのカード的なやつ)ことができ、何よりも重要なのが、絆を結んだ英霊の宝具を、劣化しながらも疑似再現できるということ。

これにより、ロマニ(ソロモン王)と結んだ絆を活かして、ロマニロスなく指輪の宝具を使用してゲーティアの不死性を剥ぐという、画期的なチャートを主人公は編み出した。

なお、主人公の絆魔術は宝具の劣化再現なので、本家と同じ効果を発揮するために、自分の死去だけでは足りないので、大事に大事に結んできた絆も全て薪として、疑似宝具の発動をしたので、主人公の記録及び記憶は全て喪われる模様。ロマニは彼がいたという記憶は残ったが、主人公の場合はそれすらなくなる。

ただし、記憶・記録が消えても普通に違和感は残るので、思い出せないけどそこに大切な誰かがいたはずなんだ・・・!といった展開にはなる。

ついでだが、ぶっちゃけ、野郎と濃厚な絆を結ぶのは色々とアレなので、型月特有の性転換の洗礼をソロモン王は受ける。ロマニはポニーテールが可愛い、女の子になりました。まあ、原作の行動はほぼヒロインそのものだから、多少はね?

それから、1.5部、2部にかけては、主人公のピンチの時に謎の幼女鯖(!?)が駆けつけて、助けてくれるようになる。

2部プロローグのカルデア襲撃事件時は、幼女鯖のおかげでほとんどのカルデア職員の死亡なく、カルデアからの脱出に成功する。なお、第一部の時に主人公が、ダヴィンチちゃんとシャドウボーダーの強化イベントを起こしていたため、原作より多い生存人数でも、シャドウボーダーはなんとか収納しきってくれた模様。

幼女鯖のおかげで、良い感じに2部は終了するが、なんとこの幼女鯖、実は主人公である。

なぜ幼女かというと、平行世界の自分(♀)が人類悪となってぶいぶい言わせているので、その幼体としてのガワと力を借りて単身顕現した。イメージ的には、セラフイベがないカルデアでもキアラ様が召喚できたり、大奥イベがなくても召喚できるカーマのようなものである。

腐っても人類悪の幼体なので、所持するステータスとスキルはかなり強い。しかも、平行世界の人類悪と化した自分は第二魔法(並行世界の運営)を使えるので、主人公もそれを使えるようになっており、主人公の戦闘能力だけはかなり高くなっている。

こういった力を借りて、第二部を良い感じに終わらせたカルデアは――最後の敵と戦うことになる。最後の敵は平行世界の人類悪である自分(♀)。救済の獣。

完全体なので、普通に倒すことはまず不可能。それどころか、平行世界を見る千里眼を活かして、多くの別世界にもその救済の手を伸ばして救済したために、信仰パワーとかがやばいことになっていて、戦うことになるならグランド鯖をしこたま喚んでも勝てない。

救済の獣は、主人公に一般的な感性があったらというIF。基本的に主人公は、ぐだ子のコミュパワーでほだされたために、ぐだ子の幸せを願うという思いはあれど、あらゆる出来事をまったく心動かさず見ることができる破綻者。

千里眼:EXを持つものたち・・・マーリン、ソロモン、ギルガメッシュの例を見れば分かるが、基本的に卓越した千里眼の持ち主は、どれも一般的な不幸に心を動かすようなまっとうな感性はしていない。むしろそうでなければいけない。千里眼というあらゆる人の業を見ることができる目を、一般的な感性をもって所持してしまった末路が――まさに憐憫の獣なのだから。

そういった例に漏れず、主人公もほぼあらゆる出来事に無関心な、達観した観測者としての性質を持っているのだが、これに真っ当な人として当たり前の感受性を持ってしまった場合が、まさに救済の獣なのである。

どうしても救いたい。そんな悲劇を許さない。凡人が神にも等しい視点を持った末路。救済の獣に救われた世界は、あらゆる悲劇がない代わりに、あらゆる悲劇に立ち向かう人間の強さは存在しない。そんな世界になろうものなら、余裕で暫定事象として世界が滅びるコースなのだが、救済の獣の権能として、崩れゆく世界を単独で保持することができる力を持つ。しゅごい。

といったところで、これが主人公の世界に押しかけてくるのだが、その理由が、主人公が大切な人たちに忘れられていたため、とても可哀想だから。良い人かな?自分ヒロインができちゃう(戦慄)

だがしかし、せっかくきた異世界だから、この世界も自己流で救済してやるぜ、となるので、カルデアが戦わなければいけなくなる。

主人公はあれのもとまで自分を届けてくれれば、なんとかぶち殺せるとカルデアに提言し、そういう作戦を行なう。

救済の獣は、救済した世界の英霊など、多くの存在が味方として彼女を守っているので、容易に近づくことはできない。

だがしかし、最終的にはカルデアチームは相手の虜囚の身となるも(主人公は救済の獣は優しいので、殺されることはないと見越していた)、主人公が救済の獣と接触することに成功する。

なお同時期に、カルデアチームは救済ビーム的なものを受けて、主人公との記憶を取り戻し、SAN値が大暴落するが、主人公はかまわず獣に特攻する模様。

ここで主人公は今までRTAを見ていた平行世界の視聴者たちに呼びかけ、ぐだ子を助けるために力を貸せと要請する。

ぐだ子の絆パワーは、千里眼を通して彼女を視ていた平行世界の主人公たちもしっかりとほだしていたようで、協力を快諾する。そのためのRTAという、謎の伏線回収。

そして平行世界の自分たち人類悪の幼体としての適正を第二魔法でかき集め、それをもとに、救済の獣の力の使用権のようなもの?を乗っ取る。理論としては、自分だから、自分(救済の獣)だろ?じゃあ、自分の力を動かせないわけないよな?という感じ。

というわけで、力を見事に乗っ取った主人公は、その力で自殺する。これによって、見事に完全体の獣を討伐する。

だがしかし、最後の最後でぐだ子に泣いて引き留められるので、主人公は困る。

主人公の行動原理は、ぐだ子の幸せである。本来、ぐだ子に記憶を取り戻されるのはチャートになかったためのガバなのだが、最後にため息交じり告げて、鯖なので金色の光となって散体する。

――絆は取り戻された。会いたかったら、喚べ。

こうして、ぐだ子は最後の戦い(ガチャ)へと挑むことになるのである。

という筋書き。

長ぇ!!後書きとは一体・・・。

これからの希望ルート

  • ヒーロールート
  • ヒロインルート
  • ギャグルート

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