【RTA】VRゾンビサバイバー真エンド【解説】 作:ササキ=サン
短編。短編なんです(強弁)
あ。あと今回は説明が多くなります。どうしてバイオハザードが起きたのかという背景の解説を入れているからですね。ここら辺どうでも良い人は多いと思いますが、設定を考えてみたら意外と楽しかったです。はい。割とそれっぽいものを書けたのではないかとご満悦です。
そろそろ中盤戦かな?いやいや、まだ下の中くらいなRTA、はーじまーるよー!
前回、車の鍵を忘れてみんなのいる天文部の部室に戻ったところから再開です。おっはー茜ちゃん。随分お早い再会ですね(震え声)。
何というか。微妙な空気になりながら、鍵を回収してレッツゴーです。これは・・・あれです。乱数調整です。ロスではありませんよ?ええ。はい。本当です。ワタシ、ウソツカナイ。
二度目の屋上ジャンプ!たーのしー!
さて、早速車で移動しましょう。
車の移動中は倍速で。ついでに初見兄貴たちのために、これから合流するセイカさんと、今回のバイオハザードに関する背景を、お話します。
まずは今回の事件の背景について。結構長くなるので、どうでもいいかたは早送りでもしてください、どうぞ。
むかーしむかし、あるところに。隕石が降ってきました。その隕石はとても不思議な物質でできており、それを科学者たちが解析すると、様々な発見がもたらされました。
その隕石を解析しているうちに、とある不思議な発明がされました。それは、生物の進化を促すような、不思議なウイルスを生み出したのです。
これらを利用して、製薬関係の企業は新薬の開発を行い、そしてこれの軍事利用も研究されました。このウイルスを元に生み出された新たなる生物を利用し、対テロの非対称戦闘や、白兵戦に対する重要な切り札にしようとしたわけですね。
はい。みなさんも知っての通り、現代の歩兵の必須装備となっているパワードスーツ。それの代用となり得る、超人兵士を作ろうとしたわけです。
そして、軍事関係の企業の中でとある対立が生まれます。既存の銃器やパワードスーツなどを主体とした、工業製品中心の武器が軍事の中心であると主張する工学派。生物兵器や、それらを生み出すウイルスからより優れた兵士を作り出すことにより、新たなる軍事的優位を作り出そうとする生物学派。
これらは、各自同業の企業が結び付きながら、国の予算の取り合いをします。つまり、我田引水の争いですね。新型戦闘機の開発が数兆円もかかるような現代では、高度な技術の研究ほど一つの企業では開発費を工面出来ないという性質があります。そもそもできたとして、失敗したら会社の経営が傾きますからね。かなりリスクが多いです。
そして新薬開発にも、現代では10年近い研究期間と数百億円もの費用を必要とします。当然、そういったものより複雑化した、バイオ技術などの複合体である生物学派の研究も、ものすごくたくさんのお金がかかります。
なので、研究費や開発費、それらの確保のために争いはかなり激しくなります。そして当然ながら、生き残るのはどちらか一つです。なぜなら、膨大な研究費を投じて作った物が売れないのは話にならないからです。だからこそ、似たような用途のもの――歩兵装備のパワードスーツと、バイオ技術で作られた超人兵士――が出回るのは極力避けたいわけです。故に、その研究段階から熾烈なつぶし合いが行われて・・・その結果、生物学派は敗北します。
勝敗を分けたのは、市民的な感情でした。え?ウイルスで人体改造とかちょっと・・・。そもそもそれって、キリスト教的にはどうなの?そういった感情を利用したネガティブキャンペーンは、最終的には生物学派によって生み出されたウイルス――プロトBウイルスの研究が、法律で禁止されるレベルの大敗を生み出します。
キリスト教の影響が強い欧米で研究を禁止された生物学派は、先進国の中で宗教の影響が薄い日本に本拠を移します。そして研究テーマをニーズに合わせて、超人兵士の開発からより優れた人類の誕生、不老不死の研究などに変えていき、結果カルト的宗教色が強まります。そんな怪しげな研究となれば、一般市民はドン引きですが、一部のやばい思想を持つ人や狂人、金だけ無駄に持っている道楽的資産家や一部の政治家などには割とウケたようで、国内外問わず色々なところから密かに支援を受けた結果、生物学派は割と強大な組織へと成長します。
そして、プロトBウイルスはやがて現在のBウイルスへと研究が進展し、大規模な感染実験が必要という段階が訪れます。膨大なサンプルデータと感染による進化がなければ、これ以上Bウイルスは進化しえないということですね。つまりあれです。薬剤耐性を持つインフルエンザが年を経るごとに誕生するように、人に感染させることでウイルスをより成長させる必要があったのです。
そして、ついにBウイルスの研究は、それさえ完成すれば、人類は比較的現在と変わらない精神性、容姿を保ちながら、身体能力や知能を大幅に向上させた新人類へと進化することができるという段階にきます。
ではどうやって大規模な感染実験を行うか、多くの実験体を入手するかという課題が立ちふさがります。その末に、生物学派は考えました。個人のテロ、及びそれを支援した馬鹿達という構図を作って、個人が町にウイルスをばらまいたということにしようと。
そしてこのテロ計画は、これを生物学派の汚点、犯罪の証拠とすることで、生物学派を史上最悪のテロ集団として、その存在を日本からも消し去ろうと目論む工学派の意向によって意図的に見過ごされ、日本国家最高の国営人工知能《IA》が、見過ごした方が最終的に日本国に有利になると判断した結果、《IA》による秘密裏の妨害を受け、国家権力もその企みに気づくことができず、今回の事件に至るというわけです。
さて、ネタバレになりますが、ネタバレが嫌なのにこのRTAを見ている人はいないと思うので、普通に話します。
生物学派によって、個人に責任を押しつけてしまおうと目論まれたテロ計画の、最終的にトカゲの尻尾切りをされる仮想の主犯・・・これがゆかりんです。ゆかりんを殺さずにこのバイオハザード圏内から脱出すると、騙して悪いが・・・死んでもらおう。されるゆかりんの映像が見られます。まあ、このせいで日本の一部どころか世界中にBウイルスがばらまかれることになるんですけどね(白目)。
え?どういうことかって、よくあるあれですよ。はい。創作とかでよく見るあれです。裏切られたゆかりんがぶち切れて、必死で逃げ延びた結果、本気で世界をぶち壊そうとするやべー奴になるパターンです。
その結果、ゆかりんを殺さずに研究所編に突入してエンディングを迎えると、ようやく地獄と化した研究所から抜け出したと思ったら、辺りには、いや世界中にゾンビが・・・。――このサバイバルは、まだまだ終わらない。というエンドを迎えることになります。だからゆかりんを殺す必要が、あったんですね(漆黒の殺意)。
はい。大雑把なこのゲームの舞台背景の解説が終わりました。難しい話が苦手な、寝てた兄貴姉貴たちは起床の時間です。これからはセイカさんについて解説しますよ~。
セイカさん。本名は京町セイカ。彼女はこのゾンビハザードの黒幕を突き止める証拠をとってこいと工学派から――とても大きな企業及びそれと関わりのある政治家などの勢力から依頼された、特殊部隊のエージェントです。
まず、彼女は攻略可能キャラクターではありません。厳密には、恋愛要素を含んだイベントはそれなりにあるのですが、個別エンディングが存在しないので、攻略可能といわれると少し定義が難しいキャラクターでもあります。このRTAでは、一応攻略ルートがないので死んでもレギュレーション違反にはならないと扱います。
ではどうして、彼女と合流する必要があるのか。それは、彼女が短期脱出の重要な鍵となるからです。
このゾンビハザードを抜け出すにはだいたい三つの手法があります。一つ目は救助を呼ぶ。二つ目はバイオハザード発生から四週間後の日曜日にくる救助隊に助けてもらう。三つ目は、自力でゾンビハザード圏外まで脱出するです。
セイカさんは、かなり大きい勢力から派遣されたエージェントなので、色々と交渉をすれば救助してもらえます。そしてその交渉の中で大きな役割を果たすのが、あかりちゃんとずんちゃん、きりたんの生存です。彼女たちの実家はかなりの資産と影響力をもった家なので、彼女たちが生きていると1週間ほどで救助が到着します。一応これが最速の脱出となると思いますね。
攻略可能キャラを生存させる縛りがなければ、一人で圏外近くまでドライブ、からのクソ強ゾンビ包囲網を突破して、1時間ほどでアウトブレイク編を走破できますが、30~50キロ近い攻略可能自走式お荷物を6つも抱えての最速圏外脱出は無理です。圏外近くだと、自衛隊などの介入を食い止めるために様々な種類の強化ゾンビ、及びゴジラみたいなでっかいゾンビがごろごろいるので、そこを無理矢理突破するならやはりヒロインズの地道なレベリングが必要になります。そうなると、2週間近くの日数がかかるので、やはりセイカさんとの交渉が最速だと思いますね。
セイカさんを救出する事情を長々と解説しましたが、そろそろセイカがいる辺りに到着します。さて、みなさん大好き、運が試される時間がやってきました。
セイカさんとこれから合流しますが、実はセイカさんは秘密の設定がされていて、彼女は時間逆行者という設定をもっています。はい、現在のほもじちゃんと同じ設定ですね。つまり、彼女はこの惨劇の町への突入を死に覚えして攻略中という設定なのですが、彼女が何週目なのかは、ランダムで決まります。
周回データだと高確率で数十周目というつよつよセイカさんに出会えますが、最初は1から100の乱数で適当に決まるため、周回数が一桁になってしまうと要介護セイカさんになってしまう可能性もあります。
まあ、大丈夫でしょう。一桁だと、特殊部隊のくせにクソエイムしまくって数体のモブゾンビにすら負けるよわよわセイカさんですが、その確率は10%ほどですから。大丈夫だって安心しろよ~。
さて、もう着きますが、みなさんにほもじちゃん特有の時短方法を教えてあげましょう。まあ、特有と言うよりは、コミュ力が低すぎるせいでまともに話していると交渉に時間がかかるので、より単純かつスピーディーに行くだけですが。
さて、そこの民家にセイカさんの気配がしますね。二階の窓から町の様子を窺っているようです。車を止めまして、さくさく突入しましょう。おっと、目が合いましたね。やだ、恥ずかしい・・・(闘争の)運命感じちゃう・・・。
めと めが あったら はじまる ポケモンしょうぶ!(ガンギマリスマイル) では行きますよ~イクイク。
民家の塀を足場に、二階まで思いっきりジャンプです。お、窓、開いてんじゃ~ん。
パリィンッッ!!
よし、侵入成功です。あれ?窓割れてね・・・?(日常ゾンビもの特有の現象)
セイカさんがこちらを警戒してハンドガンを構えていますが、遠慮せずに突撃しましょう。
お。撃ちますね。躱しましょう。
パァンッ!
先輩、こいつ弾とか撃ち出しましたよ、やっぱ好きなんすね~。頭に来ますよ~。少し首を動かして、スレスレで避けます。
「――嘘!?」
反応が鈍いですし、プレイヤーに初めて会ったような表情をしていますね・・・。お前一周目かよ!?(驚愕)
とりあえず制圧します。できるだけ格の違いはっきりと分からせるために、まずは手に持っている銃を弾きます。そして素早く彼女の背後に回り込み、着ているパワードスーツの配線を断ち切り、無力化します。そして首元に包丁の切っ先を突きつけてやりましょう。これもう和姦ねぇな。
「京町セイカだな。工学派に用がある。ついてこい」
以前、あまり何でも知っているムーブは信用値を下げるので良くないと言ったな。あれは嘘だ。
実際の所は、セイカさんは特に気にしなくていいって話ですね。彼女の背後にいる勢力に、救助に来ることを約束させれば、彼女の生死は問わないわけですし。使えないようなら殺しておいた方が、安定はするでしょうね(サイコパス並の感想)。
「ひっ、あ・・・。はい・・・」
さて、恐怖で固まったセイカさん・・・この情けなさは、セイカさんというよりセイカちゃんですね。おめえは茜ちゃんと違って可愛くねぇなぁ・・・(好き嫌いが激しいサイコパス)。
さて、ササッとセイカちゃんを抱っこして、二階から飛び降りましょう。適当に抱きかかえていると反撃チャンスを生みますが、恐怖で支配すればモーマンタイ!先ほど銃声を鳴らしてしまったので、変なフィールドボスとか生存者が来ないうちに逃走しましょう。
車の助手席にセイカちゃんを放り投げて、なんか固まっているのでシートベルトをしてあげて・・・抵抗されない・・・これははっきり和姦だね。
では、自衛隊基地へ移動しながら、交渉をしましょうか。
ここから自衛隊基地まで20分ほど。飛ばしつつ、じっくりお話ししましょうね。出発。プップー(敏感HTMLくん)。エンジン全開。
「え。え。あの、ブレーキ?え、え、え?ブレーキ、待って、いやッ!?」
大丈夫だって安心しろよ~。今からドリフトするだけだって。きりたんはむしろ楽しそうにしてたゾ。
ギュルルってまあ、音はすごいけど、むしろこれくらいのペースで走って行かないとボスゾンビに絡まれたり、変な人に絡まれたりします。みなさんも道路を車で走る時は、できる限り素早く移動しましょうね。
「用事についてだが」
「ちょ、う、まっ、ひっっ!やぁぁぁぁぁあああああ!!!!」
こいつ、ドリフトするたびに悲鳴を挙げて・・・何だお前根性無しだな(棒読み)。こんなんじゃ話になんないよ~。
こういうときは、セイカちゃんの顔を掴んでこちらに向けて・・・。
「こっちを見ろ」
「貴方は前を見てくださいッッ!!」
お、おう。おかのした。
・・・・・・(無言のドリフト)。
「ひゃあぁぁぁぁぁああああ!!!」
一週目のセイカちゃんはクソザコもいいとこだけど、ここらへんの はんのうは ばかみたいで おもしろいので、殺すのは最後にしてやろうと思いました(小学生並のコマンドーの感想)。
ここからセイカちゃんが落ち着くのに5分くらいかかったので、倍速です。
――少女爆走中。
「用事について」
「はぁ・・・はぁ・・・よ、用事って、なんですか・・・?」
ようやくですね。ではこちらの手札を開示して、さくさくっと目的を伝えましょう。
要点はこうです。東北家と紲星家のご息女を保護しているから、救助して♡代わりに生物学派の残した、この事件の黒幕に関する証拠を集めるのを手伝うから。
「・・・なるほど。上に、掛け合ってみます。正直、私一人だと証拠の回収は不可能に近いですから」
あ。言い忘れていましたが、彼女は元々部隊でこの惨劇の地に来ていました。しかし、初日の段階で他の特殊部隊隊員は普通にゆかりんに全滅させられています。彼女だけ、命からがら逃げ出したという形ですね。
セイカちゃんが通信機を取り出して、連絡を取り始めました。ふむ、やはり最初の交渉(物理)が効いたおかげか、かなりスムーズに動いてくれますね。まあ、こちらの実力を示し、有用性を知らしめつつ、言うことを聞かないと何をされるか分からないという恐怖を与えましたから。もしかしたら私は交渉の天才かもしれません(天下無双)。
対等の立場だと、一見普通の人間の自分がどうしてパワードスーツも着けていないのにこんな動きができるのかとか、そもそもこの運転はなんだとか、常識離れな箇所にいちいち説明を求められてしまいますので、やはりRTA的にも脅迫は最高の交渉方法ですね。
一応これでメールが送られたので、明日には交渉成立の返信がくるでしょう。裏切り防止的な観念で行動するなら、返信が来るまでの間、セイカちゃんをどこかで監禁して見張っていないといけないのですが、上下関係をたたき込んだ今なら、先に証拠を回収しても、セイカちゃんの手綱を握っていればセイカちゃんに裏切られることはありません。ここは珍しくチャート通りにちゃーんと進んでいるので、実に素晴らしいと思います。
それにしても、やることねぇなぁ~、どうするよ~暇だぁ~。
「ひぃっ・・・」
あっ、そうだ(唐突)。お前とりあえず、犬の真似してください(謎の丁寧語)。
「へ?」
犬ですよ~。ヨツンヴァインになるんだよこの野郎(女の子やぞ) あくしろよ。
「は、はい・・・」
えぇ・・・本当にするのか・・・(ドン引き)。ふむ。どれだけ恐怖が染み渡っているのか試してみようと思ったのですが、思った以上に洗脳が完了していますね。シートベルトが外れないようにモゾモゾと四つん這いになっているのが、なんか素直に草です。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
え?この空気どうするの?なんか気まずいのですが。
・・・・・・。
おいワンワン鳴いてみろよこの野郎(続投の意思)。
「ワン、 ワン・・・ッ!」
あ。思ったより上手ですね。100周以上このゲームを周回している私ですが、セイカちゃんにこんな特技があることは初めて知りました。
「三回」
人間の屑がこの野郎・・・(自己批判)。
「ワンッ・・・ワン、ワン・・・ッ!」
・・・・・・。
楽しい・・・楽しくない?
さて、頭がおかしい人とか、何考えているのかよく分からない人とかリアルで言われることが多い私ですが(隙あらば自分語り)、流石にそろそろいけない雰囲気になってきていると思うので、終わりにしましょう。
よーしよし、よくできたなぁ!わしゃわしゃと撫でてあげましょう。運転中でなければ、両手で撫でてあげられるんですけどねぇ。
「あ・・・・・・。ェ、ェへへへ、ありがとうございます・・・」
・・・・・・。
卑屈で、媚びているような、こちらの顔色を窺う笑顔・・・いいですね!!(サイコパス並の感想)
さて、自衛隊基地に着きました。今回はここまでです。ありがとうございました。
次回もまた見てね。
ストックホルム症候群(小声)