じいちゃんにもう一人弟子がいたら(一発ネタ)   作:白乃兎

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うーん、原作開始から離れすぎてなかなか遠いなぁ。
原作前にやりたい放題しすぎると収拾つかなくなっちゃうしなぁ。

そのうち必殺《数年後》みたいな感じでごまかすかもです。


俺若手なのに若手の育成しないといけないの?

上弦の壱と四人の柱の交戦。

そして水柱の殉職、三人の生還、炎柱の現役引退。

この情報は俺が寝ている間に鬼殺隊内部で知らぬ者はいないくらいには広まっていたらしい。

水柱の殉職はなんとなく感じていた。しかし槇寿郎さんの引退はどういう事なのだろうか。

 

おそらく杏寿郎が後を継ぐのだろうけれど。

あの人の協力がなければ俺はあそこで死んでいた。

そんな強い人が引退とは穏やかではない。

あの戦闘で何か欠陥を抱えてしまったのだろうか。

 

俺が目を覚まして二週間。漸く自分の力で色々できるようになった。

それまでは本当に腕も上がらず足もろくに動かずの状態で常にカナエかしのぶの介護が必要だった。

 

そして、俺が動けるようになってすぐに、煉獄杏寿郎の炎柱就任の一報が入ってきた。

 

やはり槇寿郎さんは引退を決めたらしい。

また、空席となった水柱の席にはまだ後任は決まっていないらしい。

実績のある水の呼吸の使い手、他の派生形の呼吸の使い手がいないようだ。

花の呼吸の使い手であり実力もそこそこであるカナエはまだ十二鬼月討伐や鬼五十体討伐の条件を満たしていない。

若手の育成が急務となることだろう。

 

……俺も継子をとったほうがいいのだろうか。俺まだ十四だし若手だよね。むしろ俺が育成される側では?

俺の指導で若手が育つかどうかはわからないけれど、上弦の壱のような鬼の存在が明らかになったからには隊士の質の向上を考えなくてはならなくなった。

 

「カナエは俺の継子になる気はあるか?」

 

「より纏楽くんと一緒にいられるんでしょ?もちろんなるわよ」

 

「申し訳ないが厳しいぞ」

 

「厳しくて辛くても纏楽くんとならいいってこと」

 

「……私には聞かないんですか?」

 

「しのぶは隊士じゃないからなぁ」

 

ゆくゆくは隊士になるのだから継子にしてもかまわない気がする。

でもこんな幼い子の未来がこんな血に濡れた仕事に決まっているというのはよくないとも思う。

でもしのぶは鬼殺隊に入るって言ってきかないんだろうなぁ。

 

とりあえずは俺のなまった体を叩き直さなければ継子を鍛えるも何もないので、二人には機能回復訓練に付き合ってもらわなければならない。

 

「だいぶ硬くなってますね」

 

「いたたた、もっと優しく頼むっ」

 

ひと月も寝ていたのだから体も硬くなってしまう。

上弦の壱との闘いの時せっかく技の練度がじいさんに迫っていたのにこんなところで立ち止まっていられない。

玖ノ型もあれで完成ではないので早急に体を元に戻さなければ。

 

しのぶの容赦のない柔軟の次はカナエと鬼ごっこで全身訓練。

逃げ手はカナエ。常中も会得しているので簡単な相手ではない。

 

「弱った纏楽くんに簡単に捕まる私じゃないわよ」

 

「柱としては弱ってても捕まえないと面目丸つぶれなんでな」

 

カナエには悪いがキャッキャウフフな鬼ごっこをするつもりはない。

 

「はじめっ!」

 

しのぶの掛け声で俺とカナエが同時に駆け出す。

カナエは身体能力が以前よりも向上したようで壁や天井を使って立体的に逃げ回る。

俺のやってたことをまねしているのが少しくすぐったい。

 

しかしそれで振り切られるつもりはない。

常にカナエの背後にぴったりとついて回る。

 

「くっ!」

 

ふははは、ほらほらもっと早く逃げないとつかまるぞー。

手を伸ばせば捕まえられるのだが、それではあまりに早く終わって俺の運動にならないのでひたすら追い回す。

 

頃合いをみてカナエに抱き着くようにして捕獲。

カナエの額には汗が浮かんでいるが俺は涼しい顔ができている。

うーん、確かに隊士の質をあげないとあんな化け物に対抗できないなぁ。

 

「……纏楽くん、速すぎよ」

 

「捕まえられるのに捕まえないところ、性格悪いですよ」

 

「鳴柱は鬼殺隊最速っ!」

 

一度この決め台詞を言ってみたかったのだ、

しのぶは冷たい視線を送ってくるけど、カナエは「わー」と拍手までしてくれる。

実際は比喩ではなく雷の呼吸が最速——なはずだけど。

敵ではあるけれど月の呼吸という雷の呼吸に匹敵する速度の呼吸に出くわしてしまった。

 

さて、今度は打ち込み稽古でも始めようか。

木刀を持ち、カナエとしのぶと対峙する。

 

「花の呼吸」

 

「蟲の呼吸」

 

二人が同時に斬りかかってくる。

しのぶは高速の突き技。カナエは一息遅れての横薙ぎ。

 

いつものように手数の多い技で——

 

「嘘っ!?全部躱したの!?」

 

「姉さん、次行くわよ!」

 

しのぶの高速六連撃。

カカカカカカッ!

六撃すべてを木刀で斬り払う。

 

確かに体の動きは以前よりは悪い。だが、見える。

しのぶの、カナエの動きがよく見える。

不思議な感覚だ。なんとなく、体の次の挙動がわかる。

これならカナエやしのぶがどうやって攻撃してくるかわかる。

 

二人が突撃してくる瞬間に合わせてこちらも技を放てば俺の技が先に決まる。

 

二人が別の方向から斬りかかってくるが危なげなく同時にその手に持つ木刀を弾き飛ばした。

……体さえついてくれば、今なら上弦の壱の攻撃も見切れるような気さえしてくる。

 

「……纏楽くん、強すぎじゃない?」

 

「上弦の壱から生き残った実力、柱の実力ってすごいですね」

 

「カナエはもっと技と技を連発できるようになることと、斬りあいに強くなればいいと思う。しのぶはとにもかくにも常中の習得だな」

 

俺は戦い方なんて大したことを教えられないから、二人が敵だと仮定したときにやられたら嫌なことを提案してみることにした。

 

「カナエの体の使い方は柔軟だし技もいい、しのぶはしっかり花の呼吸から派生した蟲の呼吸を自分のものにしてるからすごいと思うよ」

 

そしてほめることも忘れない。

なぜなら俺は爺さんに鍛えられている時褒められたくてしかたなかったし、褒められた時は調子に乗ってやらなくていい鍛錬まで勝手に始めるくらいには興奮したから。

 

「体の感覚を戻したいからもう一本たのむ」

 

「まかせて」

 

「こっちからお願いしたいくらいです」

 

向上心の塊である二人は言うまでもなく二度目の打ち合いを希望した。

でも、俺が褒めたからか、少しウキウキした様子で向かってきた。

 

 

 

 

 

「大丈夫なのか、杏寿郎」

 

「心配はいらん!父上はふさぎ込んでいるがな」

 

「槇寿郎さんがどうしてふさぎ込むんだ。上弦の壱を逃がしたからか?」

 

「それもあるがなにやら研究の結果心が折れてしまったらしい。母上もなくなってそんなに時間もたっていないし、立て続けにやられてしまったのだろう」

 

煉獄家は大変だなぁ。

というか、お前母親なくなってたのにそんなに気丈に振る舞っててすごいな。

父親もやられちゃって自分が頑張らなきゃとか言うやつなのだろうか。

 

「杏寿郎、なにかあったら俺を頼れよ」

 

数少ない友人が困っているとあれば俺は必ず助けに向かおう。

杏寿郎には何度も声かけてもらったり、お見舞いに来てもらったりもした。

ならば俺も杏寿郎のために動かなければ友達じゃない。

 

「ふむ、ならばさっそく一つ頼みごとがあるのだ」

 

「なんだ?」

 

「水柱候補である男に会いに行く。俺は交渉事が得意ではないからな!お館様にもできれば纏楽と一緒に行けと言われていたのだ」

 

何それ。そういうやつじゃないんだけど。

困ってるってそういう感じ?

悩み事があれば相談しろよくらいにしておけばよかった。面倒ごとを体よく押し付けられた感じがひしひしとする。

 

 

 

 

 

「お前が冨岡義勇だな。俺は鬼殺隊炎柱、煉獄杏寿郎だ!」

 

「付き添いの鳴柱の一ノ瀬纏楽でーす」

 

……この冨岡義勇なる男。

こんなに表情が動かないのだろうか。急に自分に柱が二人も接触してきたら俺ならビビり散らかす。

逃げ出す自信がある。だって怖いし厄介ごとのにおいしかしないから。

 

「鬼殺隊の最高戦力が二人もこんな俺に何の用だ?あなたたちはこんなとこに来なくてよかった」

 

「話があると言った!」

 

うーん、なにやらこの男、面倒な空気が流れている。

いま話したことも本心ではないというか、額面通りに受け取ってはいけないような気がする。

 

「手短に終わらせて帰るといい」

 

「うむ、冨岡義勇、お館様がお前に水柱に就任して欲しいとの話を断ったな?それも手紙で」

 

「行く必要がなかった」

 

「お館様の下した命令を断るのに顔も合わせないのは失礼だろう!」

 

「わざわざ行く必要もない。手紙ですべては済むことだろう」

 

「礼節の話をしてるのだ!」

 

「手紙は丁寧に書いたつもりだ」

 

杏寿郎だと話が進まない気がするなぁ。

この冨岡義勇という男先ほどから少し困ったような顔をしている。

つまり、煉獄がなぜ自分を責めているのかわかっていないのだろう。

それは義勇に礼儀がなっていないのではなく、話が通じていないのだろう。

口下手、きっとこの男は口下手なのだ。

 

「行く必要もないっていうのは?」

 

お館様が杏寿郎だけに任せなかった理由が分かった。

俺が間を取り持つもしくは空気を読んで会話をしないと本心を引き出せないからなのだろう。

 

「わざわざお館様の手を煩わせなくても手紙で済むだろうということだ」

 

うん、義勇なりに気を使ったんだろうね。

でも、そんな言葉足らずじゃ誤解を生んで杏寿郎見たいにお館様大好きな人たちは怒っちゃうから控えようね。

 

「で、柱就任の命を断ったというのは?」

 

水柱は今この男が最有力候補だが、辞退したから空席ということだったのか。

 

「俺は、柱になるべき人間ではない」

 

「なんで?理由もなしに断らないでしょ」

 

俺みたいに柱になって仕事が増えるのが嫌だという人間ではないということはなんとなくわかる。

義勇はきっとまじめで優しい奴なのだろう。

口下手でめんどくさいけど。

 

「俺は最終選別を突破していない」

 

「それなら鴉も刀を支給されないでしょ。ウチの期なんて俺が山の鬼を狩りつくしちゃったから鬼と遭遇せずに鬼殺隊に入ったやつらがほとんどだぞ」

 

「……俺は逃げ回ってただけだ」

 

「大当たりじゃねぇか」

 

真面目だけど不器用なんだなぁ。

でもここまで戦い続けて、鬼も五十討伐に届いているから水柱最有力候補なのだろう。

戦い続けるだけの理由があるはずだ。

 

「ならなんでお前は今も鬼と戦ってる?金のため?人を助けるため?鬼への復讐?」

 

それとも——

 

「二度と惨劇を繰り返さないため?」

 

ピクリと義勇が反応した。これがあたりかな。

だから自分は最終選別を突破していなくとも鬼を斬っていた。

鬼は斬るけど水柱にはふさわしくないと。

 

「水柱になれば、より強くなれる。強くなることを強いられる。そうすれば、より惨劇を防ぐことができるはずだ。冨岡義勇、水柱に就け。後継を育てれば柱の座を退けばいい」

 

「……俺は」

 

……義勇が動かなくなった。

どうしちゃったんだろう。悩んでるのかなぁ。

言いすぎちゃったのかなぁ。

 

杏寿郎も空気を読んだのか完全に俺に交渉をぶん投げた様子で介入してくる様子が見られない。

うーん、もう一押しなのかな?

 

「男なら、周りの期待に応えて見せろ義勇!」

 

俺のこの言葉に義勇はより強い反応を示した。

なにか、引っ叩かれたかのように目を見開いた。

 

「……わかった。もう一度お館様に手紙を書こう」

 

「よし、なら次の柱合会議で会おう!」

 

 

 

 

 

「あと、言葉足らずな感じを治しとけよ。柱は癖強い奴が多いから嫌われるぞ」

 

「俺は言葉足らずじゃないから嫌われない」

 

 

 

数日後、冨岡義勇という男が水柱に就任した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、主人公強化フラグ&義勇さん登場回です。短くてすまない。
それと同時に錆兎の退場も決まりました。
さすがに錆兎生存は無理だったよ。考えたんだけど義勇と錆兎両方存在するときの二人の扱いがむずいんじゃあ。
義勇は纏楽の一年前に選別を受け原作通りの道を辿りました。

感想評価をくだせぇ。
毎回毎回感想評価くれぇって言ってるのは毎回読者様方のリアクションを楽しみに話を書いてるからなんだよぉ。
よろしくお願いいたします!

第二回需要調査(どんな話が読みたいの?)

  • 胡蝶姉妹とイチャイチャ
  • その他原作キャラとイチャイチャ
  • 鬼とイチャイチャ(血みどろ)
  • 師匠と弟子といちゃいちゃ
  • さっさと原作突入しろ

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