じいちゃんにもう一人弟子がいたら(一発ネタ)   作:白乃兎

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難産という奴だ。遅れて申し訳ない。
そして必殺数年後発動です。


誰か鬼舞辻倒してくんねぇかなぁ

しのぶが正式に俺の嫁になって(なってない)、カナヲが蝶屋敷に来て早二年。

その間も稽古、鬼殺、稽古、鬼殺、鬼殺、いちゃいちゃ、稽古と苦労が絶えなかった。

 

俺は十六歳になり、身長もカナエよりも少しばかり大きくなった。

筋肉もついて技の精度と練度、威力も格段に上がった。

柱の中でも最弱なんて言われることもないだろう。

 

そして、この二年という歳月は胡蝶姉妹も成長させた。

しのぶの研究は鬼を確実に殺せる毒の完成まであと僅かだという。

加えて普段から笑みを浮かべ、俺の言った余裕のある姿を体現している。身長も少しずつではあるが伸びてきている。

 

更に、蝶屋敷に従業員が増えた。

アオイ、きよ、なほ、すみ。この四人はカナエやしのぶが拾ってきた。身寄りがなかったり、鬼殺ができない隊士だったりする。

この四人は蝶屋敷では大活躍。機能回復訓練や患者の世話などをこなしてカナエとしのぶの負担を大幅に減らしている。

 

カナヲは相変わらず無表情無感情を貫いている。

相変わらず命令がないと動かないけれど、撫で回したりお土産を渡したりすると僅かに表情が変化するので甘やかしてしまう。

やりすぎるとアオイやしのぶからお叱りを受けるが仕方ない。

 

そして、胡蝶カナエ。

二年間俺とともに稽古を積み、鬼を狩ってきた。

その結果……体つきがより女性らしくなりました。

俺も年齢が上がったことも相まって非常に性的興奮を覚える。まだ手を出していないけれど、もはや時間の問題だと思われる。

あと、カナエは花柱へと就任した。

 

「お前らなぁ、柱合会議の最中にいちゃつくのはやめろっ!」

 

柱とお館様が一堂に会する会議、その後で天元に俺とカナエは呼び出された。

要件は会議中にいちゃつくなという事だが…

 

「いや、いちゃついてないだろ?なぁカナエ」

 

「うん、いちゃついてるつもりはないわね」

 

「ずっと手繋いで顔見合わせてニヤニヤして、いちゃついてないわけねぇだろ!脳みそ爆発してんのか!」

 

いいじゃん、話はちゃんと聞いてるし、お館様も何も言わないんだから。

お館様は優しいから度が過ぎていなければ大丈夫なのだろう。

ほら、一応コソコソしてるし。

 

「天元もお嫁さん連れてくればいいじゃん」

 

柱合会議に柱でもない人を連れ込んだらそれこそ怒られそうだけれど。

俺たちは二人とも柱だから許されているのかも。

そう考えると俺たち柱同士で恋仲とはすごいのではなかろうか。

いずれは鬼殺隊最強のおしどり夫婦なんて呼ばれたりするのだろうか。

 

「アホか!いやアホだ!あんな大事な場でいちゃつくのなんてお前らだけだわ!」

 

「うふふ、私たちはどんな時でも愛し合ってますから」

 

「どんな時でもカナエのことを考えてるから」

 

ねー!とカナエと俺は同調。

しのぶと比べてのんきでいたずら好き。

こういう悪ふざけにもよく付き合ってくれる。

 

「時と場合を選べって言ってんだボケェ!」

 

「お館様もあまね様がいるから似たようなもんだろ」

 

「あの方たちをお前らと一緒にすんな!」

 

えー、確かにあまね様はお館様の補佐のために常にそばについている。

でもそれを言ってしまえば、カナエは俺の継子で柱。いわば俺の右腕と言っても差し支えない。

なら手をつないでいるくらいいいと思うのだけれど。

ほら、右腕がなくなると落ち着かないだろ?

 

「しのぶも柱になったら三人で手をつないで柱合会議に出席できるかしら」

 

「お、いいなそれ。カナヲも柱になったらみんなでくっついて会議に出よう」

 

「柱合会議を私物化すんな!させねぇぞ!」

 

蝶屋敷の面子がみんな柱になったらもはやただの家族会議みたいになってしまう。

家族といえば、アオイやきよ、すみ、なほの四人は俺を家族のように慕ってくれている。

アオイは一昔前のしのぶのように気が強いけれど、俺によく話しかけてくれる。

きよ、すみ、なほもよく一緒に庭で戯れている。

 

みんな俺の家族みたいなもの。

自分の屋敷よりも蝶屋敷に滞在している時間の方が長いかもしれん。

 

後はカナヲが自分から俺に絡んできてくれれば完璧なんだけどなぁ。

 

「いいか!柱合会議は鬼殺の今後を左右するド派手に重要な場だ!半年に一回だから殉職者もいて全員揃わないときもある。そんな空気の中いちゃつくなって言ってんの!」

 

「「だからいちゃついてないって」」

 

「……殺す」

 

「おいおい天元、隊士同士の真剣での揉め事は隊律違反だぞ」

 

「宇随さん、落ち着いて?」

 

天元は自らの持つ二本の刀を抜くと俺らに向けてくる。

あれ、もしかして割と真剣にまずい?

 

「お前らみたいな脳みそ爆発してるやつらは一回ボコボコにしないとわかんないだろ」

 

ゲッ。ちょっと調子に乗りすぎた?

天元の口元からは呼吸音が聞こえる。

おいおい、それはまずいって。

 

「音の呼吸壱ノ型——」

 

 

 

 

 

天元が暴れ、俺とカナエが逃げ回っていたところを通りすがりの悲鳴嶼さんに見つかり、三人そろってお叱りを受けました。

 

俺とカナエは二人で性懲りも無く手を繋ぎながら帰宅中である。

 

悲鳴嶼さんは鬼殺隊岩柱、カナエとしのぶの恩人でもあるらしい。

数珠をもって南無阿弥陀仏とつぶやいたり、唐突に涙を流したり体がでかかったりと強烈な印象を残す人だ。

 

俺が柱になった時にはすでに柱として鬼殺を行っており、その実力は柱の中で最高なのではないかと思われる。

実際に戦闘しているところは少ししか見たことがないけれどそれでも悲鳴嶼さんは圧倒的な雰囲気を纏っている。

 

一年と少し前俺は悲鳴嶼さんと親交を深めた。

きっかけは一人の少女。沙代という女の子を俺が救ったところからだった。

 

『あのっ、悲鳴嶼というお坊さんを知っていますか!?』

 

沙代が鬼に襲われているところを助けた俺が最初にかけられた言葉がそれだった。

彼女は以前にも鬼に襲われたことがあるらしい。それも、悲鳴嶼さんの下で。

 

『あの人に、謝りたいんです』

 

ものすごく悲しそうな顔をしていたのだ。

そういわれては断れないと鴉を使って茶屋に悲鳴嶼さんを呼び出し、二人は感動の再開を果たした。

二人とも涙ながらに話をしていたが、間に俺がいると迷惑かとも思ったのでしれっと抜け出した。

 

一人で茶屋を出ると何やらご立腹な胡蝶姉妹に遭遇。

なにやら俺が沙代を連れて茶屋に入っていくところを偶然見かけていたらしく、浮気を疑ったそうな。

 

『へー、纏楽くん、まだ女の子を侍らせたいの?私たちに不満でもあるの?』

 

カナエは笑顔を浮かべているのに、ゴゴゴと空気が揺れている様に錯覚するほどの怒気。

 

『……毒でも盛ればいいですか?』

 

恐ろしいことを呟きながら、俺を逃すまいと腕をがっちりと掴んで離さないしのぶ。

 

俺、何にも悪いことしてないのに。

俺が店先で土下座で平謝りをしているところに、店から出てきた悲鳴嶼さんたち。

胡蝶姉妹に弁解するのを手伝ってもらったのだ。

 

「俺悪くないのに浮気を疑われるなんてなぁ」

 

「そっ、それについては本当にごめんね。何度も謝ったじゃない」

 

胡蝶姉妹を宥めたのちに、悲鳴嶼さんは律儀にもお礼を言ってきた。

 

『謝辞を述べる……他の隊士がなんと言おうと君は立派な柱だ』

 

当時、俺は比較的周りの隊士から避けられていた。

若くして柱になり胡蝶姉妹といちゃついているなどやっかみの対象になるのは当たり前。

胡蝶姉妹や、杏寿郎、天元、五味、村田といった面々以外は俺のことを悪く言う者が多かった……らしい。

全く気が付いていなかった。悲鳴嶼さんに言われたとき正直何の話?ってなったもの。

 

まぁ、つまるところ俺は悲鳴嶼さんに気に入られたらしい。

 

今まで柱合会議で悲鳴嶼さんと顔を合わせても話しかけづらかった。

だって怖かったし。でかいし、どんな人なのかわからなかったし。

 

でも今は割と簡単に話しかけられる人だとわかった。

敬意をこめて悲鳴嶼さんと敬称を付けて呼んでいる。

 

天元にはいらないけど悲鳴嶼さんには敬称必要だろ。

こう、なんていうのか、天元とは違う大人な雰囲気が滲み出ているから。

そんでもって俺たちが柱合会議でベタベタくっついていることに対して何も言わない。

 

真面目な杏寿郎も、俺たちが話を聞いていることは分かっているので、とやかく言わない。

 

義勇は少し離れたところで我関せずを突き通しているし、他の柱の面々も何も言わない。

 

柱という人たちは強い代わりにどこか人として変なのだ。

俺とカナエくらいだよ、普通なのは。

 

「悲鳴嶼さんの日輪刀、刀じゃないもんなぁ」

 

なんだよあの鉄球。トゲトゲしてるし重そう。鎖とかついてるのを上手く振り回すの難しそう。

 

「首を斬るっていうより潰してるものね」

 

流麗な動きに重きをおく花の呼吸とは全然違う。

それでもあの人の戦う姿は圧倒的戦闘力からか、見るものを驚かせ、守られている者を安心させる。

 

「でも、私は纏楽くんの剣技が好きよ」

 

「ありがとう。でも俺はカナエの剣技が一番好きだけど」

 

二年、天元や杏寿郎、俺とともに鍛錬を積みカナエは本当に強くなった。

花の呼吸という名前を冠するに相応しい流麗で美しい技、体さばき。

持ち前の目の良さで相手の動きを読み、封殺する。

 

まだ師匠として稽古では負けていないけれど、日に日に強くなっているのでヒヤヒヤである。

 

ちなみに、カナエとしのぶが俺に連敗続きで拗ねると、必殺の抱きつき攻撃を敢行してくるので、ちょいちょい稽古にならなくなるけれど仕方のないことだろう。

……二人が抱きついてこようとするのを回避なんて出来るだろうか、いやできない。

そこに鴉が鳴くと俺はいつも通りブチギレ状態で鬼を狩りに行く。

 

「まだまだ纏楽くんには及ばないもの。もっと頑張って纏楽くんに安心してもらえるようにならなきゃね」

 

「それは一生無理かなぁ。たとえカナエが鬼殺隊最強になっても心配なものは心配だよ」

 

ちなみに俺は俺の鎹鴉とカナエの鎹鴉両方にカナエ、しのぶを筆頭に蝶屋敷の面々に危険が及べば俺に大至急報告に来るように言いつけてある。

だって心配だから。

 

「むー、纏楽くんに並び立つために強くなってるのにそれじゃあ意味ないわ」

 

「柱に就任したんだから並び立ってるだろ」

 

カナエの実力云々ではなく、好きな人に危険な目にあって欲しくないという願望だから仕方ない。

 

「私だって纏楽くんの事心配なのに」

 

「ありがとう。でも、きっと大丈夫だよ。俺が柱でいるのも、きっとそんなに長くない」

 

「纏楽くんの弟弟子のこと?」

 

「そう、それも二人。そろそろ俺も引退かなー」

 

爺さんと文通している感じでは二人とも才能が尖っているけれど面白い奴らだという。

これは俺を隠居に追い込んでくれると信じている。

やがては俺の継子から柱へなって欲しいものだ。

 

「まだまだ若いのには負けん!とか言うところじゃない?」

 

「引退して早くカナエとしのぶで平和に暮らしたいから」

 

結局それに尽きるのだ。

俺が柱を目指していたのは恩人である爺さんの顔に泥を塗らないため。

このままいけば後継も二人いて鳴柱は続いていくだろう。

 

そうすれば俺もお役御免だ。

狙えるならば鬼殺隊最強の座でも目指そうとも思っているけれど、悲鳴嶼さんを超えるとなると……正直あんなイカツイ武器の使い手と戦いたくねぇ。

 

「なら、私も後継作って引退しなきゃね」

 

「いっそ鬼舞辻倒せればいいんだけどなぁ」

 

二年間鬼を斬ってきても鬼舞辻の尻尾も掴めない。

 

「そうね。どちらにせよ、頑張りましょう」

 

「そうだなぁ」

 

なんか唐突に始まりの剣士の末裔みたいなのが現れて鬼舞辻倒してくれないかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 




じいちゃんは新弟子を取りました。
つまり少し原作に近づきました。
過去を消化しつつ、書きたいことを今後とも書いていきます。
……更新速度には期待しないでね。

感想評価を頂けると疾走する可能性が下がりますのでみなさんどうぞよろしくお願いします。

第二回需要調査(どんな話が読みたいの?)

  • 胡蝶姉妹とイチャイチャ
  • その他原作キャラとイチャイチャ
  • 鬼とイチャイチャ(血みどろ)
  • 師匠と弟子といちゃいちゃ
  • さっさと原作突入しろ
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