今回は正規軍所属傭兵部隊に所属しているアラマキ爺ちゃん編
さて……アラマキ爺ちゃんがS07前線組に居なかった理由が明らかになります
そして、終盤の展開は以下に詳細があります
https://syosetu.org/novel/190134/117.html
https://syosetu.org/novel/190378/133.html
「この気配……祈祷者の軍隊の連絡線はこの近くか」
鉄血の重要施設『Hell guard tower』付近に存在する元は商業ビルであろう廃墟の中をアラマキはM14を手に単独で進んでいた
その視線は鋭く普通では見えないナニカを辿りかつ、確実に彼が探しているモノ――祈祷者の軍隊の連絡線へ近づきつつあった
(今頃、隊長とSOP達は仲間と合流できたか?)
アラマキはここを来る少し前に別れた傭兵分隊の面々の事を思い出していた
元々アラマキもAR小隊の二人や傭兵分隊と共に大陸横断列車まで後退するつもりで十数分前まで行動を共にしていた
だが、Hell guard towerの周辺まで撤退した直後、アラマキが連絡線の気配に気づき、「自分は連絡線を破壊するためにここに残る」と言い出した
無論、突然のアラマキの言葉に傭兵部隊やM16A1達は戸惑いを隠さなかった
「正気か、爺さん!?」
「ヤバそうな鉄屑共がうじゃうじゃいるんだよ? おじいちゃんも一緒に逃げよう」
「爺さん、気持ちは分かるがここは逃げた方が賢い選択だ」
彼らは各々の言葉でアラマキを止めようとするが、アラマキはそれらすべてを却下した
「お前らの気持ちは分かる。本来ならワシも隊長達と一緒に撤退するべきじゃろう」
「だったら、早く……「だが、異常は正さなければならない!!」
言葉を遮るがごとくアラマキは、脳裏に過去に目撃した様々な惨状――アブノーマル達の凶行が浮かび上がっていた
アブノーマルを再収容後、救う事ができなかった市民達の死体の山
正気を失った目で自身でさばいた我が子の肉を鍋に入れる異常存在に支配した母親の狂笑
生きながら屋敷の壁の一部にされ、自分に助けを求める年端もいかない子供達
異常存在がばらまいた麻薬で獣と化した人々を殺さざる得ない自分
地獄のような光景を見てきたアラマキにとって、アブノーマルを見逃すという選択肢はない
そして、それに対する拒絶と平穏を求める思いがアブノーマルの絶対性を崩すアラマキにとっての祈りの形であった
断言するアラマキの鬼気迫る目にM16達もそれを察したのか、彼を引き止めなかった。正確には引き止める事は不可能だと悟った
(連絡線を破壊したらすぐに追いつく……それまで無事にいてくれ)
アラマキは分かれた傭兵部隊達の無事を祈りながら廃墟の中を進んでいると元は商店であろう少し広めの区画にたどり着くと彼の視界にあるモノが飛び込んできた
それは、大きな鉄製と思われるトランクだった
周囲が荒廃した廃墟に似つかわしくない鈍い銀色を放つトランクを見た者は不信に感じるあるいは、好奇心に駆られて近づくほどの魅力なようなナニカを発していた
しかし、アラマキはそれがアブノーマル由来のモノであり、祈祷者の軍隊の連絡線である事を知っていた
そして、同時に彼らの最終兵器――
彼は、手にしていたM14をスリングで背中にかけると腰に提げていた斧を抜き払った
「さて……ずいぶんと戦場をかき乱してくれたな」
アラマキは小さくかつ、怒気を込めた声で呟くとゆっくりとトランク――祈祷者の軍隊の連絡線に近づく
まるで、落城した城の城門をくぐるように、何事もなくトランクに近づいたアラマキは無言で斧を両手で構え直し、頭上まで振り上げた
「深淵の水脈に帰れ、アブノーマル!!」
アラマキは自身の力のすべてをこめて斧を勢いよく振り下ろした
そして、振り下ろされた斧は耳障りな金属音を廃墟内に反響すると同時にトランクを両断する
アラマキの斧が、密室にもかかわらずに廃墟内に突風が吹き荒れ、トランクが一挙に真っ赤に錆びつきながら朽ち始めた
トランクが朽ち果てるのと同じタイミングでトランクから様々な大きな悲鳴が響き渡る
それは突如、未知の鉄血の援軍として現れた祈祷者の軍隊達の断末魔であることをアラマキは悟った
「「「「「「「「アバアババッバアッババババ!?」」」」」」」」」
《b》「ウギャアアアア、錆びる!?沈む!?」
「トランクがやられちまったのか!?」
「あと数秒で師団長が再展開ができたというのに」
「これで十数年は沈みぱなっしか!?」
「エリちゃん、ごめんよ!!!」
「Oh、ジーラフ!!!!!!!!!!!」
「おのれ、グリフィン!!」
「ゲームオーバーかよ!?」
「サヨナラ!!!!!!」
「嘘だろう、夢なら覚めて……」
「終わりか……しかし、最後の不意打ちで負けたのは悔しいな」
《/b》
様々な感情が困った断末魔が十数秒間、廃墟内に響き渡るとトランクは完全に風化して姿を消すと断末魔と突風が収まった
そして、廃墟内が静寂を取り戻すとアラマキは小さく呟いた
「連絡線破壊を確認……これを持って、すべての再収容は完了した」
そして、アラマキは斧から背中に掛けたM14に持ち替えるとM16達と合流するために廃墟を去ろうとした瞬間、胸元の通信機からリバイバーの声が聞こえ始めた
『お前ら!現在未確認のフードマントの勢力が乱入し、鉄血含めて被害が出ている!そこで‼︎この俺リバイバーが鉄血と独断で交渉して一時同盟を組んでジャミングを解除してもらった!勝手を承知だが、こうするしか道が無かった!各員鉄血と敵対行為をやめ、フードマントの勢力の迎撃に当たってくれ!奴らは下手を打てば万能者並の力と思われる!無謀と思うが、ここで奴らを退けなくては俺らは助からない!頼む、鉄血と協力してそのハイエナどもを蹴散らせ!』
「どうやら、別のイレギュラーがここに乱入してきたようだな……ふむ、好都合だな」
アラマキは笑みを浮かべると胸元の通信機に向かってこう言った
「こちら、正規軍傭兵分隊兼元グリフィン所属のアラマキだ……航空機、車両なんでもいいワシを友軍まで運べる奴近くはいないか?」
Containment completed Containment completed Containment completed
アブノーマリティ:
Containment completed Containment completed Containment completed
作戦本部跡地
「ふははは、さすが正規軍からオガスを託された鉄血工造が作り出した人形達だ」
ジョージ上位指揮官――と名乗る男は、焼野原と化した作戦本部の一角で全身を空を見上げながら狂ったように笑っていた
その体は黒焦げで、誰が見ても瀕死であることは確かであった
「もしも、身代わりの素行がバレて拘束された際の対応をいくつも考えていたがそれが手間いらずとなった訳だ」
彼は自身が鉄血の爆撃で全身を焼かれた事でもう長くないと悟り、好都合だと思った
しかし、彼はが死ぬ事は恐れていなかった
むしろ、自分の背後に存在する同士達の情報が己の不手際で漏れた事を恐れていたが、それも今や無用だった
「あの身代わりは私の事をほとんど知らない……私賀入れ替わった後に、端末内に隠した情報はすべてダミーにすぎない」
「そう、同士に繋がる情報はすべて遮断し、得るべき情報はすべて伝えた」と言い終えると最後の一息で大きく叫んだ
「世界の輝くを更新せよ!!!」
それを最後に男は
今回で、祈祷者の軍隊は退場でございます
元々遅筆だったせいでいろいろとやりたいこともあったのですがこれ以上はグダグダになると思い、退場させました
アラマキ爺ちゃんは今は、Hell guard tower付近の廃墟の近くいます
もし、活用してくれるのなら幸いです