彼の博麗の宮司録   作:弥生月 霊華

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第六話 飛べない宮司と現人神

魔理沙さんいわく、僕は霊力、つまり神様よりの力。そして魔理沙さんが使うのは魔力、人外よりの力なんだそうだ。系統が違うからそもそも教えるのが難しく、スペルカードの練習はともかく飛び方や結界などの技術に関しては専門外だそうだ。だからそっち系の力を使う博麗神社のライバル?だったと言う守矢神社に来ていた。

 

「イメージが出来たら後はひたすらに特訓ですね。浮かぶことは出来てるので吹っ切れちゃえば出来るんじゃないですか?」

 

下手に努力をしたことが無い一通りなんでも出来る天才は、教え方が下手。守矢神社の巫女もその例外に漏れないかもしれない、って見送りの時に言ってたっけ?でも、

 

「いやー筋は良かったですよ!まだまだ粗削りでしたけど!」

 

「盟友が訪ねて来るのは久方ぶりだったからね、楽しかったよ」

 

登り切るまでで既に満身創痍って言うのは聞いてない!!!

登山位ならいつも博麗神社の階段を上ってるし余裕余裕、と高をくくってた時期も僕にはありました!森に入った所で厄神様と一戦、水辺で道具を使う河童と一戦、滝の横を上ってる最中に白狼天狗の集団に絡まれて乱戦、そのまま烏天狗も登場して一戦。、、、、、早苗さんに見つかんなかったらつまみ出されて振り出しに戻ってたかもしれない。。。

 

「どうも、ハァ、ありが、ハァ、とう、ハァ、ご、ざい、ハァ、、ます?」

 

「ええ、ちょっと休んでからにしましょうか」

 

ちょっと困り顔の早苗さんが言う。うん、今の状況で何か出来るとは思えないからな。魔理沙さんも教えてくれたらよかったのに。妖怪の山だからこうなる事はある程度予想できたかもしれない。僕の想像力不足だったな、うん。

 

「でしたらちょっと取材させていただいても良いですか?!いいですよね!ありがとうございます!それではまずは、」

 

「ハァ、取材は、、、ハァ、、魔理沙さんを、、、通して、ハァ、、下さい」

 

息も絶え絶えな状態で受け答えする。当分の課題は飛ぶことじゃなくて人間としての基礎体力を上げる事じゃないのかな?魔理沙さんには「それも」必要な事だなとか言われそう。残念です、とか言う烏天狗の文さん。里の鈴奈庵って言う貸本屋で文々。新聞を配布しているけど、たまに何部か神社に置いてってる。ほとんどは読まれずに掃除に使われている事は秘密だ。(本人には)

 

 

半刻位休んでから、修行に入る事になった。最初に言われたけど基礎は出来てる(らしい)から兎に角吹っ切れるための何かが必要なんだそうだ。

 

「と言う訳でまず浮かんでください!」

 

河童のにとりさん、天狗の文さんが帰った後の事だ。文さんは本当に帰ったのか怪しい所だけど、今気にするべきはそうじゃない。

目を閉じて集中する。霊力を体に循環させるように、そしてそれをちょっとずつ浮かぶように、、、、。

 

「はい目を開けて―、空中を泳ぐみたいにー」

 

言われた通り恐る恐る目を開けてみる。

 

バチンッ!

 

「うわぁッ!」

 

ドサ!

 

凄い衝撃がして、高さ二メートルくらいの所から落とされた。痛いよりも先にビックリしたって言うのが強くて、思わず呆然と早苗さんを見上げていた。

 

「あらら」

 

早苗さんも少しびっくりした声を出してた。呆れられちゃったかな。僕以上に霊力がある人は里にたくさんいるだろうし、僕じゃなくてもいいんじゃないかって思うんだ。

 

「力み過ぎですね、飛ぶことに意識を向けすぎなんです。全体的に空回りしているので、なんかこう、力を抜いてみて下さい」

 

「………え?」

 

「出久さんは自分の霊力をあるだけ使って飛ぼうとしてるんです。だからもっと力を抜いてみて下さい」

 

期待されてる、んだろうな。僕が「博麗の宮司」だから。僕がいなければ幻想郷が無くなるから。

力み過ぎ、飛ぶことを特別視しすぎているって言う事なんだろうな。もっと自然に空中を走っている時みたいに飛ぶ!

 

ビュッ!ドサァ

 

「あー、、、練習あるのみ、ですかね?」

 

渋い顔をされたけど、僕は、僕は期待に応えられるようになる!

 

 

 




ちょっと短かったですが、次話は直ぐに上がると思うので許してください。

かっちゃん視点って結構難しいですね。中々筆が進まない。因みに現在、梅雨が明けた六月末頃の設定です。
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