彼の博麗の宮司録   作:弥生月 霊華

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第七話 狛犬あうんとちょっとだけ不運な日

「紹介が遅れたな。こちら、狛犬の化身で博麗神社に憑りついてる」

 

「高麗野あうんと申します!これからは博麗神社を守護しゅる、、、、」

 

・・・・守矢神社から帰って来たら、薄い緑髪で赤い服を着て角の生えた女の子がいた。自己紹介を盛大に噛んだ彼女は、魔理沙さんの後ろに隠れて落ち込んでいた。こういう時、どういう反応をすればいいんだろう?

 

「ああー、紹介が遅れたな。狛犬の化身で博麗神社に居ついてる、」

 

「魔理沙?!仕切り直せてませんよ!」

 

うん、僕も思った。涙目になりながら顔を出したあうんさん、、、ちゃん?は守護獣?みたいな感じで博麗神社を守っているらしい。らしいと言うのは実際に会ったのも見たのも初めてだ。

 

「話は魔理沙から聞いてます。うぅ、宮司さんに仕えるのは初めてですが頑張りますぅ」

 

「は、はい!よろしくお願いしましゅっ!」

 

恥ずかしがりながらもちゃんと自己紹介をしたあうんちゃんに、緊張しながら答えようとしたら盛大に噛んだ。舌が痛い、、、。

 

「今日はそう言う日なのか?」

 

魔理沙さんの言葉に、二人して何も言えなかった。

 

 

「飛べない巫女さんも過去に居ましたよー。玄爺と言う亀さんにのって戦ってましたー」

 

「まぁ、今も生きてるかは知らんがな。妖精曰く、其れらしいのは目撃してるらしいが」

 

妖精の言う事は話半分以下に聞くに限る。そう言って魔理沙さんはお茶を啜る。何か描写がお茶飲んでばかりだな。

 

「ちなみに霊夢は「空を飛ぶ程度の能力」で飛んでたぞ。ひっくり返して何事にも、重力にさえも縛られない程度の能力とも取れたな」

 

(注意、これらは確証の取れない情報であり、二次創作出身の設定である可能性があります)

 

「何か、単純な能力ですね。僕のとは違って」

 

僕の能力は、『性質を変化させる程度の能力』いろんな物質やモノの融点を下げたり上げたりする能力。これはあくまで一例に過ぎないし、性質を理解していなければ出来ない事であるから中々に扱いが難しい。

 

「単純だからこそ強いんだろ。覆されない絶対的な力ってのはそれだけの安定してるからな」

 

十三代目の巫女である博麗霊夢さんは、歴代一位を争う才能と霊力と実力、それでいてそれを発揮させられる度重なる異変に恵まれた?人。同時期に幻想郷の勢力として台頭してきた妖怪は数多いって言う。聖さんも、早苗さんも、永遠亭の人達はちょっと違うかもだけど。

 

「霊奈ちゃんはどんな能力なんでしょうね!今から楽しみです!」

 

「おいあんまり叫ぶな。今寝たばっかりだろ」

 

あうんちゃんが興奮気味に言って、魔理沙さんが凄い冷静に返す。なんか、凄いクールだ。霊奈ちゃんが巫女になる時、その時まで僕は宮司として結界を維持していなきゃならない。

 

「えへへ!あ、そうだ出久さん!弾幕勝負しませんか?!」

 

「え?!今?」

 

「んなことしてないで夕飯の準備手伝え。出久は霊奈の事見てろ」

 

そうだよな、もう日が見えない位に沈んでるし。部屋を出て行ったあうんちゃんと雑記帳と筆を残して残された僕と霊奈ちゃん。すやすやと眠っているし僕が何かしなくても大丈夫な気がするけど。

 

「便利になったよなぁ」

 

昔は電気の力で煌々と光を放つ物体なんて存在無かっただろうな、と部屋を照らす照明器具を見て思う。昔の人が作り出したモノの旧式しか僕達幻想郷の住民は使えない。もしくは全くのオーバーテクノロジー、存在しえ無いほどに発達した仕組みのわからない科学だけだって言う。考えれば考えるほど不思議だ。想像、幻の産物かすたれた技術、つまり一般的では無いモノしか使えないやってこないようにする結界で覆われた幻想郷。(この辺から読まなくていいです)あの事件、個性とか言うモノが人間に発達した時の事はまだ聞けてない。是非とも聞きたい。魔理沙さんはさらっと自分が魔女になっただけだと流してたけど、絶対に違う気がする。何かしら大きな異変が在ってそれで魔女にならざる負えない状況に陥ったんじゃないか?と言うかそもそも個性と言う力自体が科学で解明できるのか否かで幻想郷と外の世界の距離をぐっと縮める事も出来る可能性もあるしそれをしないと言う事は何かしらの理由が存在するはずでそれがもし合っているなら」

 

 

 

 

「うわ―、ほんとに独り言漏れてる」

 

「考えること自体は良いし回転も速いしそこまで間違った事は無いんだがな、考えるのが漏れるのだけが唯一のダメなところだな」

 

ブツブツといつもの癖が出てしまった出久を、うどんをよそったどんぶりを持つあうんがまじまじと見つめてる。机に置いて真正面から覗き込んでも戻ってこない。いや流石に気づけよ。スペカ戦中にこれが出たら間違いなくピチュるまでは戻ってこないだろうな。

 

「あうん」

 

うっかり漏れちゃいました。じゃすまない事もあうんには言った。下手に気づかれて勘繰りを入れられた結果出久の記憶が戻ってしまいました、もしくは変異に気が付いて心が壊れちゃいましたなんて五千年経っても笑い話に出来る事じゃないからだ。

 

「解ってますよぅ。これでも狛犬なので、護るモノはちゃんと守ります!」

 

「ならいいけどな」

 

それにしても、近くでこんな会話してもまだ気が付かないってのは、、、治した方が良いのか悪いのかわかんねーな。

 

「うう~、全く戻って来ません。魔理沙ぁー、どうします?」

 

「霊奈連れてくから、盛大に驚かせてやれ」

 

ちょっとした悪戯心を働かせれば、あうんもにやりとあくどい笑みを浮かべて頷いた。こういうノリが良い所は霊夢に似てるんだよなぁ、コイツ。

 

それにしても狛犬まで出てこれるようになるとは思わなかった。あの事件で力を使い果たして冬眠?状態になったあうんを起こせるだけの霊力が、つーか才能って言うのが出久には合ったんだろうな。あの計算高い紫の事だから、ここまで計算済みで選んだかもしれないな。まぁ、それ以上に行き当たりばったりな事も多いからここまでとは思わなかったと言うかもしれないけど。

人の声にしては大きな叫び声を聞いて、霊奈は寝苦しそうに身じろぎを一つ。梅雨は明けた。もうすぐとてつもなく熱い夏が来る。

 




次回予告

ちょっと短くなった今回に比べ、次回は少し長くなる予定。
何故だか結界の外に行かねばならなくなった魔理沙。彼女が不在の博麗神社にて出久は修行に明け暮れる。手詰まりかと思った所で、現れたのは………?!

次回、異変?悪巧み?誰かの罠!


まぁ、それ含めての修行って事で!

お楽しみに!
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