彼の博麗の宮司録   作:弥生月 霊華

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しょっぱなからそんな物幻想郷に在るのかとかそう言うツッコミは無しでお願いします。最後にタイトル回収いたしますので。


第八話 異変?悪巧み?誰かの罠! 前編

「出張、ですか?」

 

出久が聞き返す。私も出来れば遠慮したかったが、どうにもそう言う訳にはいかないらしい。紫も随分乙な事をする。

 

「そうだ。外の世界に、一週間くらい。その間、霊奈はあうんに任せるとしても、何か合ったらお前が対処しろよ」

 

このセリフでフラグが乱立している気もするが気にしない。回収するのもへし折るのも出久次第だからな。

 

「解りました。頑張ってください!」

 

無垢な笑顔が逆に苦しい。イヤー、ヒトヲダマスッテクルシイナァ。

 

 

 

魔理沙さんが出張と言う名の結界修正に出た一日目、僕は飛ぶ練習を続けていた。早苗さんの所に修行に行くようになってから、無心になってふよふよと浮かぶだけなら出来るようになった。でもこれじゃ飛ぶと言うより「浮かぶ」だ。理想には程遠い。

魔力は重力に反発して飛ぶ、霊力は無重力状態を作って飛ぶ。だから飛ぶのに必要な力自体は霊力の方が少なくて、技術面だから難しいらしい。と言う事はつまり(もう読まなくていいです)魔理沙さんは重力に反発してその上で推進力となる魔力を発する所謂ロケットみたいな飛び方をするから構造自体は簡単。だとすると霊力はより非科学的な技術を使っている事から考えても陣は崩さずに何か八卦炉の様に方向を定めるためのアイテムとか」

 

 

「わー、何時までやってるんだろ。ねー霊奈ちゃん」

 

私あうん!私視点は初めてだよね!霊奈ちゃんは私の腕の中できゃっきゃと笑ってて、二十代目の宮司の出久さん、くん?はふよふよと鳥居の上位まで浮かび上がりながらブツブツとっマジックアイテムがどうとかめかにずむがどうとか言ってる。あうん難しい事解んない。

 

 

「出久さーん!マジックアイテム?みたいなものなら有りますよー!」

 

「?!本当ですか!?」

 

ドサッ

 

気が抜けたせいで思いっきり落下した。まぁきっと大丈夫でしょう!出してなかったのは魔理沙なりの考えが在るのかもしれないけど、あうんシーラナイ!

 

 

「これは、、陰陽玉?とお祓い棒?」

 

「そう!霊夢さんが使っていたのとはちょっと違いますが、巫女の必需品です!」

 

「巫女、じゃないんだけど」

 

「細かい事は気にしない!」

 

むしろ気にしては負けなのだ!そう思って倉庫へと向かう。封印されている訳でもないから簡単に開いた。うわっ!埃っぽい、後ろからおずおずとついてきた出久にいくつか道具を放り投げる。陰陽玉と、お祓い棒と、その他装飾品!

 

「ちょ、あうんちゃ、、も、持ち切れないよ!」

 

振り返ってみれば、両手に山ほど道具を抱えた出久の姿が。辛うじてバランスは保ってるけど、時間の問題かなぁ?あうん、失敗しちゃった?

 

取りあえず道具を全て運び出して、埃をはたいてみる。

 

「それで、どうやって使うんですか?」

 

「さぁ?皆才能で使いこなしてたから知らない」

 

あ、こけた。そんなに面白い事言ったかなぁ。でも確かに、解んなかったらどんな法具でもガラクタだもんね。

(彼女は気が付いてない。軽く出久には才能が無いと言っている様な物だと言う事に)

 

「やれやれ、様子が気になって来てみれば、基礎から叩き直さなければならないようですね」

 

ん?何か聞き覚えのある声がする?

 

 

 

紫が人さらいをしたと、風の噂で聞いた。死んだ博麗の巫女を襲名する宮司となる少年を十三代目以降行ってこなかった方法にて博麗と名付けたそうだ。キョトンとした顔で、私を見る彼はどうもまだ自由に空を飛ぶことさえ出来ない様だ。

 

「初めましてですね。私は茨華扇。仙人です」

 

縁側には揺り籠に眠る赤子が。先代とは度々交友を交わす仲でしたが、子が生まれてから訪ねた事は無かった。魔理沙が不在の時を狙ってきたのですが、どうやら正解の様ですね。彼女とは長らく会話をしていませんし、合っても気まずくて話が進まないだけです。

 

「茨、華扇、、様?……!?初めまして!僕、博麗出久です!良ければお話聞かせてもらえませんか?!」

 

どうやら話に聞いていた通り、記憶さえも失っているのでしょう。しかし力量不足とは言え修行を真面目に行い初対面の人にもそれなりの礼儀はある。あの巫女に比べれば十分ですわね。

 

「ええ、良いですけどお話とは何の?」

 

「えっと、求聞口授の裏側の、華扇様から見た異変の事が聞きたいです!」

 

キラキラと目を輝かせる少年に裏表もなさそうだった。まるで金目のモノを目にしたときの霊夢さながらですね。

 

「良いでしょう。しかしその前に、」

 

あうんと言う狛犬が道具を整理している。蔵の門が開いている所を見るにサポートアイテムの類でも探しているのだろう。あくまでそれらは補助にしかならず、基礎が出来ていなければ使いこなす等到底出来ないのです。

 

「片づけましょう。心身ともに鍛えるならばまず環境を整えなければなりませんし」

 

一度に山の様に出す必要性は無かったのでは、とは言えませんでした。私もまだまだ甘いのかもしれませんね。

 

 

 

「意識をとらわれ過ぎなのです。きっかけさえあれば呼吸をするのと同じくらいに自然に力を使う事が出来ます」

 

才能、と言う面では彼は霊夢には劣って居ません。まぁ、才能を使う才能が全くないと言う弊害がありますが、やる気がある時点でそのような事は直ぐに克服できるでしょう。朱墨で札を書きながら彼は聞いている。霊奈と言う先代の子はあうんに任せて置いて大丈夫でしょう。仮にも狛犬、困った事が有れば助けを求める位の事は出来ますからね。

私の話を聞きながら手を動かす彼の集中力は流石と言えましょう、それよりも、何か忘れてしまっている様な?そもそも私は何故ここに、、、

 

「あ、」

 

さっぱり忘れていました。博麗の元へ訪れようとしたのは、そもそも一つの異変を感じ取ったからなのです。巫女の適性が云々はそれよりも後の事でした。

 

「?どうしたんですか?」

 

手を止めさせる気は無かったのですが、仕方ありません。本題に入る事にしましょうか。

 

「いえ、そう言えば最近地霊殿から続く間欠泉辺りに怨霊がたむろしていたな、と思い立ちまして」

 

ポカンと私を見つめる目が居た堪れない。ええ、解って居ます。この様な事を告げるのはなるべく早く出なくてはならないはずです。ええ、すみません。

 

「間欠泉、ってたしか妖怪の山にある、、、」

 

「はい。地霊殿に直結する、温泉の近くに吹き上がる旧地獄の設備の一つです。とりあえずゆっくりでいいので向かいましょう」

 

急を要する異変ではありませんけど、それでもほっとけばどうなるかはわからないのが怨霊と言うモノです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山の歩き方は随分わかって来た。先行してくれてる華扇様の後を懸命に追う僕。あうんさんは霊奈ちゃんの世話の為に博麗神社に残っている。川の近くを通って天狗の住みかの近くを通って(今でこそ顔パスしてくれるけど、そうなるまでは大変だった)、そこからは少し道をそれて獣道を上って行く。

 

「悪霊退治の経験はありますか?」

 

「ありません。と言うか、妖怪退治とかそう言うのもやった事は無くて」

 

これが初めての異変解決、悪意に対して向き合うのも初めてだ。言っておくが僕が甘やかされてきた訳じゃ無い。そもそも幻想郷が平和すぎて異変と言う異変が僕の物心ついた時から全くと言っていいほど起こってないからだ。それは良い事なのか、それとも技術を伝承していくうえで腐敗するかもしれないと言う危機感から怯えるべき事なのかは解らない。だとしても………」

 

「そうならない為に八雲紫や魔理沙が居るのですよ」

 

「え?!声に出てました?!」

 

「ええ。それはもうしっかりと」

 

「、うぅ」

 

この癖も直さなきゃなぁ。常々言われてる事だけど無意識なんだからしょうがないじゃないか。戦闘の時はやばいかもだけどそうじゃ無い時に物思いにふけるのは悪い頃じゃないと思うんだけどなぁ。

 

「さて、もうすぐ着きますが何か質問は在りますか?」

 

「え、えっとですね。。。どの位の怨霊が居ましたか?」

 

知らなきゃいけない事、何時かは一人で気が付いて対処しなければならない事だから、しっかり学ばなきゃいけない。

 

「ふよふよと浮かぶ程度しかいませんが、密度が濃く成れば山を下る可能性もありますね。前に見た時はいなかったので、定期的に増えるのかそれとも漏れ出る何かが在ったのか」

 

そうか、華扇さんもその道に居るとしてもそんな一目でわかる様な物じゃないんだ。考えてみれば当然だ。旧地獄と直結してる間欠泉なんて、いつ何が染み出ているのか解ったモノじゃない。

あ、見えき、、、、

 

「うわぁ、」

 

「そう言う反応も珍しいですね」

 

何だろう、湯煙みたいな感じでその辺を悪意の無い霊魂が漂ってる感じ?でも悪霊って言ってたし少なくとも成仏をしたがらない時点で、と言うか地獄から染み出た時点で悪霊確定なのか?

 

「うーん。とりあえず札で成仏させてまた明日様子を見た方がいい、んですよね?」

 

最適解が解らないぞこれ。一見害はなさそうだけど、確か悪霊の念で鉱物が出来るとか言う話もあったな。凄い毒素を含んでいるらしいけど。

 

「それが最適でしょう。では、もしもまた悪霊が居ればどうします?」

 

地縛霊の類なら成仏したように見せかけてまたその場に戻って来るって事もあるかもしれない。けど今回は違う。立地が呼び寄せてるんだ。それをどうにかするには、、、

 

「地霊殿に行って、話をする?」

 

「その通りです。ですが私はそれに同伴する事は出来ません。行くのであれば河童か力の強い、もしくは技術力が在る種族に頼ると良いでしょう」

 

そうか、地霊と言う場所そのものが人間にとっては気軽に入る事が出来ない場所なんだ。最初地霊殿で起こった異変でも魔理沙さんも霊夢さんも、助けを借りて突入したって記録があったんだから。

 

「霊符「封魔陣」」

 

スペルカードを改良した、実戦用の威力のある弾幕。それは瞬く間に霊を捉え消滅と言う名の霊道送りにしている。代々繋がれてきたスペルカードだからか、無駄が一切ない。僕の作ったスペルカードよりも疲れるけど、その分威力はケタ違いだ。

 

光が収まった所にあるのは凄い熱量を放つ液体がそこらじゅうで沸き立つ間欠泉。霊の姿はどこにもないけど、悪意が作り出したと言う鉱石が何の変哲もない石の様に転がってる。綺麗だから、加工すれば組紐に編み込めそうなんだけどなぁ。

 

「出久さん?どうかしたんですか?」

 

はっとして振り返ったら、既に華扇様は帰ろうとしてた。その後ろ姿を駆け足で追う。後ろ髪引かれる思いってこういう事を言うのかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日 結論、どう考えても地霊殿側のエラーっぽいですありがとうございました。

華扇様が来るかはわからないけど、来る前に朝一で確認しに行った。2、3人?霊の単位って「人」でいいのかな?まぁ兎に角それくらいだったけど増えてたのには変わりないから、地下に訪問しなきゃなぁ。今すぐに害が出る訳じゃ無いけど思い立ったが吉日って言う言葉もあるし、今日はそこに行こう。

 

「あ、あうんさんに言うの忘れてた」

 

何も言わずに出て来ちゃった。寝てたから起こすのが忍びなかったんだけど、書置き位は残してくるべきだったな。とりあえず戻ろう。

 

 

 

 

 

 

「もう!起きたらいなかったからびっくりしたんですからね!」

 

「ご、ごめん。次はちゃんと連絡してからにするから」

 

「約束ですよ!全くもう!書置き位してってもいいじゃないですかー」

 

ぷんぷんって効果音が付きそうな感じで怒ってるあうんさんだけど、なんだかんだちゃんと朝食を用意してくれてるから優しいと思う。ごめんともう一回謝ってから食卓に着く。何時もの事ながらおいしそうだ。

 

「それで、何が起こってるんですか?」

 

僕もそれは解らないけど、異常事態って事だけは確かみたいだ。そんな大事でもないけど。

 

「地霊殿で悪霊を逃がしちゃった何かが起きたんだと思う。自信ないけど」

 

「そんな事言って~。良いですか?妖怪退治なんていうのは自信第一なんですからね!出来るって思わないと出来るモノも出来なくなります!」

 

人の思いが異を創る、だっけ?似たような事を言われた様な?でもその通りなんだ。

 

「うん、気をつけるよ。ごちそうさま」

 

手を合わせて、食器を重ねて、膳を運ぶ。

出かける準備、と言う訳じゃ無いけど地霊に行くなら協力者が必要らしい。今の状態の僕が頼れるとしたら紅魔館か、、、永遠亭か、それとも命蓮寺か、位だから、、えっと。でも守矢神社に頼るのが一番筋が通ってるよな?だって間欠泉も妖怪の山の管轄だろうし、、?

こういう時は資料を探そう!一人で考えるだけじゃだめだ、折角過去の見聞が残ってるんだから活用しないと。

 

魔理沙さんは魔女仲間の人達の力を借りて、十三代目博麗霊夢様は天狗や鬼か紫様の力を借りたらしい。河童の技術力も頼りになるらしい。

 

さて、どうしよう?




華扇が来れないのは過去に色々あって鬼と顔を合わせずらいからだよ!
霊奈ちゃんは大抵揺り籠の上かあうんに抱かれてるよ!
魔理沙ちゃんは結界の外を普通に出歩けるよ!(妖怪や人外は普通ムリ、例外は紫)

そして問題です!

出久は誰に助けを求めるでしょーか?

決まらな過ぎてルーレットで決めました!

以外でも何でもない方ですよ!
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