ここはIS学園

世界で唯一ISを動かせる女の娘、織斑一夏は男だらけの学校で毎日がてんやわんや!

これはそんな慌ただしい日常の一幕

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ISif 登場キャラ全転換です
性別変更、多少以上の性格変更、設定改変などが入っているのでキャラ崩壊その他もろもろにお気を付けください
ちなみに各キャラは名前を男性風に変えていたり変えていなかったりです
違和感とか違和感とかコレジャナイ感はなんとか無視してください
実際調べまわった挙句に挫折した結果ですので
ちなみに作中の時間軸は2年時の学年別トーナメント前のペア決め期間です
原作ではどうだか知りませんけど俺が書くとこんな感じです







IS ‐わたしのいんふぃにっとすとらとす‐

 

 

 ところはIS操縦者育成学校『IS学園』。

 数年前にIS―インフィニットストラトス―が発表されてから向こう、男尊女卑の傾向が全世界的に主流になりつつある今日この頃、みなさん如何お過ごしですか?

 一般にはびこる俺様系男子と蜜月を繰り広げていますか?

 それとも今や画面の向こうにしか生息していない草食系男子を探し求めていますか?

 ちなみに私の周りはいつもどおり修羅場です。

 

「だから、一夏は私と一緒に今度の学年別トーナメントに出るのだと言っているではないか!」

「こんな小さなことで激昂するような度量の小さな男に一夏を任せられるか! 僕のような紳士といた方が彼女のためだ!」

「お前たちはまだそんなことで争っていたのか。きっとそのうち一夏の方から俺に一緒に出ないかって言ってくると思うぞ? 一夏の方から申し出てくるならお、俺も考えないでもないからな」

「ふん、嫁は自分と一緒に出たいに決まっているだろう。お前たちでは嫁を守るのに戦闘力不足だろうに」

「……でも、その、一夏さんは僕と一緒に出てくれるんじゃないかな。前の時も向こうから組んでくれたし……」

 

 ……聞こえてますけど。

 折角、久しぶりに一人でお昼ご飯を食べられる時間が来たと喜んでいたのに……うぅ、恥ずかしいよぉ。

 少し離れたテーブル、私のところは影になって見えていない場所でお馴染みの彼らが騒いでいる。

 男子校に一人だけ女子とかそういう言い訳じゃ効かない気がするんだよね、あの6人の争いは。

 私だって高校生くらいの男の子がその……女の娘に飢えてるってのはわかるんだけど、他の人たちを見ていると少々あの6人はがっつき過ぎじゃないかな? とも思うんだ。

 流石に1年も経てば少しは慣れるけど、周りがみんな男の子っていう環境には結構なストレスを感じるんだよ?

 その上であのバカ騒ぎだからぁ、ああなぜ私はあの時ISを動かしてしまったのか。

 別に今となってはIS自身に思うところはない。むしろ今さらISを使えなくしてあげようか、とでも言われれば全身全霊で拒否する構えだ。

 それでもたまに思ってしまうんだ、あの時ISを動かさなかったら今でも数枝や蘭たちとガールズバンドでも組みながら、気楽な女子高生生活を送れていたんじゃないかって。

 その場合は弾君でも彼氏にしてたのかなぁ、彼はホント初々しかったもんね。少し話しかけただけでキョドっちゃって、自分を大きく見せようとホラ吹いて、年下の男の子って可愛いよねぇ。ああいう子が癒しだよねぇ。

 

「ねぇ、一夏。今度の学年別トーナメントだけど、僕と一緒に出場しない? 今度こそ2人で優勝しようよ」

「!? あぁ、驚いた。シャルルか。もう、気配を消して後ろに立つのやめてって何度言ったらわかるの!」

「ごめん、ごめん。でも、みんながいない今のうちにっと思ってね? どうかな? 一緒に出てくれない?」

 

 男の子の可愛さについて考えてたら可愛い男の子が釣れてしまった。

 後ろから耳元で囁くなんて……もう、一々こっちをからかうんだから。

 それと確かにシャルルは可愛いんだけど……それはなんか違う気がする。彼自身女装するのに何の抵抗もないみたいだし、男の子っていうより男の娘だよねぇ?

 まぁ、6人の中でも一番迷惑かけないし空気も読めるからあの集まりの中なら一番付きあいやすいかな、男女の関係ってのとは別だけど。

 

「ん、ごめん。少しだけ考えさせて? その、あっちで騒いでるあいつらの分も考えないといけないから……はぁ」

「ふふ、一夏はやっぱり優しいなぁ、彼らのことも考えてあげるなんて。……彼らは確かに友人ではあるけれど、一夏のことに関して言えば敵どうしだからね。だからああやって自分の株を落とすのを見ていると安心するよ」

 

 シャルルはすごいイイ笑顔でつぶやいているけど、だから聞こえてるってば。

 なんでこの6人はこうも残念なのか。

 みんな世間ではなかなかお目にかかれない美少年ばっかなのに、性格が些か以上に残念だから、誰ともお付き合いをするって話にはなりそうもない。

 彼らが私に好意を寄せてくれているのは傍目から見てもあからさまだし、私からしても火を見るより明らかだ。

 こんなイケメンたちに囲まれて、友達はみんなイイナイイナと呑気に羨ましがるけれど、私からしたら今すぐ代わってほしいくらいだ。

 悪い奴らじゃないし、私のことを大切に扱ってくれているのもわかるんだけど、違うんだよなぁ。

 この私の微妙な気持ちを彼らが汲み取ってくれるのはいつの日になるやら。

 とりあえず今は彼らが引き下がってくれそうな、なるべく角の立たないペア案を考えないと……うぅ、胃が痛いよぉ、女子高生にして胃薬の常用者になんてなりたくないんだけどなぁ。

 まずは目の前の鯖の味噌煮を食べてから考えよう。そのあとでお兄ちゃんにでも相談すればきっと解決案を出してくれるはずだ。

 お兄ちゃんにはいつも頼りっぱなしだなぁ、と思いながらお味噌汁を啜る昼休み。

 隣でシャルルが微笑んでいるのは微妙ポイント+1だけど、それ以外はいい感じに平穏だね。

 こんな感じの平穏がいつまでも続けばいいのになぁ、無理か。

 

 

                 ◆◆◆◆◆

 

 

 放課後、授業が終わってすぐに彼らに絡まれる前に先生たちのもとへと擦り寄る。

 5、6時間目の間の休み時間にも迫られたのだ、さっさと解決しなければ。

 周りの男子については1年時なら露知らず、今となっては私の周りの6人のことを理解しているので、自分たちの方から敢えて私に申し込む、というようなことはまずない。

 それでも私に申し込んできてくれる猛者がいるので、私としてもそんな彼らと組んであげたいのだけれど、残念ながらそうは問屋が降ろさない。

 どう考えてもバランス的にも一般生徒と組んだほうがいいに決まっているのだけれど、彼ら6人のうち大半はコミュ障で、珍しくコミュ障じゃないシャルルも彼らに付き合ってペアを組むもんだから、私が一般生徒と組むと専用機持ちのペアが3組も出来てしまうのだ。

 いや、私が組んでも同じ状況には陥るんだけど。

 まぁ、それでも私が彼ら6人のうちの誰かと組んだ時の方が周りへの被害が少ないのでそうするしかないというわけだ。

 流石に相方が、私と組んだからに試合で入院なんてさせられたらたまったもんじゃない。

 きちんと嫉妬に狂った専用機持ちたちと戦えるレベルの人じゃないと私とは組めないのだ。

 きゃー、私のために争うのはやめてー。

 ……自分で考えていて虚しくなってきた、状況は相応しくも私自身がお姫様といった柄じゃない。

 確かに女の娘として白馬の王子様とかに憧れるには憧れるけど、なんか周りのイケメンがアレなのばっかなせいで王子様もアレなんじゃないか、とか思い始めてしまうこの頭が憎い。

 とりあえず今は相談だ。なんでたかがペアを組むだけでこんなにも悩まなければならないのか、毎度毎度不思議だけど。

 

「おに、織村先生、栗田先生」

「おや、なんだい織村君? 一人でいるなんて珍しいね」

 

 …………。

 相変わらず優男風の見た目と違って失礼な人だ。

 同性にも異性にもなかなか好かれないんだろうなぁ。

 私の考えてることも失礼かもしれないけど事実だから仕方がない。

 とりあえず私はお兄ちゃんに用事があるんだけど、出しゃばらないで欲しいな。

 

「いえ、織村先生に今度の学年別トーナメントのペア決めについて相談したいなぁ、と」

「む、俺か。いいだろう、生徒指導室へ行くぞ」

「あれ? 僕はお呼びじゃないのかな? まぁいいや、僕は職員室で寂しく仕事してくるとするよ。織村先生またあとで」

 

 うーん、やっぱり一々言い方がかんにさわる先生だなぁ。

 お兄ちゃんはIS学園時代からの付き合いらしいんだけど、嫌にならないのかな?

 仕事ができて操縦もうまいけど代わりに性格が残念になるのが、国家代表候補生以上のIS乗りの特徴なんだろうか?

 2年目に入ったけど今でもそれだけはわからないや。

 無言で歩き始めたお兄ちゃんについて生徒指導室に入る。

 ここはプライベート空間だ。

 お兄ちゃんって呼んでも怒られない唯二くらいの場所。

 もう一箇所は荒れ果てたお兄ちゃんの部屋だね、私としては入りたくないけど。

 

「で、どうした一夏。またあいつらをどうするかという話か?」

「そうなんだよ、お兄ちゃん。あいつらときたら今日も食堂で大騒ぎするし、恥をかくのはこっちなんだからもう少し自重できないのかなぁ」

 

 お兄ちゃんは普通以上に無愛想に見えるけどホントは優しい。

 不器用なだけで、ホントは誰よりも生徒のことを見ている。

 でもそれ以上に私のことを心配してくれてるのもわかってるから、お兄ちゃんのことは大好きだ。

 正直あいつらにはお兄ちゃんくらい魅力的になってからアプローチをかけてきてほしいなぁ、と切実に思う。

 あいつら以外の男の子の告白とかは逆に初々しいからそれはそれでありだけど、あいつらは一回お兄ちゃんの爪の垢を煎じて飲むべきだ。

 

「あいつらのあれは病気みたいなものだからな。恋は熱病とはよく言ったものだ」

 

 そういうことを恥ずかしがりながらも口に出すお兄ちゃんがとても可愛いです。

 ああ……最近ストレスが溜まりすぎて、禁断の兄妹愛とか素晴らしいんじゃないかとか思い始めている私がいる。

 でもそうすればあいつらは寄ってこなくなるし、私の彼氏はとっても魅力的なお兄ちゃんってことになるしで万事解決なんじゃ?

 ……ふむ、頭の端に留めておこう。

 

「その熱病で毎度毎度のバカ騒ぎ、やんなっちゃうよ。いつもお兄ちゃんに頼りっぱなしでアレなんだけど、今度の学年別トーナメントのペアの件でもまた揉めそうなんだ。なにか解決策はないかなぁ?」

「ん、いっそのこと組み合わせを全てくじ引きで決めるか。このままだとまた専用機持ちどもが固まるのは目に見えているからな。そうすれば戦力の分散もできるしお前の横に立つのもあいつら以外から選ばれるだろう」

 

 お、比較的素晴らしい解決案が出てきた。

 私が考えた限りでもそれくらいしか考えられなかったんだけど、やっぱりお兄ちゃんも同じ結論に達したみたいだね。

 私があいつらと敢えて組まなくて済んで、そのうえで専用機持ちがペアを組まないようにするにはそれくらいしかないはずだもんね。

 まぁ専用機持ち同士のペア組みを禁止するだけでもいいとは思うんだけど、そうするとまた私への申し込み合戦だもんね。

 男子の大群が私へと群がってくるあの光景は今でもトラウマものです。

 あの時のシャルルは輝いて見えたのになぁ、どうしてこうなっちゃったのかなぁ。

 私の中ではそこまで瞬時に考えてくじ引きを提案してくれたお兄ちゃんの株ばかり上昇していく。

 そういえば、シャルルは一時期輝いてたけどセシルとかロレンスは見せ場あったっけ?

 鈴はゴーレムⅠの乱入のときに一緒に戦ってくれたし、箒は銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)の事件のときに頑張っていた。

 それに比べてあの二人は見せ場もクソもなかった気がする……セシルに至っては私からしても何故惚れられたのかもよくわかってないしなぁ。

 いつもの言動からしても私がセシルとくっつく未来が見えない……ロレンスなんかは放っておけなくて、とかの未来が見えないこともないけど。

 そう考えていくとあの6人の中で今一番リードしてるのは鈴になるのかシャルルになるのか。

 箒なんかは余りにも昔馴染みすぎてただの友達の域から抜け出せそうにないからなぁ。せめてもう少し頭が柔らかければよかったのに。

 シャルルはああも飄々としていなければ今頃私が靡いていてもおかしくなかったはずなのに、どっちかっていうと今の状況を楽しんでる節があるんだよね。

 鈴ももうちょっとでいいから素直になれればいいのにね、いや今の照れ隠しも可愛いけど。

 ああ、改めて思う。なんであの6人はあんなにも残念なんだろう。

 周りが全員男子! しかもなぜかみんな顔面偏差値上位者ばっかなIS学園だけど、私が彼氏にしたいと思う癒し系の男の子はどこかにいないかなぁ、切実に。

 そろそろストレスで爆発しそう。それはむしろ鈴の領分な気がするんだけど。

 って、ん? あ、そういえば簪のことを忘れてた。

 …………。

 ん、まぁ、あの6人は残念だよねホントに。

 さて、頭の中でずっと考え事をしていたら1025号室の前についちゃった。

 お兄ちゃんは多分私がいつもの如く思考の海に溺れてるのを理解して別れたんだろうね。

 きちんと挨拶すべきだったなぁ、相談にものってもらったし、流石に失礼だった。

 今度の休日にデートにでも誘ってあげようか、普段は部屋で酒飲むくらいしか娯楽がないみたいだし。

 そこまで考えて、部屋の鍵を開ける。

 そして、いつもどおりにベッドの上で上半身裸でイイ笑顔を浮かべながらサイドチェストを決める会長をスルーして、自分のベッドに倒れこむ。

 疲れた……シャワーも浴びてないけど今日はもう寝ちゃおうか。

 晩御飯は起きれたら食べよう、シャワーも起きれたらでいいや。

 

「それじゃあ会長おやすみぃ」

「いやいやいやいや少し待とうではないか一夏くん! お兄さん完全スルーされて傷心気味なんだが!」

 

 ああ、果てしなく面倒くさい。

 

「あー、とりあえず私は寝るんで襲わないでくださいねー。静かにしている分にはいくらボディービルをしていてくださっても構いませんのでー」

「……ぐすん、一夏くんが最近冷たい。折角日々の生活で疲れ果てた一夏くんを労ってあげようと待っていたというのに」

 

 …………。

 

「ご自分もその疲れの一因だということを……理解してく、ださいね。ふぁああ、あ、もうだめだ、寝ます、おやすみなさぃい」

「あ、ちょっとちょっと待ってくれって! いやお願い待ってください! 今日は一夏くんに耳よりな話がだね…………」

 

 ああ、平穏な夢の世界へダーイブ。

 平凡に生きたい私でも日常の合間に見る夢の中なら……ヒロインになれる。

 この地獄のような修羅場から助けてくれる王子様が現れることを祈って、今日もまた私は眠り姫に――

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

あれ? こいつ誰だ? とか、一夏が鈍感じゃないのはおかしい! というツッコミは受け付けません
女の娘が色恋沙汰に疎いわけがないでしょうが
あ、あと弾と蘭はそのままひっくり返っただけです
蘭が姉で弾が弟ですね
それからやまやの苗字が違うのはわかる人にはわかるネタです
むしろ普通に名前変えるだけで良かったはずなのに妙なところにこだわったせいで余計に時間がかかりましたが
わからない人は栗田先生の名前を予想してみればいいでしょう
そして会長の扱いが雑なのはデフォです
ヒロインじゃない方に見せ場などないのです
簪は……ノーコメントで

それとあくまでネタのため字数、切り方など考えていません
書きたいだけ書きなぐって放置しています
おかげで8巻を参照すべきか7巻を参照すべきか迷った末にどちらの書き方もダメだろという結論に至って原作放置して自分流の書き方で書いてしまいましたw
まぁどうでもいい閑話みたいな印象ですねー
一夏いいなぁ ちょっとお前そこ変われよ(ォ
いや、このレベルの修羅場はどうなんだろうか? でもいいかも
最近ホモォはあれだけど、TSからの精神的BLとかばっちこいなんですわぁ
カンピ書いてるからわかっていただけると思いますが

ま、いつものとおり感想批評評価批判文句質問疑問指摘、荒らし以外の全てを歓迎しております
それではそれでは


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