数話で終わらせる予定
うちは一族の生き残りと聞くと真っ先に思い付くのは『うちはサスケ』だろう。
彼の名前の知名度はうちは一族が参入していた『木ノ葉隠れの里』のある『火の国』外の国々にも響き渡っている。
もちろん名声ではなく、うちは一族の生き残りという肩書きではあるが。
もう一人うちは一族を語る上で外せないのが『うちはイタチ』だろう。
彼について説明すること、出来ることはあまりに少ない。
まず、うちは一族を滅ぼした張本人であるということ。
うちはサスケの存在から完全に滅んだ訳ではないが、彼一人とうちはイタチで一族というにはさすがに無理がある。
そして木ノ葉隠れの里の抜け忍でもあり、犯罪者が載る『
うちはイタチという悪名はある意味木ノ葉隠れの里の長『火影』より知名度があるのではないだろうか。
そしてもう一人、うちはを語るので一応語るわけなのが私『うちはルイ』だ。
うちは一族特有の黒髪ではなく明るめな茶色の髪を肩に掛かるくらいまで伸ばしている。
自分の容姿は良いと思う。
うちは一族は皆容姿に秀でているので私の特徴というよりうちは一族の特徴だろうか。
なんの気まぐれか、うちはイタチによる一族虐殺の時に生かされてしまった私はサスケ君とは違う。
復讐に生きる彼の気持ちも十分に理解できるし、私の家族も死んでいるのだ。
だが、それでも私の心を埋め尽くす強い感情はイタチさんへの疑問だ。
最後に会ったというサスケ君には己を器を測るためだと言ったらしい。
狂気に呑まれるほどの強い力への渇望を感じさせる言葉だ。
一族を家族すら皆殺しにする男の言葉なのだから、それを直接聞かされたサスケ君の心境は計り知れないものがあっただろう。
でも、直接聞かされず生き残ってしまった私にはどうしても理解出来ない。
たまに会うと軽く手解きをしてくれた彼の優しさを知っているから。
だから私は、復讐ではなく、その真意を問いただす。
その為だけに、生きていくのだ。
木ノ葉隠れの里中忍試験。
毎年多くの参加者の中から中忍へと成れるのはほんの一人か二人。酷いときには0人の年もあるほど厳しい試験である。
それというのも中忍は部隊の隊長を任されるようになるので、単純な戦闘能力の他に指揮能力や頭脳明晰さなど多くの部分で評価対象となるからだ。
強いだけの忍など中忍になる資格はない。
だが、それはそれとして戦闘能力も必要なファクターではある。
現在行われている中忍試験の本戦のトーナメントだ。
すでに一試合、木ノ葉の名門一族である『日向ネジ』を落ちこぼれと呼ばれ続けた『うずまきナルト』が倒したことで大盛り上がりだ。
「おいおい……ナルトのやつ勝ちやがったじゃねーか」
「んーナルト君は本当に強いよ。シカマル君も修行して強くなったと思うけど一対一ならナルト君が勝つんじゃないかな」
「いや、そりゃそうだろ。めんどくせーがこういう場で俺とナルトじゃ影分身に囲まれておしまいだろうよ」
「そうかな?」
「当たり前だろ」
「私はシカマル君が考える作戦次第じゃ全然戦えると思うけどな」
視線を向けるとシカマル君は頭を掻いて目を反らす。
彼は奈良一族の『奈良シカマル』その頭の良さは下忍のレベルを遥かに越えているのは知っている。
彼は誤魔化したがナルト君は深く作戦を立てるタイプじゃないから上手くすればシカマル君でも勝てると思うけど。
「そういうルイはどうなんだよ。直接やりあってナルトに勝てんのか?」
「……彼の底知れないスタミナと不確定要素がなければ負けないよ」
「同期じゃ下忍最強はネジかサスケって話だが俺はルイ、お前じゃないかと思ってる。少なくとも予選で見たサスケよりお前はつえーだろ」
「あはは。どうだろうね。……まぁ、少なくとも今の段階での下忍うちは最強は次の試合でわかるよ」
はしゃぎ回るナルト君から視線を上げて電光板を見るとそこには次の対戦が表示されている。
『うちはサスケVSうちはルイ』
だが、サスケ君は彼の班の担当上忍である『はたけカカシ』先生と共に修行中らしく遅れているので後回しにして次の試合をするらしい。
本当は失格だけど、うちはの生き残りという肩書きはどうやら私が思っているよりも大きく特別扱いだそうだ。
同期の下忍『油女シノ』君VS砂隠れの下忍『カンクロウ』さんはなぜかカンクロウさんが棄権。
砂隠れの下忍の『テマリ』さんVSシカマル君はシカマル君の作戦勝ちかと思ったらチャクラ切れでギブアップしてテマリさんの勝ち。
そして、ようやくサスケ君とカカシ先生が現れた。
「……名は?」
「うちはサスケ」
かっこ付けてるところ申し訳無いんだけど押してるんだよね。
「おっせーぞ、サスケ!」
「うるせーよ、ウスラトンカチ」
ナルト君とサスケ君はお互いに勝ち上がる約束をしているが、対戦相手の私を前に随分なことだ。
「ルイ、悪いが勝たせてもらう」
「んー、そういうことは言わない方が良いと思うけどな」
そういうのは負けフラグというのだ。
瞬間、サスケ君が消える。
だが、目で追えている。
「!?」
サスケ君は目で追われたことに驚くが、私の『写輪眼』は三つ巴。
既に通常の写輪眼としては最終形態であり、尚且つ『その速度』は見慣れている。
「おいおい……ルイのやつサスケの速度についってるじゃないの」
「カカシ、確かに写輪眼にコピーさせたリーの速度を基に肉体活性を行ったのはわかる。だが、ルイは更にその上をいく」
「まさか」
「カカシ、お前は間違いなく天才だ。ネジもそうだろうし、うちはサスケ。彼も天才なのはわかる」
日向ネジや『ロック・リー』『テンテン』の担当上忍である『マイト・ガイ』はカカシと試合の内容に付いて語り合っていた。
試合はルイに接近戦では部が悪いと見たサスケが距離を取り出す。
しかしそれをルイは読んでいたのか火遁の印で追撃しようとしている。
「だが、俺はうちはルイ以上の天才を見たことがない」
「……」
「火遁・火龍炎弾」
火遁の高等忍術、火龍炎弾は文字通り巨大な火龍が唸りを上げてサスケ君に向かう。
これだけでどうこうなるとは思えないのですぐさま火龍を切り離し、印を結ぶ。
火遁は風遁の力を受けると更に強くなる。
忍術は術の強弱以外にも優劣が存在するのは基本中の基本だ。
「上手く避けてね。風遁・大突破!」
「くっ!」
風遁を受けた火龍炎弾はその高温から地面を溶かしながら進んでいく。
「ギブアップは早めにしてね」
「抜かせ!」
そういうとサスケ君の左手がバチバチと帯電し、チチチチと鳥の鳴き声のような音を響き渡らせる。
その術を私は知識だけではなく知っている。
木ノ葉一の技師、はたけカカシのオリジナル忍術その名は、
「千鳥!!!」
千鳥、それはまたの名を雷切り。
ちらりとカカシ先生を見れば頬を掻きながら試合を見ている。
カカシ先生のオリジナルの術を授けたわけね。
「うおらぁ!!」
掛け声と共に千鳥を火龍にぶつけ、火龍は相殺されてしまう。
その際の爆発で私も吹き飛ばされるが、視線は外さない。
「肉体活性と千鳥に写輪眼……まるでカカシ先生ね」
「俺はまだまだ強くなる。カカシよりもな!」
「上等!」
千鳥は強力な術であることは間違いない。
だが、傍目から見てもわかるがあれは写輪眼ありきの術だ。
肉体活性による速度に通常では反応が追い付かない。
つまり、カウンターの餌食になりやすい。
それを写輪眼の見切りで補ったのがカカシ先生のオリジナルの千鳥という術。
だが、写輪眼自体も発動中はチャクラを消費し続けるのにさらにはあれほどのチャクラを練り上げている。
あれだけの術だ、回数制限がない訳じゃない。
いくら私の風遁で強化した火遁を打ち破るほどの威力があろうとも、チャクラ消費量は風遁+火遁と千鳥では何倍も違う。
(単純な運動能力は私の方が上。写輪眼も私の方が使いこなしてる。なら、体術で動かして消費の少ない術と範囲攻撃で千鳥を使わせるのが賢いかな)
いくら早くても、リー君のトップスピードくらいじゃそれと同レベルの速度を出せて写輪眼まである私には当てられない。
「行くよ!火遁・豪火球の術!」
「ガイ、お前どこまでルイに教えた?」
「……気づいたか」
「まぁ、あれだけの動きをされたらさすがにねぇ」
「カカシ、お前がリーの動きをベースにサスケに体術を教えたようにルイの修行は俺が見てきた。こと忍術に関しては独学で大抵のことを学ぶ天才、うちはルイが求めたのは忍術を活かすための体術だった」
マイト・ガイはおかっぱに激太眉毛、さらにはピッチリ特製スーツに濃い顔立ちとまるで色物キャラクターのような出で立ちだが、その実力……特に体術に関して言えば木ノ葉一、いや、忍界一の実力者でありガチバトルでも木ノ葉きっての天才忍者カカシに土を付けたこともある本物の強者なのだ。
「まぁね。忍術一辺倒じゃいつかボロが出る。強くなるには体術は避けては通れない道だしね」
「あぁ、だが八門遁甲は教えていない」
「……?いや、まさか」
「その通りだカカシ。彼女はリーの八門遁甲を見て、理論立て、自力で八門遁甲を開いた」
その言葉を受け、カカシ、ロック・リーは言葉を失う。
八門遁甲は間違いなく体術での一つの奥義に他ならない。
それを見て、真似て、自力で完成させるなど、どれ程の才能が必要なのだろうか。
「カカシ、お前は天才だ。だが、彼女を見ていると天才という言葉が小さく見えるよ。こと、才能ならば彼女は間違いなく四代目に匹敵する」
結果から話せば中忍試験は中止となった。
どうやら私とサスケ君の戦いに感化された砂の我愛羅が暴走。
元々砂と音の忍は木ノ葉を落とすことが目的だったらしく戦争が始まってしまい、サスケ君は我愛羅を追って、私は音と砂の忍相手に戦う羽目になってしまった。
結局追撃部隊として向かったナルト君たちがなんとか我愛羅君を倒したらしくこっちも三代目火影が大蛇丸に殺されてしまうが、無事収まったのだ。
「カカシ先生」
「……もう知っちゃったわけね」
「イタチさんに会ったっていうのは本当ですか?」
カカシ先生は無言で視線をはずす。
カカシ先生にしては珍しく色々考えているようだ。
いや、決してはたけカカシがなにも考えていないわけではなく、頭脳明晰なカカシ先生には珍しい長考だと思っただけだが。
「まぁ、いいか。サスケには言わないけどルイはそうじゃないんでしょ?」
「はい。殺すとか、復讐とか、考えていません。ただ、私は真実が知りたいんです」
「その辺の話は俺にはわからないから深くは聞かないけども、復讐よりよっぽど困難な道だからね」
「……それよりもイタチさんの話を」
「正直話してやれるような話はないよ。侵入してたうちはイタチと交戦、まぁ逃げられちゃったけども」
「なら、いいです」
そそくさと立ち去ろうとすると待て待てとカカシ先生に引き留められ振り替える。
「ガイも任務やリー君のこともある。ルイにならそろそろ次のステップに進んでもいいと思ってね」
「次のステップですか?」
「あぁ、せっかく写輪眼なんて良い目があるんだから活かさない手はないでしょ」
「……千鳥」
「そう。だけど覚えてもらうのは千鳥じゃない。写輪眼に肉体活性、ここまでは八門遁甲を扱えるルイは問題ない。そうなると次に必要なのは」
「千鳥のような、相手に対して必殺を狙える術」
「さすが、物分かりがはやいね。性質変化と形態変化、やれとは言わないからこの時間のあるときにある程度考えておいてほしい。次の修行はそれだから」
「はい」
ふらふらと里の中をうろつきつつ考える。
固定概念とはよく言ったもので、カカシ先生の言う必殺技というとどうも千鳥が頭の中をよぎってしまう。
こういう時はさらっと決めて試行錯誤に時間を費やすのが賢いと思うので、やれそうなことを羅列していく。
「火遁、風遁、水遁……いや、基本的な性質変化は写輪眼ですコピーしたことがあるから使えるとして、うちはと言えばやっぱり火遁だよね」
まず火遁に決めた。うちは一族は火遁の性質変化を得意とする一族だし、無理に水遁や土遁など別に大して得意でもない性質変化を形態変化させるのは効率が良くないだろう。
「あとは体術だよね。八門遁甲は六まで開けるけど、出来れば一や二位までで使える術にしたいな」
高速体術の奥義である蓮華は使えなくはないけどどうも使おうという気が起きない。
あそこまで負担の大きな術、いや体術か……を必殺技と呼べるのだろうか。
文字通り必殺技ならいいけど、あれは負荷が大きすぎて連続して使えないし千鳥に比べると明らかに劣っている。
表蓮華はまぁ使いやすそうだけど相手を拘束して叩き落とすというのは中々難しそうだ。
同格以上には決まらなさそう。
「火遁と体術かぁ。カカシ先生がいればいいけど無理はさせられないし、どうしようか」
「よぉ」
「あれ?アスマ先生?」
悩んでぶらぶらしていると現れたのは猿飛アスマ先生。
同期のシカマル君たちの担当上忍の先生で、三代目火影を父親に持つ凄い人だ。
「どうしたんだ、こんなところをうろうろして。下忍には休みが与えられてたと思うが」
「いえ、新しい術を考えていたのですがカカシ先生は例の……」
「そうか。俺と紅も居たんだが写輪眼に対する戦い方はカカシの方が上だからと、任せちまった。……そうだ、出来ることなら協力してやろう」
「え?いいんですか?」
願ってもない言葉にさすがに驚きを隠せない。
猿飛一族は火遁が得意な一族だからその中でも実力者のアスマ先生の協力はありがたい。
「あぁ、カカシの分まで任務もあるからずっとは無理だが少しは見てやろう。演習場に移動するか」
演習場には人はおらずこれならば少し大きな術を使っても問題なさそうだ。
「カカシもそうだが写輪眼で模倣した術はどうやって使ってるんだ?」
「私はコピーした術は印とチャクラの動きをそのまま真似て術を使ってます」
なるほどね。と考えるアスマ先生。
たしかに他の術と違いオリジナルの術は全て新しく考えなくてはならない。
コピーした術からヒントを得られるかという質問だろう。
「なら、一から説明する必要はないな。火の性質変化はすでに持っているわけだし、あとは形にするだけだ」
「今私が考えているのは、千鳥のような体術に火遁を組み合わせた術です」
「なるほど、体術と写輪眼の相性はいいからルイがそれでいいならそうした方がいい。確かガイにも体術は見てもらったことがあるんだったな。なら、次は形だな」
「形ですか?」
「あぁ。体術との組み合わせなら拳か蹴りだろ。全身燃やして抱き着くわけにもいかんだろうし」
抱き着くというのは大袈裟な表現だが、中々悪くないと思う。
いや、抱き着くが、ではなく全身燃やす方。
「むむむ」
「まぁ、こういうのはインスピレーション。つまりは思い付きだ。どんなことでも挑戦と失敗の繰り返しさ。人生だって思い通りに行かないことばかりだしな」
「アスマ先生には後悔してることがあるんですか?」
「ん?あぁ、あるさ」
どこか遠い目をして話すアスマ先生は苦笑いしながら煙草に火を付ける。
深く吸い込み一服吹かすと、腰布を指差し話を続けてくれる。
「俺も昔は偉大な父親に反抗的な態度を取ったものさ。木ノ葉を離れたことだってあるしな」
「守護忍十二士」
「なんだ、知ってたのか」
「……抜け忍について調べる途中で少し」
「ん。……とにかく、色々やりはしたがこうして木ノ葉で忍をやってるわけだ、新術も同じだ。失敗を恐れないこと、踏み出せそうにないその一歩こそが次への一歩だ」
そういうと時間になったのかアスマ先生は去っていく。
踏み出せそうにない次への一歩、か。
私にはどうも重い一言のような気がした。
「はぁ、里抜けですか?」
「あぁ。春野さくらがそう証言している。そしてそれを受けその信憑性の高さから任務を言い渡す。奈良シカマル、うちはルイ、うちはサスケ奪還任務だ」
「マジかよ」
「……私は彼がどうなろうと興味がないので断ることは可能ですか?」
「なに?」
ナルト君が連れてきた五代目火影は美人の巨乳お姉さん(50代)の綱手様は目を見開いて驚く。
そんなに不思議なことだろうか。
「同じうちは一族だが、思うところはないのか?」
「ないです。彼はうちはイタチを殺すと公言していますが私は違います。私はうちはイタチを捕縛し、一族虐殺の真実を聞き出すことが目的です。殺すことしか考えていないサスケ君とは相容れません」
「……お前の話はわかった。だが、任務は任務だ。それにほとんどの上忍、中忍が手が外せない状態だ。カカシから最低でも中忍並の能力があると聞いている」
「む」
「奈良シカマル」
「はい」
「こいつとうずまきナルト、それに能力のあると思う下忍で小隊を組みうちはサスケ奪還に向かえ」
「行きたくない」
「めんどくせぇが仕方ねぇだろ。任務、しかも火影様直々ともなりゃあ断りようがねぇ」
「そりゃあそうだけど、彼が自分で決めたことでしょ?誘惑されたとか誘拐されたとかいうならともかく、自ら進んで大蛇丸のところへ行ったのなら助けること自体木ノ葉のエゴだと思うけど」
「言いたいことはわかるが、本質はそこじゃない。態々分かってることを教えなきゃいけないほどバカじゃないだろ?」
「……さてね。なんのことだか」
ナルト君の家までは少し距離があるので、この会話を打ち切ることは難しい。
それにしてもシカマル君は本当に頭がいい。
私が惚けてることもお見通しとは。
「サスケは木ノ葉の仲間、それを見捨てることはできない。ってのが俺の考えであり、この任務の建前だ。なら本質は大蛇丸がサスケを求めていること、それが達成された暁には大蛇丸が木ノ葉に再び牙を剥くこと。それを阻止するのがこの任務の肝だ」
「木ノ葉も相当弱ってるからね。今のところ明確な敵である大蛇丸には随分と気を張ってるのはよくわかるよ」
木ノ葉が潰れると困るは困るが別にそうなったら仕方ないかなとは思う。
「とにかく、下忍で構成された小隊じゃお前は最強の戦力に違いはないからな、感情はどうあれ頼むぞ」
「……了解」
結局面子は私、シカマル君、チョウジ君、ネジ君、キバ君、ナルト君というメンバーであり、下忍で構成された小隊としてはベストに近いと思う。
「いいか、この小隊での隊長は俺で俺が分析したお前らの出来ることを伝える。大きく間違ってたりしたら教えてくれ」
「そんな時間ないってばよ!」
「ナルト、焦る気持ちはわかるがこれから俺達が追い掛ける相手は恐らく並じゃない。しかとどちらかと言えばこちらが不利な条件だ。なら、やれることはやっておいて損はないだろ」
「……わかったってばよ」
不服そうだが納得したようなナルト君を尻目にシカマル君はよし、と纏め説明を始める。
「正直ここまでの面子が集まるとは思わなかった。下忍の中じゃほぼベストだろ。機動力、攻撃力のバランスのいいキバ。影分身にスタミナがあって瞬発力も申し分ないナルト。サポート向きの影真似の術が使える俺に、下忍の中じゃ突出した戦闘力を持つネジにルイ」
「異論はない」
「まぁ一対一ならその二人は抜けてるかもな」
「次はフォーメーションだが、キバ俺ナルトチョウジネジの順番で進む。年中火の国を散歩していて鼻の利くキバを後ろから指示を出しつつ援護できる俺。ナルトは影分身を含めたサポートで前後に対応。メンバーの中で一番攻撃力のあるチョウジは追撃役だ。それとネジには必要ないと思うが白眼を使って後方を含めた広範囲をカバーしてもらいたい」
なるほど。かなり利にかなったフォーメーションだ。
でも私の名前がなかったけど……。
「ルイちゃんはどうするんだ?」
「ルイはネジよりさらに後ろから付いてきて貰いたい。術のバリエーションや写輪眼含めて俺らの動きに合わせて動いてくれ」
「……というと?」
「俺達が纏めて足止めをされるような術の使い手も居るかもしれない。その時はそれをなんとかするか……もしくは見捨ててサスケを追ってくれ」
「了解。出来るだけ助けるよ」
冷たいかもしれないが、遊びではない。
これが命懸けでやっているからこその判断だと分かっているから誰も文句を言わない。
「それじゃあ、行くぞ」
「おう!!」
初代火影とそのライバル、『うちはマダラ』の決着の地とされその二人の石像が立つ『終末の谷』。
周囲に漂う濃厚なチャクラの残留量からその戦いの激しさ、想いの強さを感じとることができる。
倒れるナルト君を見下ろすサスケ君の顔色は優れない。
体に蓄積したダメージ、限界までチャクラを絞り出して戦ったのだろう。
今ならあっさり殺せそうだ。そう思わざるを得ないほど、弱りきっていた。
「ルイ……お前も俺を止めに来たのか」
「そう思う?」
「いや、お前はそんな感情に流されるような奴じゃない。なら、何をしに来た」
写輪眼すら発動できないほど弱りきっているにも関わらず、ほんのりと溢れ出すチャクラはどす黒く淀んでいる。
睨みを聞かせて問うサスケ君に私は写輪眼を使い、睨み付ける。
「っ!」
「事の顛末くらいは見ておこうかなってね。サスケ君がどうなろうと知ったことじゃないけど、ナルト君が殺されるのはちょっと胸くそ悪いからね」
「お前は……お前はァ!どうしてそれだけの力が有りながら、イタチを恨まずにいられる!どうしてだ!答えろ!ルイ!」
怒りを撒き散らすサスケ君の姿を見て、私は内心笑ってしまう。
なんとか表情に出さないようにするが、私が小馬鹿にした様子なのが伝わってしまったのかサスケ君のチャクラがふつふつと沸きだしているのがわかる。
「てめぇ!」
「……止めなよ。分かるでしょ、私と今戦えば、ううん、命を懸けて戦うなら私は君を絶対殺すって」
「……」
「それに、三人しかいないうちはなんだから同胞殺しは止めよ?あと、行くなら早く行った方がいいよ。この気配はカカシ先生かな?カカシ先生なら私と違って縛ってでも連れて帰るだろうし、今のサスケ君じゃなんの抵抗も出来ないよね」
「……俺はイタチを殺す」
「そっか」
「俺は強くなる。お前よりも、イタチよりもだ!」
「私も、まだまだ強くなるよ。それに、ここでサスケ君を見逃すのは君がイタチさんを殺すのを許容した訳じゃない。……サスケ君ごときにイタチさんが殺されない方に賭けた。それだけ」
サスケ君が去っていくのを私は見送る。
カカシ先生も近いだろうし、これ以上は話すだけ無駄だと分かるから。
「ルイ!」
「……カカシ先生」
「……ナルトだけか。サスケは?」
「"いえ、私がここに来たときにはナルト君が倒れていてサスケ君はどこにも……"」
「……そうか」
そして、ナルト君はカカシ先生が背負い、私たちは木ノ葉の里へ帰還するのだった。
仕事の息抜きにスマホで書いてますので誤字脱字、日本語としておかしい部分があったら教えて下さい。
一応NARUTO本編終了までやる予定ではいますがダラダラやると何十話と掛かりますので、基本これくらいの内容のペースで投稿します。
それでは。