プロローグ
今日は先輩たちといつものファストフードでお茶です。かれこれ会うのは何か月ぶりだから楽しみです。
先輩たち、受験の時は私のことを気遣ったのか知らないけど、メールばっかりで全然会ってくれないんですよ? ひどいです。でもこうして会えて本当に良かった。でもなんで今日、突然みんなで集まるなんて言い始めたんだろう?
「あっ、先輩」
「おー梓」「こんにちは」「元気にしてたか~?」「あっずにゃああああ」
先輩たちだ。なんだか大人になっちゃった気がするなあ……一人を除いてだけど……。
「梓、身長少し伸びたんじゃないのか? もう私のエリザベスよりも大きくなったんじゃないのか?」
「もともと大きいですっ!」
なんか澪先輩は変な方向に成長してる気がする。でも、
「それにしても今日は突然どうしたんですか? 先輩方も忙しいでしょうし」
「何を隠そう、今日は……」
何をもったいつけているんだろう。やっぱり律先輩もあんまり変わっていないんじゃ……
「今日は?」
「梓の卒業記念旅行だぁぁぁぁぁ!!!」
自分のことなのに忘れちゃってた。てへっ☆。いや違う、こんなの私のキャラじゃない。落ち着け私。
「私の卒業旅行って……先輩たち本気だったんですか?」
「もしかしてあずにゃん、留年しちゃった?」
「律先輩とか唯先輩じゃないんだからそんなことあるわけないじゃないですか」(してませんって)
「ん? 梓、お前今なんて言った?」
あっ、やば。心の声と逆だ。これは……やばい……。
小休止。
「本気に決まってるじゃない。梓ちゃんのために今日は集まったのよ?」
「そうだぞ梓。去年言っただろ? 来年も行くって」
言ってた。すっごい言ってた。まさか本気だったなんて……。その行動力はどこから来るんだろう。
「卒業旅行って言ったって、そんなお金……」
「どれだけ出せる? 梓」
貯金はしてるけども、海外旅行行くには足りないかも。
「十万弱ですかね」
「金持ちっ!」
「唯……お前大学生だろ……?」
「どうせりっちゃんもだし~」
「失礼なっ。私の貯金はマイナス四桁円だぞ!」
「借金してるじゃないですか……早く返してあげてください」
だめだ。この人たちとじゃ話が進まない。何とかしなきゃ……。
「でも十万じゃ足らないですよね?」
どうしよう。親から前借しなきゃいけないかな……?
[ふっふっふ~。なんと! 今回は往復航空券は紬がくれるぞおおおおお」
いや、往復航空券5人分っていくらすると思ってるんですか。場所によっては百万くらいかかると思うんですけど……。
「いや、悪いですよそんな。いくらかかると思ってるんですか。いくらなんでもそんなには頼れないですよ」
「問題な~い! ムギ! 説明ヨロシクゥ!!」
「は~い! 私の家の系列がニューヨークで新しく支社を開くんだけど、そこのオーナーさんが、社長の娘がバンドやってたって話を聞いたんだって。そしたらオープニングセレモニーにバンドで演奏してほしいって言われたの。だからもしも梓ちゃんが空いてたらみんなで行こうかなあって」
なんと……規模がでかすぎる……なんてワールドワイドなんだ琴吹家……。
「じゃあニューヨークに行くんですか?」
「ああ、まあ東海岸ならいろんなところに行けるぞ。クリーブランドのロックの殿堂とか行ってみたいよな」
すごい……すごすぎる……。
「滞在期間はそのオープニングセレモニーに重なってればいつでもいいらしいから、梓ちゃんが合えば行こうかなって。オープニングセレモニーは3月13日よ」
「ちょっと待ってください。今調べますね……」
カタカタとケータイのカレンダーを調べると……空いてる。卒業式後だ。
「空いてますっ。全然いけます!」
「あずにゃんさすが~~」
「でも先輩たちはいいんですか? 大学って忙しいんじゃ……」
「大学生はもう授業ないのよ。長い春休みなの」
おぉ、自由だ。いいなぁ。
「でも、あずにゃんも春からは私たちと同じ大学だもんね!」
そう、なんと私はN女大学に合格したのです。春からはキラキラ大学生!
「いろいろ教えてあげるぞぉ~~」
「律先輩にはあんまり教わりたくないかも」(ぜひぜひ!)
あっ……またやっちゃった。これは死んじゃうかも……。
「あ、あははははははは……はぁ……」
「あれ? 律先輩どうしたんですか?」
「このバカ律、大学で単位をギリギリでとったら、いくつか落としそうで昨日まで教務科でずっと相談してたんだ。まあ結局何とかなったらしいけど」
ああ、涙目の律先輩が目に浮かぶ。
「もういいっ。そんな過去の話は置いておいて、いろいろ決めようぜ!」
「そうだねりっちゃん!」
「待ってろ~ニューヨーク~!」
難しい...そこそこの分量ですが次も書いていこうと思います。評価を宜しくお願いします。