それなら好かれる小説を書こう!!
と思って綴ったモノです。
駄文注意
駄文注意
相棒が好かれるようになってほしいので初投稿です
「ありがとう青い星!!助かったよ!!」
「流石だな青い星、こんなに直ぐに終わるとは思わなかったよ」
「導きの青い星が居ればアステラも安泰だよ!!」
「青い星!!」「青い星!!」「青い星!!」
『導きの青い星』と呼ばれるようになった。それからだ、私に物事を頼む人が多くなったのは。
ゼノ・ジーヴァを狩猟する前から私に頼っている予兆はあった。ただ、気付かない振りをしただけだ。
疑いを持ったのはゾラ・マグダラオス戦の時、私1人だけで乗り込んで全て片付けた。皆と協力して撃退した…?あれは協力とは言えない。私が乗り込んで部位破壊、砦で皆は安全な所で準備。…準備だけで終わるなよ、私が居ないと攻撃もできないのか?
ただ、その時は必死で気が付かなかった。…その時に言っていれば何かが変わったかも知れない。
「……はぁ」
…もうウンザリだ。導きの青い星?そんなモノは要らない。私に全てを押し付けるな。薬草の採取ぐらい他のハンターに頼んでよ。私が全部こなしているじゃないか。
「…相棒?」
心配そうに顔を覗き込んでくる。顔に出てたかな?…相棒にあまり心配はさせたくない。
「…あぁごめんごめん。ちょっとぼーっとしてた」
「ここ最近ずっと働いてますからね。採取、納品、討伐…相棒が頼りになるからって頼みすぎです。…相棒だって人間なんですよ。色々成し遂げちゃってますけど…それを差し引いてもですね―――」
相棒が愚痴をこぼす。いろいろ思う事があったのだろう。小言が続く。…だんだん私を褒めて行く流れになって恥ずかしかった。
「……久しぶりにお休みでも取りましょうか。私が皆さんに伝えておきますから、相棒は羽根を伸ばしてくださいね」
働き詰めでは壊れちゃいますから、と言いながら書類の整理をする相棒。相棒だって働いてばっかりじゃないか。…ましてや、お休みを貰っても一人でやる事なんて食べて寝るぐらいだ。一人じゃ味気ない。
「相棒も一緒に休もうよ。大蟻塚の跡地でいい場所見つけたんだ。そこに行こうよ」
相棒は少し驚いた顔をして、恥ずかしそうに笑った。
「…そうですね、私も息抜きすることにします。…折角ですからその場所でご飯でも食べましょうか。相棒がいいって言った場所ならモンスターも早々来なさそうですしね」
相棒に心配されるのも、なんだか新鮮ですね。と微笑みながら言われた。…いつも心配かけてるのが申し訳なくなってきた。
話を逸らそう。
「…簡易キャンプでもつくっちゃおうか。一晩過ごせそうな場所だったから野宿してみようよ」
「いいですねそれ!!…相棒が居ないとキャンプから出たら危ないですから、こういう機会があるとテンションアガりますね!!生態をじっくり見るいい機会になりそうです!!」
思わず笑う。根っからの編集者だなぁ。
「…えっと、やっぱりそう言うの気になりますから。生態系の神秘、もっと詳しく知りたいんです」
新しい物を見つけた子供みたいだね、とからってみると相棒もそういう所ありますよ、とジト目で言われた。
「そんなことないよ!!」
「いいえ!!あります!!相棒って意外と子供っぽい所あります!!」
そんなくだらないことで言い争う。なんだかんだ言って私達は楽しみにしてるんだなぁ。
「ふふ、あはは」
「へへ、えへへへ」
変に恥ずかしくなって笑い飛ばす。それに釣られたのか相棒も笑った。
あぁ、故郷でこんな生活してみたいな。畑とか作って自給自足の生活したかったな。
「ご飯とかどうする?何作ろうか?」
「えーっと、そうですね……相棒が作る料理なら何でも良いですよ」
何でも。何でもって一番困る。
「ん、わかった」
だからといって、決まらないわけじゃないけど。
「そうだ、ドキドキノコを入れましょう!!あれ、生でしか食べたこと無いんですよね…」
逆に食べるなら調理した方がいいと思うけど…
「流石【キノコ大好き】持ち…ドキドキノコって食べるとどんな感じなの?」
「うーん、沢山あるのでこちらに纏めてあるんですけど読みますか?」
「うん、見せてよ」
沢山ある?味が沢山あるのだろうか?ドキドキって名前もついてるし。
「えーっと、味は辛い苦い甘い塩っぱい渋いすっぱい…えっ、こんなもの食べてるの?生で?」
相棒の食生活が心配になってきた。いつも狩りの前には料理を作ってくれるから多分まともな食事をしてるとは思うけど…
「はい!!…まぁこれはホントにざっくりとしか区切ってないんですけどね。もっと細かく分けれるんですよ。時々味が混ざったヤツもあるんです。この前なんか辛いのと爆発するのが一緒になってたキノコがあって…」
「爆発!?爆発したの!?」
「はい、もうその時は目が痛くて痛くて…気管に辛いのが入ってむせたり傷口に染みたり大変だったんですよ……」
でもドキドキノコは食べますけどね、と言った。相棒、恐ろしい子!!
「あっ、そのページから食べてから起こった変化を纏めたページです。…纏めた、って言うよりは箇条書きの方が正しいですけど」
何が起こったか細かく書かれている。所々に分かりやすく絵が描いてあってかわいい。
なになに、【髪の毛がアフロに】【身体が宙に浮かぶ】【身体が縮む】【手からビームがでる】【力がみなぎる】【くしゃみが止まらなくなる】…こんなに危険なものを平然と食べる相棒って一体………ん?
「【モンスターになる】?…え、何これは」
「そのままの意味です。いやぁ、モンスターになった時はマジで焦りました。自分の部屋で書類整理しながら夜食としてドキドキノコを食べたんですよ」
「えっ何で夜食で」
「ドキドキノコの調査も兼ねて食べてました」
「いや、なんで食べてるかじゃなくてさ」
「で、食べたと同時に眠くなったんです」
ああ、こうなるともう手が付けられない。…っていうか多分自分でもやばい事してるって気付いてるんだろうな。露骨な話題の避け方だったし。
「一口目で眠くなったのでこれは不味い、って思いましたね。まぁ本当に危なかったのはモンスターになったことなんですけど」
笑いながら言う。…笑えないよ!!
「わかった、わかったから……ここで話したら話すこと無くなっちゃうよ?」
「まだネタは沢山あるんですが、相棒がそう言うなら」
まだまだ話し足りなさそうな相棒。…私も意外と気になってはいる。
「じゃあ私は食材とか、キャンプの準備するからまた後でね……好きな物とか持ってきてもいいよ。食材でも、なんでも」
「わかりました。それではまたあとで」
まぁ相棒の事だし食べ物関連が多いだろうなぁ……ドキドキノコの調理法考えとこう。
「ついたよ、ここが私のオススメ!!」
「わぁ…!!辺りを一望できるじゃないですか……!!あっリオレイア…!!」
うん、いい反応してくれると私も嬉しくなる。
「…相棒はいつもこんなにも綺麗な物を見ているんですね!!いいなぁ…」
「…まぁ、軽い探索の時にこういう所を探してるんだよ。その中でもイチオシかな」
望遠鏡を構えて大蟻塚の跡地を見渡している相棒。なんだか子供みたいだ。目を回してしまいそうなほどに見渡すから落ちそうになっていた。
相棒が楽しんでいる間にテントを建ててしまおう。
「相棒ー!!アプトノスの上に何か乗ってますよ!!毛玉みたいで、鳥…?」
「あぁ、それはフワフワクイナだよ。ほら、うちの部屋にもいたでしょ?」
「えぇー!?あれ、フワフワクイナだったんですかー!?何で教えてくれなかったんですかー!?」
反応がいちいち面白いから、つい秘密にしてしまう。
なんて言ったら、暫く付きまとわれてしまいそうだ。
手際よくテントを建てて、虫除けのお香を炊いた。この香りはどうやら人を落ち着かせる効果もあるらしく、気がついたら眠っていたなんて事が多々あった。…まぁ今日は騒がしい相棒が居るから、大丈夫だろう。
「あんまり遠くに行ったらだめだよー!!」
「わかってますよ相棒ー!!」
思わずお母さんみたいな事を言ってしまって少しだけ恥ずかしくなった。
気がつけば日は暮れて、月明かりが辺りを照らしていた。
「相棒!!とーっても美味しいです!!」
少しだけ、照れくさくなって顔を逸らす。
「ありがと。…ドキドキノコの調理に手こずっちゃって少しだけ遅くなっちゃった」
相棒と乾杯してゆっくり食べ始める。…意外と料理が大変だった。
ドキドキノコを切ろうとしたら、勝手に動き出したり爆ぜたり変な匂いを出したり…不思議なことがたくさん起こった。
そんなこんなで試行錯誤しながら作ったのはモツ鍋。交易船で食べ物を見ていたら、ガーグァのモツが仕入れてあったから思わず衝動買いをしてしまった。
でも、相棒が喜んでくれたから元はとれたかな。
「火を通すだけでこんなにも香りが違うとは、流石ドキドキノコです」
「味もそれぞれ違うんだよね……本当にどうなってるんだろう」
同じ一株のドキドキノコのはずなのに、辛かったり、甘かったり…本当に不思議なキノコだ。
「そう言えば聞きそびれてましたね。相棒はなんで新大陸に来たんですか?」
「……そうだね、せっかくだから話しておこうかな」
前聞かれたときは、うまく逸らしたけど流石にこの場では出来ないだろう。
…持ってきたお酒をついで軽く流し込む。
「…家族の為だよ。うち、凄く貧乏だったから」
母国での暮らしを思い出す。
毎日出稼ぎにいって一日中働いてやっと一日生きていけるお金を稼いできてくれたとうさん。
家で出来る仕事をしながら、私の面倒を見てくれたかあさん。
食べるものも、身につけるものも、全部が貧しかった。
「とうさんとかあさん、凄く優しかったから楽をさせてあげたかったんだ。
貧しくても、どうにかして裕福になる方法を探した。それがハンターだったんだ。
私がハンターになるって事を言った時、叱られた。
そこで私が凄く大切にされていることを知ったんだ。
だからこそ、私はハンターになって、楽をさせてあげたかった。
自分で言うのもあれだけど、結構筋が良かったんだと思う。そうじゃなかったら、今生きてないと思うんだ。
ハンターになって暫くしてギルドの人に新大陸の調査を頼まれたんだ。最初は断ったけど、報酬が破格だった。これだけあれば、贅沢させてあげることができると思ったんだ。
だから、私は新大陸に来たんだ。……自分の意思なんて無いんだ」
「………」
「…でも」
「でも、出来たならハンターになりたくなかったんだ」
「ハンターなんてやりたくない。いつ死ぬかわからないのが怖い」
「…もっと、かわいい仕事がしたかった」
「ハンターなんてやらないで、お花屋さんになりたかった」
…っ、いけない。折角の気分転換なのに、暗い雰囲気にしたら……
「……相棒、貴方は本当に頑張ってたんですね。…貴方の家族の導きの青い星として。貴方の努力は私が保証します。私は相棒の味方です。
…もう十分頑張ったんです、相棒。…だから故郷に、貴方を待つ家に、かえりましょう。新大陸なんて、抜け出して…」
私は、幸せだ。こんなにも素晴らしい相棒に励まされて。
「…っありがとう……ほんとうに、ありがとう……」
「…いいんですよ、私だって何回助けられたか」
…人肌って、なんて暖かいんだろうか。
「本当に行くんだな。青い星」
「はい、大団長」
「がっはっはっは!!なら止めねぇよ!!お前が見つけた道だ!!お前がやりたいことをしろよ!!」
「はいっ」
「親御さんを大切にな!!」
どこまでも熱くて優しい人だ。少しだけ心が揺れた。
「相棒、後のことは任せてください!!…私がいれば百人力です!!」
「うん、頼もしいよ」
相棒は笑顔を保とうとしているけど、涙がたまっているのがわかる。…うん、もらい泣きする前に出発しよう。
「船長、おねがいします」
「もう行くのか?…ま、青い星が言うならな……行くぞ!!出航だ!!」
私が新大陸に戻ってくることは、多分無いだろう。
故郷に戻って、家族と暮らすつもりだ。
親孝行をして、これまで出来なかったことをたくさんやろう。
これまでにあった事をいっぱい話そう。一緒にご飯を食べよう。
…相棒、ごめんね。私の身勝手で。
いいんです。もう十分頑張ったんですから。大切な時間を過ごしてくださいね相棒。
つづかない