モチベ向上のために書き始めたデク君がオールマイトより先にもやしから力(無課金ベルト)を受け継ぐ話
書き手の性質上エターナル可能性があるので今の所短編扱いにしときます

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Q.ずっと音沙汰無しだったのが遊戯王の方放り出して何やり始めてんだ

A.モチベというLPが体調と共に増減して安定しないので少しでも文章書く意欲を増したかったんだユルシテ…新作アニメ遊戯王が面白かったら本気出す



第一話

 

 

 

 

 人は生まれながらに平等じゃない。

 

 

 その事実は、齢4歳の子供だった僕の夢を打ち砕き、15歳となる現在に至るまで、僕の……緑谷出久の人生を蝕んできた。

 心の底では解りきっているのに、誰に言われるまでもなく、叶うはずがないと、自分が一番思っているのに……その暗く黒い心の底に蓋をした。諦められない夢にみっともなくしがみついて、這いずり回るような思いで、夢を抱きかかえていた。

 

 

 だけど……その夢はもう、砕かれた欠片だったんだ。

 ガラスの欠片をかき集めて抱きしめても、破片の先が身体を刺すだけなのと同じ様に、気づけば僕の心は、夢のかけらでズタズタになっていた。

 

 

 そんな時、憧れ続けた夢の象徴その人に現実を突きつけられた僕は、その夢のかけらを手放すことに決めた。

 相応の目標に進んだ方が、僕にとっても、周りにとっても幸福なんだと、今までが勿体ない事をしていただけだったんだと、自分に言い聞かせて。

 

 

 この時の僕は、やっと自分らしく前を向けるようになるんだ! なんて考えていた。一度突き刺さった夢のかけらは、そう簡単に抜けるわけも無いのに。

 それでも、僕はそう思うとした。だって、そうしないと、本当に前に進めない気がしたから。

 

 

 無理をしてでも、自分に嘘を吐いてでも夢を捨てなかったように、無理をして、嘘を付いて……夢を捨てようとした――――

 

 

 

 

 

「――――筈、だったんだけどなぁ」

 

 

 

 

 春と言うにはまだまだ肌寒い空気を受けながら、僕は苦笑交じりにそう呟いた。

 軽い足取りで歩く僕が向かっているのは、とある高校の受験会場だ。それも、入試倍率300倍という恐ろしい数字を持つ、雄英高校ヒーロー科。ヒーローになるための最大手の学校を受験しに来たのだ。

 諦めてるのに諦められないといった感じの頃の僕が、恐れ多くも志望校として選んでいた超名門学校だけど……半年以上も行方不明状態だった(・・・・・・・・・・・・・・)僕の申請が立ち消えて無かった事に関しては、僕の母と最初の憧れの人に感謝してもしきれない。

 

 

 そう……この世界では、コミックに出てくるようなヒーローが、一つの職業として成立していた。

 

 

 かつて、突如として世界各地で超常が確認され、生まれつきに何かしらの【個性】……いわゆる超能力を持った人間が爆発的に急増した。

 ある者は遠くの物体を引き寄せられたリ、ある者は口から火を噴いたり、またある者は巨大化できたり、はたまた規格外の超パワーを身に着けたり。

 当然、そんな力に目覚めれば、それを悪用する者も出てくる。

 強力な個性を振りかざし好き放題する犯罪者が溢れ、世界は混沌を極めた。誰もが成す術無く怯えていた時、現れたのがヒーローだ。

 個性を悪用するのではなく、人々を守るためだけに使用し、弱きを救う正義の味方。悪に立ち向かう彼らは人々の脚光を浴び、気づけばヒーローは立派な公務員職と化していた。

 

 世界総人口の約8割が個性を持って生まれ、それを悪用する【(ヴィラン)】と、それらを退治する【ヒーロー】達が存在する、個性で成り立つ社会。それが、僕が生まれ育ったこの世界だった。

 

 

 

 ヒーローになりたい。

 

 

 物心ついた時から、ずっと胸に抱いていたその思いを、僕は今、現実にしに来た。

 出会って、魅せられて受け継いだ、ある種の使命感と共に。

 

 

 

「……色々、あったなぁ。あの半年間は」

 

 

 

 僕は何となしに空を見上げて、この世界に帰ってくるまでに出会った人たちを……

 10人の英雄達の顔を思い出していた。

 

 

 

 

 2000の技を持つ冒険家や、天然キャラの超能力者。

 

 ちょっと抜けてるおバカな新米記者さんに、ぶっきら棒なクリーニング屋さん。

 

 人間も異形も愛し続けた元人間や、体も心も鍛え続ける優しい鬼。

 

 完璧超人の俺様フリーターとか、僕のようにひ弱そうに見えて、本当は凄く芯の強いお兄さんに、種族を超えた愛で生まれたヴァイオリン職人。

 

 そして何より、そんな人たちに出会う切っ掛けを……全ての始まりをくれた、世界の破壊者。

 

 

 

 

「――――ディケイド」

 

 

 

 口を突いて出たその名と共に瞼を閉じれば、未だ鮮烈に浮かび上がる、尊大な態度と自信に満ち溢れた彼の顔。

 自分の事を破壊者だと嘯く彼の背中は、彼が僕に出会わせたてくれた9人の英雄達と同じように、大きく、光り輝いて見えた。

 

 

 

 

 ――――随分つまらない『自分らしさ』だな。おまけに格好悪いと来た。それでお前は満足か?

 

 

 

 

 初めて出会ったその日に投げつけられた、辛辣な言葉。あの言葉が無かったら、僕は今頃どうなっていただろう?

 もしかすると、自分で考える以上に、良くない人生になっていたかもしれない。

 

 

 

 

 ――――お前はどうしてその夢に憧れた? どうしてヒーローなんてものになりたいと思った。

 

 

 

 

 今更口にする必要も無い程、分っていると思っていた。僕の、最初の理由。僕の原点(オリジン)

 忘れかけていたそれを、彼は引っ張り上げてくれた。何の関係も無い、赤の他人の僕のために。

 

 

 

 

 ――――答えろ、緑谷出久。俺はなれるかなれないかは訊いてない。なりたいか、なりたくないかだ!

 

 

 

 

 その時僕は、生まれて初めて、心の底の本音を吐き出した。途中で乱暴な物言いもした。今思えば、大変失礼な事も言ってしまった。

 

 

 

 

 ――――なら、力が手に入るとしたら……どうする?

 

 

 

 

 なのにあの人は、自分の力を、何もない僕に授けてくれた。否、何も無いんじゃないという事に気づかせてくれた。

 

 

 

 

 ――――勿論タダじゃない。それ相応の試練もお前に与える。俺が相応しくないと思えば、力は返してもらう。

 

 

 

 

 厳しさを含めた目線と言葉とは裏腹に、差し出された手は優しくて。

 

 

 

 

 ――――来いよ緑谷。ヒーローになるって事の意味を、お前に教えてやる。

 

 

 

 

 その手を取ったあの日から、何一つ持っていないと思っていた僕は、気づけば数えきれない程の……沢山の力と勇気を手にしていた。

 

 

 

 

 ――――あれがグロンギだ。そら行ってこい緑谷。俺か? 写真でも撮っといてやるよ。

 

 

 

 

 時にただ見守ってくれて。

 

 

 

 

 ――――俺に助けてられてるようじゃ、まだまだ合格はやれない……なッ!

 

 

 

 

 時に身を挺して守ってくれて。

 

 

 

 

 ――――ライダーバトル……それがこの世界のライダーの宿命だ。あぁ、そうだな。お前は完全に部外者なわけだ……で? どうする?

 

 

 

 

 ある時は、正解の無い難題がある事を教えてくれた。

 

 

 

 

 ――――とっとと先に行け! それがお前の答えなら、お前の力で示して来い!!

 

 

 

 

 ある時は、代わりに道を開いてくれて。

 

 

 

 

 ――――こんなガキでも、一応俺の弟子みたいなもんだからな……俺は今キレてるぞ……!!

 

 

 

 

 僕が敵に殺されかけた時、消え入りそうな意識の中、怒りに震える彼の声が聞こえて、不謹慎にも……嬉しく思った。

 

 

 

 

 ――――ハッ……ちょっとカードが増えた程度で生意気になりやがって。行くぞ緑谷ッ!!

 

 

 

 

 ある時から、その背中を託してくれるようになった。

 

 

 

 

 ――――緑谷。お前にとってのヒーローってのは、何だ?

 

 

 

 

 9つの世界を渡り終えた時、彼にそう尋ねられた僕は、とっさに答えが出なかった。沢山の価値観と正義の形に触れた事で、僕自身、分からなくなっていた。

 

 

 

 

 ――――なら今ここで、その答えを見いだしてみろ。

 

 

 

 

 彼がおもむろに自身の力の象徴を取り出した時、僕の体に緊張が走った。彼から力を貰った時から、いつかその時が来ると、予感していた。

 

 

 

 

 ――――俺と戦え……それが最後の試練だ!!

 

 

 

 

 

 

「容赦なかったよなぁ……殆ど何もできないままボコボコにされたし……」

 

 

 一人集団リンチとも形容できる、悪夢のような最後の試練を思い出して、僕は思わず身震いする。

 だけど、あの最後の試練の中で、僕は答えを見つけた。今の僕が掲げる、僕にとっての最高のヒーローの定義を。

 彼が居てくれたおかげで、僕は自分の進むべき道が見えた。もう、迷いはない。仮にこれから迷う事があっても……きっと大丈夫。自分で答えを出せる位に、僕は強くなれた。

 

 

「やっぱり……ちゃんとお礼言いたかったなぁ」

 

 

 彼との別れは、あまりにあっさりしていた。

 自分の目指すべきヒーロー像を僕が見出した途端、試練は終了。二三言葉を交わしたら、満足げにこの世界から去っていってしまった。

 

 

「……いつかまた、会えますよね。士さん」

 

「俺がどうしたって?」

 

「いやぁだって、ありがとうの一言も聞かないままどんどん帰っちゃって――――え?」

 

「俺はどこにも帰らないさ。帰る世界が無いからな」

 

「うわああああぁぁ!!? つ、つつつっつ、つか、士さんんんん!!?」

 

 

 一体いつからそこに居たのか……僕の隣にはマゼンタ色の大型バイクが停車されていて、それによりかかる姿勢で一人の男性が立っていた。バイクと同じくマゼンタカラーのカメラを首から下げた彼、門矢士はいつものように、飄々とした態度で僕を見ていた。

 

 

「士さん、なんでここに!? もうこっちに用は無いんじゃあ!?」

 

「この間まではな。ちょいと野暮用が増えたんで、ついでに受験するお前の様子を見に校門(ここ)で待ってたんだよ」

 

 

 士さんにそう言われて、もう件の雄英高校まで着いていた事に気づいた。ちょっと思い出に浸り過ぎていたようで、士さんが声をかけてくれなかったら通り過ぎていただろう。

 野暮用というのが何なのか少し気になったけど、それよりも気になった事は。

 

 

「わざわざ、僕のために……?」

 

「ついでだって言ってんだろ。メインは野暮用の方だ。ま、その様子なら見に来る必要もなかったみたいだがな」

 

「……心配していてくれたんですか?」

 

 

 僕が少しだけ期待してそう言えば、この世界の平和の象徴に次いで、僕にとって二人目の最高のヒーローは、ばつが悪そうに目を逸らした。

 

 

「そりゃまあ、仮にもお前は俺の名を継ぐ男だ。初っ端から試験に落ちて、俺の顔に泥を塗られちゃ困るからな?」

 

 

 わざとらしいその嫌味がただの照れ隠しである事は、お世話になったあの半年間の付き合いで分かっている。

 でも、そこを突つくと後が面倒なのも分かっているから、何も言わないでおこう。

 

 

「あはは……泥を塗らないように、頑張ってきます!」

 

「……そろそろ行けよ。遅れちまっても知らんぞ」

 

「はい、行ってきます!」

 

 

 

 力強く恩人にそう言って、僕は校門を潜り、憧れの学び舎の地へと足を踏み入れて……立ち止まって振り返った。

 

 

 

「士さん!!」

 

「!」

 

「――――本当に、ありがとうございました!!」

 

 

 直立から直角90度の全力のお辞儀。同時に張り上げた僕の声は辺りに響き、周囲にいた同じ受験生や、近くを通ったサラリーマンに怪訝な表情で見られるが、関係ない。

 

 

「貴方に……貴方達に貰って、受け継いだ全部を糧にっ!! 僕は、最高のヒーローになって……!!」

 

 

 決意の表明。昔の僕なら、恐れ多くて、とても口になんてできなかったであろう言葉。

『最高のヒーローになる』というかつての目標は、今の僕にはもう、通過点の一つだった。

 

 

「貴方達をも超える……最っっ高の【仮面ライダー】になります!!!」

 

 

 目の前の本物のヒーロー、仮面ライダーディケイドである彼の目を真っすぐに見つめて、僕はそう言い放った。

 

 

「――――クク、ハハハハ! 随分大きく出たな。……やれるもんならやってみろ。簡単に越せるほど、俺達は低い壁じゃないぞ?」

 

「分かってます! だけど、もう決めた事ですから! なってみせます……必ず!!」

 

 

 傍から見ている人たちには、良くわからない状況だろう。聞きなれない単語を耳にした周囲の受験生達が、僕と士さんを交互に見やっては不思議そうな顔をしていた。

 カメンライダーって何だ? とか、どっかのマイナー事務所のヒーローじゃね? とか、そんな声が聞こえる。

 そんな奇異の目線に対しても、士さんはどこ吹く風のまま、「緑谷」と短く僕に声をかけ、人差し指を立てた。

 

 

「最後に一つアドバイスだ……お前は雄英(ここ)に受かったところで、まだまだヒーローの卵も卵だ。少なくともこの世界ではな。未熟な半端者……どこぞの探偵の言葉を借りれば、ハーフボイルドってやつだ」

 

 

 告げられる言葉に黙って頷く。力を与えてもらって、経験もそれなりに積んだ。

 それでも仮面ライダー(かれら)に比べれば、僕はまだずっと弱い。力も、それを扱う身体も、そこに宿る意思も。尤もな話だ。

 

 

「でもな……ヒーローではなくとも、お前は――――

 

 

 

 

 

 

 

 

もう仮面ライダーなんだよ。それを手にした時点でな

 

 

「!!」

 

 

 一瞬呆けた僕に、士さんは自分の腹部をトントンと指し示した。それが何を意味するのか、僕はすぐに理解した。

 

 

「その(ベルト)は俺のお古だ。今俺が使ってる物とは機能面で劣る。それでも、あらゆる世界の様々なライダーの能力と比べても、十分すぎる程に強力で凶悪だ。そもそもソレは、破壊者としての力だしな」

 

「……はい」

 

「お前はヒーローになって、最高のライダーになるんだろ? なら覚えとけ。力は力でしかない。どう活用されるかはお前の意思一つで決まる……仮面ライダーになるって事は、そういう事だ」

 

「……はいッ!!」

 

 

 僕の返事に満足したのか、じゃあな、とだけ言ってバイクのエンジンを鳴らし、士さんはそのままどこかへ走り去っていった。

 

 

 力は力でしかない。

 未だに、各地で個性を持て余したヴィランが犯罪を起こし、それに対応するヒーローでいっぱいのこの個性社会を思えば、本当にその通りだと思う。

 そして僕にはもう、善にも悪にもなる力が有る。自覚しなくては……!

 

 改めて決意を固めて、僕は歩みを進め――――

 

 

(あっ)

 

 

 ……ようとして自分の足に躓いた。完全に転ぶパターンだこれ。反応速度は鍛えられてるから顔から突っ込む事も無いけど、どっちみち転んだ事実に変わりはない。だ、ださい……士さんが行ってしまった後で良かった。

 手首を痛めたくないので手はつかず、顔の前で腕をクロスし、迫る地面と痛みに備えた。

 

 

 

 ……衝撃が来ない?

 

 

 

「大丈夫?」

 

「え……? うわっあれ!?」

 

 

 目を開けると僕は宙に浮いていて、眼前にはフワフワした雰囲気の女の子……女の子……!?

 

 

「私の【個性】。ごめんね勝手に。でも、転んじゃったら縁起悪いもんね」

 

 

 足から地面に下ろされ、感じなくなっていた重力が体に戻った頃、女の子は暖かい笑顔でそう言った。 

 

 

 ……落ち着け。冷静になれ緑谷出久。あの半年間で出会ったのは仮面ライダーばかりじゃないだろう。彼らと共に居た綺麗な女性達とも係わっただろう! 先ずは普通に助けてくれたお礼を……!

 

 

「あ、ああ、ああありがとうございますみっともないとこお見せしてすみませんですでした……でした!? あれこういう時敬語でいいんだっけ……?!」

 

「……っぷ、ふふ、ははは! 君、本当に大丈夫? どんだけ緊張してんねん!」

 

 

 僕の様子が可笑しかったのか、女の子は堪えきれずと言った感じで噴き出した。

 ……やっぱり女性に対する免疫に関しては何も学べてないな。こういう時のために天道さんとかに教えてもらえば良かった……!

 

 

「あっ、ごめんごめん、笑ったりしちゃって! 実は私も、結構緊張してるんだぁ……なんたって雄英の受験だもんね……!」

 

「! い、いや、うん! 大丈夫、です! するよね! 緊張!」

 

 

 とっさに話しを合わすためにどもりながらもそう返した。どうやら僕が緊張している理由を受験に対するものだと勘違いしてくれたようだ。

 ……助かったと思う反面、自分が情けない……

 

 

「あれ? でもさっきまで居たバイクの人には、すっごいはっきり宣言しとったよね……最高のヒーローになるーって!」

 

「え゛!!? うわぁ聞いてた……!? いやそりゃ聞くよねあんな所で堂々と大声で言ってればね!! 何言ってんだコイツってなるよね!! やばい、今になって恥ずかしく……!!」

 

「そんな事あらへ……じゃなくて、そんな事ないよ! 自分の目標はっきり言えるって、凄い事だよ! 格好良かったよ!?」

 

「か、かっこよ……!?」

 

 

 そうはっきりと言った彼女の顔は、とても嘘を吐いている様子は無かった。本気でこんな僕を、カッコいいと言ってくれたらしい。

 自分で顔がどんどん赤くなるのが分かった。

 

 

「あ、カッコいいと言えば、さっきのバイクのお兄さん、めっちゃイケメンだったね! 君の親戚さんか何か?」

 

 

 ガクッ! っと、再びこけそうになったのは仕方ないと思う。今度は足が絡んだのではなく、気が抜けたからだけども……

 でも、それはそうだろう。片や突然周りの目も気にせず決意表明したかと思えば、何もないところで転びかける何の特徴も無いボサボサ頭の少年と、イカしたバイクを乗りこなす、クールでニヒルな雰囲気の、整った顔の大人の男とくれば、そっちの方が気になるのが人ってものだ。カッコいいのレベルが違う。男の僕だってそっちに興味が行くだろう。

 

 

(女の子との甘い青春の始まりを僅かでも期待した僕が身の程知らずでした……)

 

 

 ……ただ、ちょっとがっかりしたのと同時に、何だか凄く誇らしい気持ちになって、自慢したくて仕方ない気分にもなった。

 

 

「あの人、ひょっとしてプロヒーローだったりするの? 仮面ライダーだっけ……そういうヒーロー名とか!」

 

 

 そう彼女から話題を振られて、待ってましたと思ってしまう僕は、どこまでも行ってもヒーローオタクだった。

 けど、彼について話せる事は、正直あまり無い。この世界で広く知られるヒーローと、彼らが背負うヒーローという言葉の意味は、似ているようで大きく違う。

 

 

「……プロヒーロー、か。本当の戦いや命のやり取りを知ってるって意味では、プロ……なのかな。どこの事務所にも所属してないけどね」

 

「フリーのヒーローなんだぁ! どんな個性なの!?」

 

「こ、個性、か……えっと、そうだな……『変身』?」

 

「おぉー変身! 何に!?」

 

「な、何にと言われると……! えっと――――」

 

 

 

 なんて答えたものかと悩みかけて、そうじゃないだろ、と思い直した。

 

 彼が何に変身するかって? そんなの、決まってる。

 

 

 

 

 

 

 

「――――通りすがりの……仮面ライダーさ!」

 

 

 

 

 




THE・おもいつき
作者はまだジオウ未視聴なのでこのもやしは二期勢をコンプしてません。
作者が完走している範囲の二期勢(W・オーズ・鎧武・ドライブ)のカードは持っている設定。
多分フォーゼのリ・イマジに行く途中とかで迷い込んだ。
諸々あって一期勢に関してはオリジナルの世界にも行けるようになった様子(ご都合)

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