なんとか時間を確保して書きつつ感覚を取り戻していきたいです
今回は前回の予告通り石上くん視点の過去編です
それでは、どうぞ
当時の僕から見た先輩は雲の上の存在というのが正しかった
成績優秀で誰に対しても丁寧に接することができる
そんな完璧超人居てたまるかと、僕はある種嫌悪していた
そんなある日、オンラインゲームのチャット上で気の合う人と知り合った。
好きなゲームの傾向も似ていたこともあって、ボイスチャットでやり取りするまでにそう時間は掛からなかった
だからこそ、その相手がまさかあの雲の上の存在だなんて思ってもみなかった。
ただ、今思い返すと完璧な人間なんていないという言葉通りなんだなって感じる
それはそれとして素と学校であれだけの差があるのはないと思う
そうして話していくうちに、先輩も先輩で苦労していることを知った
また、なんでゲーム好きなのかを聞くと先輩曰く「孤独を紛らわすことができるからな」だそう
正直、想定外な答えが帰ってきて驚いた
詳しく聞くと
「当時成り上がり真っ最中だったため親が居てほしいときに居なかったこと」
「かまってちゃんな自分が嫌いでそんな自分をあまり見せたくないこと」
「そのことから、世間はあまり自分自身を見ることをしていないこと」とか色々と闇の深そうな話題がでてきた
そして最後に「だからこそ、こうやって素を出せる場とそれを話せる友達が居るこの空間が俺は好きなんだ」と言われた
そんなことを言われて僕は嬉しかった
当然だろう?
あの雲の上の存在の本音を知る数少ない一人なんですよ?
そういったやり取りもあってメールアドレスを交換した
好きなゲームを貸したりもした
でも、そんな関係になっても僕は学校で先輩に話しかける勇気が出せないでいた
当たり前だ。あの人は1つ上の先輩だし、何より僕は学校では浮いていたから
そんな僕が話しかけたら先輩の迷惑になると思ったから
今思えば全然先輩を理解できてないなと我ながら辟易するよ
そうこうしている間に先輩は高等部へ上がっていった
相変わらずゲームはしていたけど、その頻度は少し減った
それはそうだ。自分からなにか行動した訳ではないのだから
でも、そんな僕にも一人気さくに話しかけてくれるクラスメイトがいた
名前は大友京子
別に恋をしていた訳でもなく、只のクラスメイトだった
抱いた印象というのもただただ良い人それ以上でも以下でもなかった
でも、あぶれ者であった自分に話しかけくれたからどことなく救われた気になって
そのアホ丸出しの笑顔がどうか曇らないことを願っていた
ある時、その大友に彼女ができた
忘れもしない
名前は荻野コウ
全国常連の演劇部の部長で人気者、僕とは正反対のタイプだった
ただ、カップルを無条件で呪う僕が珍しく幸せを願っているカップルだった
ある日、僕はいつも通りぼっち飯を決め込んでいた
すると、階段の上から声が聞こえる
「わかってるって、部屋取っといたからさ。だいだって」
荻野の声だ
僕は好奇心で話しかけてしまった
放っておけばよかったのに
「彼女?」
「うおっ!?居たの!?」
あぁ………よく見る顔だ………
「ははっ、聞かれてた?はずかしー。そう、彼の女とね……」
当時の僕は、なんの漫画かゲーム、どっかの眩しい先輩に影響されたのかは分からないが、過剰な正義感を抱えていた
良い人が傷付くことが許せなかったのだ
もし、恋心故の行動だったなら
正義感を抱えていた僕はその事を荻野に突きつけた
余計な事をした
「バレないようにしてたんだけどなぁ………。どうする?チクる?」
「もうこんなことは止めろ」
ただ大友に傷ついて欲しくない。それだけだった
なのにあいつは…………
「んー、困ったな……。あ、そうだ。もっといい和解案があるんだ」
あろうことか………
「お前京子のこと好きなんだろ?」
「は?」
「今日家こいよ」
こういう悪人はまま居る
ただ、当時の僕には初めて目にした存在だった
頭の中が真っ白になった
ただ、一つあいつに質問した
「お前は、大友を何だと思っている」
そこからはあまり覚えていない
気がつけば、荻野にマウントポジションで殴りかかっていた
周りには人だかりもできていた
その場で奴は大きな声で言い出した
僕がやっていることはストーカーだと
初めは何を馬鹿なことを、そう思った
だから僕はこいつはダメだ。大友にそう言った
ただ、今思えばどちらを信じるかなんて明白だ
殴っているのはクラスのあぶれ者
殴られているのはクラスの人気者
彼女も、そして野次馬たちも、どちらの言葉を信じるか
そう
そして、その大友京子が今
「随分楽しそうにしてるね」
この体育祭に来て、僕の目の前にいる
というわけで、石上くんの過去編です
次回は、この事件の収束手前までと考えています
何度見返してもここは心が苦しくなります………
それでは、また次回