従者カップルはイチャつきたいから告らせたい   作:トネッピー

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というわけで第二話です

今回は「白銀御行は捌きたい」の数日前、「生徒会は神ってない」のお話です

それでは、どうぞ


崇宮誠は不安にさせたくない

《~~ある日の放課後~~》

 

「崇宮。このあと、ちょっといいか?」

「はい?自分ですか?いいですけど」

 

家庭科の先生が一体何のようだ?

別に何でもいいけど……

 

「愛さん、自分は先生に呼ばれているので。さようなら」ペコッ

「ん、バイバ~イ☆」ヒラヒラ

 

さ、早く行かねぇと

 

「先生、一体何のようでしょう……」ドンッ

「あいたっ」ドサッ

「あ、すみません。おや?あなたは」

「いえ、こちらこそすみません。って、あなたは」

「「柏木(崇宮)さんですよね?」」

 

後ろからぶつかっちゃうなんて申し訳のないことしたなぁ

当たり屋みたいじゃん

にしても、この子が件の柏木さんですか……

思わぬところで出会ったなこりゃ

 

「すいません。自分の不注意でぶつかってしまって」

「いえいえ、気にしないでください。誰だって考え事はしますから」

「そう言ってもらえると助かります。ところで、どこへ向かおうとしていたんですか?」

 

ホント、申し訳ないから

さっさと行こ

 

「ちょっとかぐやさんに話があって生徒会室にと」

「そうですか。ではお気をつけて」

「ちょっと待ってください。崇宮さんはどこへ?」

「自分は先生に呼ばれているので家庭科室まで」

「途中まで一緒じゃないですか。ちょっとお話していきませんか?」

 

あ、逃がしてくれない感じですか

しゃーない、途中まで同じ道だし、距離もそんなにないから付き合うか

 

「構いませんよ」

「そうですか。良かった……。翼がいなくてちょっと心細かったんですよ」

 

俺は翼くんの代わりですか、そーですか

ま、当たり前か……

 

《~~二人で歩き出して~~》

 

「そういえば、崇宮さんと早坂さんが付き合ってるってホントなんですか?」

「えぇ、まぁ。お付き合いさせていただいてますよ」

 

こいつ、最初っからこれを聞く気で俺を引き留めたのか

心細いなんて絶対嘘だ、こいつ俺と早坂の事聞きたいだけだろ

 

「それにしても驚きです。まさか、崇宮さんと早坂さんが付き合ってるなんて」

「そんなに驚きですかね?」

「驚きですよ。だって、全く正反対の二人ですよ?」

「そうですか。ですが、人は見かけによらないものですよ?」

 

確かに、パッと見ギャルっぽいのと、くそ真面目な生徒会総務だもんな

そりゃ、驚きか

 

「そうみたいですね。私も早坂さんとお友達になれるかなぁ……。どう思います?崇宮さん」

「なれると思いますよ?彼女、人懐っこいですし」

 

正直、早坂と柏木さんってなんか、見た目でも性格でもないけどどっか似てる気がするんだよな

なんでだろ?

 

「ホントですか!?」ズイッ

「うわわ、顔、近っ!!」

 

そんな急に来られたらバランス取れな

 

「「うわぁ(キャア)!!」」ドサッ

 

あいたたた……

今度は倒れちまった

ホント、柏木さんに悪いな

 

「柏木さん!?大丈夫ですか?」

 

って!!顔近っ!!

鼻息が当たって……

 

「……///」

「あいたたた……。すいません崇宮さん。って、おや?」チラッ

 

今、一瞬どこ見て……

て、え!?なんでそんなに近づいて来るんですか!?

 

「顔赤くして、かわいいですね?でも、彼女さんがいるのにそんな顔しちゃったら、食べられちゃいますよ?」

「あ、はい……」

 

なんなんだ!?この女!?

何か、得体の知れない色気がある……

危険だ、俺の勘がこいつは危険だって言ってる

 

「な~んちゃって、崇宮さん。倒れたとき、庇ってもらってありがとうございました」

「え、は、いや……」

「それでは私はこれで」スタスタ

 

なんだったんだ?さっきのは……

さっきと全然違う……

さっきの危険な感じが全くしなかった……

一体、何者なんだ?柏木渚

ちょっとだけ、警戒しといた方がいいかもな

 

「おっと、早く先生のもとに行かないと」

 

「何あれ、絶対許さない」

 

《~~崇宮君、家庭科室着~~》

 

「失礼しま~す。先生、自分に何のようですか?」

「あぁ、崇宮。お前、去年の2年まぁ1個上だな。その先輩の調理実習、覚えてるか?」

 

あ~、あの噂というか事件のやつね

ということは調理実習関係か……

 

「あれですか?三枚おろし大量ギブアップ事件ですか?」

「そんな名前になってるのか……。そこでお前に頼みたいことがあるんだ!!」

「なんでしょう?」

「魚を捌くのを手伝って欲しい。全部の調理実習で一匹ずつ生徒に見せるのも兼ねて捌いてほしい!!頼む!!」

 

え~、っていうかなんで俺に頼むんだ?

俺、この人に料理人だなんて伝えてないはずなんだけど……

 

「どうして自分なんですか?」

「それはな、海里に聞いたらお前にさせてみろって。それにお前、四宮家の集まりで食事を作って出したそうじゃないか」

「え、海里さんから聞いたんですか?」

「そうだ」

 

あの人、俺の事情も知らないで勝手に言いふらしてるんじゃないだろうな?

まぁ、あの人の紹介だし、受けるか

 

「まぁ、いいですよ」

「本当か!!ありがとう!!」

「ですが、2つほど条件があります」

「なんだ?俺のできる限りの事ならなんでも言ってくれ」

 

ホントこの先生いい先生だよな

じゃ、これはいけるだろうし頼むか

 

「1つ、自分が料理人であることを伏せて、頼れそうだったから三枚おろしを手伝って貰ったらうまかったからやってもらった。ということにしてください」

「それぐらいは全然いいがどうしてだ?」

「自分、料理人であることを話してないんですよ。だからです」

「お、おう。わかった。で、もうひとつは?」

「他の方にはこの事を絶対に話さないでください」

「そんなことでいいなら喜んでそうしよう」

 

っし!!情報流出阻止成功!!

さ、生徒会室行こ

 

「それじゃ、先生用事はこれだけですか?」

「ついでに、ゴミ捨て頼めるか?」

「わかりました。それではまた」

「おう。魚が届いたらまた声を掛けるわ」

「よろしくお願いします」ペコリ

 

さて、このゴミ捨ててさっさと生徒会室行くか

 

「失礼しました~。さ、行くか。って、愛さん?どうかしたんですk」ガシッ

「」

「痛いですよ?離してくれません?って、ちょ!?」

「」

 

痛い!痛い!!

引っ張らないで!!

何処連れてく気なの?

それになんか怒ってる!?

俺今日早坂になんかしたか?

いや、絶対なにもしてない

うん、絶対ひどいことしてない!!

ならどうして!?考えろ、考えろ……

 

《~~そのまま引きづられるようにして連れられて少しして~~》

 

「愛さん、いい加減にしてください!どうsムグッ!?」

 

え、どうして早坂の顔がこんなに近くにあるんだ!?

それに唇に柔らかい感触が

これ、キスされてる!?

うそうそ!?え!?どうしたん!?

いきなり

 

「ぷはっ、なんだよ///いきなり///」

「」ポスッ

「おっと、どうした?」

「崇宮君は、私のだもん……」

「え……?」

 

俺が早坂の?

まぁ、早坂の男だけども

何があったんだ一体……

 

「どうしたんだ?早坂?」

「絶対、絶対、私のだもん。他の誰にも、渡さないもん……」

「早坂……」

 

まさか、早坂、柏木さんとのあれ見てたのか

そうか、それで不安にさせちまったのか

俺、彼氏失格じゃねぇか!!他の女で顔を赤らめるなんて!!もっとしっかりしろバカタレ!!

 

「早坂、不安にさせて悪かったな。でも安心してくれ。昨日も言ったが、俺は早坂一筋だし、俺の目には早坂しか写ってないからな?」

「ほんと?」

「ホントだ、ホント」

「なら、もうちょっとこのままで……」

「はいよ」

 

全く、早坂をここまで心配にさせるとは……

付き合ったからってまだまだ余裕ぶっちゃいけないな

 

《~~数分後~~》

 

「ご、ごめん///誠、もう大丈夫だし///」

「そ、そうですか?満足したなら良かったです///」

 

口調も戻ったし、もう大丈夫そうだな

もっと一緒にいたいし、心配かけて申し訳ないんだが……

そろそろ生徒会室に行かないと

 

「それじゃ、そろそろ自分は行きますね?」

「あ、ちょっと待って。誠」

「なんですか?」

「日曜日、楽しみにしてるね」

 

なんだ、そんなことか

 

「当たり前ですよ。必ず満足のいく初デートにしましょうね?」

「それじゃあね~☆誠、生徒会も頑張ってね~☆」

「はい。頑張ってきますね」

「それじゃ、ばいば~い☆」

 

《~~崇宮君、ごみを捨て生徒会室に移動中~~》

 

お、生徒会室が見えてきたな

って、あらら?あれって御行と藤原に優?

なんで生徒会室前にいるんだ?

それにみんなで中見て何してるんだ?

あ、かぐや嬢が倒れた、倒れた!?

ちょちょ、一体何があったんだよ!?

 

「かぐや嬢、だいじょ…」

「なーんちゃって」

 

柏木さん!?もう帰ってると思ってたよ……

ってことは、中に居たのは柏木さんと翼くん?

あ~、話が見えてきた

 

「ごめんなさい。ちょっと悪戯させて頂きました」ニコッ

「なんちゃっての悪戯で副会長を気絶させないでくださいよ……」

「あ、崇宮さん。さっきはどうも」ペコリ

「こちらこそ、先程はご忠告どうも」ペコリ

 

ホント、やってくれたなこの女

ここでもいらんことしてたみたいだし

 

「やっぱり、忠告は役に立ったんですね?じゃあ良かったです」

 

 

ん?()()()()

やっぱりってことはこの女、気づいててあんなことしたの!?

あの一瞬どっか見たのってそういうことだったの!?

もうホントなんなんだよこの女!?

 

「気づいていたなら教えてくれてもいいじゃありませんか。ちょっと意地悪じゃないですか?」

「でも、おかげでいい思い出来たんじゃないですか?」

「そういう問題じゃないですよ……」

 

確かにいい思いできたけど……

だからってあんなことをして良い理由にはなんないんだよなぁ……

 

「それでは、私たちはこれで。翼~、帰ろ~」

「お~う、わかった~。それじゃ会長、皆さん。俺はこれで」

「お、おう。気を付けてな……」

「お気をつけて」

 

はぁ~~、もう疲れたよちくしょう

とりあえず、もう二度と早坂を不安にさせるようなことはしないようにしよう、絶対に……

 




というわけで第二話終了です

早坂さんは付き合いたてなのでまだ不安なんです
それに、初めて出来た恋人だから誰にも奪われたくないんです
だからあんな事をしました

次回は、二人の初デートの予定です

それでは、また次回

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