「来るぞ、響!」
「うん!」
眼前に迫るノイズたちに向かって俺と響は構えをとった。
奏と翼はいない。というか、俺たちが出動を断った。
何故なら……。
「今日は奏さんと翼さんの、ツヴァイウイングの大事なコンサートの日なんだ!
その邪魔をさせるものかぁ!!」
響が叫びながらノイズに拳を叩き込む。
そう、今日は大切なツヴァイウイングのコンサートの日だ。なんでもツヴァイウイングは今後、海外に進出し世界を舞台に歌うというのだ。今日はそれを発表する大切な晴れの日、それを汚すようなノイズを俺も響も許しはしない。
だがフィーネもこちらの事情を把握しているのかノイズの編成がいやらしい。
まるでパリの凱旋門のような形状で砲台を突き出した城塞型大型ノイズ2体を中心に、いつぞやクリスが響を捕らえようとしたときに使ったトリモチノイズ、機動力の高い飛行型ノイズが多量にいてこちらをかく乱する。それらを始末しようと意識を向けると、近接型の大量の人型ノイズが迫ってくるといった状態だ。
フィーネは中々に集団戦闘というのを心得ていると見える。まぁ、大ショッカーの幹部なら戦闘員の指揮はお手の者だろうし、それがノイズに変わっただけか。
「ちぃ! 中々数が減らないな!」
シャドーチョップでノイズを薙ぎ払いながら俺はぼやく。
俺もシャドービームを撃ったりはしているが、威力が下がっているため決定打にはなりえない。かといってバイタルチャージからのシャドーキックなどの決め技で薙ぎ払うとしても、こちらも万全な状態ほどの殲滅力も持久力もないため、大型用に温存しておきたいところだ。
「でもやらないと!」
「それは分かってるが……って響っ!!」
「っ!?」
響目掛けて飛んできたトリモチを、俺はシャドービームで近くのノイズを捕まえると響の方に投げつけて響の盾にする。トリモチは防げたものの、その間に飛行型ノイズがドリルのような突撃形態になって響へと迫る。
シャドービームは今しがた放って『溜め』になってしまっていて連射できない。
だが、響を狙う飛行型ノイズがガトリング砲の弾丸で粉々に砕け散った。
この攻撃は……。
「クリスちゃん!」
舞い降りたのはシンフォギアを纏ったクリスだ。
「よそ見してんなバカップル!
雑魚どもはあたしが薙ぎ払ってやるから大物を狙いやがれ!!」
クリスが咆え、腰アーマーが左右に展開する。
『MEGA DETH PARTY』
ガトリング砲が重低音を奏でる中、小型ミサイルが一斉発射された。小型ミサイルはもっとも効果的に敵を薙ぎ払う位置に着弾、ガトリング砲の弾丸が押し潰すように空中のノイズを消し去る。
その様を見て顔を見合わせた俺と響が頷く。
「バイタルチャージ!」
「この一撃に、すべてをのせて!」
俺は空中に飛び上がり、響が中国拳法の高速移動『活歩』で瞬時に間合いを詰める。
「シャドーキックッッ!!」
「我流、
俺と響の決め技が同時に2体の大型ノイズに叩き込まれた。シャドーキックによって発生した余剰エネルギーが溢れ、響の拳圧による衝撃が周囲を穿つ。
その一撃が決め手となり、ノイズはすべて消え去った。
「やったね、ノブくん!」
「ああ!」
俺に響が抱きついてきて喜ぶ。そんな中視線を巡らせると、そこにはすでにクリスの姿はなかった……。
~~~~~~~~~~~~~~~
「……あたし、雪音クリスはあたしを消そうとしてるフィーネからはもちろん、二課からも身を隠している最中、つまり『潜伏中』ってわけだ」
クリスの独白は続く。
「当然、そんなあたしの隠れ家ってのは重要で、誰にも知られちゃならない。
だってのによ……」
「あはは、やだー響ったら!」
「あはは、だよねぇ!」
「なんでそんな潜伏中のあたしの隠れ家を、お前らはダベり場に使ってんだよ!!」
ピクピクと頬を引きつらせたクリスは、もはや耐えられぬと吠えた。
ここはクリスが独白したようにクリスの隠れ家、郊外にある無人のマンションの一室だ。
ノイズの被害に晒されるこの世界においては、家族全員がノイズの被害にあったことで空き家になってしまった家やノイズ被害地のすぐ近くということで人がいなくなってしまったマンションなどが数多く存在しており、ここもそんな住民がいなくなり放置されているマンションの一つである。
そんなクリスの秘密の隠れ家は現在、響と未来と信人の3人によって放課後のダベリ場へと変貌していた。
「なんだ、ただ友達の家に遊びに来ただけなのにそんなにカッカしてどうしたクリス? 菓子が足りないのか?」
「あ、そうなんだ。 はい、クリスちゃん新作ポテチの辛味噌味だよ」
「ほら、クリスは銃使いなんだしこれ食べて『この距離ならバリアは張れないな!』とゼロ距離射撃をだな……」
「いやまったく全然意味が分からねぇ。その微妙な味のポテチとそのセリフに何の因果関係があるんだよ。
……って違ぇよ! そうじゃねぇ!!」
信人と響の様子が気に入らなかったのか地団駄を踏むクリス。
「ここは喫茶店でもなけりゃ○ックでもねぇ! ダベリたいんなら他行けよ!
つーか、それ以前にどうやってあたしの潜伏場所探したんだよ!!」
「あっ、それなら俺のマイティアイとセンシティブイヤーとシャドーセンサーとキングストーンの導きで探し出した」
「よく分かんねぇけど、軽々しく全開でスーパーパワーを使うんじゃねぇよ
……とにかく、ダベるんだったらどっかの店でやってくれ。下手に騒いで
「だってお店でこんなに騒いだら迷惑になっちゃうじゃない。 それにお金かかるし……」
「それにこういうのなんか子供のころの『秘密基地』みたいでわくわくするしな!」
「そうだよね、いいよね『秘密基地』!」
「お前ら……いい加減にしねぇとマジでぶん殴るぞバカップルども……!」
信人と響に本気で額に青筋をたて始めるクリス。それを未来が諫める。
「まぁまぁクリス、これでも食べて落ち着いて」
「あんぱん……まぁ、貰うけど……。
こいつらふざけ過ぎだ、未来も何か言えよ」
モグモグと未来に餌付けされながらクリスが言うと、未来は少し呆れながら信人に言った。
「信人もいい加減にふざけてないで正直に理由を話したら?」
「まぁ、『遊びに来た』って言うのも本当のところだ。
お前、毎回ノイズ倒したらいつの間にかドロンするだろ? だから響や未来が心配してたんだよ」
「……そうかよ。
でも、その口ぶりじゃそれだけじゃないんだろ?」
心配されていたのが嬉しいのか照れくさいのかクリスは少しそっぽを向くが、すぐに信人に顔を向ける。
「もう一つの用事はお前の『監視』だよ」
「……何だ、ついにあたしを二課に売る気になったのか?」
「そうじゃない、お前……体力が回復したら1人でフィーネのところに突撃かけるつもりだろ?」
「……」
信人の言葉に無言になるクリス。それが真実を雄弁に語っていた。
クリスが自分のしていたことに罪の意識を持っているのは知っている。自分を消すために放たれたノイズたちによって罪のない人々の日常が脅かされる様を見て、それを止めようとがむしゃらに戦っていた。響や信人が一番心配したのはそんなクリスがすべて1人で背負い込んで、単身でフィーネのところに突っ込んでいくことだ。
「今回の一連の事件の黒幕『フィーネ』……どんな隠し玉を持ってるか分からない相手だ。
それを相手に1人は無謀すぎる。
1人より3人の方ができることが多いのはお前も分かってるだろ?」
「でも、これはあたしのせいだ。
誰かに迷惑をかける気は……」
「違うよクリスちゃん。 迷惑なんかじゃない」
そんなクリスの手を未来と響が取る。
「私には何の力もないし無事を祈ることしか出来ないけれど……クリスの出来るだけ力になりたいの」
「友達だもの。友達が困ってるのに手を差し伸べられないなんて私は嫌だ。
それに……ノイズを使って何かを企んでるなら、それは絶対に止めなきゃならない。それをクリスちゃんだけに押し付けるなんて間違ってる」
言われてクリスは嬉しかったのか少し目を潤ませ、それに気付いたのか顔を赤くしてそっぽを向く。
「……そこまで言ったんだ、今さらなかったことになんかならねぇぞ」
「うん!」
「まぁ、俺らは最初から覚悟の上だ」
「私は帰りを待ってることしか出来ないけどね」
「……そういうことなら景気づけだ。 今日は付き合えよ、おまえら!」
そう言って菓子に手を伸ばすクリスに笑顔の3人。
そして……。
~~~~~~~~~~~~~~~
「……あそこか?」
「ああ、あれがフィーネの隠れ家だ」
俺と響、そしてクリスの3人が林の木々に身を隠しながら目の前の邸宅を眺める。俺と響は、クリスの案内でフィーネの隠れ家へとやってきていた。
「物凄い豪邸だね。 まるでテレビでやってるお金持ちの家みたい」
「実際はそんな平和なもんじゃない。 中はあたしでも訳わかんねぇ研究施設や実験施設やらが満載だ。
金ってのは悪いことをすればするほど集まるんだろうよ」
響の言葉に肩を竦めるクリスが言い捨てる中、俺は黙ってSHADOWへと変身する。いきなりの変身に面食らう2人を尻目に、俺はマイティアイで周囲を分析した。
すると……。
「おい、クリス。 何だか様子がおかしいぞ」
「どういうこった、
「いや、屋敷の周辺には侵入者向けだと思うトラップが幾重にもあるんだが、それが全部無力化されてる」
「何っ?」
ここは大ショッカーの一員であるフィーネの基地だ。だとすれば罠の1つや2つは普通にあるだろうと思いマイティアイで探っていたのだが、罠はあるもののすでに無力化された後という結果がでているのである。
「……なぁ、二課以外にフィーネと敵対しているような相手はいるのか?」
「あたしが知る限りいないはずだけど……」
クリスは俺の質問に自信なさそうに答える。フィーネの計画について何も知らず、クリスも自分が客観的に『手駒』としてしか見られていなかったことを悟りそんな相手に重要な情報を渡すはずがないと理解しているのでクリス自身、自分の持つ情報に信憑性がないことが分かっているからだ。
俺はそんな様子のクリスから視線を外し、少し考える。
(大ショッカーの敵と言えば、言わずと知れた『仮面ライダー』だが……ものによっては同種の『悪の組織』と抗争してたりもするからな。
ショッカーとノバショッカーみたいなことも考えられるんだが……)
しかしそう考えればおかしな点に気付く。
屋敷があまりに静かだ。これはまだ戦闘が終わったというのなら説明がつくが、屋敷や周辺があまりに『綺麗過ぎる』。派手な戦闘の痕跡が見当たらないのだ。
俺は首を捻りながらも、考えても仕方ないと気持ちを切り替えた。
「とにかく、何かおかしい。
ここから先は生身は危険だ、2人ともシンフォギアを纏って突入しよう」
俺の言葉に響もクリスも頷くとシンフォギア纏った。
一気に屋敷に突入し、クリスを先頭に走り抜ける。そしてドアを蹴破る勢いで大広間に飛び込むとそこには……。
「なっ!?」
「響、見るな!」
そこに転がっていたのはいくつもの死体だ。それに気付き驚きの声をクリスが上げ、俺は咄嗟に響の視界を塞ぐ。
血だまりには屈強な男たちが物言わぬ骸となって転がっている。生体反応はない、全員がすでに事切れていた。
「これって……?」
「……恐らくフィーネの仕業だろうな」
正直、響にはこんなものは見せたくないのだが本人が「大丈夫」といって俺の陰から出て俺やクリスと一緒に様子を調べている。響の声は少し震えていた。
全員が身体を何かで刺し貫かれて死んでいる。
「そもそも、この人たちって一体誰なの……?」
「こいつらはアメリカの軍人だ……」
響のそんな疑問にクリスが答える。
「白人と黒人が一緒の部隊で戦ってて、今日本にこれだけの規模の部隊が送れるのはアメリカくらいだ。
それに見覚えがある顔がいる。あたしの戦闘訓練を担当してた教官だ。
フィーネはあたしに『アメリカ軍人だ』って紹介してたよ」
「アメリカか……」
以前、二課に対する数々の妨害工作などの黒幕がアメリカだという『アメリカ陰謀論』の話は聞いたことがあったが、これはそれに現実味が帯びてきた。
しかし、この状況はどう考えたものか。
クリスの教育のためにアメリカ軍人を派遣させることができるなどを考えると、フィーネはアメリカと手を組んでいたのだろう。しかしそれをフィーネが裏切り、戦いになった……恐らくはそんなところか。
その時、俺のセンシティブイヤーがいくつもの足音を感知する。
「誰か来る!」
「フィーネのやつか!」
「いや……この足音は……」
そして現れたのは……。
「お前たち、独断専行が過ぎるぞ」
「
「師匠!」
現れたのは
それを見て俺と響は咄嗟にクリスを庇うように前に出た。
「
「そうです師匠、私たちもクリスちゃんも何にもしてません!」
だがそんな俺たちの声を素通りし、黒服のエージェントたちは遺体を調べ、周辺を警戒して散開した。
「誰もお前たちがやったなど疑ってはいないよ。
俺たち大人も遊んでいるわけじゃない。お前たちが遭遇した一連の事件の黒幕である『フィーネ』について探り、ここまでたどり着いたというわけだ」
「雪音クリス……ヴァイオリン奏者雪音雅律とその妻、声楽家のソネット・M・ユキネが難民救済のNGO活動中に戦火に巻き込まれて死亡したのが8年前。残った1人娘も行方不明となった。
その後国連軍のバルベルデ介入によって事態は急転、現地の組織に囚われていた君は発見され保護、日本に移送されることになった」
「へっ、そういう詮索反吐が出る」
「当時の俺たちは適合者を探すため音楽界のサラブレッドに注目していてね。天涯孤独になった君の身元引受人に手を挙げたのさ」
「こっちでも
心底うんざりしたようにクリスが言うと、隣で聞いていた響が小声で俺に聞いてきた。
(ノブくん、『
(若い女性専門の人買いのことだ。 江戸時代とかにいたらしいぞ)
(へぇ、そうなんだ。 ノブくん物知り)
(ま、まあな……)
……まさかエロ漫画で知った知識とは思うまい。まぁ、正しい知識は出所が何であろうと等しく尊いものだし俺とて健康的な男子高校一年生、そういうこともある。
そんな中
「ところが君は帰国直後に突如として消息不明。相当数の捜査員がその調査に駆り出されたが、その多くが死亡あるいは行方不明という最悪の結末で幕を引くことになった……」
「何がしたいんだ、おっさん?」
「俺がしたいのは君を救いだすことだ。
俺は当時その件に関わった最後の生き残り、一度受けた仕事をやり遂げるのは『大人の務め』だからな」
そんな
「はっ! 『大人の務め』と来たか!
余計なこと以外は何もしてくれない大人が偉そうに!!
あたしは大人が嫌いだ! 死んだパパとママも大嫌いだ!
戦地で難民救済? 歌で世界を救う? いい大人が夢なんか見てるんじゃねぇよ!!」
それは辛い幼少期を過ごすことになったクリスの、心からの叫びだった。
さすがに死んだ両親を貶すような言葉に思うところはあるものの、何か言えるわけもなく俺と響はその展開を見守るだけだ。
だが、そんなクリスに
「そうじゃない。大人だから夢を見るんだ。
大人になれば背も伸びるし力も強くなる。財布の中の小遣いだってちったぁ増える。
子供のころはただ見るだけだった夢も、大人になったらかなえるチャンスが大きくなる。夢を見る意味が大きくなる。
お前の親はただ夢を見に戦場に行ったのか? 違うな。
歌で世界を平和にするっていう夢をかなえるため自ら望んでこの世の地獄に踏み込んだんだ。
きっとお前に見せたかったんだろう。 夢はかなうという『現実』をな。
お前は嫌いと吐き捨てた両親は、お前のことを本当に大切に想ってたんだろうな」
きっと
その時。
「風鳴司令、これは……」
黒服のエージェントの一人が、死体に添えられていた手紙のようなものに手を伸ばす。
ゾクッ、とする感覚が背を駆け抜けた。このキングストーンが教えてくれる直感は……!!
ドゥン! ドゥン!! ドゥン!!!
手紙を手に取るとピアノ線で仕掛けられていたトラップが作動、仕掛けられた爆弾が連続して爆発を起こした。
爆発によって支えを失った天井が瓦礫となり、俺たちを押し潰そうと迫る。
「シャドービーム!!」
俺は咄嗟にシャドービームを放った。種類は捕縛のための念動光線、それで落ちてきた天井の瓦礫を支える。
「
「総員退避だ!!」
俺の言葉に
その指示に従って全員がその場から退避すると、俺もシャドービームの効果を切って外へと飛び出した。
背後から瓦礫の崩れる音が響く。
あの爆発は証拠隠滅も兼ねていたのだろう。振り返ってみると見事に屋敷の大部分が崩壊していた。
「信人くん、感謝する」
「
「いや、君がいなかったら彼らは運び出せなかった」
そう言って背後を指すと、そこにはアメリカ軍人の死体がいくつか転がっていた。
「さすがに全員は無理だったがな。まぁ、アメリカがこの件に絡んでいるという証拠の一つであると同時に、調べれば色々なことも分かるだろう。
それに……彼らも国の命令を忠実に聞き国に尽した者だ。できることなら綺麗なまま故郷に還してやりたいという気持ちがある」
後半の方は何とも
「じゃあ、今回は俺と響はお咎めなしってことでひとつ」
「それはない」
「デスヨネー」
どうやら
「さて、俺たちはこのまま戻るがお前も一緒に来るか?」
「やっぱりあたしは……」
「まだ俺たちを信用できない、か……だろうな。
だが、2人のことは信じてるんだろ?」
そう言って
「お前はお前が思っているほどひとりぼっちじゃない。
いずれすぐにお前の道は俺たちの道と交わる。その時にお前に信用してもらえるようにせいぜい頑張るさ、大人として、な」
そう言って
「それがあれば限度額なら公共機関にも乗れるし買い物もできる。便利だぞ」
そして
「『カ・ディンギル』!」
「ん?」
「フィーネが言ってた。『カ・ディンギル』って……。
それが何なのか分からないけど、そいつはもう完成しているみたいなことを……」
「そうか……情報感謝する。では、また会おう。
そこの2人、説教は今回のことが終わるまでお預けだ。早めに戻れよ」
それだけ言うと、
「さて……俺たちも戻るか」
「そうだね……あ、そうだ! クリスちゃん今日からウチに泊まりなよ」
「はぁ!? 何言ってんだよ
「だってどうせ師匠にはバレちゃってるんだし、
「そうだな。どうせバレてるならもう俺たちのところで問題ないだろ?」
「
俺たちの言葉にしばし考えていたクリスだが、やがて少し顔を赤くしながら頷く。
「じゃあ、世話になる……」
「うん! これからお泊り会だね!
あっ、未来も呼ぼうよ!」
「ほどほどにしとけよ、響」
そう言って俺たち3人も揃って街へ向けて移動を始める。
「……ありがとな」
クリスの小さな声が耳を打つ。俺と響は顔を見合わせ微笑むと、そのまま3人で未来の待つ街へ移動を始めたのだった……。
今回のあらすじ
SHADOW「ツヴァイウイングのライブを守る男、地獄からの使者『仮面ライダーSHADOW』!!」
キネクリ「お、お前らを助けに来たわけじゃないんだからな!」
ビッキー「ナイスツンデレ。 本当にクリスちゃんはチョロインだなぁ」
SHADOW「というわけでお宅訪問の時間だコラァ!!」
ビッキー「ちなみにこの辺りのシーンはクロマティ高校の前田家のイメージまんまらしいよ」
キネクリ「お前らいい加減にしねぇとマジで殴るぞ……」
SHADOW「いや、そうでもしないと一人で突撃かましてバッドエンドとか十分ありえるし」
ビッキー「ほら、クリスちゃん無鉄砲そうだし」
キネクリ「無鉄砲の王様に言われてマジでショックなんだが……」
SHADOW「とにかく、大ショッカーの基地に行くんだ。俺たちもいくぞ!」
フィーネさん「だから大ショッカーって何なのよ!!」
OTONA「俺のHAKKEIの見せ場が削られたんだが……」
ビッキー「もう師匠には全部バレてるし、家に連れ帰っていいよね。野良クリス拾ったので虐待してみることにした」
キネクリ「風呂場に連れ込みお湯攻めからだな(ワクワク」
SHADOW「完全に調教されてて、もうチョロ過ぎて笑いしか出てこない」
今回は半分日常回のような普通(当社比)の回でした。
次回からは無印編最終決戦に向けた話となります。
次回もよろしくお願いします。