それでも月は君のそばに   作:キューマル式

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第22話

 どうしてこうなった……そんな思いがフィーネの胸中を埋め尽くす。

 

 『カ・ディンギル』は完成した。

 二課にとって決して無視できない通信網の要である東京スカイタワーへと大量のノイズを出現させ二課の戦力を分散、通信システムを遮断し陸の孤島となった二課直上リディアン音楽院に同じく大量のノイズを出現させることで二課の残った戦力も釣り出し、あとは本部最奥で保管中である『レーヴァテイン』を『カ・ディンギル』のパワーソースとすべく奪取するだけだ。

 残った戦力は風鳴弦十郎のみ。だがそれも立花響の症例を研究することで完全聖遺物である『ネフシュタンの鎧』との融合を果たし、その力を完全に、そして強化した形で扱うことのできる自分の敵ではない。

 すべては計算通り、今度こそ数千年に渡る宿願が成就される……そのはずだった。

 しかし現実は……。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

「がはっ!?」

 

 気合いの籠った声とともにフィーネの腹に弦十郎の拳が突き刺さる。衝撃にくの字に折れ曲がる身体。そこに間髪入れず鋭い蹴りが突き刺さりフィーネの身体が吹き飛んだ。

 もうフィーネがその身に受けた衝撃は2桁では数え切れないだろう。『ネフシュタンの鎧』の再生能力がなければとっくの昔に死んでいる。

 完全な誤算としか言いようがない。

 確かに弦十郎の強さはフィーネは知っていた。しかしそれはあくまで『生身の人間としては』という認識だ。まさか完全聖遺物を凌駕するほどの生身の人間がいるなど常識的に考えているわけがないのだ。

 だが、どんなに常識的に考えてありえなくても、目の前に存在する現実は非情である。

 

「……まだやるかい?」

 

「……元気いっぱいよ!」

 

 短い時間で身体を最低限回復させたフィーネが飛び起きる。『ネフシュタンの鎧』から伸びる棘のムチを弦十郎へと振るった。

 

「はぁっ!!」

 

 しかしそれを掻い潜って接近した弦十郎の拳がフィーネに突き刺さり、再びフィーネは吹き飛ばされる。

 再び床に転がるフィーネ。痛みがアラートのように、脳に戦闘停止をがなり立てる。

 だがフィーネはそれを完全に無視し、歯を食いしばりながら立ち上がった。

 

「私は……諦めるわけにはいかんのだ!!」

 

「了子……何がお前をそうさせるんだ?」

 

 どれだけ打ちのめされようと立ち上がるフィーネに、ただならぬ気迫と覚悟を感じた弦十郎は思わず問う。

 そこには未だに自分を気遣うような心が見え隠れし、フィーネは心の中で苦笑した。

 

「古今東西、女が狂う理由はたった一つ……愛のためだ。 遠い過去に置き去りにした愛のため……私は立ち止まるわけにはいかない!!」

 

 言って再び戦闘態勢を整えるフィーネだが、その頭の中では弦十郎への勝利の方法を高速で計算する。

 いかに規格外でも弦十郎は人間だ。ならばノイズが一番効果的だが、肝心のノイズを操る『ソロモンの杖』は戦闘開始と同時に真っ先に警戒されて弾き飛ばされて通路の天井に突き刺さっている。

 当然弦十郎も『ソロモンの杖』は最大限の警戒をしており、回収は事実上不可能だ。

 

(他に、他には何かないのか!?)

 

 そして視線を巡らせると、その視界の端に丈太郎とリディアン音楽院の生徒3人の姿が映る。

 ネフシュタンのトゲのムチに締め上げられたことでそこらじゅうの骨にヒビを入れられた丈太郎が苦悶の表情でうずくまり、残った3人はそれを気遣いながら目の前で展開される埒外の光景に目を白黒させていた。

 

(これだ!)

 

 逆転の一手はこれしかない。そう考えながら顔を上げるフィーネ。しかし、その様子から弦十郎はフィーネの考えを素早く察する。

 

「彼らを人質に取るつもりか?」

 

「何っ?」

 

「俺は職業柄、そういう外道は何度も見てきた。だからそういう外道な考えは匂いで分かる!」

 

「だとしてもぉぉぉ!!」

 

 フィーネがムチを伸ばす。

 

「ふんっ!!」

 

 だが弦十郎はその鋼鉄をも両断するムチを素手で掴むと、そのままフィーネを引き寄せた。そして拳の連打をフィーネに叩きつける。

 その衝撃にフィーネは吹き飛ばされるとそのまま壁へとめり込んだ。

 

「がはっ!?」

 

 盛大に血を吐くフィーネ、それを見下ろしながら弦十郎は再び問う。

 

「……まだやるかい?」

 

 ボロボロになり、誰の目から見ても勝敗は明らかだ。しかし……そんな中、フィーネは嗤う。

 

「かかったわね、弦十郎くん……」

 

「何?」

 

「何の策もなく、私が飛び掛かったと思うの?

 違うわ、これは私の勝利の方程式。 あなたは私との知恵比べに負けたのよ!」

 

 その時、背後から悲鳴が上がった。

 

「きゃぁぁぁ!!」

 

「なにこれ!?」

 

「う、動けません!?」

 

 弦十郎が振り返れば、そこでは弓美、創世、詩織がネフシュタンのムチに締め上げられていた。

 そのムチの出所に目をやると……。

 

「ダクトだと!?」

 

「この施設の設計は誰がやったと思っているの?」

 

 いま飛び掛かり、弦十郎によって返り討ちにあったように見えたのはすべてフィーネの計算通り。吹き飛ばされその壁にめり込んだところで、そこに通っている通気ダクト内をネフシュタンの鎧のムチを伸ばし、3人を締め上げて人質にとったのである。

 

「そこまで……そこまで外道に堕ちたのか了子!」

 

「うるさい! 動くな!動けばあの小娘どもがどうなるか……分かるな?」

 

「……」

 

 弦十郎はフィーネの言葉に従って構えを解く。

 それを見てフィーネは、まずはソロモンの杖をもう一方のムチを伸ばして回収する。

 そして……そのムチでそのまま弦十郎のわき腹を貫いた。

 

「いやぁぁぁぁ!!」

 

「し、司令っ!?」

 

 その光景を見た弓美が悲鳴を上げ、丈太郎は激痛の走る身体に鞭打って駆け寄ろうとする。

 しかしそんな丈太郎を、身体を貫かれ口とわき腹からおびただしい血を溢れさせながらも不動で立ち続ける弦十郎が手で来るなと制する。

 

「……お前の要求は呑んだ。 さぁ、彼女たちを解放しろ」

 

「……ふん」

 

 フィーネは3人を拘束しているムチを解き、弦十郎を貫くムチを引き抜く。

 

「司令!?」

 

 すぐに丈太郎が駆け寄り、3人も困惑しながらも自分たちのために弦十郎が傷を負ったことを分かっていたので駆け寄ってきた。

 

「小娘どもたった3人の命を無視するだけで私を止められたというのに……最後まで甘さは変わらなかったわね、弦十郎くん。

 殺しはしない、その甘さの結末を生きて見届けるがいい」

 

 そう言って背を向けようとするフィーネ。

 だがその背中に声が掛けられる。

 

「あんた……負けるわよ」

 

「何?」

 

 振り返ってみればその声の主は先ほどまで悲鳴を上げ震えていた弓美だった。

 ここまでまるでジェットコースターのように状況がコロコロ変わり、今までの常識では知りえないはずの光景と体験を連続して味わった弓美。

 当然、埒外の出来事にひどく混乱しひどく怯えた。だがそれがついに限界を超え、逆に思考がクリアになったのだ。『覚悟が決まった』ともいう。

 それに、自分たちを助けるためにその身を差し出した弦十郎をあざ笑うかのような、この悪の秘密結社の女幹部にはアニメ・ヒーローファンとして一言言ってやりたかったのだ。

 

「私は何が起こってどうなってるのか何一つ分からないけど、確実に分かることがある。

 それは弦十郎(この人)が『正義』で、あんたが『悪』だってこと。

 教えてあげる。 『悪』は必ず、『正義』に負けるのよ」

 

 そんな言葉をフィーネは嗤った。

 

「『正義』だと? これは傑作だ。いや物の道理を知らぬ小娘らしいと言った方がいいか?

 お前の言う『正義』など、金と状況でいくらでも変わる虚ろいやすい『幻想』に過ぎない。私はそれを数え切れないほど見てきた。

 そんな『幻想』になんの意味がある?」

 

「それはあなたが本当の『正義』を見たことがないだけよ。

 金や状況? そんなもんで変わりゃしないわ、本当の『正義』ってやつは」

 

「ならば、私を滅ぼす本当の『正義』とやらの出現を震えながら祈っているのだな」

 

 そう言ってフィーネは背を向けて歩き出した。

 

「ぐっ!?」

 

「司令!?」

 

 フィーネを見届けると、弦十郎が膝から崩れ落ちる。

 

「カスみん、どうすればいい!?」

 

「とりあえず司令部まで運ぼう!」

 

 弦十郎の傷をハンカチで押さえながら聞いてくる創世に答え立ち上がった丈太郎だったが、こちらも傷が響き崩れそうになってしまう。

 

「あんたも怪我してるんだから無茶しないで!」

 

 言って弓美が丈太郎を支え、創世と詩織が弦十郎を支えた。

 

「行先を指示して。 私たちだってこのくらいのことは出来るから」

 

「ありがとう……」

 

 少女たちに支えられながら、一行は司令部へと向かう。

 そして傷付いた弦十郎と丈太郎を支え、弓美、創世、詩織が司令部へと到着した。

 

「丈太郎くん!」

 

「慎義兄(にい)さん、俺よりも司令が大変なんだ!」

 

 いの一番に一行に気付いたのは緒川だった。義理の弟となる予定の丈太郎のことを気遣うものの、すぐに弦十郎の傷に気付いた。

 

「応急処置をお願いします!」

 

 血塗れの弦十郎の姿に誰もが驚きつつ、オペレータの一人であるあおいが素早く動き、緒川とともに処置していく。

 

「痛ぅ……」

 

「霞野くんは大丈夫なの?」

 

「ああ、多分アバラが何本かやられてるけど司令ほどの傷じゃないよ」

 

 そう言いながら弓美に支えられた丈太郎は手近な椅子に腰かけた。

 一応の一段落がついた弓美たち3人、そこに声が掛けられる。

 

「皆っ!」

 

「小日向さんっ!」

 

 それは避難誘導の時に別れた未来だった。

 

「よかった……みんなが無事で」

 

「そっちこそヒナが無事でよかったよ」

 

 抱き合い無事を喜び合うと、お互いの今までを話し合う。

 

「それで外で気絶して倒れてたところを緒川さんに助けてもらったんだ……」

 

「こっちは悪の女幹部が現れたりで何が何だか……まるでアニメよ」

 

「それで弦十郎さんがあんな大怪我を……」

 

 痛ましそうに治療を受ける弦十郎を見る未来。

 

「あれ? 小日向さん、あの人のことを知ってるんですか?」

 

「それは……」

 

 弦十郎のことを知っていることに疑問を持った詩織が小首を傾げながら尋ねると、機密もあってどう言ったらいいものかと未来は返答に窮する。

 そこに横から丈太郎が助け舟をだした。

 

「ああ、未来ちゃんは民間協力者の一人だ。

 ここのことも、もちろん司令や俺のことも知ってるよ」

 

「未来が民間の協力者!?」

 

 驚きの声を上げる弓美と、同じく驚きを隠せない創世と詩織。

 

「機密だから教えられなかったの。 ごめんね」

 

「それは分かるけど……何で未来が政府機関の協力者になったの?」

 

 弓美からの再びの核心をつく質問に、再びどう答えたものかと未来が思ったその時だった。

 

 

ビーーー! ビーーー!! ビーーー!!!

 

 

 がなり立てるアラートに、未来たちは何事かと視線を向ける。

 すると主電源が切れたのかすべての機器の電源が落ち、非常灯の淡い光だけが司令部を包む。

 

「クソ、内部からハッキングされてすべてのシステムが掌握された!

 こんなことができるのは了子さんくらいしか……」

 

 焦った口調のオペレーターの朔也の言葉。その言葉に、応急処置を受けていた弦十郎が身を起こす。

 

「遺憾ながら本部施設を放棄する! 全員脱出だ、最低でもシェルターまで避難するんだ!!」

 

 弦十郎の言葉に司令部が慌ただしく退避準備にかかり、未来たちもそれに合わせて移動を始めるのだった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「これで終わりだ!! シャドーキック!!」

 

 シャドーキックが炸裂し、ノイズが炭素の塊へと還っていく。すぐにシャドーセンサーで周囲を探るが、そこにはノイズの反応はなかった。

 

「やっと終わったか……」

 

「ノブくん……」

 

 俺が息をつくと、一緒に戦っていた響が俺の元に駆け寄ってくる。

 俺たちは変身を解除すると周囲を見渡した。

 

「学校が……リディアンが……」

 

 響が呆然と呟く。

 目の前に広がるのは瓦礫の山。ここが数時間前までは皆で笑い歌った、日常の象徴であった学び舎だと信じたくはないのだろう。

 俺は震える響の肩をソッと抱く。

 

「ノブくん……」

 

「大丈夫だ。学校は壊れても大切な未来も友達もきっと無事だ。

 だから……」

 

「……うん」

 

 響は溢れだしそうになる涙を拭うと、キッと前を向いた。

 その時、俺は殺気と敵意を感じてそちらを睨み付け、響もその方向を向く。

 そこにいたのは、髪を解いた了子さんだった。

 

「了子さん、無事だったんですね!」

 

 思わず駆け寄ろうとする響を、俺は手で制する。

 

「? ノブくん?」

 

 響は何をするのかと目で問いかけてくるが、俺はそれには答えない。

 さっきから俺の中のキングストーンが『敵だ』と囁き続けている。

 それを証明するように強化された感覚があるものを察知して、俺は抑え込むように低い声で了子さんに聞いた。

 

「了子さん……血の匂いがするぞ。

 しかもこの匂いはあんたのじゃない。 弦十郎(おやっさん)の匂い……それは弦十郎(おやっさん)の血か?」

 

「えっ?」

 

 俺の言葉に驚いた顔をする響。そして、そんな俺たちの反応に対する答えは狂ったような哄笑だった。

 そして了子さんが光に包まれると、その姿が変わった。

 クリスの纏っていた『ネフシュタンの鎧』、クリスとは違い黄金に変わったその鎧を身に纏い、響とクリスの戦いの時に現れた金の髪の女……フィーネの姿へと変わっていたのだ。

 これで決定的だ。了子さんの正体こそ、この事件の黒幕であり大ショッカーの一員のフィーネだったのだ。

 だがそれでも一年以上、俺も響も付き合ってきた相手だ。簡単には割り切れず、俺は続けて問いを投げかける。

 

「何が目的だ、了子さん!!」

 

 だが、それにさも当然と了子さん……フィーネは答えた。

 

「知れたこと、再び世界を一つに束ねる!

 そのために今宵、月を破壊するのだ!」

 

 迷いが一遍も感じられないその言葉に、俺は心の中で理解した。

 

(駄目だ……『世界征服』という大ショッカーの目的をこんなにも迷いなく言うなんて……。

 彼女はもう俺たちの知る了子さんじゃない。完全に大ショッカーの一員、『フィーネ』だ)

 

「……残念だよ、了子さん。

 でも……例えあんたが相手だろうが、そんな真似はさせはしないぞ!!」

 

「止められるとでも? この私を、そしてこの『カ・ディンギル』を!!」

 

 その瞬間、地鳴りと共に大地が大きく揺れる。

 

「何!? 地震!?」

 

「いや、これは地震じゃない!」

 

 地震に似ているが違う。地下深くで途方もなく大きなものが蠢き、地上に這い出ようとしているのを俺は感じていた。

 

(まさか……キングダークが出て来るのか!?)

 

 そう考え身を固くした俺だが、瓦礫の山と化していたリディアン校舎を粉々に吹き飛ばしながら現れたのは、巨大な塔だった。

 

「これが『カ・ディンギル』なのか?」

 

「収束荷電粒子砲『カ・ディンギル』……二課のエレベーターシャフトを砲台とし、『レーヴァテイン』をパワーソースとしたこの魔塔からの一撃によって、月を穿ち破壊する!!」

 

 ……なるほど、ゴルゴムが造っていた超兵器『ソーラービームキャノン』の強化版のようなものか。

 どちらにせよ、やるしかない。

 

「響!」

 

「……わかってるよ、ノブくん!」

 

 バッと慣れ親しんだ、身体を丸めるようにする動きをとる。握り締めた拳で、皮手袋がギリギリと音を立てる。そして……。

 

「変……身ッッ!!」

 

 キングストーンの放つ緑色の光、その中でキングストーンの強大なエネルギーが全身に駆け巡ると俺は仮面ライダーSHADOWへと変身を果たした。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron……」

 

 同じく歌声とともに、響がシンフォギアを纏う。

 そんな俺たちを、フィーネはあざ笑った。

 

「『仮面ライダーSHADOW』、そして予期せぬ聖遺物との融合症例『立花響』……お前たちは私の計画にとってイレギュラーだ。

 だが……仮面ライダーSHADOW、お前はまだ傷が癒えず万全には程遠い状態だということは知っている。

 そして立花響、お前のシンフォギアごときではこの完全聖遺物である『ネフシュタンの鎧』には敵わん。

 私の勝ちは揺るがないのだ!」

 

 言って、フィーネはソロモンの杖を使い、大量のノイズを召喚した。

 だが、その軍勢を見ながら俺と響は構えをとって言い返す。

 

「そんなことはやってみなくちゃ分からない! 行くぞ、響!」

 

「うん!!」

 

 そして俺と響は同時に地を蹴った……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 何とか避難所にたどり着いた二課の一行は、すぐに電源やモニターの確認に動き出す。

 

「モニターの再接続完了、こちらから操作できそうです」

 

 朔也が報告しながらテーブルの上の情報端末を操作すれば、モニターに外の様子が映し出された。

 せり上がった巨大な塔の前に対峙するフィーネと、信人と響。

 

「ビッキーとノッブ!? 何であんなところに!?」

 

「大変です、早く助けないと!?」

 

 創世と詩織がそう口々に言うがその時、モニターの中の2人が光に包まれたかと思うとその姿が変わる。

 

「響のあの姿!? それに……月影くんが仮面ライダーSHADOW!?

 未来はこのことを……!?」

 

 そう問われ、未来は無言で頷くとそれを弦十郎が継いだ。

 

「信人くんはSHADOWに変身する超能力のような力で、そして響くんはあの特殊な装備でノイズと戦う我々の仲間だ。

 そのことで未来くんには民間協力者として協力してもらっていたのだ」

 

 そして端末の操作を続ける朔也に問う。

 

「奏たちとは連絡はつきそうか?」

 

「……駄目です、外部への通信に関しては復旧は……」

 

「そうか……」

 

 それだけ呟くと、弦十郎はモニターへと視線を戻した。

 

「すぐの増援は見込めない。たった2人での戦いだ。

 だが……すべての命運は君たちに託す。 頼むぞ、信人くん、響くん!」

 

 その声が静かに避難所へと響いたのだった……。

 

 




今回のあらすじ

フィーネさん「どうしてこうなった! どうしてこうなった!!完全聖遺物を凌駕する生身とか、もう完全にギャグの領域でしょこれ!」

SHADOW「というか、下手するとOTONAの存在のせいでシャドームーンが登場してもチートにならないパワーバランスというのがもうね」

OTONA「まだやるかい?」

フィーネさん「げ…元気イッパイだぜ…」

弓美「あの悪の女幹部、花山VSスペックばりにボコボコにされてるんだけど……」

フィーネさん「私は諦めない!」

ビッキー「ここだけ切り取るとプリキュアのセリフみたいに見える不思議」

SHADOW「最新のブラック家族の奴が何を言ってるか」

フィーネさん「これ、人質でもとらないと勝ち目ないんだけど……」

OTONA「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!」

フィーネさん「思った段階でバレている!?」

OTONA「オラオラオラオラオラオラオラオラァァッ!!」

フィーネさん「かかったなOTONA! これが我が逃走経路だ!
       貴様はこのフィーネとの知恵比べに負けたのだ!!」

OTONA「人質とられて負けたんご」

SHADOW「ぶっちゃけ、こうでもしないとOTONAがフィーネに負けるヴィジョンが見えない……」

弓美「金や状況で正義が変わる? 変わりゃしませんよ、本当の正義ってやつは(ドヤァ」

キネクリ「アニメ版住めば都の最終話の名セリフじゃねーか。まーたあの作者は誰も知らなそうな名セリフを使う……マイノリティー攻めすぎだろ」

奏「これ、初見で何のセリフか分かった奴いるのか?」

防人「作者としてはいると信じたいらしいが、かなり古いしそこまで有名でもないから、アニメマニアの弓美に言わせたそうだ」

SHADOW「作者はあの作品……というかあの作者の作品は全般的に大好きだからな。緩いハーレムにギャグ、そのくせしっかり熱血するところは熱血して感動させてくれるし。
    住めば都は小説版・漫画版・アニメ版すべてが違う結末で、すべてが面白かったと作者は絶賛してるぞ」

ビッキー「ちなみに仲間内で『CV釘宮 理恵のキャラ』って話になったとき、作者は迷うことなく真っ先に『エーデルワイス』と答えてたよ」

キネクリ「そこまで絶賛だと逆に怖いんだが……」

393「3人とも無事でよかった……」

弓美「なんかアンタ、変身ヒーローが事件起こると突然姿が見えなくなって終わったらシレっと戻ってくる感じになってるわよ」

ビッキー「学校が崩壊してる……」

SHADOW「大丈夫、きっと皆無事だぞ(肩抱き)」

ビッキー「ノブくん♡」

フィーネさん「はいはい、隙あらばイチャつくんじゃない!」

SHADOW「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!(本日二回目)」

フィーネさん「またなの!?」

SHADOW「……でもぶっちゃけ、シャドームーンの嗅覚センサーとかならこれまでで不自然な血の匂いとかで犯人がフィーネだともっと早く気付きそうだとは書き終わってから思ったらしい」

フィーネさん「世界を一つに!」

SHADOW「やはり大ショッカーか!! ゆ゛る゛ざん゛!!」

フィーネさん「いでよ『カ・ディンギル』!」

SHADOW「キングダークかな(ワクワク」

フィーネさん「……申し訳ないけど普通の荷電粒子砲なんで変形はしないわよ」

OTONA「頼むぞ、2人とも」


3人はまだ到着せず、2人だけで最終決戦に突入します。
次回もよろしくお願いします。

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