それでも月は君のそばに   作:キューマル式

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第23話

 迫り来る大量のノイズたち。その軍勢を前に俺と響は臆することなく飛び掛かる。

 

「はぁ!!」

 

「たぁ!!」

 

 ノイズたちは俺や響の敵ではなく次々に砕け散っていくが、いかんせん数が多い。自らの損害を考えない、後から後から続く波状攻撃を仕掛けてくる。

 

「きゃっ!?」

 

「響!?」

 

 響の短い悲鳴、見れば響がいつかと同じようにトリモチノイズの吐きだしたトリモチに絡めとられている。

 

「シャドーフラッシュ!!」

 

 キングストーンエネルギーが放射され、響を拘束していたトリモチが消え去ると響はそのまま残ったノイズたちへと躍りかかる。

 しかし先ほどトリモチに絡めとられたことといい、響の動きには明らかな疲れの色が見れる。

 無理もない、ノイズたちのリディアン襲撃からこっち、数時間以上戦いっぱなしの状態なのだ。その蓄積された疲労はかなりのものだろう。

 

(……もっとも、俺も人のことは言えんがな)

 

 かく言う俺も連戦と、それに何よりキングストーンが未だ修復中で万全な状態でないことによって身体に溜まったダメージはかなりのものだ。

 

(だがこの戦い、退くことはできない!)

 

 フィーネは今までノイズを使い、多くの人々を恐怖のどん底に陥れ殺してきた大ショッカーの一員だ。なんとしてもここで倒さなければ、もっと多くの悲しみが生まれることになる。

 そしてその気持ちは響も同じなのだろう。響の握る拳には、その心がよく現れているのが分かる。

 そんな俺たちの攻撃に思ったよりも数段速くノイズたちを全滅させ、俺と響はフィーネの目前へと到着した。

 

「さぁ了子さん……いや、フィーネ! 無駄な企みは捨て、観念してもらおう!」

 

「了子さん! もうやめて下さい!!」

 

 俺や響の呼び掛け、だがフィーネからの答えは嘲笑だった。

 

「私の勝ちだ!」

 

 その瞬間、再び地鳴りのような音が周囲に鳴り響く。

 

「これは!?」

 

「お前たちが雑魚の相手をしている間に『カ・ディンギル』のエネルギーチャージが完了した!

 後は微調整を行えば『カ・ディンギル』は発射される!」

 

 巨大な砲、『カ・ディンギル』にエネルギーの収束を感じる。フィーネの言うように発射間近のようだ。

 

「ちぃ! あの塔を破壊する!!」

 

 俺はバイタルチャージからのシャドーキックで『カ・ディンギル』を発射前に破壊しようと考えたが、その瞬間ゾクリとキングストーンからの『直感』が俺の身体を駆け巡った。

 『このままシャドーキックを放ったらとんでもないことになる』……そんな俺の嫌な予感を証明するかのようにフィーネが言った。

 

「おっと、『カ・ディンギル』の破壊はよく考えた方がいいぞ、仮面ライダーSHADOW。

 すでに『カ・ディンギル』のエネルギーチャージは完了した。今の『カ・ディンギル』は膨大なエネルギーを蓄積した火薬庫に等しい。それもお前を殺しかかり、一撃で沿岸の工場地帯を破壊しかかったあの『レーヴァテイン』の、すべてを破壊せしめるエネルギーを使っているのだ。

 そんなものを無理矢理破壊してみろ、溢れだしたエネルギーはすべて周囲に解き放たれる。そうすればこの一帯は完全に吹き飛ぶだろう。

 シェルターに避難した者はもちろん、お前が大切にするその小娘も死ぬことになるだろうな!」

 

 その言葉は間違いではないだろうことが俺には分かった。

 

「時間稼ぎをされ、エネルギーチャージを許した段階で俺たちの負けだったというのか!?」

 

「そういうことだ、仮面ライダーSHADOW!」

 

 フィーネの嘲笑、その事実に俺は歯噛みする。そんな俺を響が見ていた。 

 

「ノブくん……」

 

 不安そうな響の顔。そんな顔は響には似合わない。

 俺は考えを巡らせた。

 

 『カ・ディンギル』が発射されれば月は破壊され、フィーネの企みは成就する。

 『カ・ディンギル』を破壊すれば響を含め、この一帯のすべての人が死んでしまう。

 ならば……俺は覚悟を決める!

 

「響……俺があの砲撃を止める!」

 

「何する気なの、ノブくん!」

 

 何かを感じ取ったのか心配そうな響の声に、俺は笑って答えた。

 

「大丈夫だ! 必ず俺が何とかしてみせる!!

 俺に任せろ!!」

 

 グッと構えをとって、俺は叫んだ。

 

「バイタルチャージ!!」

 

 キングストーンエネルギーが身体中を駆け巡り、俺の全身から緑色のオーラが吹き上がる。

 

「トォォォォ!!」

 

 そして俺は一度しゃがむようにし、地面を手で叩くようにして全力のジャンプ……いわゆるRXジャンプをする。

 その瞬間、俺は音の速度を超えて天に駆け上がった。

 ジャンプからおよそ3秒ほどで大気圏を突き抜け、俺は宇宙空間へと飛び出す。そして身体を反転させ、月を背に眼下の青く輝く地球を睨んだ。

 俺のマイティアイにははっきりと、『カ・ディンギル』の姿が見て取れる。

 

 エネルギーの発射前に『カ・ディンギル』を破壊すれば、行き場を無くしたエネルギーが暴走する。

 発射されれば、月が破壊されフィーネの企みは成就する。

 この双方を解決する方法はたった一つだ。

 

(発射されたエネルギーに俺の全力のシャドーキックで正面からぶつかり、すべて弾き飛ばして月の破壊を阻止する!!)

 

 『カ・ディンギル』を発射させつつ、それを防ぎ月の破壊を阻止するのだ。

 万全の状態でも可能かどうか分からないというのに、今のキングストーンが傷付いている状態でそんなことをするのは無謀極まりないことは重々承知だ。

 しかも『カ・ディンギル』は俺をも殺せるだろう『レーヴァテイン』のエネルギーを収束して放つ砲だ。放たれる『レーヴァテイン』のエネルギーはあの時響が使ったものとは比べ物にならないだろう。

 だが、それでも!

 

(多くの人々のため、そして何より響や未来や仲間のために俺は命を賭ける!!)

 

「レッグトリガー、フルパワー!! バイタル・フルチャージ!!」

 

 俺は両手を広げ叫ぶ。キングストーンエネルギーが全身を駆け巡り、俺の全身を緑のオーラが包み込む。

 同時に、地上から『カ・ディンギル』が発射された。

 

 

「シャドーキックッッ!!」

 

 

 俺は(みどり)に輝く流星となりながら、『カ・ディンギル』から放たれたエネルギーの奔流と正面から激突した。

 

「ぐぁぁぁぁ!!?」

 

 瞬間、凄まじい負荷が俺の身体を襲った。レッグトリガーとエルボートリガーが負荷に耐え切れずに粉々に砕け散り、全身のシルバーガードの装甲にヒビが入っていく。

 エネルギーの奔流は容赦なく俺を襲い、今にも意識を手放しそうな激痛が俺の全身をくまなく襲う。

 だが、逃げるわけにはいかない!

 ここで俺が退けばフィーネの企みは成就され、響たちの未来(みらい)に暗い影が落ちることは確実だ。そんなことは絶対にさせない。

 それに……月を司る『影の王子』である俺が、月を破壊するなどという暴挙を許すわけにはいかないのだ!

 

「月よ、俺に勇気を与えてくれッ!!」

 

 背にした月へと俺は吼えて、持てる力のすべてを絞り出す。

 

 

 その時、不思議なことが起こった。

 

 

 遮る物のない宇宙空間、そこにいる俺に月の光が集中すると俺のシャドーチャージャー、そこに納められたキングストーンへと月の光が集まり、キングストーンが光を放つ。

 そして、キングストーンが瞬時に完全修復され、俺の身体に活力が蘇ってきた。

 仮面ライダーBLACKの進化した姿である仮面ライダーBLACK RXには、太陽の力を溜めておきいざという時に身体を急速に回復させる『サンバスク』という器官が備わっていた。

 それと同じことが遮る物のない宇宙空間で月の光を浴びることで起こったのだ。

 

「おおおぉぉぉぉぉ!!」

 

 力を取り戻した俺のシャドーキックが、『カ・ディンギル』のエネルギーと拮抗する。

 だがここまで来てあと一手、『カ・ディンギル』のエネルギーを弾き飛ばすには一手が足りない。

 

「くそぉ! 響! 未来! みんな!」

 

 俺の脳裏を、俺の大切なものたちが通り過ぎて行く。

 そんな中でクリスの顔を思い浮かべた時、俺の脳裏に煌めくイナズマが走った。

 

「バカ『2号』?」

 

 クリスの俺に対する呼び名だ。

 響を『バカ1号』と呼んでいたからそれに懸けているのだろうが、この俺にとってはこれは別の意味を持つ。

 この世界で俺だけが持つ『仮面ライダーの記憶』……その中にある始まりの2人、赤いグローブの男……すなわち『仮面ライダー2号』!

 それこそが現状を打開する突破口だ。

 

「これだ!!」

 

 叫んで、俺は回転を始める。すると『カ・ディンギル』のエネルギーの奔流が、その回転によって弾かれていく。

 

(2号ライダー、その技借ります!!)

 

 これこそは始まりの仮面ライダーの1人、力を司る『2号ライダー』の必殺キック。

 それは!

 

 

 

「シャドー卍キックッッ!!」

 

 

 

 ドリルのように回転し、『カ・ディンギル』のエネルギーの奔流を弾き飛ばしながら、流星と化した俺は地上へと突き進んでいく。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 天に向かってそびえ立つ魔塔『カ・ディンギル』。そこから禍々しい紅い光が発射される。その光に響は身震いした。

 『レーヴァテイン』によって暴走したときの記憶は響にはない。だが、身体はその力を確かに覚えていた。だからこそ、その力が何となく分かる。

 あの光は信人を、『仮面ライダーSHADOW』を殺し、月を破壊するに足るほどの力だ。

 

「アハハハハハ! これで私の願いは成就される!!」

 

 フィーネの狂ったような笑い声、だが響はこれで終わりとは思っていない。

 

(ノブくんは『任せろ』って言ってくれた。 なら……必ずノブくんが何とかしてくれる!!)

 

 そしてそんな響の信頼に応えるように(みどり)に輝く流星が地上へ向かって落ちてくると、それが『カ・ディンギル』から放たれたエネルギーと正面からぶつかり、そのエネルギーを押し留めている。

 その(みどり)に輝く流星が何なのか、響にはすぐにわかった。

 

「ノブくん!?」

 

「バカな!? 月をも破壊する『カ・ディンギル』のエネルギーをたった1人で押し留めているだと!?」

 

 しかし、響とフィーネの前で(みどり)に輝く流星はだんだんと小さくなっていく。それは信人が追い詰められている証だ。

 

「ああ、ノブくん!?」

 

「ハハハ! そうだ、『カ・ディンギル』のエネルギーを貴様如きが押し留められるものか!

 そのまま月とともに粉々に砕け散れ、仮面ライダーSHADOW!!」

 

「ノブくん、ノブくん!」

 

 フィーネの声が響く中、何もできない響は信人の無事だけを祈る。その響の祈りが届いたかのように、消えつきそうだった(みどり)の光がその輝きと大きさを取り戻す。

 

「『カ・ディンギル』のエネルギーと拮抗したというのか!?」

 

 驚愕するフィーネ。そしてそんな中、(みどり)の流星はまるでドリルのように回転を始める。

 その回転で『カ・ディンギル』のエネルギーの奔流を弾き飛ばしながら、(みどり)の流星は地上へと降ってきた。

 

「ま、まさか!?

 やめろぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 その狙いに気付いたフィーネの声。だが、それを無視して(みどり)の流星は魔塔『カ・ディンギル』へと突き刺さった。

 エネルギーを放出し尽した砲身に(みどり)の流星が突き刺さり、大小さまざまな爆発が『カ・ディンギル』のそこらじゅうで起きる。

 そして轟音とともに『カ・ディンギル』が中ほどからへし折れ、崩れていく。

 

「バカな……カ・ディンギルが……。

 私の想いは、またも……」

 

「ノブくん!!」

 

 その光景に呆然と膝を突くフィーネをよそに、響は自分の大切な人の名を呼ぶ。

 すると、それに応えるように音が響いた。

 

 

 カシャ、カシャ、カシャ……

 

 

 特徴的な金属質な足音。

 爆発する『カ・ディンギル』を背に、その瞳を緑に光らせながら歩く白銀の身体。

 

「ノブくん!!」

 

 信人の無事を知り響の声に喜色が混じる。

 だが、そんな響の目の前でSHADOWは膝を折った。

 

「ぐっ……!?」

 

「ノブくん!?」

 

 慌てて駆け寄った響はSHADOWを支えようとするが……。

 

「熱ッ!」

 

 SHADOWの身体のあまりの熱に思わず手を引っ込める。

 『カ・ディンギル』の超エネルギーをその身に受け、さらに大気圏突入の際に生じた摩擦熱。それらの超高温に晒され続けたSHADOWの身体はそこらじゅうから燻るように湯気が立っていた。

 よく見れば綺麗な銀だったシルバーガードの装甲はそこらじゅうボロボロでヒビが入り、ところどころに赤熱化した影響で赤く錆のような変色をしてしまっている。

 そのダメージは計り知れないもので、さしもの信人も満身創痍の状態にまで追い詰められていた。

 

「ノブくん、すぐにお医者さんに……!」

 

 だがその時、それまで破壊された『カ・ディンギル』を見ながら我を失ったように呆然としていたフィーネが、幽鬼のようにユラリと立ち上がった。

 

「貴様が……貴様が私の『カ・ディンギル』を! 私の想いを!!」

 

 怒り狂った表情でムチをしならせるフィーネ。 

 

「許さん……貴様だけは絶対に許さん!!

 肉をそぎ落として八つ裂きにしてくれる!!」

 

 フィーネからムチが放たれ、それがSHADOWのシルバーガードの装甲に火花を散らす。

 

「ぐぁ!?」

 

 苦悶の声とともに吹き飛ばされ、瓦礫へと叩きつけられるSHADOW。

 

「ノブくん!? このぉぉぉ!!!」

 

 『カ・ディンギル』の超エネルギーに全力を出し切ったSHADOWはもう戦える状態ではない。

 それを見た響が前に飛び出すと、それ以上の追撃をやめさせるために拳を叩き込もうと接近する。

 振り上げられた響の拳、それがフィーネに届こうかという瞬間だった。

 

「響ちゃん!」

 

「ッ!?」

 

 フィーネの口から響の名前が呼ばれる。それは響のよく知る櫻井了子のもの。

 1年以上、色々なことでお世話になってきた人だ。それを認識した響の拳が止まる。

 そしてフィーネの口がニィっと釣り上がる。

 

「お前も風鳴弦十郎も、師弟揃ってその致命的な甘さは変わらんな!」

 

 下から掬い上げるようなムチの一撃を受けて、響の身体が宙を浮く。そこにフィーネの追撃が襲い掛かる。

 

 

『ASGARD』

 

 

 フィーネが発生させた六角形(ヘキサゴン)で構成された板状のバリア、それを響へと叩きつける。

 

「がはっ!?」

 

 まるで巨大なハエ叩きのようなそれで叩きつけられ、半ば地面にめり込む響。

 

「トドメだ!!」

 

 

『NIRVANA GEDON』

 

 

 いつかクリスも使ったエネルギー弾、クリスのものよりも明らかに大きなそれが4発同時に放たれ、それが倒れた響に襲い掛かる。

 響は回避はできないと咄嗟に腕をクロスさせ防御の態勢に入った。

 だが、それが響に襲い掛かることはなかった。

 

 

 ドンッ! ドンッ! ドンッ! ドンッ!

 

 

 連続した爆発音、そしてその爆炎が晴れた先には……。

 

「の、ノブくん!?」

 

 そこには両手を広げ、響の前に立ち塞がるSHADOWの姿があった。 

 SHADOWが満身創痍の身でありながら響を守るためにその身体を盾にしたのである。

 

「ぐ……うぅ……」

 

 光とともに、SHADOWが信人の姿へと戻っていく。

 

「ついに変身を維持する力も無くなったようだな!」

 

 嫌味ったらしい笑みを浮かべ、フィーネがネフシュタンのムチを振り上げる。

 

「私の積年の想いを壊した報い、その命で受けろ!!」

 

「や、やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 放たれたムチは鋭い槍のように信人に迫り、響の声が響く。だが、その凶刃は止まらない。

 

 

 ザクッ!

 

 

 生々しい音とともに、響の身体に生暖かい液体がへばり付く。

 響は自分の身体に付着した液体が何なのか、すぐに気付いていた。しかし響の脳が、心が、それを認識することを拒否している。

 だが、それでも目の前の現実は変わらない。

 

 その液体は……血だ。

 目の前でネフシュタンの鎧のムチが信人の胸を背中まで刺し貫いていた。地面はおびただしい量の赤で染まり、広範囲に血飛沫が広がっている。

 信人は腕を広げ、刺し貫かれたまま微動だにしない。まるで響にこの凶刃に触れさせまいと。

 そして響はこの状況を改めて理解して、身体を赤く染め上げた血が誰のものかを認識した。されてしまった。

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!! ノブくん!!!!!」

 

 響の悲鳴とともに、信人の胸に突き立ったムチが引き抜かれ、信人は血しぶきを上げながら倒れ込む。

 響は自身のダメージを無視して、倒れた信人へと駆け寄る。

 

「ノブくん! 待ってて、今お医者さんに!!」

 

「無駄だ、心臓を確実に貫いた。 確実に殺した」

 

 そんなフィーネの言葉を無視して傷口を抑える響だが信人の胸から溢れる血は止まらない。止まるはずがない。

 そんな中ゆっくりと血塗れの信人の震える手が響に伸びる。

 

「ひび……き……」

 

 だがその手は力なく地面に落ちる。

 同時に分かってしまう。信人から命が零れ落ちたことを……。

 

 

「あ……ああ……ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 涙とともに、どす黒い感情が決壊したかのようにあふれ出す。

 それと同時に響の体内のガングニールが響を浸食し、それに合わせるように響の身体が黒く変わっていく。

 

「ほぅ……体内の聖遺物との融合を促進し、力を得るか。

 獣に堕ちようと愛する男の仇を討とうとするとは……中々好感が持てる。

 だがしかし……所詮獣では人にはかなわん」

 

「アアアアアァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

 獣のような雄たけびを上げ、理性を完全に失った響はフィーネへと飛びかかる。

 響の目からは血のように赤い涙が流れ、それを月だけが見ている。

 

 

 

 仮面ライダーSHADOW、月影信人は死んだ。

 愛する者たちを守る長い戦いの末に死んだのだ。

 最早この世界を救う者はいない。少女の心を救う者もいない。

 このままフィーネの横暴に任せるしかないのか?

 誰がこの美しい世界を救うのだ……?

 

 




今回のあらすじ

SHADOW「おのれ大ショッカーめ、ゆ”る”さ”ん”っっ!」

ビッキー「とりあえず了子さんを殴って止めよう!」

フィーネさん「なんて見事な脳筋思考……それはそうとカ・ディンギルのチャージ完了、私の勝ちだ!」

SHADOW「完全にノイズを使った時間稼ぎにしてやられた……」

奏「まぁノイズの正しい使い方だわな」

SHADOW「こうなったらちょっと宇宙空間まで行ってカ・ディンギルのビーム蹴り倒してくるね」

防人「行けるんだ、宇宙空間……」

SHADOW「キネクリがミサイルで行けるのに、なんでSHADOWが行けないと?」

キネクリ「なんだその訳わかんねぇ理屈は」

SHADOW「ぬわーーっっ!!」

ビッキー「なんかノブくんがパパスみたいな声出してる!?」

フィーネさん「そりゃ原作より破壊力上だもの。よし、やれそこだ。頑張れカ・ディンギル!」

SHADOW「月よ、俺に勇気を与えてくれ!」

ビッキー「ここはBLACK RXのOPをイメージだね」

月「ええよ(ニッコリ」


そのとき、不思議なことが起こった


フィーネさん「それ反則でしょぉぉぉぉぉ!!」

SHADOW「ゲームとかでは全回復になってたりするしこのくらい普通普通。むしろRX形態にしなかっただけ、月さんはフィーネさんに配慮なさったと思うぞ」

フィーネさん「何のフォローにもなってないわ! って、ああカ・ディンギルがぁ!!」

奏・防人・キネクリ「「「これはひどい」」」

ビッキー「役に立ったのですよね?
     カ・ディンギルは!!
     フィーネさんの野望の糧になったのですよね!!!?(煽り)」

フィーネさん「何の成果も!! 得られませんでした!!
       ……って、これいくらなんでも酷いでしょ!? 二次創作界隈でもこんなのほとんど見たことないわよ!?」

防人「確かに……事前の妨害やら改心やらでカ・ディンギルが発射されない話も見たことあるが、カ・ディンギルが発射されながら月に傷一つ付けられなかったというのは……」

SHADOW「あのさぁ、俺は『月を司る影の王子』だよ。その力の源で象徴の月を傷つけさせると思う?」

キネクリ「確かに分かるが徒労感がすごい……というか、あたしと先輩の『絶唱』シーン完全に潰れたぞ」

ビッキー「『絶唱』? 何ですかそれ?
     食べ物ですか? 美味いんですか、それ?」

奏「ああ、この作品はもうそういうスタンスでいくんだ……」

フィーネさん「おのれSHADOW!!」

SHADOW「なんかフィーネさんがマジギレしとる。何故だ?」

奏「残当」

フィーネさん「よし、変身解除されたからトドメだ!!」

SHADOW「グフッ……」

フィーネさん「おっしゃぁぁぁぁぁ!! SHADOWブッ殺したぞ!!」

ビッキー「お前を殺す……」

キネクリ「まーたバカ1号が暴走しておられる」

防人「しかし……この最後は……」

奏「なぁ……」

フィーネさん「なによ、私の大勝利でしょ。
       最後に思いっきり『死んだ』ってナレーション入ったじゃない。政宗一成の声で」

奏・防人・キネクリ「「「だからヤバいんだろうが!」」」

キネクリ「しかも最後の部分、仮面ライダーBLACKの47話『ライダー死す!』のナレーションのもじりだろ」

奏「となるともう先の展開が見えてて……」

防人「ちなみに作者曰く、『この最終決戦ではあと2回、不思議なことがおこる。その意味は分かるな?』、だそうだ」

キネクリ「……もう処刑BGMが聞こえてきたんだが」


ライダー死す! この先世界は一体どうなってしまうのか(棒)
無印編も残り3回の予定、次回もよろしくお願いします。
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