今年もよろしくお願いします。
ノイズと切った張ったを繰り返す俺こと『月影信人』だが、それでも中学生である。学生生活を送る義務があるわけで、こうして夜中までノイズと戦った後に学校へ向けて五代目バトルホッパー(通学用ママチャリ)を走らせていると、声が聞こえてくる。
「ノブくん、おはよ!」
「ああ、おはよう響」
俺はママチャリから降りて、同じ中学の学生服を着た少女にあいさつを返した。
彼女の名前は立花響、俺の幼馴染だ。家がすぐ近くの響との付き合いは長く、それこそ初代バトルホッパー(三輪車)で一緒に遊んでいたくらいである。そんな彼女とはそのまま小学校・中学校と一緒の学校に通っている。
「聞いたよ、昨日も猫の救出してたんだって?」
「だって木から降りられなくてかわいそうで……」
俺が少し呆れたように言うと、そう言って響は頬を掻いた。
立花響を一言で表すなら『善人』という言葉で事足りるだろう。困っている人がいたら見捨てられない強い正義感に前向きで明るい性格は見ていて好ましい。まるで、仮面ライダーたちのような性格だ。ただ少し向こう見ずなところは幼馴染としては直して欲しいものだが。
そうやって響と取り留めのない話をしていると、またも声をかけられた。
「おはよう響、信人」
「おはよう、未来!」
「おはようさん、未来」
そこにいたのは後頭部のリボンが特徴的な少女、俺のもう一人の幼馴染であり響の親友である小日向未来だ。彼女とも付き合いはかなり長い。三代目バトルホッパー(子供用自転車補助輪付き)のころには一緒に遊んでいたか。
未来はすぐに響に並ぶと、通学路での取り留めのない話に加わる。いつもと変わらない、見慣れた日常の風景だ。
そんな中、今日は少しだけいつもと違うことがある。
「そうだ、はいこれ」
そう言って未来が取り出したのはいく枚かの音楽CDだ。
「ありがとう、未来」
「それが未来が言ってた?」
「そう、ツヴァイウィングの曲」
響がCDを受け取ったのを横目に俺が聴くと未来が答える。
『ツヴァイウィング』とは今をときめくアイドルユニットらしい。かなりの人気で、未来もファンらしく俺も響も何度も勧められていたのだ。
「信人も響の後に貸すよ。かっこいいからきっと気に入ると思うな」
「ふぅん……じゃあ、響の後にでも聴いてみようかな」
正直あまり興味はなかったが幼馴染のここまでのおすすめだ。無下にするのもどうかと思いそう答えて、何気なく響の手の中にあるCDを見る。
「……ん? ちょっといいか?」
「? どうしたの?」
響からCDを一枚受け取って、そのジャケットをマジマジ見つめる。そこに写ってるのは二人組の女、これが件の『ツヴァイウィング』らしい。
「……いや何、この間テレビでチラッと見たのが噂のツヴァイウィングだって納得しただけ」
しばらく眺めてから響にCDを返すと、俺はそう当たり障りのないことを言って誤魔化した。だが本当はそんなわけもなく……。
(数時間前に会いました、とは言えないよな)
そんなことを考えながら、俺たちは学校への道を急いだ。
~~~~~~~~~~~~~~~
初めてあの白銀の戦士と出会ったとき、風鳴弦十郎は戦慄と同時に歓喜で心が震えたのをよく覚えている。
突如として現れ、ノイズを倒していく謎の白銀の戦士『仮面ライダーSHADOW』。その出現を聞きつけ、その真意を見極めようと現場へ急行した弦十郎が見たものは、噂に違わぬ強さを見せつけるSHADOWだった。
場所は深夜の郊外の廃工場。
今まで人類では手も足も出なかったはずのノイズ。人々の絶望の権化だったその恐怖の軍団が、歯牙にもかけられずにSHADOWによって蹂躙されていく。
チョップが、蹴りが、SHADOWが何か動作を一つとるごとにノイズが集団で弾け飛ぶ。
「バイタルチャージ……」
決め技を放つつもりだ。見ているだけで魂を鷲掴みにされるような強烈なエネルギー、それがSHADOWの全体を駆け巡り両足に収束していくのが弦十郎にもわかる。
「シャドーキックッッ!!」
空中から打ち下ろされた飛び蹴りがノイズの集団の中心に突き刺さる。インパクトと同時に空間が打ち震え、緑色のエネルギーの余波がノイズを一匹残らず消し飛ばした。
ノイズの殲滅を終わらせた仮面ライダーSHADOWはカシャカシャと足音を立てながらゆっくり去って行こうとするのを見て、弦十郎は隠れていた物陰から出ると彼を慌てて引き止める。
「待ってくれ!!」
「……」
現れた弦十郎に、SHADOWはゆっくり振り向いた。その時、空を覆っていた雲が割れ、月が顔を覗かせた。廃工場の崩れた天井から月明かりが差し込む。
「!?」
月明かりに佇むその白銀の美しさに、弦十郎は一瞬言葉を失う。月明かりを従えた王の風格を、弦十郎は幻視していた。
「何か用か?」
その言葉にハッと意識を取り戻すと、改めて弦十郎はSHADOWに向き直る。
「聞かせてくれ、君は何のために戦っている?」
その言葉にSHADOWは視線を頭上の月へと向ける。その時、エンジン音を響かせながら、バッタを模したようなバイクがやってきてSHADOWのそばに停車する。
無論誰も乗っていない。自我を持つかのようなその様子に弦十郎は驚きながらもSHADOWの言葉を待った。
SHADOWはバイクに跨りながら弦十郎を見る。
「無論正義……と答えたいが、少し違う。俺は正義の味方ではないからな」
そう言うと、SHADOWは再び頭上の月を見た。
「月は一人では輝かない。そばにいる何かがあって初めて光り輝く。
俺はそばにある光を、どれも消したくないだけだ……」
それだけ言うと、SHADOWはバイクを発進させ廃工場を後にした。後に残されたのは弦十郎ただ一人。そして心の中で今しがたの言葉を反芻する。
「君は……君のそばにある大切なものを守るために戦っているのだな」
彼にとってはそれが第一、他の人々が助かったことは『ついで』でしかないのだろう。確かに、皆を助ける『正義の味方』とは少し違う。
「だが……そっちの方が『人間』らしい理由だ」
ノイズを圧倒的な力でなぎ倒す正体不明の怪物……仮面ライダーSHADOWをそう恐怖し警戒する者もいるが、弦十郎はもうそんな風には思わない。むしろ仮面ライダーSHADOWの人間らしさを知った。それが嬉しいのだ。人間同士なら、手を取り合えるはずなのだから。
「仮面ライダーSHADOW……いつか必ず、仲間として共に戦えるときが来るだろう。
その時を、楽しみにしているぞ」
そして弦十郎も自分の仕事に戻るために、廃工場を後にした。
そんな彼がまず着手したのが情報管制だ。
ノイズについての情報は全て管制しているが、その管制する情報の中に仮面ライダーSHADOWについての情報も一部追加したのである。全ての情報は隠さないが、あまりに否定的なマイナス要素の強い情報、デマの類いは消していくようにしたのだ。
「もしデマや悪評によって暴走し暴れ回ったら止めようがない。敵に回らないように刺激しないようすべき」と弦十郎は上をなんとか説得したのである。
上はSHADOWを刺激せずに様子見するこの案に渋々頷いたが、直接SHADOWと邂逅した弦十郎は、SHADOWと供に戦うときに悪評が彼の足枷にならないようにしたのである。
そんな準備を着々と進めている弦十郎だったが、彼を仲間とすることには未だ成功してはいない。
そして、今日も……。
特異災害対策機動部二課本部。
ノイズ被害の対策を担っている部門であるが、その存在を知るものは少ない秘匿部署。
その存在が秘匿される最大の理由は、ノイズに対抗できる『シンフォギアシステム』を保有しているからだ。
『シンフォギアシステム』―――身に纏う者の戦意に共振・共鳴し、旋律を奏で、その旋律に合わせて装者が歌唱することによって稼働する対ノイズの希望ともいえる存在。
その歌は位相差障壁を操り物理攻撃を無力化するノイズの存在を調律し、強制的に人間世界の物理法則下へと固着させる。
さらに炭素変換を無効化するバリアコーティングを発生させることで、触れただけで炭素の塊にされるというノイズの圧倒的な攻撃力という優位性を消し去る。
この2つの特徴を併せ持つことでノイズと戦うことのできる唯一の存在、それが『シンフォギアシステム』……だったのだが、『仮面ライダーSHADOW』というノイズを倒す白銀の戦士がいるためすでに『唯一』ではない。
「……」
弦十郎は目の前のモニターを見つめる。そこにはノイズの発生と、現れた『仮面ライダーSHADOW』が交戦中だということが映されていた。
「仮面ライダーSHADOW……」
「あら、また彼なのね」
そう言うのは弦十郎の隣で同じくモニターを見る特異災害対策機動部二課所属の技術主任、シンフォギアシステムの生みの親である櫻井了子である。
「相変わらず早いわね。 一体どんな探査能力をしてるのかしら?」
SHADOWのノイズ探査能力はこの二課の施設を超えているらしく、二課がノイズの出現を察知する前にSHADOWが現場でノイズと戦闘を始めていることも多い。
「ああ、仲間になってもらったらその辺りも教えてもらおう」
そう弦十郎が言うと、了子は処置なしといった感じでため息をつく。
この二課の司令である弦十郎が、『仮面ライダーSHADOWを仲間にする!』と言っていることは有名な話だ。色々もっともらしい理由はつけているが、あれはただのヒーローファンの子供の目だと了子は内心で呆れている。
「しかし彼の力……あれはシンフォギアなのか?」
「少なくとも私の知っているものではないわね。
新しい聖遺物なのか、それとも別の由来の力なのか……今あるデータで判断することは不可能よ」
お手上げ、と肩を竦める了子。
ノイズと戦えることから何かしらの人智を超えた力を持っているのは分かるが、それがどんなものなのかは予想すらできず、技術部はいつも頭を悩ませている状態だ。
「装者、現場に到着します!」
「市民の安全確保とノイズの殲滅を最優先だ。
SHADOWへはあちらから敵対行動があった場合以外は戦闘行為は禁止、戦闘後に交渉にあたるように」
「了解!」
二課全体が慌ただしく動くのを横目に、了子は頰に手を当てたまま考えを巡らす。
あの力はいったいどんな力なのか?
自分にとって利用価値はあるのか?
とにもかくにも、まずは情報収集だ。どんな力であろうとも、情報があればとれる手立てはいくらでもある。
(場合によっては、計画の変更が必要ね)
目的のために走り続ける了子は決意を新たにする。
だが……先史文明期の巫女としては、よくよく思い出しておくべきだった。
それは先史文明期ですら『伝説』とされていた逸話。
神々すら凌駕する暗黒の存在たちが支配する時代。その王子がその支配を断ち切り、この惑星を先史文明人に託したという『創世伝説』。そこに登場する月を司る『影の王子』の姿。
とはいえ現代にはまったく伝わっていない伝説であり、彼女にこの状況だけでその伝説を思い浮かべろというのも酷な話だ。
ともかく、彼女がそれを思いだすことはなく物語は続いていくのだった……。
よく分かるこの世界の歴史
ゴルゴムの皆様「この世界は俺らのもんだ、いやぁ住みやすい住みやすい!
カストディアンくん、ここにきて馬になりなさい」
カストディアン「うぐぅ……ゴルゴム強すぎ。この惑星ブラックすぎだろ。
でも、あんなんどうしようもないっす」
ゴルゴムの皆様「あ、新しくウチの頭になった王子から挨拶があるんで夜露死苦!」
影の王子さま「うん、やっぱ暗黒の世界ってオワコンだと思うんよ僕ぁ。
これからのトレンドはホワイトで。
というわけで……今日限りでゴルゴムはこの世界の支配者を卒業しまぁす!!
あ、ゴルゴムの連中は封印な」
ゴルゴムの皆様「「「えぇぇぇぇ!!?」」」
影の王子さま「この星はあとはカストディアンくんたちに任せる! いい星造ってね!
あ、時代が必要としたときは僕は転生して戻ってくるからヨロシク!」
光の王子さま「お前が転生するなら俺も行くぞぉ!」
カストディアン「我が世の春が来た!
よぅし、いい星造っちゃうぞ!」
↓
シェム・ハさん「ワレハ、ソウセイオウ。
ゴルゴム、フッカツサセル」
カストディアン「なんかシェム・ハがおかしな電波受信しちゃったぞ!
これダメだろ、伝説の2人の王子はどうした!?」
影の王子さま「あ、ちょっと立川で休暇中です」
カストディアン「シェム・ハ何回倒しても復活するんだけど!
こりゃもう言葉乱して封印するしかないぞ!」
シェム・ハ「ぬわーーっっ!!」
カストディアン「こりゃもう無理!
我々は脱出する、未来に向かって脱出する!
というわけで人類くん、あとこの星ヨロシク!」
↓
月の石「というわけで、そろそろ人類に転生しようと思うんよ」
太陽の石「お前行くなら当然俺も人間に転生するぞ。
転生先は最近のトレンドの美少女かな。
あ、俺が転生する子にはちっぱいのまま成長しない因子植えこんどくから」
月の石「お前……いくらナイチチスキーだからって女の子になんという呪いを……」
太陽の石「何を言ってるんだ?
例えば太陽光パネルとかには凹凸はないだろ。あれは太陽の光を受けやすいためだ。
つまり……凹凸のないナイチチボディは、太陽の祝福をもっとも受けた身体ということなんだよ!!」
月の石「ナ、ナンダッテーー(棒」
太陽の石「で、そっち転生先どうすんの?」
月の石「うーん、今選んで……ん、ナニコレ凄い面白い魂みっけた!
なんか並行世界あたりから紛れ込んできてる魂なんだけどさ」
太陽の石「ああ、あのギャラなんとかだかギャラドスだがの影響で最近多いよな、そういうの」
月の石「その世界、俺とお前の話みたいなのがある。
俺の力持った奴、悪の組織のドンだって」
太陽の石「マジウケるww」
月の石「よし、俺こいつに決めた。
この仮面ライダーって話の記憶だけ維持させて転生させるよ」
↓
SHADOW「ゴルゴムめ、ゆ゛る゛さ゛ん゛っっ!!」
フィーネ「ファッ!?」←今ここ
次回もよろしくお願いします。