訳も分からず始まった幹部級の強力な怪人であるカッシスワームとの戦いを制した俺と響。しかし、その先に待っていたのは仮面ライダーカイザと仮面ライダーナイトの問答無用での必殺技の応酬だった。
「ぐぅ……」
「ノブくん!?」
仮面ライダーカイザと仮面ライダーナイトの必殺技、『ゴルドスマッシュ』と『飛翔斬』は防ぎ切ったもののそのダメージは決して小さくはない。ダメージによって右ひざから崩れ落ちた俺を響が慌てて支える。
右腕のエルボートリガー、そして右足のレッグトリガーが負荷に耐えかねて粉々に砕けている。それだけでなくシルバーガードの装甲もひび割れ、止めきれなかったダメージが俺の身体に襲い掛かっていた。
俺は襲い来る激痛の中で、自分の受けたダメージを分析する。
(さすがは仮面ライダーの必殺技、防ぎ切ったとはいえかなりのダメージだ。
これ以上の戦闘は危険すぎる……となれば逃げるべきだが……)
俺はチラリと視線を移す。そこにはゲルニュートの巨大手裏剣によって破壊され、爆破炎上した俺のバイクの残骸が転がっている。
(ある種の賭けだが……信じてるぞ、相棒!)
俺は心の中でそう呟くと、その名を叫んだ。
「バトルホッパーッ!!」
「きゃっ!」
その俺の声に答えるように、バトルホッパーが『響の胸元』から現れる。
……色々言いたいことはあるが今はやめておこう。
空間から飛び出したバトルホッパーはそのまま壊れたバイクの残骸に取り着くと、いつものバトルホッパーの姿をとった。そしてカイザとナイトに向かって走り出す。
「「ッ!!?」」
たまらずカイザとナイトは横に転がってバトルホッパーを避けた。その隙に突っ込んできたバトルホッパーに乗り込む。
「つかまれ響! 全力で逃げるぞ!!」
「分かった!」
後ろから響が掴まると同時に、バトルホッパーが最初から全速で加速し始めた。だが、もちろんそのまま逃がしてもらえるほど甘いわけもない。
「ノブくん、後ろ! なんかガションガションいってる!」
「はぁっ!?」
語彙が壊滅的な響の言葉に思わず背後を振り向いてみると、仮面ライダーカイザが自身の専用バイクであるサイドバッシャーで俺たちを追ってきている。
そしてサイドバッシャーがロボット形態『バトルモード』に変形すると、左手の六連ミサイル砲『エグザップバスター』を発射した。
「バトルホッパー、ジャンプだ!!」
俺の声に応え、バトルホッパーが大ジャンプで巨大なビルを飛び越える。俺たちを追っていたミサイルはそのままビルに直撃し、轟音をたてながらビルが倒壊する。
その隙に、俺と響を乗せたバトルホッパーはその場から全力で去るのだった……。
~~~~~~~~~~~~~~~
陽が落ちるまで走り回り、俺と響が潜り込んだのは郊外にあった廃工場だった。
「ぐぅ……」
「大丈夫、ノブくん!?」
「ああ、何とか……」
変身を解いた俺たちはバトルホッパーを隠し、俺は響に支えられながら廃工場内に入り込む。事務所だっただろう場所で壁にもたれ掛かるようにして座り込むと、俺たちは息を吐いた。
「身体の調子はどうなの?」
「絶好調……とは口が裂けても言えないな」
そう言って右手を上げようとするが、右手はほとんど上がらない。
「ご覧の通りだ。 回復までは少なくとも今夜いっぱいかかると思う」
カッシスワームとの戦いと比べれば、仮面ライダーカイザと仮面ライダーナイトとの邂逅は奇襲を破ったあとに俺たちが即座に逃げることを決断したため時間としては微々たるものだが、俺が受けたダメージはそちらの方が大きい。
(それに何より、『ゴルドスマッシュ』がヤバすぎる……)
仮面ライダーファイズに登場したすべてのライダーは、それまでの仮面ライダーと比べると破壊力のスペックにおいては一段下に設定されている。しかしその低い攻撃力を補うように、強力な特性を持っていた。それが『フォトンブラッド』だ。
『フォトンブラッド』は仮面ライダーファイズに登場するすべてのライダーの活動源である流体エネルギーだ。仮面ライダーファイズに登場するライダーの必殺技は、基本的にこのエネルギーを相手に叩き込んで破壊するものである。だがこの『フォトンブラッド』、ただの超エネルギーというわけではなく尋常ではない『超猛毒』である可能性が各所で示唆されており、仮面ライダーファイズに登場するライダーは『低い攻撃力を毒で補う毒使い』という側面があると言われていた。
まぁ、普通に考えて『爆発したら半径3kmがフォトンブラッドで汚染されつくす』だの『相手を灰にして倒す』ようなエネルギーがオルフェノク以外には無害なんて都合のいい話があるわけがない。説は様々あったようだが、どうやらここではその説通り『フォトンブラッド=物質を灰化させる超猛毒』のようだ。
結果、『ゴルドスマッシュ』を弾き飛ばすためにシャドーパンチを放った右腕は今、キングストーンが全力で解毒中でそれが終わるまでまともに動かせない状態だ。もしこれが響に直撃していたらと思うとゾッとする。
「とにかく、今は休もう。 お互い、さすがに限界だろう」
「そうだね。 私も疲れたぁ……」
そして安心と同時にどちらともなくグゥ……と腹が鳴る。
「……ノブくん、何か持ってる?」
「……これぐらいだな」
荷物はバイクが炎上してしまったせいで響の荷物は全滅だ。奇跡的に残っているのは俺のバックに入っていたチョコレート菓子に飴、それに500mlのペットボトル飲料が一つ。あと役立ちそうなのはツーリングの非常時用に常備していたアルミブランケットくらいか……そんな菓子と飲み物を2人で分けて食事にすると、少しでも体力を回復させるために寝ることにした。
動く左腕は何があってもいいように常に動かせるようにし、右側から響が俺に抱きつき2人でアルミブランケットに包まる。
「大変な旅行になっちゃったね」
「全くだ。 本当なら今頃、美味いもの食べて温泉入って2人であったかい布団にいただろうに……」
だが現実は廃工場の中で空きっ腹を抱えて、アルミブランケットで野宿である。
……おかしい、俺たち2人で練りに練った『第二次お泊りデート』が、どこで何を間違えたらこうなるんだ?
「俺たち2人、絶対前世でヤバいことやって呪われてるんだろうなぁ。
じゃなきゃこんなに
「あははっ、そうだよね。
でも……何だか2人で家出したあの時みたいでちょっと懐かしいかも」
「それは確かにな」
しばらくの間、2人で笑い合う。だがそれも終わると、ポツリと響が不安そうに言った。
「ねぇノブくん……私たちどうなるのかな?」
「……ここは間違いなく俺たちのいた世界とは違う『異世界』だ。
いきなりよく分からない世界に来たが……来れる以上、必ず帰る方法もあるはずだ。
まだこの世界のことは何も分からないが……必ずこの世界で生き抜いて、未来やみんなのところに2人で帰ろう!」
「……うん!」
俺の言葉に力強く頷く響。それで安心したのか、昼間の戦闘で疲れていたのか……まぁ、両方だろう。しばらくすると響が寝息をたて始める。
「……」
そんな響の頭を一撫ですると、俺は今日の情報を頭の中で纏める。
魔化魍にワームにミラーモンスター、カッシスワームに仮面ライダーカイザと仮面ライダーナイト……まだこの『世界』の正体にはたどり着かないが、嫌な予感めいたものがある。
「……例え何が相手でも、俺は必ず響を守る」
眠る響にそう誓うと、俺も回復のために眠ることにする。
キングストーンエネルギーが、優しく俺と響を包んでいた……。
~~~~~~~~~~~~~~~
翌朝の目覚め……気分は目が覚めたら目の前に響の寝顔がある以外は最悪であった。
そのセンサーで寝ずの番をしてくれたバトルホッパーからの警告、そして何よりキングストーンからの『直感』が敵の来襲を告げている。
「響起きろ、敵だッ!」
「っ!?」
響も今までいくつもの戦いを超えてきた猛者だ。俺の声に一瞬で飛び起きると、手や足を動かし、今の自分のコンディションを推しはかる。
「昨日の疲れも残ってないし、身体も少しお腹が減ってること以外は大丈夫だよ」
「響が腹ペコってあんまり大丈夫そうじゃないな」
俺は響の言葉に苦笑すると、真顔に戻って言う。
「それじゃ……響!」
「うん!」
「Balwisyall Nescell gungnir tron……」
「変……身ッッ!!」
俺の言葉に頷いた響が起動聖詠を歌い上げギアを纏い、俺もSHADOWへと変身を果たす。
変身して動かしてみると、キングストーンのフォトンブラッドの解毒は完了したようで右腕の動きには問題はない。同じように仮面ライダーナイトの『飛翔斬』とぶつかり合ったことで受けていた右足のダメージも残ってはいない。だが、右のエルボートリガーとレッグトリガーの修復は間に合わなかったようで砕け散ったままだ。
「ノブくんは大丈夫なの?」
「ああ、問題はない。 それより……来るぞ!」
その瞬間、廃工場の中に入ってきたのは……。
「えっと……槍を持った灰色の鬼に、ミイラ男?」
「魔化魍・ワーム・ミラーモンスターと来て、今度はグールと屑ヤミーかよ!?」
それは仮面ライダーウィザードに登場した量産型ファントムであるグールに、仮面ライダーオーズに登場した屑ヤミーだ。
(本当に、ここはどんな『世界』なんだよ!?)
心の中で毒づきながらも俺と響は構えをとる。すると、そんな俺たちにグールと屑ヤミーの集団が襲い掛かってきた。
「はぁ!!」
響の拳が屑ヤミーを捉える。衝撃に数歩後ずさる屑ヤミーに、さらに追撃の膝が叩き込まれるとそれに耐えきれず屑ヤミーはセルメダルの破片を残して崩れた。
だが、そんな響の後ろから槍を構えたグールが数体襲い掛かろうとしていた。
俺はキングストーンに意識を集中させると、そのエネルギーを物質化する。
キングストーンから引き抜かれたのは左右大小の紅い剣……これぞ本邦初公開のシャドーセイバーだ。
「はぁ!!」
右の長剣で響を襲おうとしていたグールを横薙ぎに一閃して倒す。すると俺に向けて槍を突いてくるがそれを左の小剣で受け流すと、長剣で一閃して倒した。
「ノブくん!」
「こっちは任せろ! お前はそこのミイラどもに全力を叩き込め!!」
「うん!!」
俺の言葉に頷いた響が拳を構える。同時にブースターが点火し、響が屑ヤミーの集団に踏み込んだ。
まるで火の玉のようになった響に、屑ヤミーの集団が吹き飛んでいく。そして響はそのまま飛び上がると、全力の蹴りを放った。
「我流、星流撃槍!!!」
それはまるで空から降り注いだ槍の一撃だ。その衝撃と巻き起こるフォニックゲインが屑ヤミーの集団を残らず吹き飛ばした。
「こっちも負けてられないな!」
響の戦いを見て奮い立った俺は、グールの集団へと向き直るとその集団の中心へと飛び込んだ。
「はぁ! たぁ!!」
グールどもの槍衾を強引に乗り越えると、左右のシャドーセイバーを振り回す。さすがはシャドーセイバー、あのリボルケインと同質と言われるだけありその威力は絶大だ。それこそ温かいナイフでバターを切るかの容易さでグールたちが切り裂かれていく。
「シャドービーム!!」
そして最後はシャドーセイバーを介して増幅したシャドービームを放つ。シャドーセイバーの先から扇状に放たれた稲妻状のビームに巻き込まれ、グールの集団は吹き飛んでいた。
「終わった?」
「……いや、まだだ! 本命が来る!?」
俺は響を抱き締めるように抱えて飛びずさると、上から屋根を突き破ってミサイルが飛び込んできた。
閃光と爆発、その衝撃が容赦なく俺と響を襲う。
「うぉぉ!?」
「きゃぁぁ!?」
抱き合ったまま地面を転がる俺たちの前に、バトルモードに変形したサイドバッシャーが降り立つ。
そしてその操縦席から仮面ライダーカイザが飛び上がった。
『エクシードチャージ』
機械音声とともに、カイザが空中で拳を輝かせながらこちらに迫ってくる。
「くぅ!?」
俺は素早く起き上がるとシャドーセイバーをクロスさせて防御態勢をとった。カイザの必殺パンチ、『グランインパクト』がシャドーセイバーとぶつかり合う。
「お、おぉぉぉぉぉ!!!」
衝撃に俺の足が地面へとめり込むが、抑え切った。
「このぉぉぉぉ!!」
その隙に体勢を立て直した響が起き上がると、カイザの腹に蹴りを叩き込んだ。カイザは衝撃で空中に吹き飛ぶものの、空中で体勢を整えると地面に降り立つ。
そこを追撃しようとした俺と響に、別の方向からの攻撃が襲い掛かった。
『ナスティベント』
「「あああっっ!?」」
機械音声とともに巻き起こった超音波に脳を揺さぶられ、思わず苦痛の声を漏らす俺と響。
衝撃で揺れる視界には、契約モンスターである『ダークウイング』に超音波を発生させながら剣を片手にこちらに迫ってくる仮面ライダーナイトの姿が!
「負けない……音には歌でぇぇぇ!!」
歯を食いしばった響が歌を口ずさむとギアを纏う時に展開されるフォニックゲインのバリアフィールドが展開、ダークウィングの超音波を中和する。
「はぁ!!」
その範囲内にいた俺は素早く立ち直ると、左の小剣で仮面ライダーナイトの剣を受け止めると右の長剣を振るう。
その攻撃にたまらずナイトは大きく距離をとった。
そんな俺たちに、今度はバトルモードのサイドバッシャーが右手にあたる部分を向けようとする。4連装濃縮フォトンブラッドバルカン砲の砲口がこちらを向こうとするが、そこにバトルホッパーが体当たりをし、サイドバッシャーが吹き飛んで廃工場の壁にめり込んだ。
「「……」」
攻防の後、カイザとナイトは変わらず俺たちに敵意を向けながらこちらににじり寄ってくる。
「何故だ! 何故俺たちに襲い掛かってくる!?」
何か分からないかと俺は問いかける。するとカイザがネクタイを緩めるように襟元に触れる仕草をしながら言った。
「……王の偽物。お前は邪魔なんだよ……」
「王の偽物?」
カッシスワームも言っていた『王の偽物』という単語……俺が『偽物』だというのなら当然『本物』は『アレ』なわけだが……。
(カイザとナイトが『アレ』を王だと従うような世界……あったか、そんなの?)
俺の中をそんな疑問が駆け巡る。
だが、いまはそのことをゆっくりと考える余裕はない。
「ノブくん……」
「やるぞ、響……絶対に油断するな!」
響の言葉に俺はシャドーセイバーを構え、響も拳を構える。
カイザとナイトも臨戦態勢、いつ戦端が開かれてもおかしくない状態だ。極度の緊張が俺や響を襲う。
だがその緊張は、別のところから遮られた。
ドンッ!!
再び、廃工場の壁が何かによって突き破られる。
そしてそこから飛び出してきたのは……。
「ロボットと赤い龍?」
空を飛ぶそれは銀のロボットと赤い龍だ。その正体を知る俺は心の中で叫ぶ。
(オートバジンとドラグレッダーだと!?)
それはオートバジンとドラグレッダーだ。それがいるということは!?
「草加ァ!」
「蓮!」
そして飛び込んできたのは仮面ライダーファイズと仮面ライダー龍騎だった。
「ちぃっ!」
「くっ……!」
その様子に形勢不利と見たのか、カイザはサイドバッシャーをビーグルモードに変形させると廃工場を去っていき、ナイトは廃工場に残っていたガラスからミラーワールドに消えた。どうやら退いてくれたようだ。
「……助かった?」
「いや、それは早計かもしれないぞ」
俺は響の希望的な言葉に首を振る。すると案の定、ファイズと龍騎は俺に向けて構えをとった。
「見つけたぞ」
「お前、蓮達を元に戻せ!」
その言葉に、俺は頭を抱えた。
(しょうがないことだが……やっぱり俺を完全に『シャドームーン』だと認識している!?)
俺は頭を抱えたくなる気持ちを押さえつけ弁明の言葉を述べようとするが、それが新たにやってきた2台のバイクの急停止の音にかき消された。
そしてそこにいるのは……。
「出やがったな銀ピカ野郎! 今度こそ倒してやるぜ!
いくぜいくぜいくぜ!!」
やたら好戦的な物言いで、マシンデンバードから降りた仮面ライダー電王がいきなり剣を片手に走ってくる。
俺は咄嗟にシャドーセイバーで防ごうとするが……。
「ま、待って下さい!!」
止める間もなく、響が電王の前に割って入った。
「なんだぁ、この水着みてぇなの着た恥ずかしい恰好の娘っこは?」
「は、恥ずかしい恰好とか言わないでください!!」
恥ずかしい恰好というあんまりな言葉に響が顔を赤くするものの、ブンブン首を振ると言い放つ。
「ノブくんに何するんですか! ノブくんは何にもしてないじゃないですか!!」
「何言ってんだお前? 俺たち仮面ライダーを歴史から消し去ろうとした悪ぃヤツじゃねぇか、そいつ」
響の言葉に返す電王。その言葉を聞いて、俺の脳裏に閃くものがあった。
(歴史から仮面ライダーを消す!? となるとこの『世界』はまさか……『あの世界』かッ!!)
「待て」
その時、意外なところから助けが入った。
「その子といい、何か様子がおかしいな。
お前……本当に俺たちを消そうとした『秋月信彦』とやらか?」
そう言ってきたのは電王と一緒にやってきた、マシンディケイダーから降りた仮面ライダーディケイドだ。
(よしっ! そのまま「だいたい分かった」っていいながら誤解を解いてくれ!)
そう心の中で俺が喝采を上げていると再び、3つのバイクの急停止音が響く。
そしてそれを見た俺は……正真正銘、固まった。
その3台のマシーン……青、赤と白、緑のマシーンとそれに跨る者に俺は動けなくなってしまったのだ。
「あれ……バトルホッパーの色違いだ」
「違う」
響の呟きを、つい俺は否定する。
(あれは色違いじゃない。
そしてそこにいるのは青いマシーン……アクロバッターから降りた『仮面ライダーBLACK RX』。
赤と白のマシーン……サイクロンから降りた、すべての始まりの『仮面ライダー1号』。
そして緑のマシーン……バトルホッパーから降りた『仮面ライダーBLACK』。
その3人がそこには並んでいたのだった。
「シャドームーン! ……いや、何かが違う!?」
「お前がこの事件の黒幕、シャドームーンか……違うな。
そこの少女ともども、邪悪な気配を感じない」
RXと1号が次々に、俺の疑いを晴らすようなことを言ってくれる。
「この気配……信彦じゃない! 君は一体……」
そして最後にBLACKも、俺が『秋月信彦』とは別人だと分かってくれたようだ。
「……響、ギアを解除してくれるか」
「……うん、ノブくんの判断を信じる」
このメンバーを相手に、いくらなんでも勝つことも逃げることも不可能だろう。ここで誤解を解くしかない。
俺の言葉に、響は頷くとギアを解除する。同時に、俺も変身を解除した。
「子供!? 君は一体……?」
俺と響の姿に、1号が驚きの声を上げる。
「俺は……」
だが、俺はその先の言葉が出なくなってしまった。そして、俺は言葉を絞り出す。
「俺は月影信人、またの名を……『SHADOW』、戦士『SHADOW』だ……」
「?」
そんな俺の横で聞いていた響だけが、どうしたのかと首を傾げるのだった……。
今回のあらすじ
SHADOW「あかんこれじゃ俺ら死ぬゥ!」
ビッキー「ゴルドスマッシュと飛翔斬はもう殺意高過ぎ!」
SHADOW「というわけでここは逃げの一手だ。バトルホッパー!!」
バトルホッパー「呼んだ?」
防人「……またコイツは響の胸の谷間から出てきたぞ」
バトルホッパー「文句は胸に谷間つくってからどうぞ」
防人「……なぁ月影、コイツ処す処す?」
SHADOW「色々言いたいことはあるが後回し! さっさと逃げるぞ!」
ビッキー「後ろからサイドバッシャーもエグザップバスター撃ってくるしシャレになってない!!」
キネクリ「あたしの方が弾幕は上手だな!」
奏「何と争っているんだか……」
SHADOW「とりあえず水ポチャを狙ったが出来なかったんで、爆発に紛れて逃げてきたぞ。とりあえずまたいつもの廃工場で休む」
ビッキー「廃工場とかって普通そんなにないってのは、こういうのではお約束なんだから言わない約束だよ」
SHADOW「フォトンブラッドの猛毒でオデノカラダハボドボドダ!」
奏「この辺りの『フォトンブラッド=猛毒』って、公式ではアナウンスはないんだろ?」
防人「作者がコンビニで買った『仮面ライダーの秘密』とかにはそういう記述もあったらしいけど、あれを公式とは出来ないしな」
SHADOW「とはいえ『アクセルフォームで爆発したらフォトンブラッドで周囲が汚染される』とかそれっぽいのもあるし、何よりオルフェノクを瞬時に灰にするまでは相性で理解できるが、劇場版のコロッセオ(さいたまスーパーアリーナ)をあれだけボコボコにする超エネルギーが安全です、ってのはな……」
スマートブレイン社「わが社のフォトンブラッドはとてもクリーンなエネルギーです」
SHADOW「欺瞞ッ!」
キネクリ「さすが暗黒メガコーポ、一かけらも信憑性がない」
ビッキー「というわけで、少なくともこの作品では『フォトンブラッド=ヤバい超猛毒』で『ファイズは低い攻撃力を毒で補う毒使いライダー』ってことになるよ」
SHADOW「おかしい……今夜は響とベッドで情熱大陸(意味深)の予定だったのに何故野宿に……?」
ビッキー「なんでこんな、不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまったような酷い目に……?」
フィーネさん「リア充の不幸でメシが美味い!」
キネクリ「で、当然のように追撃がきたぞ」
奏「今度はグールと屑ヤミーか……本当に仮面ライダーの敵オンパレードだね」
SHADOW「で、今回が初公開のシャドーセイバー!」
カイザ「邪魔なんだよ……」
SHADOW「ぎゃー、空中グランインパクトとかクロコダイルオルフェノクになるぅ!?」
ビッキー「音は歌に弱い!」
防人「なんだその『砂は音に弱い』並のゆで理論めいた超理論は……?」
キネクリ「で、戦いが始まるかと思ったら……」
SHADOW「仮面ライダーのエントリーだぁ!!
……龍騎にファイズに電王にディケイド、RXに1号にBLACK……いや、仮面ライダーファンとしては普通に感動なんだが、こんなのに囲まれて敵だと思われたら確実に死ぬわぁ!
ディケイドさん、お願いですから無敵の『だいたい分かった』で超速理解してくださいよぉぉ!!」
ビッキー「見た感じシャドームーンと同じ悪人顔に見えるかもしれんけど、ひとりひとりの個性を見てもらいたいから」
奏「いやいや、そんなんわからへんやん!
そんなもん、お前……チビッ子は見た目やで?」
BLACK「信彦じゃないな!」
SHADOW「てつをさん超信じてました!
そういうわけで変身解除して事情説明するぞ!」
ビッキー「あれ、『仮面ライダーSHADOW』って名乗らないの?」
SHADOW「……まぁ、これがG編前にやっておきたかった今回のテーマだからな。今回の劇場版通してやっていくよ」
というわけで歴代仮面ライダーとの邂逅でした。これでここが『何の世界』か分かったんじゃないかと……。
『フォトンブラッド=猛毒』の辺りはネットではそう言われていますが公式ではしっかりとは明言されていません。なのであくまで『この作品ではそうである』と思ってください。
次回はあの列車に乗ることに。
さて……『あれ』と『あれ』やらなきゃ!
コロナ関係で仕事が忙しく、体調もよく無いのですがなるべく来週も変わらず更新したいなぁ……。
次回もよろしくお願いします。