それでも月は君のそばに   作:キューマル式

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皆さん、あけましておめでとうございます。作者のキューマル式です。
今年もよろしくお願いします。


注意:今日からしばらく毎日投稿する『お正月特番編』は先の未来に起こった事件についての物語です。
   そのため、まだ本編で登場していないあの子やこの子が登場します。
   さらに内容は『シンフォギアのシの字も無い話』『仮面ライダーのラの字も無い話』です。皆でワイワイと騒いでいるだけの内容だと思ってください。
   
   それが受け付けないという方は、このまま戻るようにして下さい。


お正月特番編 『A.D.1937 人類滅亡戦記 クライシス』
お正月特番編 第00話


 これは今よりも未来の一場面……。

 この地味に世界の危機であったこの物語の始まりはここ、S.O.N.G本部内にあるキャロルとエルフナインの実験室兼私室から始まった……。

 

「フナ~、いるデスか~?」

 

 そんな言葉とともにドアを開けて部屋を覗き込んだのは切歌と調である。

 

「……いないね、切ちゃん」

 

「どこ行ったデスかフナは? 今日は兄チャマたちとお泊りでゲームの約束なのに」

 

 と、その時軽快な音とともに調の端末が鳴る。

 

「あ、フナちゃんからだ」

 

「フナは何て言ってるデス?」

 

「実験でちょっと遅くなるから、先にゲーム持って兄くんのところに行っててって」

 

 さすがしっかりもののエルフナイン、見れば部屋の机にはあらかじめ各種ゲームが置かれていた。

 

「それじゃ一緒に持って行こう、切ちゃん!」

 

「わかったデス、調!」

 

 そう言ってお互いにエルフナインの用意したゲームをカバンに詰める切歌と調。

 

「おろっ?」

 

 そしてふと視線を巡らせた切歌は視線の先に、1台のゲーム機を見つけた。

 

「こんなところにもゲーム機があるデス!」

 

「きっとフナちゃんがまとめ忘れちゃったんだよ」

 

「そういうことならこれも持って行くデスよ!」

 

 言って、切歌はそのゲーム機もかばんに詰めた。

 

 ……ここは錬金術師であるキャロルとエルフナインの実験室兼私室だ。そんなところに普通はゲーム機なんて置いているはずない。だからこのゲーム機が今回の『お泊りゲーム大会』のために用意されたものだという2人の推理は的外れなものではなかっただろう。

 ただし、この推理には『このゲーム機がただのゲーム機だとしたら』という前提条件が必要だった。

 そして……その前提条件は、残念ながら満たされていない。

 切歌のカバンの中でそのゲーム機が怪しい輝きを放っていた……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 ところ移ってここは信人の家。

 今日はここに家主である信人をはじめ、響、未来、奏、翼、クリス、マリア、セレナというメンバーが揃っていた。

 

「クックック……みんな今日はよくぞ集まってくれた」

 

 のっけからテンションがおかしい信人である。

 

「で、今日はゲーム大会なんでしょ? 何でみんなを集めたの?」

 

「そうだぞ月影。 いつかのようにお互いに競うゲームだと、ボロ負けして前のように雪音が泣いてしまわないか心配なんだが……」

 

「おい、どの口が言ってんだこのパイセンは」

 

 半ば呆れながらみんなを代表して未来が問い、翼が以前ルナドロップ事件後のゲームでの惨状を思い出しながら言う。ちなみにクリスのツッコミは翼は完全に無視した。このSAKIMORI……強い。

 

「そこは今度は大丈夫。 今回やりたいのはみんなで協力するゲームだ。

 これ、多人数じゃないと正直クリア無理じゃないかってシロモノでな。 それでみんなに集まってもらったんだよ。

 ネットでっていうのもいいが、どうせこんな広い部屋なんだ。みんなでワイワイやりながらやりたいと思ってな」

 

 そう言って信人はやりたいゲームというのを紹介した。

 

「あー、これかー……信人好きだよね」

 

「これ、初心者には辛くないか?」

 

「……今夜は徹夜確定ですかね?」

 

 そう言っていきなり理解を示したのは経験者らしき未来・奏・セレナの3人である。

 

「これ戦争ゲーム?」

 

「ノブくんの好きそうなゲームだね」

 

「どのようなゲームでもこの防人逃げも隠れもしない!」

 

 マリアと響は未経験のようだ。ちなみにSAKIMORI()は平常運転である。

 

「まぁ、さすがに全員で別れることもないし経験者とのペアでやろう。

 あとはあの3人が来たらだが……」

 

 その時インターホンがなり、件の人物……切歌と調がやってきた。

 

「兄チャマ、来たデスよ!」

 

「兄くん、来たよ」

 

「んっ……フナはどうした?」

 

「フナだったら少し遅れるそうデスよ」

 

「だからフナが持ってくるはずだったゲームを先に持ってきたよ」

 

 そう事情を話し、机にゲームを大量に並べる切歌と調。

 

「さすがフナ、準備がいいな。

 よし、じゃあフナが来る前に、先に2人にも今回やるゲームの説明をしておくか」

 

 そう言って2人も今回みんなでやるゲームの説明をしていく信人。

 

 

 

 

 

その時、不可思議なことが起こった。

 

 

 

 

 切歌と調が机に置いたゲーム機、それがまばゆい光を放ち始めたのだ。

 

「切ちゃん!?」

 

「デスデス!? なんデスか、これ!?」

 

「な、なんだこれ!?」

 

「なんの光!?」

 

「おい見ろ。身体が!?」

 

 驚き混乱する一同。そして、みんなの身体が光に溶けるようにして崩れていき、ゲーム機の中に吸い込まれていく!

 そして光が収まったとき、広いリビングには人影は1つも残っておらず、謎のゲーム機だけが不気味な駆動音を上げていたのだった……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 同時刻、S.O.N.G本部内の食堂、その一角で3人……『サンジェルマン』と『カリオストロ』と『プレラーティ』がお茶を飲んでいた。

 

「ふぅ……」

 

「サンジェルマン、随分とお疲れなワケダ」

 

 息をつくサンジェルマンにプレラーティが言う。

 

「まさか私が学校の講師とはな……経験のないことをするとなると気疲れをするものだ」

 

 そう言ってサンジェルマンは肩を竦めた。

 

「とはいえ、我々を受け入れてもらったことに対する恩もある。

 特にシンフォギア装者たちの通うリディアン音楽院(あの学校)に警備の戦力が必要なのは理解できるのでな」

 

「その割にサンジェルマン楽しそう。

 あーしもファリネッリ男子音楽院の講師でもやればよかった」

 

「それは絶対やめろ。

 お前のことだ、どうせ生徒たちをからかって遊んで、あの『影の王子』の怒りを買うぞ」

 

 カリオストロの言葉に、サンジェルマンは本気で止めに入った。

 特に『ヤツ』の暴挙を止めるために『S.O.N.G』へと協力した3人と彼女らに付き従って着いて来た女錬金術師たち……居候のような状況であの『影の王子』の不評を買うなどたまったものではないからだ。

 と、そんな和やかな3人の居る食堂に、どたどたと慌ただしい足音とともに飛び込んでくる2つの影。

 それは……。

 

「サンジェルマン、少し厄介なことが起きた。 力を貸せ」

 

「何だ、どうしたキャロル?」

 

 錬金術師『キャロル・マールス・ディーンハイム』と、キャロルと瓜二つの容姿の少女『エルフナイン』の2人である。

 キャロルは食堂に入ってくるなりサンジェルマンにそう切り出した。

 そんな中、その隣で縮こまったような様子のエルフナインが事情を説明する。

 

「実は、僕たちの研究室に置いてあった『ある聖遺物』が無くなっているんです!」

 

「犯人は分かっている。 あの緑とピンクの2人組だ」

 

 即座にキャロルの言う犯人というのが、シンフォギア装者の切歌と調のことだと分かった。

 

「そもそも、『聖遺物』をポンと研究室に置いておくのがおかしいワケダ」

 

「使い方によっては研究に非常に有益な『聖遺物』なんです。

 ですから本来の用途には使用せず、その能力だけを利用していたんですが……」

 

「何をどう間違ったのか持ち出されたというわけだ。

 あれが『本来の機能』で起動した場合……とんでもないことになる可能性がある」

 

「具体的には?」

 

 サンジェルマンの問いに、キャロルは絶望的な言葉を放った。

 

「キングストーン保持者とシンフォギア装着が1人残らず全滅する」

 

「なっ!?」

 

 『ヤツ』とその軍団との戦いの最中で、それはとてつもない絶望的な言葉だ。

 その言葉にサンジェルマンがことの重大さを悟る。

 

「ことが起きる前に収めたいがもしもの場合、お前にもサポートをしてもらいたい」

 

「わかった、協力しよう」

 

 キャロルの言葉に、サンジェルマンが頷いた。

 

「では早速……」

 

 そしてキャロルたちが動こうとしたその時だった。

 

 

ビーッ、ビーッ、ビーッ!!

 

『高エネルギー反応を検知! 場所は……信人くんの家です!!』

 

 

「遅かったか……」

 

 警報とともに響く声に、キャロルはすでに手遅れだったとため息をついた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「「? ? !?」」

 

「いかがしましたか、陛下に皇后様?」

 

 突如として謎の光に包まれた信人と響は、気が付くと豪奢な椅子に並んで座っていた。

 そして目の前には多くの軍人やスーツ姿の人物が……。

 

「えっ!? なにこれなにこれ!?」

 

「なんだこりゃ!?」

 

 当然のことのように大混乱の響と信人である。

 

「いかがしました、陛下に皇后様?」

 

「いやいかがも何も……って陛下と皇后様って俺と響のことか?

 誰かと間違えてないか?」

 

「いえ、お二人こそこの『大日本帝国』の陛下と皇后様で間違いありませんが……」

 

「「はぁ!? 『大日本帝国』!?」」

 

 もう混乱の極致である。

 その時、ファンファーレのような音とともに声が響いた。

 

 

『ようこそ、Hearts of Iron IVの世界へ!

 皆様は地獄のような大戦争をどうぞお楽しみ下さい』

 

 

 それはこの世界での戦いの合図であった……。

 

 




Q:これ何?
A:有名なストラテジーゲーム『Hearts of Iron IV』の世界、さらにそのあるMODの世界編です。作者が実際にプレイした内容を元にしているから小説よりもAAR(After Action Report:プレイレポ)に近いかも。

Q:何で?
A:好きだからに決まってるだろう(真顔)
 あとHOI4プレイヤー増えろという気持ち。

Q:本編で出てないキャラがいるんだが……。
A:未来の話だししょうがないしょうがない。
 ……本当のことをいうと登場前キャラたちの動きと口調を確認しているところもある。

Q:この話、シンフォギアでやる必要は?
A:ないです。
 ただし、このMODの設定と題名を見た瞬間「やるしかねぇ!」という気持ちになった。そしてお正月の今ならいけると思った。
 あと本編では使わないフォントや説明を入れてみる練習。

Q:いや、こんなんより本編進めろよ。あの子とこの子の登場とか。
A:ンンン~~! まさに!! 正論!!
 しかし作者は謝らない!!


はい、というわけで正月特番編『A.D.1937 人類滅亡戦記 クライシス』の開始です。お正月特番ということでお目こぼしを。

お正月特番は毎日2話ずつ投稿予定。
明日は8時と12時に投稿します。

次回もよろしくお願いします。
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