『どんな時でもまずは状況確認は大事だね、という話』
「『Hearts of Iron IV』だと……」
戦慄するように信人が呟く。それは、ついさっきみんなでやろうとしていたゲームの名前だ。
『Hearts of Iron IV』……第二次世界大戦を舞台としたストラテジーゲームであり、プレイヤーは各国の首脳となり激動の時代を国の存亡を賭けて操作するというゲームである。
「でも、何でその名前が……まさかここはゲームの世界だとでもいうのか?」
その時、信人と響を除いた全員が時が凍り付いたように固まった。
再びの異常事態、しかしそれと同時にモニターのようなものが浮かび上がる。
そしてそこに映っていたのは……。
「みんな!?」
そこには今まで一緒にいた仲間たちの姿が。
「お前らも無事か! 一体何がどうなってる!?」
混乱したクリスの声に、誰もが答えられない。その時、先ほどとは違う声がどこからともなく響いた。
『お前たち、無事か!?』
「この声……!」
「キャロルちゃん!」
その声は錬金術師であるキャロルである。
『サンジェルマンたちの協力で干渉させてもらった。時間がないので手短に言うぞ。
お前たちは今、ある聖遺物の中に取り込まれている。
その名は……『ジュマンジ』! 人間を取り込み内部でゲームを行い、ゲームがクリアできなかった場合にその人間の魂を喰らう聖遺物だ!』
「おい、アタシら全員信人の家に居たんだぞ。
そんな聖遺物一体どこから紛れ込んだんだ!?」
奏の問いに、ややあってキャロルとは別の声が答えた。
『それは……今日、切歌さんと調さんが持って行ったゲーム、あれが『ジュマンジ』です!』
「フナちゃん!?」
「ということは……これ、私たちのせいデスか!?」
切歌と調の声に、再びキャロルが答えた。
『元々『ジュマンジ』は双六の形をしていたのだが……こいつは順応性が高く、時代に合わせてニーズに合ったゲームへと自らの形状を変化させる。
今は『ジュマンジ』は時代に合わせてテレビゲームの形状をしていた』
「なんでそんな危険な代物が研究室に転がってるのよ!?」
『……『ジュマンジ』は人間を取り込み、その内部でゲームをする。
ゲームとはいえ内部に『一つの世界』を作り出し、動かしているんだ。
その機能だけを使えれば、研究の際に大いに役立つ』
つまりキャロルとエルフナインは、この呪われたゲーム機を『超高性能エミュレータ』として『内部に一つの世界を造り動かす』という機能だけを利用していたのである。
しかし切歌と調によって運び出され正常な動作……『人間を取り込みゲームに負けたら魂を喰らう』という動作を行った結果が今だという。
その時、金切り声のような雑音とともにキャロルとエルフナインの通信が乱れる。
『ちぃ、長くはもたないか……。
こちらからの干渉は多くはできない。 いいか、お前たちの脱出の方法は『ゲームで勝つこと』だ。
『ジュマンジ』はゲームを忠実に再現し、お前たちを潰しにかかるだろうが……勝利条件を満たせば無事にお前たちを元の場所に返す。
だから『そのゲームで勝て』!』
その言葉を最後にキャロルたちの通信は途絶えた。
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『おのれクライシスめ!!』
『いえ、人違いです(真顔)』
「「「……」」」
突然の出来事に固まる中、いち早く元に戻ったのは信人だった。
「……みんな少し整理しよう。
とりあえず……みんなはどこの国にいるんだ?」
その問いの結果……
日本……信人&響
ドイツ……クリス&未来
ソ連……奏&翼
アメリカ……マリア&セレナ
イタリア……切歌&調
だということが分かった。
「で、このゲームの経験者は……俺に未来、奏、セレナの4人か。
全部ペアで、しかも全員七大強国のどこか、しかも上手いこと経験者もばらけたし……最悪の状態にはなっていないな」
「私と調、2人とも未経験者デスよ」
「そこはフォローするよ。 イタリアならフォローくらいできるしな」
その時。
「それなら私に任せなさい」
言ったのは調、しかしその瞳は金色に輝いている。
これが調に宿ったもう一つの人格、お騒がせ転生喪女『フィーネさん』である。
「……なんか物凄く失礼なこと考えなかった?」
「いや全然。それよりフィーネさんこのゲーム経験者なの?」
「私は永遠を生きる巫女よ。その時代をリアルに生きてた記憶もあるしHOIなら何度もやったわよ。
具体的には……アルバニアで世界征服くらい」
「完全な廃人じゃねぇか!*1」
ともあれ優秀な経験者は大歓迎、今回が完全な初心者の切歌と調の頼れる相手というのはいいことだ。
その結果に信人はホッと息をつく。そんな中、切歌が聞いてきた。
「それで兄チャマ、このゲームどうすれば勝ちなんデスか?
第二次世界大戦を扱った戦争ゲームなんデスよね?」
「ああ、それは……」
その疑問に信人が答える。
この時代は世界には3つの陣営が存在していた。
ドイツを中心とした『枢軸』、イギリスやアメリカの『連合』、ソ連を中心とする『コミンテルン』の3つである。
その他、日本の立ちあげる『大東亜共栄圏』やイタリアの『神聖ローマ帝国』など独自の陣営を立ち上げることも可能。
最終的に戦争などで都市を占領し、決められた年で最も『戦勝点』の高い陣営の勝利だ。
「えっ、それじゃあ……このメンバーでお互いに戦争しなきゃならないの?」
「いや、やり方によっては戦争なしでも陣営を乗り換えることはいくらでも出来るからな。
お互いに同一陣営になるだけでいいなら簡単だし、このメンバー全員が同一陣営になればそれだけで確実に勝利条件である『戦勝点』は稼げるんだが……それだと逆に簡単すぎるぞ」
調の不安そうな声に信人は心配なないと答えるが、逆にそれだと簡単すぎて何かがおかしい。
その時、経験者として今の状況を調べていた未来と奏から声がかかる。
「信人、世界地図を見て。 明らかにおかしい」
「歴史概要もだ。 書いてあることがおかしいぞ」
言われて信人も世界地図と歴史を読む。
「……月影、この世界地図なんだが国が20個くらいしかないぞ。
歴史の授業では、もっと大小さまざまな国があるはずだが……?」
「おまけに第一次世界大戦にイタリアが未参戦、アメリカの参戦の遅れで第一次世界大戦の終結が遅れその間に無制限の毒ガスと枯れ葉剤の応酬でドイツの餓死者100万人とか書いてあるわよ。
これは明らかに私たちの知ってる歴史じゃない」
翼とマリアの言葉に、信人は心当たりがあった。
「この地獄めいた世界線……
そうか、ここは俺が今日みんなとやろうとしてた、クライシスMODの世界か!!」
『Hearts of Iron IV』は様々なMOD……いわゆる改造データを入れることで、普通とは違うシナリオが楽しめる。
ここは『Hearts of Iron IV』でもそのMODの1つ、『クライシスMODの世界』だったのである!
「ノブくん、それってどういうストーリー?」
「ああ、それは……」
そう言って信人が説明を始める。
第一次世界大戦が史実以上の地獄になったせいで中小国が立ち行かなくなり国家が統廃合され、世界には20程度の国しか残っていない状態。
汚染された大地で、それでも復興に向けて歩み始めた人類。
そこに突如アナザーアースという別世界から現れた存在が全世界に宣戦布告、人類は一丸となってこの敵と戦う……というのが大まかなストーリーだ。
「これはPVE(プレイヤーVSエネミー)、つまりみんなで協力して強大な敵と戦うって話だな」
「それじゃあ、みんなで戦争し合うってわけじゃないんだね!」
お互いに潰し合うようなデスゲームでなくてよかったと響が言うが……俺の顔色は晴れない。
「まぁ仲間で互いに潰し合うってことにならずに済んでよかったんだが……このクライシスMOD、俺が今日みんなとやろうとしてたんだけど……『超高難易度MOD』なんだよ。
正直、熟練プレイヤーが複数で挑んで全員がしっかり仕事をして、それでやっと勝機が見えるってくらいのな」
「でも大丈夫だよ。今までだってどんな強力な敵にだってみんなで力を合わせて戦ってきたんだし、今回だって何とかなるよ!」
「……そうだな」
響の言葉に、信人は頷いた。
「それじゃ俺の知ってる情報から、各自の方針を話しておくよ」
そうして、信人は自分の知りえる情報と方針を伝えていく。
「なるほど、アタシらのソ連が最前線ってことかい。
とにかく歩兵師団を大量に用意しないとダメだね」
「どのような敵が来ても倒す、ロシアンSAKIMORIたちを育てて見せよう!」
ソ連の方針は歩兵重視の戦力拡張に。
「ドイツは機甲師団での突破担当だね」
「戦車とか派手でいいよな!」
ドイツは機甲師団を中心にした戦力増強。
「アメリカはとにかく戦力の増強ね!」
「……早めに国内を立て直して何とか南北アメリカ大陸の守護くらいは出来るようにしたいですね」
アメリカは内政を片付け、とにかく頑張る。
「イタリアは台所事情を見ながら、一戦線をしっかり抑えるようにってさ切ちゃん!」
「一緒に頑張るデスよ、調!」
イタリアは国力を鑑み、とにかく一戦線を支え切れるだけの戦力増強。
「Xデーは1939年初頭、今から約2年が準備期間だ。
皆、頑張ろう!」
こうして方針を決めたみんなは各々の国の運営に戻っていく。
そして残ったのは信人と響だ。
「それで、日本はどうするの?」
「日本は最初っから強力な海軍力を持ってるしアメリカと一緒に海からの援護と……陸軍の大陸派遣と空軍の増産……こりゃ全部だな。
とにかく色々動く。
『ジュマンジ』がこの世界を選んだのも、俺がやろうとしてたからだろうし俺が必死にならないとな。
差しあたって……このゲームの常套戦術をやるか」
そして……信人はちょっと表の世界では見せない、黒い笑みを浮かべた。
……『ジュマンジ』は間違えた。
この男……この世界ではもうシャドームーン真っ青な思考でものを考えていたことを知らなかったのである。
かくして、世界を舞台にした大乱戦は始まってしまったのである。
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『私がナイムネ? よしわかった、シベリア送りだ』
ここはソ連、寒さの厳しい北の大地は今、ツヴァイウイングという二翼を頂くことで希望を見出していた。
しかし、いつの世もきっかけというのは些細なことである。
「ツヴァイウイングっていいよな!」
「ああ! あの歌だけで俺たちは戦える」
立ち話をする兵士たちの顔には生気が満ちている。
「奏書記長と翼書記長とかけて、我らのウラル山脈ととく」
「お、その心は?」
「ウラルのごとき高い
「ははは、そりゃいいな!」
「「「はははははっ」」」
そして兵士たちは笑い声が一つ多いことに気付く。
そこにいたのは……。
「つ、翼書記長!?」
ニコニコ笑顔の我らの赤い(主に返り血と自分の血で)歌姫、翼である。
「諸君、いま面白いことを言っていたね」
「いえ、あのそれは……」
そしてポンッと兵士2人の肩に手を置き、言った。
「よしわかった。 君らには栄誉あるシベリアで木を数える仕事を与えよう!」
「「つ、翼書記長、お許しを!?」」
世に言う『大粛清』の開始である。
「「何やってんだよ(デスか)、センパイ!?」」
「あなた何をやってるの!?」
ことの顛末を聞いたクリスと切歌、マリアが言うが翼は口を尖らせそっぽを向いている。
「人の身体特徴をとやかく言う悪しき輩は滅せねばならん。 小日向と月読は分かってくれるな?」
「そこで何で私たちの名前が出るのか小一時間問い詰めていいですか翼さん?」
「私には成長の余地がある。一緒にしないで」
と、助けを求めた未来と調まで敵にまわしていたSAKIMORI。
「つーかセンパイ、何でこんな暴走止めねぇんだよ!」
しかしクリスに振られた奏は肩を竦めた。
「まぁ、ゲーム的にはこれで正解だからね*3」
「だな。 まぁいわゆる『コラテラルダメージ』というやつだな。
致し方ない犠牲というやつだ」
「まぁ……」
「うん……」
経験者である信人・奏・未来・セレナはうんうんと頷く。
そんな中、ソ連の『大粛清』は続いていくのだった……。
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『俺が本当の宣伝というものを教えてやろう……』
『で、伝説の宣伝相!』
ここはドイツ。第一次世界大戦で甚大な被害を受けた人々は、希望の光を求めていた。
そこに舞い降りた1人の天使……うたずきん『雪音クリス』である。
瞬く間にドイツの希望となった銀髪の少女に、国民は国の行く末を預けた。
『国家うたずきん主義ドイツ労働党』の誕生である。
「「「ジークリス!」」」
今日も街頭にはクリスを讃える声が響く。
「何なんだこの『国家うたずきん主義ドイツ労働党』ってのは……」
「ああ、それは『みんな頑張って労働してうたずきんグッズを買い漁りましょう』という主義で……」
「どんな主義だそれ!?」
執務室に響くのはクリス総統閣下と、実質的な国を動かす未来の声。
「とにかく、国内は纏まったから軍備の増強をしないと」
「だな。あと2年しかないもんな」
「……」
そう言うクリスに、未来は無言だ。
何故なら……未来は信人の性格を知っているからだ。
(信人は次の国家統廃合イベントで中国を取り込んだと同時に動くつもりだ)
そしてその未来の考えを確信に変えるように、日本から同盟国であるこのドイツの西側の都市……ヴェーザー=エムスに大日本帝国海軍のほぼすべてと、大日本帝国陸軍1個軍*4が向かっていた。
(恐らくそこからはしばらく連戦、こっちも軍を西側に移動させないと……)
そう心に決めた未来であった。
「軍備の増強だけど、ドイツの強みは最初からⅠ型中戦車『三号戦車』が造れることだね。
これをとにかく増産して機甲師団を増強、歩兵師団も増強しないと。
同時に制空権を取るための戦闘機に、敵地上部隊を叩く近接航空支援機の増強も必要。
海は……輸送船とコストの安い潜水艦を少々程度で。 とにかく陸と空に国力を割かないと」
「んー、細かいところは未来に任せる」
「もう、クリスったら」
未来の指揮の元、ドイツはさらに精強さを増していく……。
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『眠れる○○って、起きる前に死んでること多くない?』
ここは自由の国アメリカ。
当時、『世界すべての国家と戦争しても勝てる』とも言われた世界最強の国家アメリカを指揮するのはアイドル大統領マリアとセレナの2人である。
「……今、凄く失礼な声が聞こえた気がするんだけど」
「姉さん、無駄口叩く前に目の前の資料を片付けてください」
そんなホワイトハウス執務室で2人は頭を抱えていた。
「何なのこの国の状態……アメリカって最強国家なんじゃなかったの?
何このボロボロの状態……*5」
「嘆いても仕方ありませんよ、姉さん。
とにかくデバフ上等で軍需工場を建てて、軍備を増強しましょう。
せめて2年でまともに戦えるまでには軍備を整えないと話になりません」
「ええ、そうねセレナ」
アイドル大統領マリアの苦労は続く。
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『実際にいたら最悪の鬼畜、それがストラテジーゲープレイヤーという生物』
ここはイタリア。
第一次世界大戦に未参戦ながら大恐慌による爪痕により、不安の残る国内……しかしこの地に舞い降りた可憐な2人の天使にイタリア国民(主に男)の士気は天を突くほどに高い。
その2人の天使、ドゥーチェ切歌とドゥーチェ調は今……。
「おかわりデス!」
「美味しい、美味しい!」
美味いイタリア料理を絶賛堪能中だった。美少女2人が美味しい美味しいと絶賛しながら幸せそうに食事中……これにはイタリア全国民もニッコリ。
「一時はどうなるかと思ってたけど、フィーネが詳しくてよかったデス!」
「本当。 フィーネの言うこと聞いて美味しいご飯食べてるだけでいいなんて凄く楽」
「でもフィーネ、旧式のⅠ型重戦車なんて開発してどうするデスかね?
高い戦車より鉄砲がたくさん必要なのに」
「何でも重自走対空砲が欲しいんだって」
実務はフィーネにほぼ丸投げし、2人はひたすらイタリアを楽しんでした。
食事が終わり食後のお茶を2人が飲んでいるその時、執務官がやってくる。
「お2人とも大変です。
たった今、大日本帝国がドイツから陣営主導権を握りました。
大日本帝国が人類国家同盟の盟主となります」
「へー、兄チャマが私たちのリーダーになったデスか?」
「まぁ兄くんの方がこのゲームよく知ってるみたいだし、クリス先輩よりいいんじゃないかな」
そういって2人がお茶をすする。
そして……。
「そして盟主となるのと同時にフランスとイギリスを同盟から追放。
オランダ・フランス・イギリスに対して宣戦布告の準備に入りました!」
「「ぶふぅぅぅぅ!!?」」
思いっきりお茶を吹き出した。
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『経験値を貯めて物理で殴る』
『経験値貯めるのも物理な件』
「ノブくん、あれ一体どう言うこと! 同盟のリーダーになったと思ったらいきなり仲間だったフランスとイギリスを追放して戦争準備とか!
人類一丸になって敵と戦う話じゃないの!?」
「まぁまぁ落ち着けよ、響」
あまりの鬼畜な所業に響皇后様はご立腹である。
「これも一丸になるためにこのゲームで必要なプロセスなんだよ」
そう言って信人は真意を話す。
「このシナリオ、はっきり言ってプレイヤーが入っている国以外はまるで役に立たない。
各国は敵に攻められると自国の防衛を最優先するから、敵が迫ってる中で平気で退却するんだよ。
だから仲間がいない国家をプレイヤーが取り込んで戦力の一本化をしないと各個撃破されることになる。
勝利のための致し方ない犠牲……いわゆるコラテラルダメージというやつだ。
それに重大な話、陸軍と空軍の経験値が欲しい*6」
「でもそのために戦争って……」
それでも難色を示す響の肩をポンと叩くと、信人はいい笑顔で言った。
「大丈夫、彼らは我がゴルゴム……じゃなかった、大日本帝国の一員となるのだ。
不満などあろうはずがない」
「ゴルゴム、いまゴルゴムって言った!?
ノブくんシャドームーン乗り移ってたりしない!?」
「ははははははは、何をバカな。
俺は正義の仮面ライダー、SHADOWだ」
「正義の仮面ライダーが笑顔で戦争吹っ掛けようとするなぁ!!」
「はははははっ!」
こうして強大な敵と戦う前に人類同士の戦争が始まるのだった。
1 人的資源(人口)がなく軍隊が作れない。
2 工業力(IC)が壊滅していて工場が作れない。
3 資源もない。
4 史実の確定イベントとして1939年にイタリアから宣戦布告される。つまりドイツと敵になる。
という『ほぼ完全に詰んでいる』国家であり、ゲームシステムを知り尽してなお、『タイムアップまで生存すら難しい』という有り様。
おそらくこれより難しいのはルクセンブルクくらいじゃないだろうか……?
このゲームは山岳地帯は守りやすく攻めにくい。ヨーロッパの国々でスタートしソ連と戦う場合、ウラル山脈要塞は難攻不落の絶壁と化すのだった。
と、これだけ聞くと『じゃあそんなイベントやらなきゃいいのに』と思うだろうが、『大粛清』をやらない場合、ソ連はほぼ確定で内戦が勃発してしまうのだ。
今回は『クライシス』との戦争が控えているため内戦を起こさせないために奏は最優先で『大粛清』を進めているのである。
プレイヤーはまずはこれを段階的に解除していかなければ話にならず、アメリカは凄まじくスロースターターなのだ。
こんなボロボロの状態のため、このゲームにおいてまずはアメリカを占領する『初手アメリカ』はプレイヤーの間では常套手段となっているのである。
特にこの『クライシスMOD』では改造限界が通常の5段階から99段階にまで引き上げられているだけでなく、通常プレイでは改造出来ない装備(歩兵用小銃など)も改造可能であり、これらを上手く使うことが圧倒的不利な状況にある人類を勝利に導く鍵になっているのだ。