「凍結」過去の遺物   作:オオソカ

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嬉しい、楽しい、種族浄化!

 一部ホルスを戦力と加え、遂に魔王連合軍は竜王の軍勢との戦争に突入した。

 連合軍の攻勢の勢いは、凄まじく数度、マギーホア自身も引かせる事に成功している。

 その立役者は…

 

 古き最古の魔王であり、目的の為ならばどの様な手も惜しまないトロス

 

 二代目魔王であり、次代の竜王を目指すアベル

 

 偶然より、完成した最強のハイブリット魔人メガラス

 

 この三体による猛攻は、凄まじくマギーホアに必ず複数で戦闘を挑むため、周囲のドラゴン達が、魔姫や分身体により蚊蜻蛉のごとく地上に墜落していった。

 ドラゴンも負けじとブレスや魔法にて反撃に転じるものの合体魔人が無敵バリアーを展開しており、魔姫や分身体には殆ど傷を負わせる事が出来なかった。

 もっとも、DRや魔物達は、ほぼ何も出来る事が無く、唯一DRだけは、相手の攻撃の盾となり、地上に墜ちた瀕死のドラゴンに止めをさしていたのだが、魔物達は、役立たずも良いところであった。ドラゴンと相対すれば何もせずに逃げるのならば良い方で、大概DRを押しのけ我先に逃げ出すので、陣形を崩し余計な損害ばかり出しているのであった。

 

(糞ッ!奴等口先だけは調子の良いことを言って…)

 

 無論、アベルとて魔王の絶対命令権を使用し持ち場を死守するように伝えているのだが、どうしても、この大軍勢では、命令を魔王一人で命令を行き渡らせる事に限界があった。

 

「ひ~ひぃ~」

 

 その頃ケイブリスは、流れ弾が当たらないように

 ひたすら、合体魔人の後方を移動しながら祈っていた。

 

中央では、大陸最強戦力が互いに全力でぶつかり合っていた。

 

「ぐっ!」

 

「どうした竜王ちゃん?一体一な闘いじゃなきゃ勝てないのぉ~?」

 

「……」

 

「メガラス、奴に攻撃の暇を与えるな確実に堕とすぞ!」

 

 この中の三体の一体、一体はとても単独でマギーホアに勝てる存在では、無かった。

 アベルは、マギーホアの下位互換の能力であり、メガラスは、早さこそこの中では、最もすぐれていたが、それ以外では悪魔で三者の中で平均的であり、トロスにいたっては、勝てるのは、意地の悪さと年齢くらいであった。

 

 だが、それを三者で協力しあう事によって確実にマギーホアを追い詰めていった。

 アベルが一度、ブレスの直撃を受けると後方に下がり、魔人たちより回復呪文などによる修復をうける。

 その隙間をトロスとメガラスが連携し埋めて、マギボーアを後方へ追い詰める。

しかし…

 

(糞、想像以上に堅ぇ…此奴の皮膚)

 

(攻撃は当たっている。しかし…)

 

 其処は竜王であった。攻撃も現在の大陸一ならば、防御も一であった。

だが、相手がどちらか一体ならば、反撃の隙も生まれよう物であるが、自身と同格に近い存在が三体おり、どちらかに攻撃すれば…相手は後方に下がるが暫くすると回復して再度線に加わる。必殺の一撃を当てようとすると三体の内の一体が妨害を仕掛けて攻撃を行う事が出来ない状態が続いており、悪循環であった。

 

 ドラゴン達の猛攻も数が集まると次第に苛烈になっていった。

全ては、種の存続の為、王の為、王冠を取り戻すため、決意は様々であったが

同時に、魔軍の下級兵士達(DRや魔物)が徐々に後方へ押され始めた。

 

「何、もうあそこまで押されているのか!!」

 

「ちっ、予定よりも二月も早いぞ!!」

 

 両魔王が騒ぎ立てるも、その間に魔物殆どがドラゴンを恐れ逃げ始め、完全な戦線の崩壊に繋がった。辛うじて魔王達にドラゴンの集中攻撃が届かないのは、魔姫と分身体の奮戦によるものであった。

 

「…このままでは、孤立する」

 

「メガラス…その通りだ一度立て直すぞ」

 

「と言うわけだ…分身体の十体とDRは全機残って死ぬまで徹底抗戦しろ!!」

 

 トロスの怒号と共に、残った配下がドラゴンに対して死にものぐるいの特攻を仕掛ける。さしものドラゴンも分身体を確実に処理しきれるのは、マギボーアだけであった為連合軍を逃がしてしまう。さらに、マギーホアも度重なる連戦により力を使い果たしてしまいドラゴンの状態を保てなくなり、両軍一時的な休戦となった。

 

「貴様ら!!無様にも程があるぞ!!」

 

 アベルの怒号と共に、配下の魔物達が必死に王の怒りが解けるのをまっていた。しかも叱られているのは、比較的に最後まで残った。魔物達なので、余計に悲壮感を漂わせていた。本来怒りを受けるべき臆病物達は、既にどこからともえと知れずに逃げ去り、この混戦の中で発見するのは、困難を極めた。

 

(糞、魔物ではドラゴンを相手に手も足もでん!!)

 

 有効戦力となり得るのは、魔人のドラゴン達に最高戦力のメガラスそして王冠と自身位なものであろう…メガラスと自身は、マギーホア対策に他の戦力を相手にするわけにいかず。ドラゴン達も、一般のドラゴンならば優位を持って勝てる物の相手が上位のドラゴンとなると良くて奮戦、悪くいけば死ぬ恐れも十分にあった。そして王冠は、絶対に動かす事は出来ない、特にトロスの目に入る事があってはならなかった。

 

(こうなれば、ハニー共を…)

 

 一瞬頭に、「ハニホー」と騒ぐ五月蠅い珍獣たちを戦力の足しにしようと考えた物の、一度目にしたハニーキングと言う如何様の様な強さを持つでたらめの存在を思い出し、即座に頭から消す。

 

「アベル様…」

 

「何を心配しているのだ!我らは相手と互角以上に闘っている!!勝利は目前だ!!」

 

(おい、あの化け物ドラゴン忘れてんのかよ…)

 

 そのアベルの様子を見て同朋を鼓舞するドラゴンを見て、ケイブリスはどうか次も生き残れる様に考えを張り巡らせる。

 

「ッチ!」

 

 同時にトロスも相手と同レベルの三体で相手をすれば直ぐにでも討ち取れるという甘いもくろみも崩れ去り、聖女達も他の次元に避難させている為、癒やしすら無くイライラをつのらせていた。

 

「はぁ~やはりハンティは、良いなぁ…」

 

 その空虚な心を埋めるため、ここ暫くはハンティの保管所に足蹴も無く通いじっとただ相手を見つめるだけの日々を送っていた。無論、配下の増産、改良は限界ギリギリまで行われているが、開発の進展と数の把握は、魔姫より直ぐに送られてくるので勝てるか分らない相手に現実逃避を重ねていた。

 

「お前をここから出したら、なんて言うだろうなぁ~同朋を虐殺した敵?おぞましい化け物?…はぁとても俺が生きている限りここから出て欲しくないなぁ~」

 

 殺意の妄想を重ねそれすらも、癒やしになる現状がトロスにとって歯がゆかった。

 

「っと!いかん、いかんアベルの奴が呼んでいたな…じゃあなハンティちゃんこの闘いが終わったらもっと良い場所に飾ってやるよ」

 

 その言葉にハンティは、何も答える事は無かった。

 

「待たせた。」

 

「いや、丁度いいさ」

 

「で、何か有効手はあったか?」

 

「残念だが…」

 

「そっか…相手が動きを完全にいるならば無いって訳じゃないんだが」

 

 トロスの考案し奥の手、それは、現状最高戦力の魔姫を3体生け贄にしてその爆発力にてマギボーアを再生すら許さずに殲滅するという作戦がとれない訳でもなかった。しかし現状戦場に連れ出している魔姫は、精々5体でDRの量産や研究の為に何体かは、、基地に残しておかなければ、仮に討てたとしても戦後のアベルとの関係を考えると非常に不味いものがあった。

 そして竜王の速度は、メガラスには遙かに劣るとは言えトロス、アベルよりも速くとても指示を下しながら攻撃を当てるという事は、不可能に等しかった。

 

「…俺が奇襲を相手に仕掛け続ける」

 

 その時に、今まで無口であった。メガラスが口を開いた。

 

「駄目だ!お前が居なくなったら確実に竜王を止める事が出来なくなる」

 

(嫌…悪い考えじゃねぇかも知れねぇが…)

 

「相手が増えなきゃそれは、あり何だけどなぁ~」

 

「それならば、問題ありませぬ」

 

「!!」

 

 一匹の魔人ドラゴンがトロスに進言する。

 同時にアベルが、凄まじい目つきでそのドラゴンを睨みつけるも既に遅く次ぎ次と言葉が放たれる。

 

「我らは、既に王冠を手中に収めております。王冠が無ければドラゴンは、増えられませぬ」

 

「おい、アベル殿!このほら吹き早く下げてくれないか?だったらカラーがなんで…」

 

 急に口を紡ぐトロスにあの集落の悲劇は、此奴かとアベルは確信したがその様な細事は、今は気にする必要が無いと頭で切り捨てる。

 

「カラーは、正確にはドラゴンの亜種に近い…通常種のドラゴンは生まれてこないだろう」

 

「それじゃあ、カラーが量産されるだけだろうが!!」

 

大声でトロスが怒鳴る。

 

「…トロス殿、カラーに何か関わりが?」

 

「いや無い…ドラゴンは、俺の好みではないな」

 

「そうなのか?」

 

「ああ、まだテラの方がよほど興奮できるね」

 

(まぁ、ハンティは別だがね)

 

 彼奴だけは、何があっても手放なさい…暗い決心を再度かためる。

ドラゴンの中では、ハンティ以外は圧倒的下にアベルが位置して後は死のうが生きようが自身に危険が迫らないのであれば、知ったことでは無かった。

 

「そうか…」

 

 その言葉を聞きアベルも何かを考える様に頭をひねる。

 

「…!!」

 

 そこに魔人が唐突に入ってくる。

 緊急の事態を予測しトロスがアベルに頭を下げ下がる。

 

「俺達、アイツらにかてるよな…」

 

ケイブリスの言葉に応える者は、独り者居なかった。

 

 連絡用の魔法を使用痕にトロスは、定期的な聖女らとの談笑の後に分身体からの報告を受け取った。その報告は、トロスですらひっくり返る様な凄まじい物であった。

 

「なに!!あっちの人類をほぼ皆殺しにしただと!!」

 

 異界に送った分身体からは、ウェンリナーとベセルアイが、一国家から悪魔と呼ばれ追討の部隊が編成されている事を魔人より伝えられ、聖女達に危害を加える存在は、その種の一個体が死に絶えるまで、殺し尽くせの命令の通り始めに追討の部隊を蹂躙し、逃げた部隊から国家を発見し、その国をDRで取り囲み一人残らず。殺し尽くしたと報告された。

 その後も殺戮は、続き量産されたDR達と魔人達は、様々な大陸に進行した。補給も疲労も感じない死の軍隊は、中華と呼ばれる民族と文明を滅ぼし、白人国家から人類の痕を洗浄するかのごとく浄化しつくしアフリカ、中東、果ては土着の少数民族も僅か一年とそれまで人類が歩んだ歴史を嘲笑するかのごとく滅ぼした。

 僅かに残った人類は、トロスが将来のリーゾト施設にすべく故郷の日本だけには、干渉を避けるように伝えていたので、僅かなモンゴロイドと渡来人のみが日本と言う枠組みの中でのみ生き残った。

(やっちまった…これでもう言い訳も何も聞かねぇ…正真正銘の外道の魔王だ)

 

「殺したんだよな、俺が数億人の人間を…」

 

 言い訳など出来なかった。確かに万が一にでも彼女らに求婚する個体が現れては、最悪奪われる可能性は多いに考えられた。確かに、これまでも殺戮に外道を重ねてきた…しかしそれは、所詮敵であり、味方では無い化け物達であった。元同族の人間を間接的とは言え手にかけてしまった。

 

「どの道生かしておいては、将来の災いとなったんだ…これで良かったんだよ」

 

 人間は、弱者では無い

 大概の野生動物にも劣る身体能力だが、集団による作戦、行動をとり文明を発展させる事により、どの様な野生動物も人類の前に屍をさらしてきた。それならば…今対処出来る内に処理出来たのは、行幸であった。

 後に大文明を築く、中華圏、産業革命を引き起こす欧州の白人達を絶滅させたのも良い方向に考えれば、プラスしかないこっちが仮に相手に不干渉でも確実に邪魔なDRと魔人達を排除しようと団結するというどこかで聞いた様な三流SEファンタジーの様な悪夢が繰り広げられる可能性もあった。

 そこに、同族だからと甘い処理で悩んでいる自身と彼女らの上を無数の核弾頭が降り注ぐ…そうならない為に同じ事を自身がそれこそ元同族の人間も一人残らず。稚拙な感情に任せてなぶり殺しにしたであろう事は、手に取るように分った。

 そう考えれば、DR達の機械的な殺戮もいっそ救いとなったであろう。

 

「もう、ただの欠陥人間には二度と戻れないんだな…」

 

体を震わせ、決意をあらわにする。

これからも彼女達だけは、守らなければ…

 

「殺した事は、取り返しがつかねぇ…だったら」

 

汚れた手は、洗えば良いんだ。

 

次に生かせば良いんだよ…次に

 

 

 ここまで、言い訳を繰り返し自己の正当化を行い続ける。トロス…しかし本当に怖かったのは、殺した事に対して罪悪感を抱くことの無い自身そのものであった。このままいけば俺は、一度のあやまちがあったら、ハウセナースを殺すのでは無いか?ちょっとしたすれ違いで他の聖女達も手にかけてしまうのでは、無いか?それが恐ろしかった。

 だからこそ次の人類に似た知的生命体と遭遇した際に取るべき判断を間違えないように…強者に喧嘩を売って、彼女らに危害が及ばぬ様に、そして一時の感情で彼女らを害さぬように…

 

 

心も醜ければ、身も醜いそんな化け物にだれが守って貰いたいんだ?

 

お前が、考えて居るのは自己正当化とその場しのぎだけだろ?

 

頭に浮かんだ、疑問のみは決して離れる事は無かった。

 

 

 

 

 




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