「凍結」過去の遺物   作:オオソカ

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新年あけましておめでとう御座います。
本作品も一年を無事に迎える事が出来ました。これも毎回見てくださる。
皆様のおかげです。

本年度も宜しくお願いします。


SL歴~???
新たな魔王と新たな主役達


「新たな魔王と新たな主役達」

 

(スラル…お前は、新たな魔王だ)

 

 その声を聞いた時に、我は存在していた。

 

(大陸を己の色に染めろ。役目を果たせ)

 

 次の言葉と共に、我の中には大量の情報が注ぎ込まれ同時に熱い変動を感じると共に信じられない程の力を手に入れていた。

 先代、及び先々代の魔王達…配下となる魔人と魔物、自身と同じ体を持つメインプレイヤー人間…そして原初の魔王について全ての情報が注ぎ込まれた。

 

(それでは、ゆくがいい!)

 

 その言葉と共に我の意識は、我の庭である。大陸に降ろされた。

 ただ、あの巨大な何かは…我を見て笑っていなかっただろうか…

 

「メインプレイヤーの交代が起きました!!現在のメインプレイヤーは人間です!」

 

「魔王が降臨しました。現在の暦は、SL歴です!!皆様お間違いの無いように!!」

 

 花が大陸の変化をスピーチの用にはやし立てるも、その声を聞いた者は、新たな魔王スラルだけであった。

 

「ここが、我の庭か」

 

 胸にわいた感想は、殺風景であった。

 ただ、漠然と広がる大陸は、初めて見る自身にとって広大と感じると同時に、ただ自然がそのまま放置されている現状は、スラルにとって面白みを感じなかった。

 

「我が、住む場所にはいささか、不釣り合いだな…」

 

「なにか、こう…広大で美しさを兼ね揃えた場所はないものか…」

 

その言葉をはなつと同時に浮上して、大陸を移動し始める。

 

「ハニホー!」

 

「邪教は倒せ!!」

 

「邪悪コンタクトのトロスを許すな-!」

 

(何だ…こいつらは)

 

 スラルが見渡すと大陸の所処でハニー達とDRと言うトロスの先兵が争いを繰り返している。しかも、どうも言っていることが阿呆らしく感じた。そのハニー達をDRが囲んで一体、一体づつ潰しているも、しかしハニーの勢いも凄まじくDR達をさんざんに打ち負かしていた。

 

「あ~魔人が来たぞ!!」

 

「卑怯者~!」

 

「一時撤退!!」

 

 流石に、分が悪いと感じたらしくぞろぞろと巨大な虫達やDRが大型化した魔人達が集結するとハニー達も逃走していった。

 

「これが、魔人…随分弱そうだが」

 

 ハニーやDRと比べれば圧倒的な存在を放っているが、所詮比べればである。自身と比べれば、一割の力を使う事無く叩きつぶす事が出来るであろう。それに魔王には絶対命令権がある。魔人や魔物が魔王にいかなる場合でも逆らう事は、出来ない

 

「貴様ら、我が新たな主スラルだ…我に従え」

 

 凄まじい威圧感を放ち、魔人達に語りかける。何事も最初が肝心である。これから使役する魔人達であるならばなおさらであった。

 

(まぁ、数はそれなりにいるようだ。多少の荒事ならこなせよう)

 

ズルズル、スタスタ…

しかし、魔神達はスラルの声などどうでも良いように一切の反応を示さずに歩を進め始めた。

 

「へっ、ちょ、ちょっと、止まりなさい、我は魔王だぞ!」

 

 声が小さかったのかと、再度大声で少し素が出ているが叫ぶも服従の意を示すこと無く、声を放つことも無く、足を止めること無くスラルが、困惑している間に遂に魔人達は、一匹も見当たらなくなっていた。

 

「お、おいていかないでよー!ま、まだ何も命令していないじゃない!!」

 

 この大陸の王の声が空しく大陸に木霊する。

 暫く何も魔人に呼びかけていたが、喉が痛くなってきたのか途中で止めて魔人達の後を追いかけていた。アイツら絶対にこきつかってやる!!と執念を燃やしながら…

 

 スラルが魔人を追いかけた先には、広大な城が広がっていた。

その巨大さは、自身が頭の中で描いていた居城を遙かに上回り、まるで天にでもそびえ立つような広大さを誇っていた。そして巨大さから考えられぬ様な豪華な美術品ともいうような奇跡的な造形物となっていた。

 スラル、彼女は気付いていないが美術品でも聖女達の為に徹底した魔姫の酷使により建築に数百年をかけて完成した。直径30kmに及ぶ巨大な城として完成したトロス渾身の作である。魔王城「魔苦露巣」豪華の外観に戦闘時に外観を変える事により戦闘基地としての運用も重要視されており、魔法がそこら中に付け加えられ、合体魔人達が直ぐさまに出撃出来るようにされていた。軍事基地としての面も色濃く残していた。

 

「だ、誰が作ったのこんな巨大な建造物…」

 

 その巨体に驚きながら、スラルが呆然としていると自身の手を誰かが掴んでいた。

 魔王の自分が気づけなかった!その驚きと共にスラルが急いで確認すると小柄な自身よりもさらに小柄な少女が此方を見つめていた。

 

「スラル、如何したのお腹痛いの?」

 

「い、いやお前は誰だ?」

 

 スラルから、すれば生まれてから一日も経っていないのである。そんな自身に知り合い等居るわけが無く、誰であろうと初対面であった。

 

「トロスに会いに来たの?」

 

「トロス…!」

 

 旧型魔王トロス、初期の実力では現在の魔王と比べて遙かに劣る性能であった。魔王だが凄まじい執念によって自身の体を改造し長年の戦争により今では、何処まで強くなったのかすら分らない旧い遺物…

勝てるか分らない相手それは、スラルが最も会いたくない相手であった。

 

(まさか、あの魔人たちも…)

 

 波長は、有っていたがよくよく考えれば魔人が魔王にとる対応としてあの態度はあり得ないと何故気付かなかったのか…自問自答し少女を見つめ直す。

 

「セラちゃん!!」

 

 そこに、同様に少女の様な姿をした存在が青い顔をしながら全速力で走ってくる。

 あまりにも、早くスラルも自身の早さよりも確実に早いと思わせる速度であった。

 

「キャッ!」

 

 よほど急いでいたのであろう。スラルの顔も見ずに突き飛ばしそのままセラクロスの腕を掴むと、セラクロスを詠唱した魔法からなるゲートに押し出し目の前の存在に目を向けた。

 

「ありゃ…」

 

 は虫類の様な鋭く陰湿なトロスの目がスラルを捕らえる。よく見れば、可愛い子だなとの声スラルが初めて聞いた言葉であった。

 これが、スラルとトロスの長いつきあいになるとは、両者共に今は、気付かなかった。

 

「へぇ~君が新しい魔王ねぇ~まぁ分るかも知れないけど俺がトロスね、まぁ宜しく」

 

「ええ、トロス先任魔王として宜しくお願いするわ」

 

 互いに手を出し握手しあう。

 トロスが、ここまでスラルに敵意を頂かなかったのは、スラルの幼くとも十分に美少女と言える美貌の一点買いであった。これが、長年の時を生き続け人格が完全に形成されていたのであったら、最悪戦争に発展した可能性が高かった。

 トロスにとって聖女達に近づく強者は、一人たりとも最悪その種族事生かしてはいけないものであった。スラルにとってもトロスにとっても彼女が生まれたままの赤ん坊に等しく無垢で魔王にしては、自身の人格を血に飲まれていない事は、幸福であった。

 トロスが唯一素直に相手に好意を伝えられるのは自身よりも、幼く人格が形成されていない者であった。

 

「ところで、やけにハニーと敵対しているみただが如何したのだ?」

 

「ええっと、それは…」

 

 聖女達にメガネをかけたからです。とは、言えず終始言葉を濁し続けながら、そのままトロスの案内にてスラルが場内を散策する。

 

「凄い…」

 

 改めて外装の豪華さにも目がいっていたが、中身はそれに劣らない状態であった。ゴミひとつ墜ちずに、常に何かしらの音楽が不愉快に鳴らない頻度で城の中を見たし、香炉がたかれているのだろうか、良いにおいが鼻を通り抜けた。

 

「あら、魔王様急に如何したの?その娘新人?」

 

「宜しくね~」

 

 ベゼルアイとウェンリナーが、一室に集まりトロスとスラルに言葉を交わす。両者共にトロスの性への異常とも言える執着は、理解しており同時に新たに愛人や愛妾を増やすのは、いずれ行うと理解出来ていたため、スラルを愛人だと思い込んでいた。

 

「新人?いや我は…」

 

「この方は、新しい魔王のスラルさん!そんな訳ないでしょ」

 

 本音で言うなら、手込めにしたい気持ちは強いが流石に魔王にそれを行う勇気は、無かった。

 

「魔王様…二人もいるとどっちに言えば良いのか分らなくなるわね」

 

「スラル様宜しくね!」

 

 やけに慣れ慣れしいな…こいつら、そうスラルは感じていた。

 

「彼女らは?」

 

「ええっと、まぁ何というか…」

 

 そう言えば、俺とこいつら何なんだろう…夫婦と言うことは無いだろうし、愛人と言えるほど致してないし、友人と言えるほど仲良く無いし…

 

「トロス殿…もういいわ」

 

 自分の思考に入っていった。トロスを見てスラルもこれ以上の追求は、不要と判断して案内を続けてもらう様に頼みこんだ。

 

「ん?あそこは何だ」

 

 地下を散策している際にスラルがやけに薄暗い密室に目をやった。他の部屋と違い無機質な音が支配し香も焚かれていないその部屋は、暗く稀に何かの悲鳴や爆発音も聞こえた。

 

「あそこは、まぁシャワー室だな…まぁ見ていて楽しい所じゃないから」

 

「そうか…」

 

 悲鳴と銃声を後にして、さらに案内を続け大体の紹介が終わり次第にスラルは、客室に連れられ一夜を空かす事となった。

 

「この部屋に客を泊めるのは、貴方が初めてですよ」

 

「私も泊まるのは、初めてよ?」

 

「初めて」その言葉が、スラルから出た事にトロスは、体を震わせるもスラルに気付かれる事は無かった。

 

「そ、それじゃあゆっくりしていてね」

 

「えぇ」

 

「そ、そうだ良かったらこいつら好きに使って良いからね」

 

 そう言いながら、トロスが手をたたくと奥から十人ほどの自身に似た雰囲気の人型が出てきた。

 

「こいつら、世話様の魔人でそれ様に調整してあるから、まぁお客様の相手はまだだから、粗相があったらいつでも言ってね」

 

「「「「スラル様」」」

 

「「「「お望みは何ですか」」」」

 

 一糸乱れぬ発言で、スラルに頭を垂れる魔人達、一般的に戦闘様に作成される魔人達と違いこれらの魔人は、メインプレイヤー達から見ても攻撃性が殆ど無く温厚で主人に良く尽くしたと語られている。

 そして容姿は、世間的な美少女と言うに劣らぬ一品であり、決して老いず。全力で魔姫やトロスに尽くし続けた。この魔人に惚れ一人の凡夫が、あの手この手でトロスに身請け出来ないかを嘆願する小話すら後世に作られており、例外中の例外な魔人達であった。

 

「いや、今は特にない必要なら我から声をかける」

 

「「「「「了解しました」」」」」

 

 魔人達の声を聞きながら、スラルは生まれて初めて心地良い眠りに誘われふかふかな新造されたベッドで眠りについた。私もこんな素直な子か、格好いい奴か、紳士的な魔人が欲しいなぁと思いを浮かべ、このとき彼女は、一般的な少女と大差ない思考と表情をしていた事を付け加えなくてはならない。

 

そして…

 

「あっ!!セラちゃん忘れていた」

 

 その部屋から出て顔を青くしながら、自身の愛妾の事を思い出した存在もいた事も記録せねばならない…

 




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感想や誤字脱字があれば教えて頂ければ直ぐに対応いたします。

以下独自用語説明

「魔苦露巣」
 元ネタは、言わずと知れた超時空要塞
ドラゴンとの絶滅戦争で、完全に崩壊した住処であったが、それで懲りるトロスで無く聖女達が安全に暮らせる様に配慮と城の中でも飽きない様に魔人達が余暇の相手を務め、他の次元から盗んだ技術によって遊び場が非常に多い。

「お世話魔人」
 別名、魔人メイド容姿は、完全に美少女で他の魔人と違い他の異性界から取ってきた魂を加工した者であるが、非常におとなしく、天真爛漫、他の生命体を見下さずに無償での援助を行う程に、「魔人」と言う名前からは異物に等しい。戦闘能力もあるが、特筆すべきは、全てにメイドLV2を基本として補助や生活の為のLVを高い次元に纏めている。
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