「凍結」過去の遺物   作:オオソカ

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お久しぶりです。何とか形になりましたので投稿させて頂きます。


全逃現状

 

「全逃現状」

 

一度にドラゴンの襲来を感知したトロスであったが、流石に勝利出来るとは考えず。籠城して何とか、逃げだそうと必死であった。

「上の奴等は、俺と分身共で相手をする。残りの分身は、地竜に最大現の警戒をしつつ転移魔法の開発を急げ!!」

「何!ハウセナースが不満を言っているだと!何が不満か聞いてこい」

「外に出たい?今出てドラゴンに会ったら殺されるだろ!!駄目に決まってる。」

トロスの暴言と共に、DRと魔人達が忙しく武器や器具を地上への迎撃の為に移動している。しかし、現状の戦力では、ドラゴンとの戦争に勝利出来るところか共倒れも望めない状態であり最大戦力の三分の一で迎撃をすると言うのである。

 

死にたいと言っているようですらあった。

「何、成功率を上げるためあっちの戦力をだせだと!彼奴らの警護の為だ!それは、駄目に決まってんだろ!」

「こうなったら、試作機の魔姫も出せ」

「あの竜王なら、俺が相手をする。」

「…」「…」「…」

「分身体と魔姫は、あのうるさい上位種をぶっ殺してこい」

「良いか、情け容赦なく全匹殺せ!!種族浄化してやる!」

 

戦力の結集が急がれた…

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Kuku1451年…トロスの元へ防衛用の戦力を除き全ての戦力が結集する。シャワー室も閉鎖されDR2400万体、魔人349体、分身体47体、本来ならば実験用の怪物の魔姫すら運用される。残りの千を超える魔人と億の数のDR、53体の分身体と共に聖女達は地下の奥深くに潜む事となる。

 

Kuku1455年…ドラゴン、集団でトロスの発見を急ぐ為、ククルククルへの対応がおざなりとなる。

 

Kuku1460年数年が過ぎたものの臆病である事が助けになった為か、ドラゴンとの戦闘に発展せず。

これ幸いとシャワー室を解放しDRと魔人の量産、分身体の生産、ドーピングアイテムの量産を実行する。

 

Kuku1500年…未だドラゴンと戦闘ならず。ドーピングアイテムを数百単位で窃取する。味覚を切断していたため、大惨事にならず。

 

Kuku1527年…実験として、魔人が2体とDRが4000体で10匹のドラゴンの元へ向かわせる。一体のドラゴンを討ち取るも、1時間以内で全滅する。

 

Kuku1549年…地竜が、進入してくるも魔姫に捕食される。

 

同年…居なくなった地竜を探しに百を超える集団にて、地竜が進入してくる分身体とトロス自身が迎撃に向かうも、3体ほど取り逃がす。この時の地竜からドラゴン達へトロスの所在が明かされ。戦争へと繋がった。

 

Kuku1550年…上空より数千を超えるドラゴン達のブレスが、トロス達へ降りかかるも魔人達がバッテリー代わりとなり、対ブレス魔法を展開し無事であった。

そのまま暫くブレスをはき続けたドラゴン達であったが、無駄と分ると突撃を敢行してきた。しかし、分身体達に対処され突撃してきたドラゴン達は、捕殺される事となった。

 

Kuuk1554年…トロス、襲ってきたドラゴン達を棒に突き刺し地表に設置する。数百のドラゴン達が激情にかられ襲撃するも、魔姫に捕食される。

 

同年…ドラゴン一端、数匹のドラゴンを除き撤退する。

 

同年…マギーホア及び近衛達が参戦する。分身体は、近衛を圧倒していたが肝心のトロスがマギーホアに終始押されている状態であったが、この場をしのがなくては後が無い為、継続的な身体強化魔法を使用し7日にわたり、相手取る。

 

同年…トロス右腕を食いちぎられる。激痛と共にのたうち回りそのすきに分身体が数体マボーギアと近衛達に破壊される…

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「いっっぎゃああああ!」

右腕を食いちぎられたトロスが痛みでのたうち回る。

 

「…」

その姿を一瞥し、マギーホアは近衛の救援に向かう。

その力は、圧倒的の一言であり本来バグ同然の強さを誇る分身体達も戦闘のダーメジが蓄積しある個体は、爪で抉り殺され、ある者はかみ殺され、また、ある者はブレスによって完全に溶かされた。

「王よ…済みませぬ」

「いや、お前達よく耐えてくれた」

王の勇姿を見て周囲のドラゴン達も士気が沸きだつ

「王だけに、任せておけるか!」

「我らも、続け!!」

「奴は、所詮汚い手を使わねば勝てぬ奴だ」

一時苦戦していたドラゴン達であったが、ブレスでDRを溶かし、魔人をその強力で引き裂き一気に形成を逆転させた。本来なら、トロスはこの時点で逃げ出していたが、どうしても引けぬ訳があり、同時にトロスとて相手を過小評価していた訳でも無かった。

「アヒ」

「アヒニッヒヒヒh」

「ウッッッッヒヒヒヒ」

泥の体を揺らし、口元を裂けさせ狂い笑う。

その姿を見て、ドラゴン達も不気味な空気を感じた。

「おい、お前ら俺がこれくらいで死ぬと思ったか?」

「おめーら、存在事態優秀だな本当に」

「だけどな、この大陸世界には喧嘩を売っちゃいけねぇ奴が居るんだよ分るか?」

             ドロボウ      オウサマ

「それはな、ナイフを持った外来種と権力がある独裁者じゃああ!!」

イキリながら放つその言葉と共に、ドラゴンに似た魔人達が出撃し魔人がそれにまたがりドラゴン達に攻撃を仕掛ける。同時に、死んだ分身体、魔人をトロスが捕食し一瞬にて体の傷及び右腕の修復が完成する。

 

「合体魔人」魔人のその性能の低さを繋げる事で無理矢理解決させた存在であった。

初期にはむりやり魔人同士を合体させた為、シャム双生児の様な奇形じみた魔人が多くみられたが、出力や単純な性能が上がれども小回りなどが効かず。実践では、ドラゴンに一方的に対処されるとの報告があり、解決の為以前より収集していた。ドラゴンの臓物や皮膚からドラゴンタイプの魔人を作成しそれと繋げる事により戦争に間にあった存在であった。

 

「ば、馬鹿な腕が一瞬で」

「な、何だ。この魔人共は?」

「落ち着け、所詮姿を真似ただけよ」

一部のドラゴンが、間髪入れずに魔人ブレスを吹きかける。そのブレスを見て魔人達は、よけるわけでも無く正面からつっこんでいく。

「馬鹿、そんな正直に!」

「おい、おかしい彼奴ら傷一つついていねぇ」

その言葉を最後に、ドラゴンタイプの魔人と大型の武器をもった魔人によりドラゴン達は次々と討ち取られていった。新技術の「無敵バリアー」それは、相手の攻撃をほぼ防ぐものであったが凡そ継続的な使用の際に莫大なエネルギーの消費量を誇る。

 

使用出来るのはそれ様に調整し余裕のある合体魔人だけでしかも、自身の基地付近での使用しか出来ない等の多くの問題点を抱えており、同時にエネルギーが無くなれば直ぐにでも解除される。欠陥品であった。しかし、実力が同じか劣った相手には絶大な効力を発揮した。

 

合体魔人達に、ドラゴン達は次々と討ち取られる。

「おい、偉大な王様よ!大切な同朋がピンチだぞ?助けなくて良いのか」

「トロス…」

「貴様は、本当に哀れな奴だな」

「…」

「正面から、我らを圧倒出来ないとみると直ぐに下策に頼る」

「なるほど、あのククルククルとは大違いだ」

その言葉を沈黙で返していたトロスであったが、不意に口元を歪め言い返す。

「こちとら、上級な貴方方と違って使えるものなら何でも使うんだよ」

    愚者

「こい、トロス!」

      上級

「死ねや!!竜王!!」

 

大陸の強者達の闘いは未だ続く…

 

トロスがマギーホアの肩にかみつくものの、逆に硬度の高さに顎が負けてしまい損傷を食らう。死んだ魔人達を吸収し回復している姿を見て、ドラゴンもブレス攻撃による消滅を狙うも魔法に防がれ上手く行かず…

 

かくして、マギーホアが分身を倒すと、トロスが攻め、マギーホアがトロスを押さえ、マボーギアがトロスの相手をすれば、分身体が周囲のドラゴンを撃ち殺していく。終わりのない様に見える闘いが一月以上続いたが終わりは、以外な所で訪れた。

 

「マギーホア様!!」

一体のドラゴンが全速力で、戦場に突っ込んでくる。それを排除しようとするトロスをマギーホアが一撃を加え、地面に叩き付ける。

「何だ!」

「そ、それがあの魔王が急に暴れだして王冠に危害を…」

「!!全員すぐに引き返すぞ!!」

「ハ、ハッ!!」

おきがけの駄賃ばかりと残ったドラゴン達が、魔法の有効範囲からずれたトロスに向かい渾身のブレスを放ち、急加速しながら離脱していった。

そして全体の40%の損傷を貰いながらも生きていたトロスが周囲を見た時には、半数以下の数となった分身体と100にも満たない魔人達にドラゴンの遺体に執拗に攻撃を仕掛けているDR達であった。

 

かくして、どちらかが滅びるまで続けられると思われていた。戦争は、終わり聖女達も無事であり、自身も生存する事が出来たのであった…しかし、同時にたった一月ほどでこれほどの被害を出していくドラゴン達にこれまで以上の対策の必要性が高まった瞬間でもあった。

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Kuku1554年…竜の王冠、ククルククルの手により魔人となる。

この行動により、今まで以上にドラゴン達の怒りを買ってしまい。竜王達も常に魔王に襲撃をしかける事となる。

 

Kuku1560年…トロス戦力の回復の為、本拠地の移動を画策する。被害を受けていない魔姫達は、住み慣れた場所を移すことを嫌がるも戦争の惨状から珍しくトロスが大声で怒鳴りつけて無理矢理移動させる。

 

Kuku1600年…ドラゴン達の魔王への攻撃は、以前として死にものぐるいで続けられる。純血のドラゴンの血を唯一残せる。王冠の存在は、ある意味で王と同等であり王やその他の最大戦力達も昼夜休まずの攻撃が仕掛けられた。その為、回復計画も完全に頓挫しており、ククルククルがやられた次は、トロスの順番になる事がほぼ確定的となった。

 

1610年…トロス、DRと魔人を酷使し、本拠地の移動を完了する。急ぎ量産工場及び生産工場、実験所を再開させる。前回の戦争の発端となった、地竜に対して激しい憎しみを改めて感じる。魔姫達も、トロスの憎悪に怯えて、ほぼ接触が無くなる。

 

Kuku1620年…十年間、魔姫とほぼ接触無く、その間にドラゴンに対する。憎しみを募らせて戦力の増加にいそしむ。

 

Kuku1645年…戦闘用の魔姫の二番機が製造される。トロスの性能の60%を保有する。最初の者より性能が落ちている事に落胆するも、ほぼ最初からのやり直しに近い状態に近く兎に角ドラゴン相手への戦力が必要であり、割り切ってさらなる増産を開始する。

 

Kuku1730年…ククルククル、以前の襲撃よりも遙かに早い速度で損傷していく、ドラゴン達の執念ともよべる攻撃は、凄まじく全体の30%の体力を失う。

 

Kuku1789年…戦闘用の魔姫の三番機と四番機が生産され、分身体も100体の数に戻る。三番機は、70%の性能を持っていたが、四番機は、失敗作であり40%とほぼ分身体と変わらない性能であった為、実験体としてシャワー室へ送られる。

 

Kuku1801年…ククルククル、竜の軍勢に依然として激しい攻撃を受ける。全体損傷半数を超える。

 

Kuku1871年…四番機、実験中に死亡する。死体は、解剖するも特に成果を得られず。遺棄される。

 

Kuku1900年…竜の王冠、未だに戦線に見られず。ドラゴン達の焦りからさらに攻撃が激しくなる。

 

Kuku1911年…戦闘用の魔姫を運用し地竜に対する虐殺が実行される。ククルククルに対しての攻撃に参可している為、出戻りの地竜数十体を仕留めるに留まった。

 

Kuku1930年…ケイブリス、ククルクルの様子を見て心配するも何も出来ずに一人で隠れ潜み、魔王が倒れることなんてないと自分に何度も言い聞かせる。

 

Kuku2000年…新型のDRの試作品の作成計画が実行される。魔法の回数の増加及び身体強化魔法等も使用出来る様に、作成を目指す。

 

Kuku2030年…失敗する。現在のDRをたたき上げに使用するも性能が限界に近づいており回数増加も新魔法の片方を実行する事すら出来ず。十四体が爆散した所で一度開発計画は頓挫する。

 

Kuku2045年…ベゼルアイと廊下で出合う。お互い顔を合わせずに通り過ぎる。

 

Kuku2060年…セラクロスと食堂で出合うも、ドラゴン対策で苛ついており無視する。

 

Kuku2075年…ウェンリナーが心配そうに、此方を見つめている事に気付く。ばつが悪そうな顔をしてシャワー室に戻る。

 

Kuku2090年…ハウセナースと武器庫で出合う。本気で怯えられる。互いに驚き直ぐに逃げ出す。

 

Kuku2100年…ククルククル、マギーホアに反撃し一撃を食らわせる。マボーギアも相手の渾身の一撃に体力の三分の一を失うも、怯えずにさらに攻撃を敢行する。その姿をみたドラゴン達によりさらに激しい攻撃を受ける事となる。

 

Kuku2123年…合体魔人の強化が分身体より提案される。現在は、精々乗って無理矢理合体魔人と名乗っているが両者の性能を会わせる事が出来ていない為、改善案としてより合体数を増やしより強力な個体を目指す指標がまとまった。

 

Kuku2203年…三体合体にて試作品ができあがる。トロスの性能の約10%ほどであるが他の魔人を隔絶する能力を体に入れており、なにより分身体よりも遙かに生産が簡単な魔人の有効活用は以降のドラゴン対策にとって欠かせない事であり、試作品のすぐさまの量産が実行される。

 

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シャワー室、悪趣味な名前のこの施設は対ドラゴン殲滅の研究及び魔人や分身体、戦闘用の魔姫が急ピッチで生産されており、トロス自身も最近では聖女達との交流もほぼ無く兎に角、安全の確保の為の戦力の増強に努めていた。

 

「ヨシ!22隊、合体!!」

 

かけ声と共に、魔人達が重なりたい大きな黒い泥状の人型となった。

 

「よし、試験用のDRと魔人を連れてこい」

 

その声と共に、数体の魔人とDRが連れてこられる。

そして、かけ声も無く戦闘は直ぐに始まった。

しかし、実際には戦闘と呼べるものでは無く一方的な蹂躙そのものであった。

魔人の攻撃は、相手に一切の損害を与える事無く戦闘不能に追い込まれDR達はまるで箒でゴミを掃くかのように蹴散らされていく。

 

「おお、まさしく俺が望んでいた性能だ!」

「よし、これからの魔人はほぼ全て合体タイプにするぞ」

 

「うははは!」トロスの満足そうな笑い声をその後ろで四人の聖女達が見つめていた。

 

「彼奴、最近魔人の方ばっかりに手つけてるわね…」

「あら、トロス君の相手嫌じゃ無かったの」

「そうだけど、最近さらに怖く感じるのよ」

だってとハウセナースから近状の思いが告げられた。

「昔は、私達になにかあったら直ぐに何かしてきたのに、最近何もいって来ない何処か顔すら会わせないんだから…」

「飽きちゃったのかしらね」

「べーどういう事」

「私が、言える事じゃないかもしれないけど幾ら手間をかけても自分になびかない雌に雄が手間をかけたがるってあまり聞かないでしょ?」

「はーーーっ!彼奴私達にこれだけの事をしといて飽きたから放置ってどういう腹づもりよ!!」

 

でも、今度はベゼルアイから言葉が紡がれた。

「一度位、飽きられない様にこっちから抱かれに行くべきだったかしら」

「それは、止めときなさいよ」

 

なにか雌としても女として大事な何かを捨てに行く様なものでは無いか

言葉には、出さなかったがハウセナースはそう感じた。

 

「邪魔になったから、いきなり殺されないと良いんだけど」

「うわぁ、やりかねないわね」

 

しないよ、それは、セラクロスの言葉であった。

「トロスは、私達を殺さないよ」

「だって、彼奴よ?貧相、下劣、欲深と…ああ言い出したらきりがないわ」

 

「セラが言ってるのなら、確かなのかしら…」

 

聖女女の子モンスターセラクロスその精神は、常に時間を行き来しており今のセラクロスは、明日、数年、数千年先の精神である可能性すらありそのセラクロスが危険信号を出さないのであれば今はまだ、トロスは自分たちに危害を加えないのでは無いかと他の聖女達も感じ安心した。

 

「お兄ちゃん!」一人ウェンリナーは、トロスの後ろに行き大きな声で話しかける。

 

「ん!何だ…お前か」

一度、怯えた様子を見せたトロスであったがウェンリナーである事を確認すると落ち着きを取り戻し作業に戻る。

 

「ねぇ、今度皆で一緒に遊ばない」

「悪いが、今は彼奴らの対処が先なんだ…今度な」

 

「うん…そうだね」

トロスの言葉に体を縮こませながら、ウェンリーナは退出しようとする。その姿を見てトロスは言葉を続けた。

「まぁ、偶には息抜きも良いだろう」

「お前達に、不安だけを与えてすまんな」

「嫌じゃ無ければ、後ろの3人もどうだ?」

 

「あら、気付いてたの」

「伊達に、化け物やってないからな」

 

「い、いきなり殺しにかかったりし、しないでよ!」

「しないが、お前普通なら三回は首が飛んでるぞ」

 

「うん、ちょっと眠いけど良いよ」

「セラちゃんは、本当に変わらんな…」

 

壊れたと思われていた、夫婦関係にも一時の安らぎがもたらされた瞬間であったがこの僅か、百年後に衝撃を全大陸に広がる事となった。

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空を覆い尽くす。ドラゴンの軍勢それは、過去にトロス殲滅の為に向けた兵力の遙か上を行きそれだけ、王冠を奪われたドラゴン達の怒りと焦りの大きさを表していた。

 

そしてその大量の軍勢の眼下には、物を言わぬ屍となった。魔王が鎮座していた。

 

戦争は、終わっていた。

魔王ククルククルの死によって未来、過去すべてを置いて独力で最初から完成されていたとも言える最強の魔王ククルククルであったが、最強の個では、最強の集団に勝つ事は無く、ドラゴンに多量の出血を強いたが最後には物を言わぬ屍として後世では、山の一つとして観光名所程度の扱いとなりその名を残すのみであった。

 

そして…

「カミーラ様を発見いたしました。」

「直ぐに、連れ帰るぞ」

戦争に勝利した新しきメインプレイヤー達

 

「なぁ、嘘だよなぁ、これって悪い夢だよなぁ…」

現実を理解出来ぬ小さな魔人

 

「遂に、来やがったか…」

「おい、彼奴らだけでも他の次元に逃がす算段はついてんな?」

次の標的となるいにしえの魔王

 

そして

「何だ、この力は…」

「素晴らしい!この力ならば王冠を俺の物に出来る!!」

「待ってろよ!カミーラ…新しい夫を!!」

新しい魔王…

偶然により、ククルククルを打ち破ったドラゴンその名は「アベル」

初代魔王は、死にその血は新しい魔王に受け継がれた。

 

そして、大陸は千年を超える停滞から新しい環境に移ろうとしていた。

 

「皆様に、お伝えします。」

 

「現在の暦は、AVです。お間違えないように」

 

大陸に安寧は、未だに訪れない…

 




投稿終了
誤字脱字ありましたら、指摘あれば直ぐに修正いたします。

独自用語が多い本作なので簡単に一部設定を載せておきます。

「DR」
 この世界において、後に登場する魔物兵達がザクの役割を担う様にジムの役割を担う存在、最初期の泥の兵隊状態では魔物兵達と比べてすら3体1で勝てる程度の物であり、後世のメインプレイヤーの騎士一人に準ずる程度の性能であった。しかし魂を持たない為、大量に増産が効くので、その数でのごり押しが主人トロスによる基本戦略であった。

「トロス制魔人」
 本来の魔人と違い、魂を持たないDRが主にその役割をになっている。単純な命令を守る事が出来るために、新しい魔王の魔人と違い命令さえ正しいならば協力体制などを取る事が出来る。また、上限が無い為トロス自身の才能と能力、時間さえ気にしなければ幾らでも生産が出来る存在である。しかし相手がドラゴンや魔王であった為、当初はDRより低い評価を受けていたがメインプレイヤーの移行により悪鬼羅刹のごとく恐れられる存在となる。

「魔姫」
 魔人と違い、主にトロスの愛妾などに作成される。制作に多くの時間と労力を要しているため、破格の性能を有して制作時点で最低でも魔人四天王クラスの力が付与される。しかしトロス自身も決して戦闘などに使用しなかった為、完全なコレクションに近い存在であった。ほぼ全て女性で構成されているが、後に男性の魔姫の存在も確認されている。

合体魔人
俗に言う、ロボットアニメのアレ、どちらかというとTFの合体戦士が元ネタ
対ドラゴン戦闘において、主戦力は分身体でありDRは元より
本来主戦力である魔人ですら、戦力とならなかった。しかし分身体よりも遙かに大量に生産が出来て、DRよりも遙かにスペックに余裕をもつ魔人達には現在でも発展の余地が残っていた。そして、長年の実験により誕生したのがこの合体魔人であった。

今のところこんな感じです。
何か気になる事がありましたら、おっしゃって下されば直ぐにお伝えします。

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