超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth3&VⅡ Origins Exceed   作:シモツキ

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第百話 私の道、私だけの道

 信次元に住む人々の為に、平和と安寧の為に、原初の女神の複製体である私は休んでなんていられない。私は原初の女神の複製体であると、もう一人の私の願った守護者であるのだと示す為に、私という存在の意味を証明する為に、原初の女神の威光を人々へ…次元へ見せなくちゃいけない。それが私の、原初の女神の複製体である私の使命なのだから。

……そう、思っていたのに…私は今、信次元ではなく神次元にいる。それも何故か、デートをする為に。

 

「あぁ、待ってた、待ち侘びていたわ…!貴女と直接会う日を、直接会って、デートをする日を…っ!」

 

 神次元へと訪れた私の前で、喜びを露わにするのはセイツ。昨日私は、何とも意味の分からない流れでデートに誘われ…誘われた通りに、セイツとデートをする事になった。なってしまった。

 

「デートって…あくまで出掛けるだけ、だよね…?」

「えぇ、だけどデートよ」

「…そう……」

 

 デートに明確な定義はない。おうちデートはまだしも、一人デートなんていう本来の意味とはかけ離れたデートも存在するのだから、それに比べれば二人で出掛けてる時点で十分デートと言えるのかもしれない。

 

(…今は、セイツとデートしてる場合じゃないのに……)

 

 自信満々に答えたセイツへ、何とも言えない感じで返した私だけど、それは別にデートという言葉だけて引き起こされたものじゃない。

 正直に言えば、セイツと直接会う事、出掛ける事は私も楽しみにしていた。平時であれば、きっと私も心踊っていたと思う。けれど今は、信次元の危機が去っていないこの最中に、女神である私が信次元を離れて出掛けるなんてあまりにも……

 

「…イリゼ」

「…ぇ、あ……」

 

 そう私が思う中、気付けばセイツは私の側に寄り、真正面から私の両肩へと手を置いていた。

 セイツの瞳に浮かぶのは、真面目な感情。薄浅葱色をしたセイツの瞳が私をじっと見つめていて……その瞬間、思考が止まる。意識が、目の前のセイツ一人に引き付けられる。

 

「イリゼ、貴女が神次元に来たのはどうして?」

「…セイツがデートしたいって言うから……」

「それだけ?」

「…イストワールさんが、行ってって言ったから……」

「…それは、つまり?」

「……私がちゃんと、休む為…」

 

 答えるというか、言わされているというか、答えを誘導された私。私からの回答を聞くと、セイツはにこりと笑って首肯。

 

「だったら、今は心を解放しましょ?イリゼの真面目なところは素敵だと思うけど、今のイリゼの心は……」

「……セイツ?」

「…ううん。それに、そっちのイストワールにも言われたでしょ?今日一日は、身体と心、その両方のリフレッシュに費やしてほしいって」

「…それは、そうだけど……」

 

 それは、つい先程…神次元へ行く直前にイストワールさんから言われた言葉。その時のイストワールさんは本当に真剣で、真摯で…私はそれを裏切れない。そこまでイストワールさんが私の事を慮り、私を思ってくれているのなら、その気持ちには答えたいと確かに私は思っている。

 けれど、心は上書きなんて出来ない。原初の女神の複製体として使命を果たさなくてはという思いと、イストワールさんを安心させたいという思いの両方があって…迷う私の心を見透かしたように、セイツは続ける。

 

「…ね、それじゃあわたしの為に、わたしとイストワールの為に、今日はわたしとデートして。それとも…イリゼは、人の為だけの女神なの?わたしやイストワールの事は、大切に思ってくれないの…?」

「そんな事…っ!……昨日のイストワールさんもだけど…セイツも、そういう言い方するのはズルいよ……」

「イリゼとデートする為、イストワールの真摯な思いに応える為なら、ズルなんて幾らでもするわ。だから…今日だけは、わたしの事を思ってくれる?」

 

 それはまるで、本当の告白。二つの思いで迷っていた今の私でもどきりとするような、自然に答えてしまいそうな、真っ直ぐな思い。

 そうだ。イストワールさんもだけど、セイツも真剣に私を誘ってる。本気で私の事を思っている。なのに私はどうか。相手はセイツなのに、セイツ以外の事ばかり考えていて……そんなのは、あまりにもセイツに対して不誠実過ぎる。そして同じ女神へ…目の前の相手へ不誠実に接する事が、女神の正しい姿だとは思わない。…だから……

 

「…原初の女神は、全ての人を愛し、慈しみ、思いに応える存在…それが理想、それが私の目指すべき姿……よし」

「え…っと、イリゼ?貴女、それは……」

「うん、気を遣わせちゃってごめんねセイツ。デート…か、どうかは置いておくとして…今日は一日、楽しもうね」

 

 自分で自分に言い聞かせるように、私の中の認識と在るべき形の確認をするように、右手を胸の前で握った私は静かに呟き……それから完全に、気持ちを切り替えた。セイツの思いと、イストワールさんの思いへ答える為に。

 

「…イリゼ、それは……」

「…それは?」

「…ううん、やっぱり何でもないわ。それじゃあイリゼ、貴女に楽しんでもらう為に幾つかプランを考えておいたから、気になるものがあったら教えて頂戴」

 

 私からの返答を聞いた時、一瞬何か言いたそうな表情を浮かべたセイツ。だけどその直後に首を横に振り、もう一度私の方を見た時にはもういつも通りの朗らかな顔。

 それから両手を離したセイツは、プランが書かれているらしきメモ用紙を渡してくれる。まだまだセイツの事をよく知らない私だからどんなプランを考えてくれているのかは分からないし…だからこそ、わくわくする。セイツが私と出掛ける為に考えてくれたプランは、一体どんなものなんだろうって。そしてその期待を胸にしたまま私は受け取り、書かれていた文章を見やる。ええっと、上から順に……

 

・セイツお姉様とシュッツエンゲルの契りを結ぶ

・こっそり体育館二階で卓球

・CD千枚売り上げる為に全力コンサート

・アラガキ・マーク2に挑戦!

 

「……って、これ全部今期のアニメじゃん!あんまりパロってなかった今期のアニメネタの一斉投下じゃん!な、何を考えてこんなプランにしたの!?」

「はぅっ…これがイリゼの生突っ込み…イリゼのスーパーボールみたいに跳ねる感情が伝わってくるわ…♪」

「意味の分からない方法で意味不明な悦楽を感じないでくれる!?」

 

……期待して見たら、とんでもないラインナップだった。三段オチどころか、完全にネタに振り切っていた。

 

(…こ、こんなネタをわざわざ仕込んでたのセイツ…後、このラインナップだと最後のだけ方向性が違い過ぎる……)

「ふふっ、冗談よ冗談。ある程度幅を持たせつつもちゃんとしたプランを練ってあるから、今日の事はわたしに任せて」

「えぇー…初っ端から思いっ切り不安を煽られたんだけど……」

「…じゃあ、イリゼがわたしをエスコートしてくれる?それはそれですっごく素敵だし、わたしはそれでも構わないわ」

「う……」

 

 これ絶対セイツに任せたら私振り回される。弄られる。それは分かってるけど神次元の事は殆ど知らない以上、どこへ行くかはセイツに任せるしかないのが今の私。そしてそれが分かっているからか、或いは私がエスコートとしてくれても構わないと本当に思っているからなのか、セイツは余裕たっぷりの表情をしていて……結局私は、一抹の不安を感じるセイツのエスコートで彼女とのデートを始めるのだった。

 

 

 

 

 一体どこに連れて行かれるのか。一体何をさせられるのか。そんな不安を感じながら始まって数時間が経つけど…今のところ、意外にも普通。まずは神次元のプラネテューヌの雰囲気を知ってほしい…って事で教会周辺を軽く歩く事から始まって、その後はネプテューヌ達とも行ったらしいゲームセンターで暫し遊んで、今はちょっと早めのランチタイム。普段からセイツが利用してるらしいお店に入って、注文した料理が来るのを待つ最中。

 

「ネプテューヌ達からも聞いていたけど、本当に同じプラネテューヌなだけあって似てるんだね」

「国民の方向性も女神の在り方も似ているから、国も自然と近いものになったんじゃないかしらね。でもイリゼ、その質問はちょっと適切じゃないわよ?」

「え?」

「だって、わたしは超次元のプラネテューヌは知っていても、信次元のプラネテューヌは知らないもの」

「あ…そ、そうだった……」

「ふふ、イリゼはうっかり屋さんね」

 

 こっちの皆はネプテューヌ達を知っていた…って事からつい失念していたけど、皆が知っていたのはあくまで別次元のゲイムギョウ界。

 それを指摘されて私がしまった…という反応をすると、セイツは微笑んだ後にぱちんとウィンク。これは多分、「だから、次はイリゼが信次元を案内してね」って事で……早くも私は、二度目のデートのお誘いをされてしまった。

 

「お待たせしま…あら?セイツ様、その方は……」

「わたしの妹よ。可愛いでしょ」

「ぶふぅっ!?ち、違いますよ!?な、何をセイツはさらっと言ってるの!?さっきのプランネタ、まさか本気でやるつもり!?」

 

 どうやら顔見知りらしい店員さんに物凄い事を言い出すセイツ。タイミング悪くお冷やを飲んでいた私は吹き出しかけ、それはもう慌てて訂正。ちょっ…ほんとに止めてくれない!?言うならせめて、冗談っぽく言おうよ!何普通の事であるかのように言ってるの!?

…という感じに私が言ったら、その甲斐あってか店員さんは分かってくれた。そして同時に、私はこれは油断すると他のところでも言われるな…と、妙な警戒心を煽られるのだった。

 

「もー……」

「ごめんごめん、貴女にはイストワールって姉がいるんだものね」

「そういう事じゃなくてさ……」

 

 運ばれてきた私のボルガライスとセイツのオムドリアを挟んだ状態で、私は恨めしさを込めた視線を送る…けど、それにもセイツはどこ吹く風。これは私も攻勢に出ないと振り回されっ放しになるかなぁと思いつつ、私はボルガライスのオムライス部分を一口……食べた瞬間、反射的に思った。あ、これ美味しい…と。

 

「驚いた?ここのオムライス、凄く美味しいでしょ?」

「うん…ふわっとしてるっていうか、ほんのりとした甘さが良いっていうか…」

「でしょう?メニューの時点で気付いてたと思うけど、店主さんはオムライスに拘りがあるのよね」

「そうなんだ…で、えーっと…その手は…?」

 

 見た目からして美味しそうだったけど、口に広がった美味しさはそれ以上。今度は上のカツと一緒に食べてみると、今度はふわっとした甘さにカリッとした旨さが組み合わさってもっと美味しい。

 と、そんな中セイツから差し出される、オムドリアのスプーン。視線を上げてみれば、そこにあるのは「分かるでしょ?」と言わんばかりのにこにこ笑顔。

 

「あーん」

「ええっと…その……」

「あーん」

「…こういうのって普通、お互いもうちょっと食べてから……」

「あーん」

「……あ、あーん…」

 

 某鳶一さんばりの一点張り「あーん」に押し切られた私は、物凄い恥ずかしさを感じながらも口を開き、口内へオムドリアを受け入れる。

 その瞬間ボルガライスとは違う、より濃厚な味が口内へ広がる。こっちも凄く美味しくて、思わず頬が緩んでしまいそうになるけど……

 

(それ以上に恥ずかしい…!セイツにやられると何が色んな感情が湧いてくるよぉぉ…!…うぅ……)

 

 正直言って、味をじっくり楽しむ余裕は私にはなかった。恥ずかしさ、嬉しさ、それに何故か分からない温かさすらあって、感情がごった煮状態となってしまっていた。

 

「はぁぁ…イリゼ、素敵よイリゼ……♪」

「しかもこっちはまた興奮してるし…いいよ、だったら今度は私もあげるから」

「えっ?…い、いやわたしはいいわよ?ほら、もうここには何度も来てるし…」

「まあまあそう言わず、ね?(あれ、これは……)」

 

 女神として、やられっ放し(?)は性に合わない。その思いで一口掬って差し出すと、さっきまで頬を紅潮させていたセイツが急に動揺を見せる。そして勿論、ここまで翻弄されたばかりだった私としては、それを逃す訳がない。

 

「む…セイツは食べてくれないの?私からのは食べたくない?」

「そ、そういう事じゃないけど…」

「じゃあ、食べてくれるよね?」

「……あぅ…」

 

 にこっ、と意趣返しのように笑顔を見せつつスプーンを近付けると、どんどんしおらしくなっていくセイツ。対して私は気分が乗り、身を乗り出してまでセイツの方へ。

 

「ね、食べてくれるよね?ほら、あーん」

「……あ、あー…ん…」

 

 そうして気付けば真っ赤になっているセイツの唇へスプーンの先端を触れさせると、セイツはきゅっと目を瞑って開口。そこにすっとスプーンを差し込むとセイツは口を閉じ、そこからゆっくりと私はスプーンを引き抜いて……スプーンとセイツの口の間に出来上がったのは、きらきらと光る唾液のアーチ。

 

「…ぁ……ど、どう…?」

「…お、美味ひぃ…けど……」

「けど……?」

「…これじゃ、い…イリゼと間接…キス……」

「んなぁ……っ!?」

 

 淫靡。一言で表すのならそう言うしかないようなセイツの姿に、私も何かドキドキとしてしまい…そんな中でセイツの口から発されたのは、間接キスという言葉。

 私は自分が使っていたスプーンでやったんだから、言われるまでもなく当然の事。加えて言えば、さっきセイツがやった時点でも、セイツのスプーンで間接キスにはなっている。だけどそれでも、実際に口にされるのとされないのとじゃ大違いで、しかもそれを言うセイツの表情はあまりにも淫靡な訳で……

 

『…あぅぅぅぅ……』

 

 結果、私もセイツも恥ずかしさのあまり二人して俯いてしまうのだった。

 

 

 

 

「さ、さぁ気を取り直してデートを続けるわよ…っ!」

「お、おー…!」

 

 スプーンであげっこするのも良いけど、ドキドキしそうなら止めておく事も考えよう。…そんなしょうもない学びを得た私達は、お店を出てから二人してエンジンを掛け直す。…因みにその直後、通行人に「……?」…って反応をされてしまったのはご愛嬌。

 

「…それで、次はどこへ行くの?食後だし、ゆっくりと何かを見るとか?」

「…イリゼ、大分調子出てきたわね。どう?楽しい?」

「うん。だってセイツとこうして出掛けるのは、私も前から楽しみだったもん」

「もう、嬉しい事を言ってくれるじゃない…」

「あ、ちょっ、往来でそういう事するのは止めてよ…!…うぅ……」

 

 かけられた言葉ににこりと笑みを返すと、感銘を受けたような顔と共に私の頭へと伸びてくる手。その手で可愛がるみたいに頭を撫でられればそれは勿論恥ずかしい訳で、でも撫でられると振り払う事が出来ないのが私。しかもセイツのなでなではほっとするというか、心がじんわりと緩むような温かさがあって……

 

「……ね、ねぇイリゼ…後一時間位、こうしててもいい…?」

「いやそれは流石に勘弁して!?っていうかセイツって、実はほんとに変態なの!?」

「なぁっ!?へ、変態じゃないわよ!わたしは皆が大好きなだけで、今のはイリゼが可愛かっただけだもの!」

「それを変態って言うんじゃ…と、思ったけど…私も皆の事が大切だから言い切れない……っ!」

 

…なんか、段々分かってきた。セイツは凄く良い女神で優しくもあるけど、一緒にいるだけで嬉しいと思える相手だけど、やっぱり女神なだけあって性格にアレな部分があるのだと。

 

「うー…まさかイリゼにまで言われるなんて……」

「今のは誰だって言うよ…で、話を戻すけど次行くのはどこ?」

「それはね…ほら、ここよ」

 

 変態と呼ばれる事に不服そうなセイツに呆れつつ歩く事十数分。ここだと言ってセイツが足を止めたのは……一見、何屋なのか分からない建物の前。

 

「…え、っと…食事とか、遊ぶ為のお店…では、ないよね…?」

「意外だと思うけど、ここは洋服屋よ。分かり辛いのは、お客の幅を狭めてその分一人一人のニーズに応える品揃えを実現する為なんだって」

 

 そう言いながら入っていくセイツに続いて、私も入店。入ってみると確かに中は多くの洋服が陳列されていて、アクセサリーや小物なんかも見受けられる。値段を見れば、予想出来るカジュアルな服の値段よりも結構高いけど…ニーズに応える事で顧客満足度を高めているのであれば、十分理解の出来るレベル。

 

「わたしはねイリゼ、こういう服が似合うと思うのよ」

「ノースリーブのパーカーに、ホットパンツに、アシンメトリーソックス?……って、これ…」

 

 前もって下見していたのか、ぱぱっと一式用意するセイツ。でもその組み合わせは、明らかにセイツと同じパターン。セイツの場合トップスは同じノースリーブでもスキッパーシャツだし、ホットパンツもセイツが着ているのは結構ぴったりしたサイズなのに対して、私に見せてくれたのはまだ太腿に余裕がありそうなデザインだけど……方向性は、絶対同じ。

 

「えぇ、イリゼならきっと何着ても似合うと思うけど、特にこういうのを着てみてほしいの。どう?」

「それを言うなら、セイツもこういうブラウスとかミニスカートとか着てみない?…というか…いっそ服交換してみる?」

「服の交換…悪くないかも……」

 

 さらりと褒めてくれたセイツだけど、セイツだって整った容姿をしているし、パンツじゃなくてミニスカートとかも似合う筈。そう思って軽い気持ちで服の交換を提案してみた私だけど…セイツが乗ってきた事で、本当に交換してみる流れに。

 店員さんに断りを入れ、二人で更衣室に入る私達。二人だとちょっと狭いけど…こうしなきゃ交換出来ないんだから仕方ない。

 

「な、なんか…イケナイ事してるみたいだね……」

「そ、そうね…商品の試着じゃないし、早めに済ませちゃいましょ…」

 

 背中合わせで私達は脱いで、服を畳む…必要はないから軽く折るだけで床に置いて、下着姿となったところで向き直る。

 

(……っ…な、なんかほんとに変な事してるみたい…)

 

 本来一人用の更衣室で、二人して下着姿になって、しかもこれからするのは服の交換。少なくとも普通の行為じゃない訳で……変に意識してしまったせいか、向かい合ったところで私はセイツの身体をついまじまじと見てしまう。

 小さくはないけど大きいって程でもない胸に、綺麗な曲線を描く胴回り。そこまで太くはないのに肉感があって思わず対抗心を抱いてしまうような脚に、それ等全体を包む雰囲気はやや大人っぽいながらも親しみ易さを併せ持つという、老若男女に愛されるような女性像。薄浅葱色の瞳は美しく、クリームを思わせる淡い黄色の髪は、カチューシャも相まって優しい落ち着きを感じさせてくれる。そんな女性がレジストハート、セイツという女神で…気付けば私は、見惚れてしまっていた。

 

「…い、イリゼ…?その、じろじろ見過ぎじゃない……?」

「うぇっ!?あ、ご、ごめんねっ!へ、変な意味じゃないの!た、ただちょっと綺麗だって思っただけで……」

「ふぇっ…!?…そ、それを言うならイリゼもじゃない……」

 

 けれど向かい合った状態でそういう視線に気付かない訳がなく、いつの間にかセイツは困ったような照れ顔に。慌てて誤魔化す私だったけどつい正直に言ってしまったせいで余計セイツを照れさせてしまい、しかも今度はセイツの方からちらちらと視線が私に走る。

 恥ずかしい。女の子同士だって、恥ずかしいものは恥ずかしい。でも先に見たのは私な以上、止めてという訳なもいかず…何だか変な空気感のまま、互いの服に袖を通す私達。

 

「これ、さ…ベールとブランみたいにスタイルが全然違ったら、成り立たなかったよね……」

「ベールは着れないし、ブランはだぼだぼで…ってね…。…ほら、やっぱりイリゼ似合ってる」

「セイツこそ似合ってるよ?じゃ、後はこのニーハイを……」

「私もソックスを……」

「…………」

「…………」

 

 

((わぁぁどうしようっ!?温かいっ!直に温もりが残っててドキドキするよぉおおぉぉっっ!))

 

 動き易さを感じるスキッパーに、やっぱりボトムスは短い方が良いよね、って感じのホットパンツに、セイツは袖無しが好きなんだろうなぁと思ったノースリーブコートと、そこまで着たところで私達は互いを褒め合い最後の衣類である靴下へ。何も考えるでもなく、私はセイツの風通しが良いニーハイに、セイツは私のショートソックスに足を入れ……その瞬間私の脚を包んだのは、さっきまでこれを履いていたセイツの温もり。それは当たり前にも程がある事なんだけど、まだ温もりが残っている他人の靴下を履くっていうのはなんかもう犯罪レベルでイケナイ事をしてるみたいで……その後再び赤面からの俯きコンボを決める事になってしまった私達は、お互い何も言わずに脱いで自分の服を着直すのだった。

 

 

 

 

 何かをする時は、その結果どんな事が起こるか考えてからやろう。…そんな誰でも知ってるような教訓を凄まじくしょうもない形で得てしまった私達は流石に反省し、それから慎ましやかに…けれど楽しく色んな場所を回って遊んだ。

 

「はふぅ…久し振りに心行くまでデートが出来たわ」

「心行くまで?」

「ちょっと前にプルルートとデートした時は途中までしか出来なかったし、信次元のマジェコンヌとは食事しか出来なかったんだもの。勿論、それでもデート中は二人と楽しく過ごす事が出来たんだけどね」

「ふーん…ねぇセイツ、デート中に他の人とのデートの話するのは良くないんじゃない?」

「あっ…こ、これはその……」

「ふふっ、なんてね。私も今日は楽しい時間を過ごせたと思ってるよ」

 

 口籠るセイツへからかうように笑いかけ、それからちょっと上体を倒してセイツの顔を斜め前から覗き込む。

 この言葉に、嘘偽りや誇張はない。今日は本当に楽しかった。セイツと歩きながら喋るのも、一緒に遊んだり食事したりするのも、全部が全部楽しかったし、このデートを通じてこっちのプラネテューヌの人達と触れ合う事も出来た。最初は控えたかった『デート』という表現を自然に使ってしまう位には、私にとっても充足した一日だった。

 だけど、それももう終わり。教会へ到着した事でデートは終了し…これから私は、信次元に帰る。

 

「予定の時間までは…もう少しあるのか。でも他の事して逆にイストワールさんを待たせる事になっちゃ悪いし、あそこの部屋で待ってようかな」

「その方が良いかもしれないわね。わたしは帰ったって事をプルルート達に伝えてくるから、先に行ってて」

 

 セイツの言葉に頷いて、私はこっちへ来る時移動先となった部屋へ。その部屋で私はソファに座り、ある時からずっと抱えていたぬいぐるみを撫でる。

 

「…ほんと、楽しかったなぁ……」

 

 それは、あの洋服屋の一角にあった熊のぬいぐるみ。こう言うと少し恥ずかしいけれど、そこにあったぬいぐるみに私は一目惚れして、セイツもそのぬいぐるみを可愛いと思った事で、私達は色違いのぬいぐるみを一つずつ買い、それをお互いにプレゼントした。だから今私が頭を撫でているぬいぐるみは、セイツが私にくれたもの。

 

「これ、結局は自分で買うのと同じなんだけど…大事なのはそこじゃないんだよね。気に入ったものをプレゼントした、プレゼントしてもらったって事実がそこにはあるんだもんね」

「…………」

「ふふふっ…君はセイツが私に行ってらっしゃいしてくれたクマちゃんなんだよー?君の姉妹…それとも兄弟かな?…は、セイツの所にいるんだよ?だから、これから宜しくね。寂しくなったらこっちに連れてきてあげるから、私の所の他のぬいぐるみさんとか、ライヌちゃんとも仲良くするんだよ?」

「…………」

「…そうだ、クマちゃんじゃなくて、ちゃんとした名前を付けてあげなきゃだよね。そうだなぁ、くーちゃんとか、ベアちゃんとか、それかセイツから一文字とって……」

「あーもう可愛いっ!可愛過ぎるっ!トニカクカワイリゼ!」

「ふにゃああああぁぁっ!?せっ、せせセイツぅ!?い、いつっ、いつからいたの!?」

「そんなのどうでも良いじゃない!可愛い可愛い、かーわーいーいーっ♪」

 

 自分一人だと思っていた私はつい気が緩んで、ぬいぐるみに話し掛けてしまっていた。それは勿論会話が成立している訳じゃなく、あくまで一方的に言っているだけの行為なんだけど……なんとそれを、いつの間にか部屋に来ていたセイツに聞かれてしまっていた。

 それに驚く間すらなく、目を輝かせて私へと抱き着いてくるセイツ。直後に私は抱き締められたまま撫で回され、聞かれてた恥ずかしさと撫で回される恥ずかしさとで、呂律が怪しくなる程に動揺。やってしまったと気付いた時にはもう遅い。こうなってしまえば、もうどうにもならない。

 

「い、言ってよっ!いるならいるって、入るよって言ってよぉおおおおっ!」

「んふぅぅ…イリゼぇ…イリゼ可愛いぃぃ……♡」

「ばかぁっ!話聞いてよセイツぅぅっ!」

 

 ぬいぐるみ諸共確保された私は逃げられず、セイツは最早完璧に恍惚としていて、話なんて聞いちゃくれない。それはつまり、強引に引き剥がすかセイツが満足するのを待つしかない訳で……結局私が解放されるまで、十分弱の時間を要してしまうのだった。

 

「そういうとこ…そういうとこあるから変態って言われるんだよ……!」

「はひゅぅ…なんかもう、今なら変態呼ばわりされても全然良いわ…」

「…ふんっ」

「じょ、冗談よ冗談。…ねぇ、イリゼ。今日は楽しかった?」

 

 悪びれる気ゼロどころか開き直りさえしているセイツから私が顔を背けると、セイツは私の視線の先へと回り込んだ後…ふっと声のトーンを落として、今日の事を訊いてきた。

 それはまるで、機嫌取りをするかのような質問。だけどその声音に感じるのは、単なる機嫌取りとは違う思い。だから私が訝しく思いながらも軽く頷くと、セイツは微笑みを浮かべて続ける。

 

「本当に?わたしどうこうじゃなくて、心から楽しめたって言える?」

「…そうだよ、そう思ってる。…最後は酷い目にあったけど……」

「あはは…でも、それなら安心したわ。原初の女神じゃない、一人の女神としての…わたしの知るイリゼが、楽しんでくれたなら」

「え……?」

 

 苦笑いの後肩を竦めて、浮かべた微笑みを深めるセイツ。だけど次の瞬間…セイツは言った。私が思いもしなかった、想像すらもしなかった言葉を。

 

「…どういう、事……?」

「だって…デートを始めるまでのイリゼは、イリゼらしくなかったもの。デートを始めても、最初の内は貴女の心が窮屈そうだったんだもの。…自覚、ない?」

「自覚…?私が、窮屈そう…?…な、何を言って……」

「…イストワールから聞いたわ。あれから貴女に何があって、何をしていて、それが周りにはどう見えているのか…そういう事を、全部」

 

 それまでの雰囲気から一転して真剣な…でも温かみは消えていない、セイツの言葉。だけど私には理解出来ない。私は窮屈だなんて思ってないし、私が私らしくないなんて…原初の女神(イリゼ)らしくないだなんて、そんな事がある訳がない。ただ一つ、理解出来たものがあるとすれば…それは、セイツも私を心配してくれていたんだって事。

 

「…そ、そっか…うん、ごめんねセイツ。私の為に、わざわざデートまで企画してくれて。けど私は大丈夫だよ。今日一日しっかりとリフレッシュ出来たし、明日からまた…ううん、帰ったらすぐに私は原初の女神の複製体として……」

「ううん、違うわイリゼ。貴女は全然大丈夫じゃない。大丈夫じゃないし…貴女は原初の女神じゃないわ。複製体であっても…原初の女神、そのものじゃない」

「……っ…!」

 

……それは、最も言われたくなかった言葉。聞きたくなかった言葉。私は原初の女神じゃないなんて…そんな言葉は聞かない、認められない。

 

「…違う……」

「違わないわ。複製体は複製体、オリジナルを元にしていてもオリジナルそのものじゃないわ」

「違う、違う……」

「大丈夫よ、そんなに頑なにならなくても。貴女の価値は、原初の女神の複製体だって事だけじゃないんだから」

「違う、違う、違う……」

「ね、聞いてイリゼ。わたしも、イストワールも、貴女の周りにいる人は皆、原初の女神の貴女じゃなくて……」

「──違うッ!私は、私はッ…原初の女神だッ!」

 

 セイツは私に語り掛けてくる。穏やかな声で、優しい声で。けれどそれは刃の様に私の心は突き刺さり、毒の様に私の一番大切な部分を侵していく。

 ああ、嫌だ、聞きたくない。そんな事は聞き入れられない。他でもないセイツに、こんなにも自分を晒け出せると思える相手に、私が原初の女神の複製体である事を否定されるだなんて……嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だッ!

 

「……っ…落ち着いてイリゼ、わたしは……」

「五月蝿いッ!私は原初の女神だ、原初の女神の複製体なんだッ!それが私の意義、私の意味だッ!セイツ、例えセイツだとしても…これ以上言うのは、許さないッ!」

「…イリゼ。もう一度…いいえ、何度でも言うわ。貴女は原初の女神じゃないわ」

「……ッ!違う、違う、違う違う違う違う違う違う違う違う違う違うッ!どこが原初の女神でないと言うのだ!私のッ、どこがッ!」

「わたしは原初の女神を口頭でしか知らないわ。だけど…そんなわたしでも、分かるのよ。貴女は、違うって」

「違わないッ!私は原初の女神、その複製体ッ!もう一人の私が生み出した、もう一人の私に願いを託された、人の守護者!人々の指導者!その私がッ、もう一人の私の思いが、間違ってるなんて……っ!」

「────そうじゃない。そういう事じゃ、ないのよイリゼ」

 

 爆ぜる思い。溢れ出す激情。私の軸を折ろうとするセイツに、私の根幹を…私を私にしてくれている、『原初の女神の複製体』であるという証を否定するセイツの言葉が辛くて辛くて、それを聞き入れてしまったら私という在り方が折れてしまいそうで、だから私の思い全てを懸けて、私はそれを否定し返そうとして……その時だった。セイツの両腕が、私の背に回されたのは。セイツが私を、抱き締めたのは。

 

「…ぁ……」

「分かる、分かるわイリゼ。…怖いのよね。自分が、どこにも繋がっていないように感じるのが。あるべき『始まり』のない、浮いた存在のように思えるのが」

「…どう、して……」

「…だって、わたしも同じだもの。わたしは外道から人々を守る為、世界を良くしようと立ち上がった人々を導く為に戦ったけど、分かってるの。自分は、あの人達の思いで生まれたんじゃないんだって。自分は…レジストハートは、どうやって生まれのか分からない存在だって。…だからね、嬉しかった。わたしと同じような存在と、心が自然と『近しい』と思うような貴女と出会えた事が」

 

 私を抱き締めたまま、語り掛けるようにセイツは続ける。その言葉が、私の心に染み込んでいく。身体だけじゃなく、心までもがセイツの思いに包まれる。

 

「…セイ、ツ……」

「でもね、確かな事があるわ。始まりが宙に浮いたままのわたしだけど…それでも、わたしを信じてくれた人達がいる。友達だって、仲間だって、そう言ってくれる皆がいる。最初の繋がりはなくても…代わりの繋がりが、沢山沢山わたしにはあるの。…それは、イリゼも同じじゃないの?」

 

 喜びと、ありがとうって思いが籠った言葉に続いて、その余韻を残したままで、セイツが私へと掛けてくる問い。

 それは、いつかも心に抱いた事。忘れる訳がない、どこへ行けば良いのか分からなくなっていた私へと手を差し伸べてくれた、あの時からいつも私の心の中にある思い。…嗚呼、でも、だけど……

 

「…そう、だよ…私にも、皆がいる…過去はなくても、今が…皆との絆が、繋がりがある…。…だけど…だけど、だけどっ……やっぱり、やなの…私は、もう一人の私との…私を生み出してくれた私との繋がりが、大切なの…っ!だけど、その私が…もう一人の私が、私の事を誰だって…私がまるで、自分の生み出した存在じゃないみたいに言ったから…だから、だから凄く不安で…怖くて……っ!」

「…だから、頑張って『原初の女神の複製体』であろうとしたのね…」

 

 あやすようなセイツの言葉に、私は抱き締められたまま小さく頷く。

 そう。私は怖かった。原初の女神の複製体である私が、原初の女神であるもう一人の私に否定されたら、本当に私は誰なのか分からなくなってしまう。ここまでしてきた事も、積み上げてきた事も、紡いだ絆も……全てが原初の女神の複製体(ここにいる私)ではなく、正体のない『誰か』になってしまう。それが、どうしようもない程怖くて…無意識に私は、思っていた。もう一人の私と…原初の女神と同じ事が出来れば、それは私が原初の女神の複製体であるという証明になると。その証明が出来れば、もしかしたらもう一人の私も私の事に気付いてくれるんじゃないかと。

 

「…でも、それは無理なのよ。ううん、そうであっちゃ駄目なのよ」

「…駄、目……?」

「だって、原初の女神が必要としたのが『全く同じ自分』なら、そんな不安はきっと抱きもしないだろうし、そもそも本人がそのまま居続ければ良いだけでしょ?だけどそうはしなかった。そうはしなかったって事は……複製体であっても原初の女神そのものじゃない、イリゼであってイリゼじゃない貴女を求めた、って事じゃないの?」

「……だ、けど…それは……」

「そう、これはただの想像よ。だから…確かめましょ?一人で悩んで、一人で苦しむんじゃなくて…原初の女神本人に、訊いてみるのが一番よ」

 

 それは、考えてみれば当然の事。原理はよく分からないけど、今信次元にはもう一人の私がいるんだから、本人に訊く事が出来るんだから、自分で考えるより訊く方がずっと確実だし正確。…でも、訊いたら…もしかしたら、その結果……

 

「…そうじゃ、なかったら…誰だって、言ったのは…私に失望して、私を複製体なんかじゃないって思ったからだったら……」

「その時は、わたしが原初の女神に言ってやるわよ。イリゼのどこに、失望する要素があるんだって。…それに、イストワールの話を聞いて分かったわ。貴女には、貴女を信じている人が沢山いるって。立派な女神なんだって。だったら…心配する事なんか、どこにもないわよ。わたしが断言してあげる。イリゼは……原初の女神に望まれた、原初の女神が理想とした、最高の複製体(イリゼ)だって」

「…ぁ、うぁ…セイ、ツ…せいつ、せいつぅ…あぁ、うぁああぁぁあぁ……っっ!」

 

 包まれ、温められ、そして解き放たれる私の心。嗚咽と共に涙が溢れ出して、私もセイツの背へと手を回す。抱き着いて、抱き締めて、自分でも気付かぬ内に溜まっていた辛さ全てをセイツへと吐き出す。

 その間、セイツはずっと私の頭を撫でていてくれた。大丈夫だって、私は私でいいんだって。泣いて、泣いて、泣き続けて……その涙が枯れ果てた時、やっと思えた。私は、私として……もう一人の私へ、確かめようって。

 

 

 

 

 映し出される、プラネタワーのある一室。そこにいるのは、イストワールさんとネプテューヌ。私の帰りを待っていてくれる、二人の姿。

 

「…お待たせ、二人共。あの……」

「うん、元気になったみたいだね」

「もう大丈夫そうですね、イリゼさん(´∀`*)」

 

 予定の時刻になってもまだ落ち着いていなかった私は、二人に…それに神次元のイストワールさんにも交信を待ってもらった。今も落ち着いたとはいえ目は赤くなっていて、これを見せるのは少し恥ずかしかったけど…流石にそれすらも待ってもらう訳にはいかない。

 

「セイツもありがとね。信次元の皆を代表して感謝するよ」

「何を言っているのよネプテューヌ。イストワールから聞いたわよ?わたしならきっと、ってイストワールへ推してくれたのはネプテューヌだって」

「へっ!?ちょ、いーすん言っちゃったの!?」

 

 予想外の流れにわたわたとするネプテューヌに、それを見てふふっと微笑むイストワールさん。…あぁ、そうだ…私の周りには、いつも優しい人達が…温かな思いと繋がりが、ずっとずっとあったんだ。…忘れちゃいけない、大切な事…それすらも、私は見えなくなってたんだ……。

 

「……けど、今はもう違う…」

「…イリゼさん?(・・?)」

「…いえ、何でもないです。それと…もう大丈夫だからね、二人共」

 

 自分が情けない。自分が恥ずかしい。だけどもう、今の私には見えている。私のするべき事が、原初の女神の複製体…私じゃない私として、やりたい事が。

 だからもう、大丈夫。不安や心配もあるけど…ちゃんと私は、ちゃんと皆で、前に進める。

 

「イストワールさんもすみません。今は次元の状態が不安定だって時に……」

「いえいえ。別次元とはいえわたしの妹の様な存在とあれば、放っておく事なんて出来ませんから」

「ありがとうございます。…セイツ」

「えぇ」

「今度は…他意なんか一切無しで、もう一回二人でデートをしようねっ!」

「勿論。その時を楽しみにしてるわよ、イリゼっ!」

 

 そうして私は、信次元へと戻る。セイツに貰った思いを抱いて。皆のくれる気持ちを再認識して。

 そうだ、私は原初の女神の複製体だ。だから原初の女神の複製体として、人々を守って、信次元の平和を取り戻して……他の誰でもない、もう一人の私でもない……私だけの、道を突き進むんだ。




今回のパロディ解説

・シュッツエンゲルの契り
アサルトリリィシリーズに登場する、百合ヶ丘女学院の制度の一つの事。一応言っておきますが、セイツは百合の娘ではありません。老若男女、皆が大好きなのです。

・こっそり体育館二階で卓球
安達としまむらにおける、序盤の定番展開の事。ご存知の通りイリゼはテニス及びそれ関連の競技(ゲーム)が超得意なので、やったらあんなまったりにはならないでしょう。

・CD千枚〜〜コンサート
落ちこぼれフルーツタルトにおける、ある展開の事。イリゼ(というか信次元の女神全員)は一度大規模コンサートをしているので、落ちこぼれ…ではないですね。

・アラガキ・マーク2
体操ザムライの主人公、荒垣城太郎の編み出した鉄棒技の一つの事。これだけ全然作品としての毛色が違うんですよね。主人公も成人男性な訳ですし。

・トニカクカワイリゼ
トニカクカワイイのパロディ。ずっと前からこのネタは考えていたのです。とにかく可愛いイリゼ、略してトニカクカワイリゼ……流行らせてもいいんですよ?


 次回から数話は、ここまでの人物紹介やスキル集等の作品情報を投稿しようと思います。そしてその後は、『ガラルのワイルド散歩(愛月 花屋敷さん作)』とのコラボストーリーをお送りする予定です。初めてのネプテューヌシリーズ以外とのコラボとなり、どうなるかまだ私にも分からない部分がありますが、本編同様熱意を持って書く所存ですので、是非読みに来て下さいね。
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