超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth3&VⅡ Origins Exceed   作:シモツキ

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第百四十話 今の世を守りし女神

 新次元戦闘…こう表現するとまるでふざけてるみたいになってしまうかもしれないけど、もう一人の私…原初の女神とネプテューヌ達守護女神の決戦は、今の女神の次元を超えた、これまでの自分を超える…新たな次元に到達し、更にその先へと進もうとする、そんな戦いだった。ネプギア達女神候補生が掴んだのが、今の向こう側…ずっとそこにあった、もう一つの今を受け止め前に進む力だとすれば、ネプテューヌ達のそれは、信じる思い、皆の願いに応える為に、一足飛びに未来を掴み取る力。

 もう一人の私に、温情なんて期待出来ない。出来ないし、きっとネプテューヌ達もそれを望んではいない。だから、ネプテューヌ達を信じるしかないと、もう一人の私の心を動かす何かを示すしかないと、そう思っていた。…でも、まさか…こんな力を、こんな姿を、こんな在り方を示すなんて。比喩ではなく、本当に限界を超えて、その先へ進み続けるなんて。驚いたし、感動したし…安心した。心から、安堵した。やっぱり、皆を信じて…皆ともう一人の私、両方の思いを応援して、良かったって。

 どちらかが正しいとか、間違いを正すとか、そういう事じゃない。正義の敵は、また別の正義…なんて方便とも、違う。女神である以上、初めから正しさなんてものは超えていて…だからこそ、間違いない。これは、思いと思いの…信念と信念の、戦いだ。

 

「──ッ!はぁああああッ!」

『……ッ!』

 

 何十もの陽動と追い込みの末、遂に生まれた最大のチャンス。もう一人の私が見せた、明確な隙。そこを逃す事なく、四人は同時攻撃を敢行した。四方向から、一切の遅れや穴のない、完全且つ完璧な同時攻撃を。

 首に、胴に迫る四振りの刃。ただ仕掛けるだけではない、一つ一つが退路を阻む、複数纏めて防御する事も許さない、絶妙な位置への斬撃。隙を晒し、それを見越して間合いまで踏み込まれてしまった時点で、回避は不可能、防御も困難…そんな最高の、最大の連携同時攻撃を放ち……決まった。…そう、思った瞬間だった。

 四方からの刃が届く直前、ブレるようにして吹き飛ぶ四人の身体。全員空中で立て直し、着地しつつ減速する事でダメージは最小限に抑えていたけど…攻撃は失敗。もう一人の私が圧縮シェアエナジーを自身の周囲に展開し、それを解放する事による爆発を防御に転用した事で…誰の刃も、届いてはいない。

 

「あーっ、おしいっ!後ちょっとだったのにー!」

「ぜったい当たるって、思ったのに…(しゅん)」

「うん…でも凄いよ、本当に凄いよお姉ちゃん達は!だって、あのもう一人のイリゼさんに、あそこまで迫ったんだよ?今のはほんとに、後一歩だったんだよ?」

「えぇ、そうよ。お姉ちゃん達は、戦いながらもっと強くなっていってる…しかも、今のは……!」

 

 ほんの僅かに届かず、弾き飛ばされた四人を見て、残念そうに声を上げるラムちゃんと、同じく言葉を漏らすロムちゃん。けど、ネプギアとユニの反応は違う。それよりも興奮の感情が勝り…尚且つ、気付いてもいる。

 そう。確かに四人は吹き飛ばされて、攻撃を与える事は出来なかった。けど、もう一人の私がその為に行ったのは、自身の周囲での圧縮シェアエナジーの解放。それは当然、ネプテューヌ達だけへ都合良く浴びせられるようなものじゃなく…全方位へ同時にそれを行ったという事はつまり、全ての衝撃を受けたという事。一部を受けたに過ぎない四人と、シェアエナジーの爆発に包まれていたも同然なもう一人の私とじゃ、掛かる負荷はまるで違う。

 余裕の防御でもカウンターでもなく、苦肉の策。致命傷を避ける為に、なりふりかまわず打てる手を打ったという事。確かにネプギアの言う通り…後一歩だった事は、間違いない。…今の、あの瞬間だけに焦点を当てるなら。

 

「ふぅ、やっと着いたわ…」

「思った以上にかかりましたね…」

「あ、ミナちゃん…!」

「ねね、ミナちゃんも見てた!?おねえちゃんの、すごくてかっこいいところっ!」

 

 そこで背後から聞こえた、複数の声。振り向けば、そこにはイストワールさん達教祖の姿。新たな力を得て復活したネプテューヌ達が戦闘を再開した時点で、イストワールさん達は流れ弾や戦闘の二次被害を受けないよう、その場から離脱していた。勿論ネプテューヌ達も、もう一人の私もそんな事にはならないよう戦うだろうし、もしなりそうなら身を呈してでも防ぐと思うけど…この決戦の邪魔にならない為にも、イストワールさん達は離れたんだと思う。

 

「ふむ…この距離でも君達はしっかり見えるのか。当たり前だが、僕等人とはレベルが違うね」

「わたしは人とも違いますし、皆さんも常人の域は超えていると思いますけどね…。……イリゼさん(´・ω・`)」

「…はい」

 

 私の横に来て、こちらを向くイストワールさん。それに応えて、私もイストワールさんの方へと身体を向ける。

 

「まずは、ご無事で何よりです。連絡は出来たとはいえ、共にいたのがイリゼ様とはいえ…安心しました(^∇^)」

「ご心配を、おかけしました。けど…後悔は、していません」

「えぇ、ベストかどうかはともかくとして、間違った選択ではなかったとわたしも思っています。…その上で…ではありませんが、一つ訊かせてもらっても宜しいですか?( ̄^ ̄)」

「…この戦いの、事ですね?」

「はい。イリゼさんの目から見て…ネプテューヌさん達は、勝てると思いますか?」

 

 にこりと微笑んでくれたイストワールさんは、それから真剣な眼差しで私を見つめる。見つめ、尋ねる。私から見た…もう一人の原初の女神であり、ネプテューヌ達とずっと一緒に戦ってきた私の目に、この決戦がどう映っているのかを。

 何となくだけど、そう尋ねられるような気がしていた。だから、私はイストワールさん…それに教祖のお三人の顔を見てから、言う。

 

「…可能性は、ゼロじゃありません。今の四人は、進化し続けている…そんな、状態ですから。けれど……それでも、原初の女神の方が…強い」

 

 そう言った瞬間、一瞬静寂が訪れた。無言、ってだけじゃない、衣擦れの音一つしない、完全な静寂。そして、次に声を発したのは…ネプギア。

 

「…それは…それ程までに、もう一人のイリゼさんは……」

「…うん。皆も…同じように、これまでの自分を超えた今の四人なら、分かるんじゃないかな。それに、理由はそれだけじゃない」

 

 今のネプテューヌ達と、ネプギア達のビヨンドフォームは違う。けれどこれまでを超えた先にいる皆なら、きっと見えているものがある筈。私には見えていない差を、感じている筈。…そう思いながら、私は続ける。

 

「多分だけど…今の四人は、力を使いこなし切れていない。きっと感覚的に本質を掴んで、戦う中でどんどん使い方を理解していってるんだろうけど…進化を続けて、進み続けているからこそ、その力の制御が追い付いてないように、私には見える。例えばノワールが接近や回避をする時には何度も視認出来ない程のスピードを出すのに、いざ攻撃する瞬間はそうしないのって、近接戦の間合いまで入った状態で制御に失敗したら、そのまま突っ込んで自爆…なんて事になりかねないから、だとは思わない?」

 

 そこで一度言葉を区切って、勿論これは推測だけどね、と付け加える。実際私は離れた場所から見えるだけだから、合っている確証はどこにもない。

 でも多分、そうなんだと思う。今、女神としての力が進化し続けているのであれば、どこかの段階でそうなってもおかしな事はないんだから。それに……

 

(もしかしたら、だけど…きっと……)

 

 私の中に浮かんでいる、一つの可能性。もしその通りなら…やっぱりこれは、四人にとってどうしようもなく厳しい戦い。

 だけどそれでも、私は信じている。私は強く確信している。今の四人が、こんなにも人の思いをその身に受けて、そしてその思いに応えようとしている守護女神が……負ける筈なんか、ないんだって。

 

 

 

 

 気付けばもうボロボロの浮き島に着地し、構え直す。ゆっくりと息を吐いて、気を引き締め直して…原初の女神を見やる。

 

(まさか、あれですら迎撃されるとはね……)

 

 決まったと思った。これで終わるかは怪しかったけど、あそこまでいったなら、確実に四人の内誰かの攻撃は直撃すると、十分なダメージを与えられると、確信すらも持っていた。

 けれど、かなり強引なやり方ではあるけど、原初の女神はわたし達の攻撃全てを纏めて凌いだ。身体の周囲に幾つも圧縮したシェアエナジーを展開して、装甲無し且つ能動的に起動させられるリアクティブアーマーみたいに用いる事で、攻撃諸共わたし達を押し返してきた。

 もうこれは流石と言うべきか、舌を巻くしかなかった。まさか、これだけの事をしても届かないなんて、と。…でも、今のは原初の女神だって無傷じゃない筈。現に彼女のプロセッサは、今の衝撃で何ヶ所も亀裂が入っていて…原初の女神の次の動きをわたし達が警戒する中、小さく息を吐いた彼女は笑い出す。

 

「ははははははははッ!ふふっ、良い、良いぞ今の世を守りし女神達よ!人々の願いに応える為、己が限界を超えるだけに留まらず、この私を一瞬とはいえ追い詰めるまでに至ったか!大したものだ、ここまで可能性を見せるとは、思ってもみなかった!」

「…それは、称賛してくれてるのかしら?もしそうなら…取り敢えずは、ありがとうと言っておくわ」

「本当に、ここまで至るとは想像していなかった…それに、あぁ…戦いの中で、こうも心が躍るとは…こんな高揚感を抱くのは、犯罪神以来やもしれぬ…」

「……犯罪神、ですって…?」

 

 気分良さげに、興奮混じりの声で笑う原初の女神。かなり上から目線の言い方ではあるけど…この戦いが始まる前までの彼女と比べれば、かなりわたし達への見方が変わっているのは事実。

 そんな原初の女神が何気なく口にした、犯罪神という言葉。思いもしなかったその名前にノワールが訊き返して、わたし達も驚いて…けど原初の女神に、それに関して語るつもりはないらしい。

 

「…本当に、大したものだ。このまま戦い続ければ、本当に実力において、私と拮抗する事もあり得るだろう」

「随分と、この戦いの中でわたくし達への認識が変わったようですわね。…えぇ、確かに際限なく戦い続けたのなら、それもあり得ない話ではないと思いますわ。尤も、それは……」

「ああ。進化するのが、より高みへと昇るのが、わたし達だけだったら、な」

 

 ベールとブラン、二人が口にした、それぞれの見解。それが今しているのは…今もまだ、原初の女神には追い付いていないという事と、このまま戦っても、やっぱりまだ追い付けないという事。

 それを、わたしは弱気だなんて思わない。何も間違ってないと思っている。悔しいけど……漸く分かった。この姿に、ネクストフォームに至った事で、やっと今のわたし達との実力差が、どれ程の存在なのかが、はっきりと分かった。雲で見えない山の頂上、その雲の上に頂上があると思って、やっとその雲を抜けたら、頂上は更に上…もっとずっと高い所にあった…彼女に対して抱いているのは、そんな感覚。だからこそ積み重ねて積み重ねて、それでもその頂上に手を掛けようとさっきは後一歩のところまでいったけど……届かなかった。確かに後一歩ではあったけど……その一歩が、遠い。

……だけど、絶望感はない。その差、その現実でさえ、今は「だからなんだ」と跳ね除けられる。だって…皆がわたしを思ってくれているから。それが、女神だから。

 

「良い目をする。…いや、違うな。多少曇っていただけで、元々そのような目をしていたのだろう。現れる力、発される言葉の響きは違えど、その本質は何一つ変わっていない。だろう?今の世の女神達よ」

「貴女が余計な事をしなければ、そうやって曇る事もなかった…とは言わないわ。貴女だって、貴女の女神としての在り方を…人の幸せの為に動いていたんでしょう?そして現に、貴女に感謝している人はいる。貴女に救われた人もいる」

「とはいえ…いえだからこそ、やはりわたくし達も譲れませんわ。まだわたくし達に至らない部分があるという事はつまり、更に人々の思いに応えられる場があるという事であり…ここで譲ってしまっては、務めを放棄するのと何も変わりませんもの」

 

 ふっとほんの少し表情を緩めたノワールとベールの言葉に、わたしとブランも頷く。退く気はない。上手い落とし所を見つけて矛を収めてもらうつもりもない。何より…わたし達の使命はいーすん達の、皆の願いに応える事であって、原初の女神を打ち倒す事じゃない。

 

「…出せよ、お前の…全力をよ。それともまだ足りないか?まだお前にとっちゃ、本気で戦うまでもない相手か?」

「いいや。既にその域は遥か彼方。どんな形であれ、一瞬でも私を追い詰めた事がその証左。何より…そこまでの思いを向ける人々の事を思えば、手など抜ける筈がない」

 

 話す間も少しずつ亀裂が広がり、剥離した破片が地面に落ちて消滅する。そんなプロセッサの状態を気にもせずに、原初の女神はブランからの言葉に返す。

 これまでと同じ荒っぽい口調の…でも普段の静かさも感じるブランの言葉と、変わらずの威風…けどこれまでに比べればずっと温かみを思わせる原初の女神の言葉。返答した原初の女神は、そこで一度言葉を区切って…次の瞬間、全てが解放されたような気迫と共に、彼女は言う。

 

「その身に宿る、その姿に託された思いは、覚悟は、しかと見させてもらった!その心に輝く光は、正しく女神のものに違いない!だがそれでも、だとしても、力なくば人は守れない!人の未来を、幸せを守護し、より良い明日へ導く事など出来はしない!故に…示してみせよッ!思いだけではない事を、人と共に明日を創るだけの力があるのだという事をッ!」

「えぇ、示してみせるわ、貫いてみせるわ!わたし達が、わたし達を信じる皆の思いが、今の信次元の在り方が、間違いなんかじゃないって事を!そんな今を守るのが、わたし達当代の守護女神だって事を!ノワール、ベール、ブラン、原初の女神に…今に続く信次元の歴史の、その最初を守った彼女に、見せてやろうじゃない!わたし達の全てを…貴女にも負けないんだって事をッ!」

『(えぇ・あぁ)ッ!』

 

 ただ存在するだけでも敵の心を押し潰しそうな程の雰囲気を前に、わたしは全身全霊の思いを返す。その言葉と共に三人は呼び掛け、覇気に満ちた答えを受けて噛み締める。

 対峙するわたし達と原初の女神。もう言葉は必要ない。ただ示すだけ。ただ貫くだけ。わたし達の思いを、わたし達の願いを。わたし達の信念を、原初の女神の信念を、互いの信じる道を掲げ、その在り方で以って煌めかせ、そして──。

 

「────天舞零式・百花繚乱ッ!!」

 

 原初の女神より放たれる、最大の攻撃。天を裂き、地を穿つ、全てを飲み込む嵐の様な…それでいて咲き乱れる花の様な美しさも併せ持つ、武器の乱舞。

 完全な本気、完全な全力。その全てを避ける事は、その全てを防ぐ事は、到底不可能。ネクストフォームの力を持ってしても無理だと分かる、余波だけでも大地を削り取っていく攻撃を前に、それでもわたし達は立ち向かう。わたし達四人で、皆から受け取った思いを胸に、真正面から、真っ向から。

 雨の如く刃を放たれ落とされた時に匹敵する、或いはそれを凌駕する程の斬撃が、斬り裂いていく。一太刀一太刀に人への愛が、守るという意志が、導くという覚悟が籠り、身体以上に心を、わたし達の意志を折りにくる。これを超えられるものかと、これを受けても尚、その思いを心から貫けるものかと。…確かにそれは、重く、鋭く、何より深い。今はまだ、原初の女神の全てを超える事なんて出来やしない。…けど、それでも……ッ!

 

(皆の明日を切り開くのは、わたし達よ…ッ!!)

 

 吼えるように、轟かせるように、わたしは真っ直ぐに前を見る。前を、その先にある未来を、真っ直ぐに見据える。

 そして交錯する、わたしと原初の女神の視線。視線が混じり合い、瞳と瞳が向き合った時、原初の女神は不敵な…それでいて迷いのない、小さな笑みをふっと浮かべて……わたし達へ向けて、振り抜いた。最後の一閃を。原初の女神がわたし達に見せる──原初の女神の、在り方を。

 

 

 

 

 四人の守護女神と原初の女神…その最後の激突は、信念そのものの激突だった。持てる力、その全てを以って己が信念、己が正しさを叩き付ける原初の女神と、その全力をその身で以って受け止める事で、自分達の在り方、今の人と女神の在り方が間違ってなんかいない事を示す守護女神の四人。

 誰もが息を呑んでいた。私も、ネプギア達も、イストワールさん達も…全員が、固唾を呑んで見つめていた。全力を振るう原初の女神と、それに相対する守護女神達と…そして、その果てにある決着を。

 そんな長い時間じゃない。ただ、その時間の間では飽和してしまいそうな程強烈な、濃密な連撃の嵐が咲き誇り……そして、終わる。

 

「…………」

 

 最後の一太刀、最後の一撃を振り抜いた原初の女神は、四人の背後上方で止まる。その全力に耐え切れず、全壊したプロセッサユニットが完全に消滅してしまった中、動きを止め、バスタードソードを降ろし…その刃も、消える。

 その背後下方、原初の女神の全力を全て己が身体で受け止めた四人の身体は…何故原型を留めていられるのか分からない程に、ぼろぼろだった。四人と原初の女神の立っていた浮き島、初めの主戦場であり、比較的大きな体積を持っていたその浮き島は…原初の女神の全力を前に、無くなっていた。砕け、吹き飛び、すり潰され、粉々に四散してしまっていた。その上で余波が、周囲の浮き島や虹の橋にも、数多くの傷を与えていた。

 それでも尚、浮き島が完全に砕け散る程の乱舞を受けても尚…四人の守護女神は、膝を屈する事などなかった。一歩足りとも、その場から退かず…攻撃全てを、受け切った。四人の、当代の守護女神の全てを、原初の女神に示し切った。だからこそ、原初の女神はゆっくりと振り向き…声を、掲げる。

 

「…見事だ、今の世の女神達よ!貴君等は今、我が全力を、我が全霊を、真正面から受け切った!凡ゆる敵を屠り、凡ゆる厄災を煤塵と化し、破界の神すらも打ち倒した私を前に、それでも耐え抜き、示した!その在り方を、その正しさを、だからこそ人へ見せる事の出来る未来への可能性を!」

 

「私は謝罪せねばなるまい!貴君等の秘める可能性を、見誤っていた事を!それ程までに人々からの思いを受け、その思いに応えるべく限界を超えた、超え続ける力を見せた貴君等へ対し、正当な見方を出来ていなかった我が未熟さを!だがしかし後悔はない!貴君等の女神としての輝きを、貴君等を介してより深く今の人々の心と思いを、知る事が出来たのだから!」

 

 

「貴君等は、まだ弱い!絶対の守護、究極の指導、それを目指し、人々がそれを望むのならば、未だ全く至らない!だが、それこそが今の女神の在り方だというのなら、人と支え合い、力を合わせる事に真髄があるというのなら、今の貴君等は正しく正しい!そして何よりその精神、貫く覚悟、示した思い…心の在り方は、真なる女神そのものだ!故に、認めよう!この私が宣言しよう!貴君等こそ、貴君等守護女神こそが──今の世を守る女神に、相応しい!」

 

──それは、その思いは、その言葉は、その宣言は……正しく、守護女神達の勝利の証明。自分ではなく、この四人の守護女神こそが、今の時代を守り、導き、人々にとって望まれる女神なのだと、女神として相応しいのだと、原初の女神自身が示した意思。戦闘としては、原初の女神の勝利に他ならない。原初の女神の言った通り…力においては、今も原初の女神に届いていない。四人の守護女神も、四人の女神候補生も、原初の女神の複製体であるこの私も、それは同じ。

 けれどこれは、意志を貫く戦い。信念を、己が正しさを示す為の…これからの人の未来を賭けた決戦。そして今、原初の女神自身が認めた。原初の女神自身が感じた。自分ではなく、自分以上に、今の世の女神こそが相応しいと。故にこれは、だからこそこれは……守護女神の勝利に、違いない。

 晴れやかに、満足気に、確信を得た顔で笑う原初の女神。それに応えるように、振り向く事のないまま、四人の守護女神もにっと笑い……そうして四人の守護女神と原初の女神の決戦は、終結した。




今回のパロディ解説

・新次元戦闘
蒼穹のファフナー EXODUSの第七話のタイトルの事。実際SDP宜しくネプテューヌ達は新たな能力を発現してますしね。…だからって新同化現象まで出る訳じゃないですが。

・「…出せよ、お前の…全力をよ〜〜」
ジョジョの奇妙な冒険 ダイアモンドは砕けないの主人公、東方仗助の台詞の一つのパロディ。…ラストバトルじゃないですけどね?まだOEは続きますけどね?

・天を裂き、地を穿つ
モンスターハンターライズにおける、キャラクターボイスの一つのパロディ。けれどこの台詞自体は、他のゲームや作品等でもありそうですね。
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