超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth3&VⅡ Origins Exceed 作:シモツキ
前回までの、ねぷねぷの奇妙…かどうかは正直よく分からない冒険ッ!
アフィ魔Xの空中艦は、セブンスジーニアで造られた可能性が浮上!ネプテューヌ達は、確かめる為神次元に!
そしてアクダイジーンに詰め寄るネプテューヌ達!しかしアクダイジーンは知らないといい、それも嘘とは言い切れない状況!そんな中、アノネデスが現れ、意味深な事を言うのだった!
「……ふぅ」
『いや今の何!?』
早速一仕事終えたわたしは、汗をかいている訳じゃないけど額を袖で拭って一息。んー…やっぱりがっつりめの突っ込みが帰ってくると気分良いよねぇ。あーでも、こういうボケするなら、前回ラストで「To Be Continued」って言っといた方が良かったかも…。
「やー、ボケにもタイミングがあるからね。いける、って時にいっとかないとさ。…よし、冗談はこの位にして話を再開しよう!」
「そのボケで話をぶった切ったねぷてぬが言うなっ!」
「あだーっ!けど、これも良い突っ込み!キレが良いね!」
ぺしーん!…と叩かれたわたしだけど、時には実際に叩かれる突っ込みも爽快なもの。……けど、今度こそほんとに話再開しないとね。ちゃんとした理由で来たんだし。
「ええ、っと…じゃあ、気を取り直して…アノネデスさん。アノネデスさんは、何か知っているんですか?」
「ふふふ、もしかしたら…レベルの事はね。けどまずは、一つずつ確認していきましょ?お互い想像で語るんじゃ駄目でしょ?」
そう言って、アノネデスは右の掌を頬に当てる。…あれ、パワードスーツでもやる意味あるのかな…?
「確認…って、具体的には?」
「最初は時期ね。二人共、その組織?…が、いつから空中艦を所有していたか分かるかしら?」
「いつから?…いつからは…うーん……」
「空中艦がある、って事を知ったのは戦闘になった時ですし、アノネデスさんから貰ったメモリの中の探知システムで見つけたのも、その数日前なので…正直、いつからかは分からないです。正体の掴めないサイトの件は、もっと前から始まっていたので、その時点でもう所有はしていた…と、思いますが……」
「ま、光学迷彩も使ってるなら当然よねぇ。手に入れたのが最近なら、うちとは無関係…って簡単に証明出来たんだけど」
あの空中艦を、いつから所有していたのか。それはわたしにもネプギアにも分からない事で…っていうか、よくよく考えたらこれは、凄く難しい質問。だって、仮にあのサイトと同じ時から使い始めてたとしても、それより前は持ってなかったのか、それとも持ってたけど使ってなかっただけかなんて、わたし達には分からない事だから。
けど、わたし達の答えを聞いたアノネデスは、結構けろっとした感じ。じゃあ、今のは分からなくても別に良い、って位の質問だったのかな?
「ま、それはともかく次よ。さっき見せてもらった映像だと、ネプギアちゃんとそっちのベールちゃんが艦の中に入ってたけど…コンソールとか、中のシステムはどうだった?理解出来た?」
「あ、はい。全部を把握出来た訳じゃないですけど、感覚的に理解出来た部分も多かったです」
「って事は、全然違う組まれ方やパターンで作られたシステムじゃない訳ね。困ったわねぇアーさん、今のところうちの関与を否定出来る要素が出てきてないわよ?」
「そんな事言われんでも分かっておるわ…」
困ったわねぇ、と言っているけど、やっぱりアノネデスは余裕な感じ。眉間に皺を寄せている(元々お爺ちゃんだから皺が多いけど)アクダイジーンとは対照的で…うーん、ほんとアノネデスって、何を考えてるか分からない感じの人だよね。顔も見えないから、表情で判断する事も出来ないし…。
「さ、じゃあ次はこっちからの情報ね。アーさん、これまでにうちが造った艦は何隻だったかしら?」
「ふん、自分で言えば良いものを…。…これまでに造ったのは四隻じゃな。うち一隻…一番艦が外にあるアレで、二隻は売却済みじゃ」
「二隻を売却…?え、それって……」
「いいや、その二隻は売却の際、非武装化をしておる。一つ二つ砲を取り付けるだけならともかく、あそこまでの復元はそう簡単に出来る事ではない」
売った?ならその相手がアフィ魔Xだったんじゃないの?…と思ったわたしだけど、それはないって否定される。…まぁ、わたしも女神として兵器を見る事はそこそこあるし、確か艦砲ってただ砲台だけを付ければ使えるようなものじゃなかった筈だから、ならやっぱりそれは間違っていないんだと思う。
「…けど、二隻を売却したのは事実なんだよね?で、アフィ魔Xの空中艦も二隻で、武装はともかく外見が似ている事は間違いない。……どう責任取るつもり?これ…」
「まあまあ落ち着いて、ピーシェ。…でも、その売った相手に連絡と確認位は取ってもらえるかしら?流石に空中艦なんて破格の商品を売った相手の連絡先は、記録してないなんて事ないでしょ?」
「…そうじゃな。確認をさせるから少し待て」
再び詰め寄ろうとしたピー子をまた制止して…だけど今度は、トーンを落とした声音で言うセイツ。ピー子に言われた時はたじろいでいたアクダイジーンも、その言葉には頷いて、わたし達の前で(多分社員さんに)連絡を取る。
「…………」
「ピー子、さっきも思ったけど…もしかしてうちの次元に迷惑かけたって気にしてる?だったらそんなの気にしなくても…って、ネプギア?」
「…あの、アノネデスさん。一つ、訊いてもいいですか?」
止められた後、話が進んだって事もあって黙ってるピー子だけど、まだちょっと顔はむむー…っとしてる感じ。だから、女神としての責任感…なら分かるけど、女神だからって全部を把握出来る訳じゃないし、負い目になんて思わなくていい……って伝えようとしたわたしだけど、というかほぼ口にしたけど、締める寸前で今度はネプギアが考え込んでいる事に気付いた。そうして、わたしが呼び掛けた数秒後…ネプギアは、アノネデスの方を向く。
「えぇ、何かしら?」
「アノネデスさん…もしかして、この件をもっと前から知っていたんじゃないですか?」
『え……?』
真剣な眼差しでネプギアが言ったのは、驚きの言葉。それにわたし達はびっくりして…わたし達が見る中、二人は続ける。
「あら、そう思う?」
「思います。だって…じゃなきゃ、あのUSBを渡す筈がありませんから」
「USB…って、ぴぃが渡したあれ…?」
「はい。あの中に組み込まれていたのは、正体の掴めないサイトの大元を探す為の…アフィ魔Xが秘密裏に行っていた事への対策になるシステムデータでした。でもそんなもの、何も知らない状態でいきなり作る筈がありません。という事は……」
「…最低でも、そのサイトと、誰かが悪事を働いてる可能性を知ってなきゃやる訳がない…って事になる訳か…。…あのねです、これについてはどうなの?」
探偵みたいに話すネプギアの推理。内容を理解したピー子は、アノネデスの事をじっと見つめる。
皆からの視線を受けて、黙るアノネデス。そのまま二秒、三秒と経って…次の瞬間、肩を竦めた。
「…ま、そこに行き着くのは当然よねぇ。今のネプギアちゃんとピーシェちゃん、刑事とか探偵ドラマの主人公みたいで素敵だったわよ?」
「あ、だよね?分かる分かる!」
「ねぷてぬは乗らなくていいから…じゃあ、知っていたって認めるんだね?」
「認めるわ、だってそうだもの。…けど、勘違いしないで頂戴。アタシは誰が何をしようとしてるか知っていた上で黙ってたんじゃなくて…状況から起き得る事を予想して、それでネプギアちゃんに渡したのよ」
知っていたけど、そういう事じゃない。アノネデスが口にしたのは、そんな意味深な答え。
ふむふむ、状況から起き得る事を予想して、かぁ……え、それってつまりどういう事…?
「…って、言ってもそんな大層な事じゃないけどね。暫く前にアタシが趣味で作ってたシステムのデータが盗まれちゃったから、悪用される事を見越して対策プログラムを作ったの。で、アタシ不在だったとはいえ、アタシからデータを盗める存在なんてまずいない筈。なのに盗まれたって事は、電子技術を凌駕する超能力の持ち主か、身内の犯行かって思うじゃない?だから……」
「…そうか、レイか。確かに同じ元七賢人且つ、桁外れの力も持つあやつならば、片方どころか両方の条件に該当するな」
「…あれ?でも、わたし達が敵側にレイがいる事を知ったのは、神次元での件を終えた後で…それじゃ、話が噛み合わないような……」
「そこは聞いていた話と、レイちゃんがいない現状からの推測よ推測。アタシ的に引っ掛かる部分もあったし…そもそもプログラムなんだから、コピーしたのを取り敢えず渡しておけば手っ取り早いでしょ?」
小首を傾げたネプギアからの疑問にもさらっと答えたアノネデスは、ご理解頂けたかしら?…って言うみたいに肩を竦める。…なんていうかさ、見た目はゴツい上に色合いもド派手だっていうのに、仕草一つ一つが凄く女性感あるのって、一体どういう事なんだろうね……。
「…っていうか、あれが趣味で作ったシステムって…某黄色い悪魔とか、某世間コンピュータの発明家並みに、とんでもない事をさらっとやるんだね…」
「当然よ、だってアタシ天才だもの。…けど、人間って趣味だからこそ本気になれたり、自分の実力を真に発揮出来るものじゃない?」
「や、まあそれは同感だけ…あ、連絡来た?」
凄腕ハッカーキャラってなんかほんと凄まじいよね…と思っていたところで、さっきアクダイジーンが使っていた電話が鳴る。それを受けたアクダイジーンにもしや…と思って訊いてみれば、帰ってきたのは無言の首肯。
「…うむ、そうか。急な話で悪かったな」
「…アクダイジーン、どうだったの?」
「…連絡が付かない、どころか調べても全く情報が出てこないらしい。この様子では、住所にある施設を調べても、もぬけの殻やもしれん」
「…つまり、騙されたって事?」
電話が終わったところで尋ねるセイツ。アクダイジーンの返答を聞いて、結論を訊くピー子。
騙されたって事?…その質問に対して、アクダイジーンはゆっくりと息を吐いて…また、頷いた。
「抜かったな…漸く付いた買い手に気を良くしてしまったか、或いはわしも衰えたか……」
「そう気を落とさないで、アーさん。アタシも買い手が付いたって時は調べたけど、確かその時はおかしな点なんてなかったし、向こうの方が上手だったんじゃ仕方ないわ。悲しいけど、アタシもアーさんも所詮は人であって神じゃないもの」
「わぉ、熟年夫婦みたいなやり取り…」
「じゅ、熟年夫婦?止めてくれ、よりにもよってアノネデスとなど……」
「アタシもそんなの御免よぉ。それよりノワールちゃん、夫婦らしいと思うのならアタシとノワールちゃんとで思って頂戴♡」
語尾にハートマークまで付けてくるアノネデスは、やっぱりノワールガチ勢な様子。…何気にアノネデスって、わたし並みに空気を掻き乱すの得意なんじゃないかな…。
「…ともかく、理由はどうあれあの空中艦はセブンスジーニア製で、アフィ魔Xが使ってたプログラムの方も、元はあのねですのものだった…で、間違いない?」
「恐らくは、ね」
「……ねぷてぬ、ねぷぎあ、ほんとごめん…」
「へ?あ、そんな!頭を上げて下さい、ピーシェさん…!」
「そうだよピー子。どっちも悪気があった訳じゃない…というか、してやられた側なんだし、ピー子が謝る必要はないって!」
また肩を竦めたアノネデスの言葉を受けたピー子は、こっちに振り向いて…ぺこり、と頭を下げる。首だけで軽く…って感じじゃなくて、腰から深く、しっかりと。
当然そんな事をされたら、ネプギアは慌てるし、わたしだってすぐに否定する。理由は…今言った通り。
「けど、多大な迷惑をかけちゃった事は事実だし…」
「それを言うなら、ピー子達は逆にわたし達を助けに来てもくれたでしょ?オリゼとの戦いは、そのおかげで邪魔されずに済んだ訳だし」
「でもそれも、元を辿ればぴぃ達の……」
「んもう、ピー子は意固地だなぁ。…大丈夫だよ。ピー子のごめんなさいって気持ちは伝わってるし、自分が納得出来ないんだって気持ちもわたしは分かる。だから…これからも、わたし達に協力してくれると嬉しいな。負い目とか、償いとかじゃなくて…友達として、さ」
わたし達から気にしないでと言われても、ピー子の気持ちは変わらない。…だからわたしは、下げたままのピー子の頭に、ぽふりと手を置いた。置いて、撫でて…大丈夫だよって、ピー子に伝える。
どうして撫でたのか。どうして、友達と言いつつもネプギアとか、年下に対するみたいな事をしちゃったのか。その理由は、上手く言えない。言えないけど…そうしたいって、そう感じたのがわたしの気持ち。
「ねぷてぬ……最後の二言は、それぞれ微妙に噛み合ってなくない…?」
「え?あ、そうかも。まあとにかく、これからも仲良くしようって事!」
「……うん」
怪訝な顔をして頭を上げたピー子に、わたしは後頭部を掻きながら答える。するとピー子は、適当だなぁ…って感じの顔をして……でもその後、ちょっと目を逸らしながらだけど、小さくこくりと頷いてくれた。…うん。やっぱりピー子は、このちょっと素直じゃない感じの方が良いよ。そっちの方が、ずっと可愛いもん。
「…良い…ピーシェとネプテューヌの絆…良い……」
「せ、セイツさーん…?何か、長年のファンみたいな感じになってますよー…?」
「えぇなるわ、なるに決まってるじゃない…!昔はネプテューヌより背が低くて無邪気だったピーシェも、今はネプテューヌより背が高くて女神としてもしっかりしてきた。だけどピーシェの心の中にはまだあの頃の思いがあって、ネプテューヌも別次元の存在とはいえやっぱりネプテューヌはネプテューヌで、だから今のやり取りが生まれたって思うと……あーもう、二人共大好きっ!」
「…相変わらず、時々壊れるなお主は……」
「情熱的よねぇ、セイツちゃんは」
……と、わたしがピー子と話していたら、いつの間にかセイツは大興奮中。色々言われてたピー子はかぁっと顔が赤くなって、わたしはむしろ苦笑い。
「え、えっと…アノネデスさん、重要なのはここからなんです。わたし達は、どうしてもその空中艦を見つけたくて……」
「それは難しい話ねぇ。前は空中艦とプログラムが全く別のものだったから、ステルス関係なしに探知出来たんだと思うけど、今回はそうもいかないし、大規模な対ステルスレーダーか何かを作るにしても…というか仮に作れるとしても、結構な時間がかかっちゃうわよ?」
「です、よね……」
気を取り直すようにネプギアが言った、わたし達本来の目的。でもそれを聞いたアノネデスは、ゆっくりと首を横に振る。
時間がかかる。これは当たり前の事で…でも、仕方ないねで済ませられる事じゃない。だってそれじゃあ、ずっとわたし達は後手に回る事になるから。また大陸落とし並みの事をされたら、今度こそ甚大な被害が出てもおかしくないから。
だけど、出来ない事をやってとは言えない。わたしには全く分からない事へ、偉そうに「時間がかかるなんて言うな」…なーんて身勝手な事、言える訳がない。だからわたしもネプギアも、どうしようってなって……そんな中で、ピー子は言った。
「…ねぇ、あのねです。ならまさか…このまま黙ってるつもり?」
「あら、ピーシェちゃん。もしかして、アタシに発破かけようとしてるの?」
「別に?ただ、ここで『無理だから他を当たって』って返すようなら、あのねですも丸くなったなぁって思うだけ」
「ふぅん…ふふふふっ、まさかそんな訳ないじゃない。ピーシェちゃんじゃないけど、この件はアタシ…というかうちに責任の一端はある訳だし……レイちゃんとその仲間?…が、アタシの技術を盗用して、出し抜いて勝ち逃げなんて、このアタシが許す訳ないでしょう?」
「…責任、か…昔のお前であれば、感じる事もなかっただろうに」
「ひっどーい、アタシだって責任感じる事はあるのよ?ただ、どうでも良い時は知らんぷりするだけ。…それよりアーさんこそ、衰えたなぁで終わるつもりかしら?」
「抜かせ。わしは執念深いんじゃ。…何としても打開に繋がる一手を編み出せ。必要なら、事業としてわしが幾らでも理由を作ってやる」
「流石元大臣のCEO。そういう腹の据わってるところは、素直に凄いと思うわよぉ?」
顔は見えない。けれどきっと、にぃ…と悪い笑みを浮かべてるアノネデス。アクダイジーンも、その肩書きは伊達じゃない、って感じの雰囲気を出していて…二人から(厳密にはアノネデス一人からだけど)そんな答えを引き出したピー子は、わたし達に向けて軽くウインク。
「…と、いう訳だ。残念ながら、すぐに何かをする事は出来ん。しかし、出来る限りの事はさせてもらう。それで、どうだろうか」
「…うん。わたし達も、他に方法がないか探しては見るけど…期待させてもらうからね?」
「こちらこそ、必要な事があれば手伝います。ですからどうか、お願いします!」
すぐには出来ない、どれ位かかるかは分からない。…それは、仕方のない事。どうしようもない事だから…それでも全力を尽くすという言葉に、思いに返す言葉なんて…応援と期待以外、ある訳ないよね。
そうして、一先ず空中艦(と例のサイトのプログラム)の大元ははっきりとした。まだ目標には遠いけど…一歩は進んだ、と思う。
「…あれ?けど、そういえば…武装の件はどうなったの?ハリボテじゃなかった以上、そこにもまだ謎は残ってる筈よね?」
「あ、そうだそうだった…別の次元に持ち込んで、そこで武装を作った、とか…?」
「うーん…まあ、プログラムと同じ要領で艦の設計図を盗んでる可能性はあるわねぇ…」
部屋を出て行こうとしたところで、セイツが思い出したように言った言葉。それにピー子とアノネデスが反応して、わたしも考え……あ。
「…くろめの能力で作ったのかも…」
『くろめの能力?』
「うん。くろめは意図的に『妄想を現実にする』能力が使えて、それで義手を作ったりもしたんだけど…それが結構性能の良いものだったから、艦を丸ごと造るのは大変でも、設計図有りで武装だけ造るなら出来るのかも…って」
「ははぁ、そういう事。…けど、艦砲なんて複雑なものを、そんな都合良く作れるのかしら……」
「んー、でもその能力は世界そのものにも干渉出来るみたいだし、それを思えば出来るんじゃないかな。それかほら、中身は滅茶苦茶でも、見た目と機能だけはそっくり作れる某権能みたいなものと思えば……ね?」
まあ、わたしの予想に過ぎないんだけどさ、と最後に付けてわたしは締める。実際どうなのかは、ほんと分からない。けど、ちゃんと機能する武装があったのは事実な訳で…だったら、その事実に辿り着きそうな理由を考えるしかないよね。
と、いう訳で今度こそわたし達は部屋を出て、セブンスジーニア本社の外へ。この件、皆にどうやって説明しようかな…とか、ノワールを連れてきたらもっとアノネデスはやる気出したのかなぁなんて思いながら、こっちのプラネテューヌの教会に向かうのだった。
*
「おーい!ねぷっちー、ぎあっちー!」
「あ、うずめさんにウィードさん!それに海男さんも!」
プラネテューヌに戻って、教会の敷地へ着陸しようと降下する中、聞こえてきたのはわたし達を呼ぶ声。それは教会の敷地からこっちを見上げてるうずめさんの声で…わたしは手を振りながら、その呼びかけに声を返す。
「よ、聞いたぜ皆。えーっと…セブンスアビス?…の本社に行ったんだっけ?」
「いや、セブンスジーニアな…それだと冥界のグループだ…」
「う…そ、そう。セブンスジーニアだよ、セブンスジーニア……」
半眼で訂正するウィードさんの言葉に、恥ずかしさからかうずめさんはちょっと顔を赤くして、目を逸らしながら言い直す。そしてそれを、海男さんは苦笑気味に見ていて…あ、なんだろう。この三人(二人と一匹…?)のやり取りを最後に見たの、凄く昔って訳じゃないのに、なんだかちょっと懐かしい気分…。
「ふぅ。皆、調子はどう?…って言いたくなっちゃうよねぇ。直接会うと」
「だよな。あれ?ねぷっち、ちょっと大きくなったんじゃないか?…なーんて、な」
「え…わ、分かるのうずめ…!?」
「えっ、ほんとに背が伸びたのか…!?」
「ううん、嘘だよ?」
「嘘かよ…しょうもない嘘吐くなよな……」
けろっとした顔で嘘だと返すお姉ちゃんに、うずめさんはがっくりと肩を落とす。で…今度は海男さんだけじゃなく、皆で揃って苦笑い。
それからわたし達は、会話しながら教会の中へ。今日うずめさんは、戦いの勘を鈍らせないように…って事も兼ねて、クエストに出ていたんだとか。
「…って訳で、アクダイジーンとアノネデス…セブンスジーニアの協力を取り付けてきたって訳よ。特に最後は、ピーシェの一押しでね」
「いやあれは、手柄って程じゃ……」
「へーぇ。やるじゃねぇか、ピーシェ」
「わっ…も、もう……」
ちょっと強めに肩をぽんぽんとするうずめさんの手付きに、ピーシェさんは困り顔。でも本気で困ってる、嫌がってるって感じじゃなくて…普段もこういうやり取りがよくあったんだろうなぁ、と思うわたし。
「……そうだ。ちょっといいか、皆」
「……?どうしました、ウィードさん」
「いや、その…未来から来たネプテューヌの言った話…あれはあの後、何か進展があったのかな…と思ってさ」
そこでふと、頭に浮かんだように…でもどこか、タイミングを見計らってた風にウィードさんが言った、わたし達への問い。その内容に、わたし達は少し驚いて…それから、首を横に振る。
「ううん、まだ無いよ。って、いうか…それ、わたし達がこっちに来る時、順番に説明する関係で伝えた事だよね?」
「あ…まぁ、そうなんだが……」
「気になった、って訳ね。…やっぱりうずめの相棒としては、くろめ…もう一人のうずめの事が、気になっちゃう感じ?」
「あ、相棒…?べ、別に俺とウィードとは……」
「違うの?」
「…や、違う訳でもない、と思う…けどよ……」
そう言って顔を逸らすうずめさん。その隣のウィードさんは、曖昧な笑みで肩を竦めていて…けど、なんだろう…なんとなく、複雑な顔にも見えるような……。
「うずめを茶化さないでくれ、セイツ。…けど、俺なりに思うところがあるのは事実だ。俺は……」
『…ウィード(さん)?』
「…や、とにかくまた進展があったら、教えてほしいんだ。頼む」
「あ…うん、それは勿論良いんだけど……」
真剣な顔で頭を下げたウィードさんの言葉に、ちょっと戸惑いながらお姉ちゃんが返答。それを聞いていたセイツさんは、ウィードさんをじっと見ていて、さっきまで顔を逸らしていたうずめさんは、今度はうずめさんの方がどこか複雑そうな表情になっていて……けどどれも、具体的な事は分からない。表情から伝わる事はあっても…それが、全てじゃないから。
だけど、真剣だって事は十分伝わっている。だから、ウィードさんの頼みはわたしだってその通りにしようと思ってるし…くろめさんの事を考えてるのは、わたし達だけじゃない。人との関わり方は色々な形があって、それぞれに考える事、思う事がある。…それをこの瞬間、強く感じたわたしだった。
今回のパロディ解説
・前回までの〜〜冒険ッ!
ジョジョシリーズのアニメ版における、最初のナレーションのパロディ。とはいっても、毎回ある訳じゃないですね。むしろ無い回の方が多い筈です。
・某黄色い悪魔
ケロロ軍曹に登場するキャラの一人、クルルの事。チート並みの発明家は数多くいますが、その中でもクルルはかなりのトンデモ具合な気がします。
・某世間コンピュータの発明家
東のエデンに登場するキャラの一人、板津豊の事。上記のクルルに比べるとまだ常識的ですが、未来予知をし得るコンピュータを個人で…というのはやはりトンデモですね。
・某権能
ファンタジア・リビルドに登場するキャラの一人、サーリスの能力の事。しかし能力的にはむしろ、次のワールドの黒幕の方がくろめ(うずめ)に近いですね。
・セブンスアビス
これはゾンビですかに登場するグループの一つの事。勿論セブンスジーニアはグループというか企業の名前ですし、場所も冥界ではなく神次元ですね。