超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth3&VⅡ Origins Exceed 作:シモツキ
上述の通り特殊な作品となっていますが、もし宜しければ読んでみて下さい。そして次回からは、前回触れた通り別のコラボを、『イリスちゃんは知りたい(ロザミアさん作)』とのコラボストーリーをお送りします。その上で更に、このコラボにはもう一点要素があるのですが…それはまだ、秘密にさせて頂こうと思います。ではでは、こちらも是非お楽しみにっ!
皆と出会い、頑張って
初めて別次元に…信次元じゃない、何も知らないどこか…いや、どこでもない『何か』に飛ばされたあの時から、気付けば何度も私は次元を超えている。自分の意思で飛んだ事も、何らかの力によって飛ばされた事も、ちゃんとした別次元に行った事も、結局どんな場所だったのか解明し切れなかった事も、飛ばされた先で死闘を繰り広げた事も、絆を紡いだ事も…本当に、色々あった。
そして…また一つ、私の中にその経験が、思い出が増えた。似ている事ならあった、でも過去のどれとも違う…新たな出会いが、再会が、衝突が、友情が。
本来ならこれは、非常事態。慣れるのもありがたくない事だし、あまつさえ楽しいと思うなんて、危機感が薄れてると思われてもおかしくない。…だけど、確かにそこには出会いがあって、嬉しいと思える事があって、大変な事も出会った人と、皆と乗り越えて…だから、思えるんだ。楽しいんだって、良かったって。確かに、こういう出来事を「時々ある事だから」で済ませてしまうような考え方になるのは良くないけど…感じた喜びは、楽しさは、紛れもない本物なんだから。
「…ん、んっ……」
目が覚める。深い眠りから、沈み込んだところから意識が浮き上がっていくように。
最初に見えたのは、部屋の天井。と、いう事は…ここは、私の部屋。
(…この、感覚は……)
寝起きなのに、ゆっくりと寝たような気がしない。でも眠気や寝不足感があるかっていうと、そうでもなくて…そんなこの感覚を、私は知っている。これまでに、何度も経験している。そう、これは…この感じは……
「……ふふっ。ほんとに、私は…よくこういう目に遭うなぁ…」
身体を起き上がらせて、まず確認したのは自分の携帯。前の時…同じように色んな人と繋がりを持ったあの時は、ここには残らなかったけど…今回は、違う。
私が操作し、開いた写真のフォルダー。そこには…あぁ、やっぱりあった。あの時撮った、最後に撮った…皆との、あの瞬間を切り取った写真が。
「ぬら〜?」
「ちる〜?」
「おはよう、ライヌちゃん、るーちゃん。…って、今はおはようの時間だっけ…?」
もしかすると、おはようじゃなくてこんにちはや、こんばんはの時間かもしれない。でもそもそも、私は(一応)寝起きなんだから、やっぱりおはようでいいんだよね。…と、携帯で時間を確認する前に結論付けた私は、もう一度画面を…そこに写った写真を見る。
それは、公園の一枚。クレープパーティーをした後に撮った……私の迷い込んだ、私の知る神次元とは違う神次元での、邂逅と再会の先の写真。
「…お互い、驚いたよね。こんな形で、また会えるなんて」
その神次元で、私は三人の友達と再会した。その一人は、あの空間で共に戦い、皆と共に最後まで戦い抜いた一人のルナ。ルナとまた会えて、また話せて、本当に良かった。
思い返せば、前に会った時のルナは、周囲へ対する遠慮が強かった。勿論打ち解けてからはそんな事なかったし、あの時も今も、心の底にある芯の強さは変わらないままだったけど…その打ち解けるまでが、前の時より短かった…そんな気が、私はしている。前より積極的に色んな人と関わっていた、それは確か。関わるというか、変な展開に巻き込まれてる感も時々あったし、別次元で家族同然に思ってる相手を少しずつ増やしてる感もあって、その辺りはびっくりなんだけど…ほんとにルナは、あの時より進んでるって感じがした。
その理由が、何なのかは分からない。前の経験のおかげなのか、知り合いがいるからこその安心感故か、それともルナ自身の成長なのか。ただ、理由がなんであろうと…あの時出会ったルナも、再会したルナも、ルナである事に…私の大事な友達の一人である事には変わりない。一見普通の女の子で、ちょっとおっちょこちょいで、少し気弱で…だけど芯の強い、ここぞという時には凄く頼りになる、女神すらも助けてくれる…私の友達の、ルナなんだから。まだ記憶は取り戻せてないみたいだし、不安な事もあると思うけど……きっと、大丈夫。女神として、友達として…私はルナを、ルナの未来を、信じている。
「…ちる?ちるるっ、ちるちる〜!」
「あははっ、そうだね。私、二人とまた会ったんだよ?二人共、元気だったよ?」
私の両脇に来ていたライヌちゃんとるーちゃんの内、るーちゃんが驚いたように鳴き声を上げる。その理由は…勿論、その写真の中にはグレイブ君と愛月君が、るーちゃんにとっても馴染みの深い二人も揃って写っていたから。
グレイブ君と、愛月君。ゲイムギョウ界とは全く違う、別次元…というか完全な別世界に飛ばされた私に力を貸してくれた、身近な間だけど共に旅をした二人も、同じようにあそこで再会した。それは、正直喜びよりも驚きが強くなる程早い再会で…それでもやっぱり、友達との再会は嬉しいもの。
向こうの世界では二人の頼りになる部分、トレーナーとしての部分を沢山見てきた。でも向こうの神次元では、それだけじゃなくて二人の「男の子」としての部分を、前の時以上に見る事が出来たような気がする。グレイブ君からは年相応の無邪気さだったり、リベンジに燃える心だったりを、愛月君からは見た目通りの幼い部分や、純粋な心からくる優しさ穏やかさだったりを、向こうでの日々の中で私は見られた。だからこそ…思う。次に二人と会った時は、もっともっと普通の、のんびりした時間を過ごしてみたいって。それがいつになるかは分からない、今回みたいに割とすぐまた会える…とは限らないけど、不安に思う事なんか何もない。だって現に…こうしてまた、私達は会えたんだから。一度だけなら、それきりの奇跡かもしれないけど…また会えるって、証明されたんだから。
(…再会、じゃないけど…この出会いには、驚いたなぁ……)
一度別の場所で出会い、向こうで再会したのは、ルナ、グレイブ君、愛月君の三人。でも、じゃあ他は全員全く知らない人だったかといえばそうでもなくて…その内の一人、所謂『別次元の同一人物』として出会った一人が…ネプテューヌ。
別次元といえど、同一人物は大体が似たようなもの。それを私は、大きいネプテューヌやセイツのいる神次元、それに幻次元なんかで知ったんだけど、ネプテューヌもやっぱりそうだった。明るくて、楽しい事が大好きで、ちゃらんぽらんだけど仲間の為、友達のためにどこまでも頑張れる、私の知っている通りのネプテューヌで…だけど、それだけじゃなかった。表面的な部分は何も変わらなかったけど…驚く事に、ネプテューヌの魂はネプテューヌじゃないんだと、ネプテューヌという器に人の魂が入ったのが自分なんだと、そうネプテューヌは語っていた。
身体は女神でも、心は違う。だから本質的には、自分は女神じゃないんだ。そう語ったネプテューヌは、私を介して『別次元の女神』を知ったネプテューヌは、どこか不安そうで…だけどやっぱり、向こうで出会ったネプテューヌも、私はネプテューヌだと思う。それは、心と身体は相互に影響し合うもの…とかじゃなくて、女神のネプテューヌにだって『弱さ』はあるから。何より…女神のネプテューヌも、向こうで出会ったネプテューヌも、一番大事にしているものは、力とする思いは、同じだから。…だからね、ネプテューヌ。ネプテューヌは…自信を持って、いいんだよ。
「……ち、る…?ちる、る…?」
「ん?今度はどうしたの、るーちゃん…って、あぁそっか。確かにるーちゃんは、ちょっと近いものを感じるのかもね」
なんて事を考えていたら、いつの間にかるーちゃんは画面のある部分をじっと見つめていた。どうしたんだろうと思って尋ねる私だけど…るーちゃんが見ているのが一誠君だと分かって、私は理解。るーちゃん…厳密にいえば進化した姿のるーちゃんと彼とは、ある共通点があるのである。
(一応ネプギアはネプギアでいるらしいけど…)ネプテューヌに姉妹ではなく兄弟がいる、と知った時には驚いた。しかも女神やそれに準じる存在ではなく、龍の力をその身に宿しているんだというんだから、これにはもう「世界は広い」としか言いようがない。
そんな一誠君は、一言で言うなら…そう、爽やかな男の子、って感じ。ウィード君や、別次元で出会った他の男の子達とも違う、落ち着きと情熱が上手く噛み合ったような爽やかさ。真っ直ぐで、気立てが良くて、だけど男らしいところもある…その上で取っ付き易くて仲間や家族思いでもあるという、本当に好感ばかりが一誠君の印象として残ってる。これはきっと、良い友達や家庭環境に恵まれた…から……って、姉はあのネプテューヌだよ…?も、勿論ご両親や友達の事は知らないけど…あ、あれかな…?ネプギアといい一誠君といい、ネプテューヌは反面教師として優秀なのかな…?…いや、うん…ここはシンプルに、環境だったり彼を育てた兵藤家の気質を受け継いだって、事にしておこう…。
(はは…にしても、まぁ…やっぱり私って、男性運は結構良い方なのかなぁ…。こう表現すると、誤解が生まれそうな気もするけど……)
向こうで親しくなった男の人は、一誠君に加えてもう一人。ズェピアさん…ズェピア・エルトナムという吸血鬼とも私は出会った。…吸血鬼なのに血は吸わないらしい、じゃあただの鬼?…と今更ながら思う、吸血鬼と。
冷静で、穏やかで、多芸且つ視野の広い、それこそルナの言った「紳士」という言葉が似合いそうな彼は、向こうで出会った私達の関係における、結構重要なファクターの一つになっていたと思う。別に積極的に皆を纏めようとしていた訳じゃないし、カリスマ性に溢れてるって訳でもないけど…上手く流れの調節や修正をし、更にそれをさらりと行う事で、自然とやり取りが良い方に動いていく…そんな、原動力や指針とはまた別の部分を、ズェピアさんは担ってくれていた。
実際私も、かなり気配りしてもらっていたと思う。信頼のおける人物だとも思ってる。けど…やっぱり彼は、ズェピアさんは違う。その視点が、価値観が、私とは全く違っている。きっとそれは相容れないもので、出会い方が違えば関係性も大きく変わっていたのかもしれないのが、私とズェピアさんで…けれどこの私は、今ここにいる私は、その上で親しい間柄に、仲間になる事が出来た。それは嬉しい事で、大切にしたい事で…いつか、会わせてみたいとも思う。ズェピアさんと、同じく紅茶に一家言あるベールとを。
「…ああ、そうだ。多分これが、これまでとは大きく違った面…だよね」
一人一人の事、交流や感じたものを振り返っていた私は、ふと気付く。いや、気付くって程の事でもないけど…今回は、飛ばされた先が取り敢えず普通の次元で、普通に住民もいて、その人達とも仲良くなった。幻次元の時と近いパターンだけど…飛ばされたのが私一人じゃなかったり、私以外の人がその先の次元の住民(というか、女神)と初対面じゃなかったりも、細かい部分がやっぱり違う。
しっかり者の、でも人並みの女の子らしさもあるお姉さんって感じのシオリに、ネプテューヌとはまた別の意味で奇抜な…セイツを超える、いきなり求婚までしてきたモナミに、物静かで引っ込み思案…だけど、逆にそれが小動物的な可愛さに繋がってもいるミキに……向こうの神次元にも、イストワールさんはいた。皆も私達に、私達の帰還に、力を貸してくれた。
「ちゃんと前に、進めていると良いんだけど…。…なんて、要らぬ心配…かな」
でも、四人だけじゃない。他にも私達に協力してくれた人達はいて…その内の一人が、ビッキィ。ビッキィ・ガングニル。協会…そう、教会ならぬ協会に仕えてるらしい彼女も、私達と共に戦ってくれた。
初めビッキィは、私達を少し警戒していた…というか、気を付けてるような感じがあった。でもそれは当然の事だし、それはそうと凄まじい勢いでテーブルを拭くという特技(?)を見せてくれたり、私達の作った料理を心底美味しそうに食べてくれたりと、愛月君や一誠君とはまた別ベクトルで取っ付き易さのある人となりだった…と、私は思う。後…ナス農家(それも労働条件劣悪)でバイトしてた過去があるって分かった時には、かなり驚いた。
そんなビッキィに、細かく何があったかは知らない。だけど、出会ったばかりの時は、どこか影のあったビッキィが、最後には憑き物の取れたような…前を見て、ちゃんと歩み出せたような顔をしていた。そうなれたのには、ネプテューヌが関わっているようで…安心したし、嬉しくもあったけど、少し悔しさもあった。私は同じようにある次元…というかある空間で出会った、深く暗い闇を抱えたある人の事を、信じる事は出来てもその場で救う事は出来なかったからこそ、悔しいなって部分があって…でもやっぱり、安堵感の方が勝っている。…当然だ。私の大事な友達が、別の友達を助けてあげられたって事なんだから。だから…それで良い。
「…………」
振り返って、思い出して、それぞれに抱いた気持ちを想起して。そうして最後に目をやったのは、向こうの神次元で出会った、もう一人の人。私が知っている彼女とは違う…ピーシェ。向こうの神次元を守る、女神の一人。
私の知るピーシェと違って、やや冷めた感じで、敬語が基本なのが向こうのピーシェ。けど人を寄せ付けないタイプかといえばそうでもなくて、ビッキィ達とは仲良かったし、ルナは姉の様に慕っていたし、一誠君とも何か単なる友達…とは別の繋がりがあるようだった。…だけど、うん…やっぱり私は、向こうのピーシェとは…同じ女神だからこそ、ズェピアさん以上に相容れないと、そう思う。
女神の在り方、女神という存在そのものに対する思い…多分私とピーシェとは、そこが全く違う。私からすれば、ピーシェはあまりにもドライ且つ何かを諦めているようで、ピーシェからすればきっと私は、酷く傲慢で一方的なんだと思う。事と次第によっては、険悪な関係になっていたのかもしれない。…けど、そうはならなかった。ルナを始め、架け橋になってくれる人がいて、ドライに見えつつも本当は優しいんだって伝わる場面もあって…何より、私もピーシェも、ちゃんと相手の事は認めている。形は違えど、見るもの目指すものは違っていても、心の奥底にある思いは、願いは同じだって。相容れないけど、それはそれとして…頑張って、ほしいって。…あぁ、全く…大嫌いだと言われて逆に安堵するのなんて、それについて気が合うと思うのなんて…その上で心から笑い合えるのなんて、貴女位のものだよ、ピーシェ。
「…ほんとに、今回も…色々あったなぁ……」
他にも、向こうでは出会いがあった。何故か邪魔をしに来た向こうの神次元のマジェコンヌに、同じく何故か雇われてたロムちゃんラムちゃん(結局二人は、向こうの次元に元からいる二人だったのかな…?)と、本当に奇妙な出会いが多かったし、料理を作ったり、クレープパーティーしたり、お菓子作りをしたり、何故かお母さんと呼ばれたり…って、私やたらと料理してるね!思い出すとほんと、普段以上にちょくちょく料理してた気がするんだけど!?…お、おかしいなぁ…皆はもっと、色んな事してたと思うのに…。
「…原因は…何だったんだろう…元凶を撃破して帰れるようになった、って訳でもないから、まさか本当にただの偶然……?」
「…ぬらっ、ぬーらぁ。…ぬら?ぬらら〜」
「いやでも、今回もこの本あったし…けど、そもそもこの本についてもまだ殆ど分かってない…って、ライヌちゃん?何を……」
懐かしい…という程じゃない、さっきまで一緒にいたような気もする皆との事を振り返り終え、次に頭に浮かんだのは疑問。何故飛ばされたのか、何故色んな次元、色んな世界から、同時に同じ場所へ現れたのか。当然それは気になる事で…でも考え始めたところで、私はライヌちゃんが何かしている事に気付く。
なんだろう、と思ってそちらを見れば、ライヌちゃんが興味を示していたのは一つのぬいぐるみ。丁度ベットへちょこんと座っているような体勢の、よく出来た…私のぬいぐるみ。
「ふふっ、これ、私に似てるでしょ?これはね、愛月君…この子が作ってくれた、私のぬいぐるみなんだよ」
「ぬらぁ…ぬら、ぬらっ!」
「うんうん、上手だよね。これを持っていれば、野生のモンスターと遭遇しても必ず逃げられたりして、ね。…いや、使わないけども」
そう言いながら、私は私のぬいぐるみ…プルルート風に言うなら、いりぐるみ?…を軽く撫でる。
自画自賛っぽくなっちゃうけど、このいりぐるみは可愛い。普通に飾っておきたいと思うものだし…それ以上に、嬉しい。愛月君が、私の為に作ってくれたって事が。折角作ってくれた、楽じゃなかった筈のこれを作ってプレゼントしてくれた愛月君の思いと一緒に…これは大切に、したいと思う。
「……皆も無事に、帰れたのかな」
だけど、大切にしたいのはこれだけじゃない。最後に撮った、ここにある集合写真も、作ってきた沢山の思い出も、かけがえのない大切なもの。
平和な時から飛ばされてきた人も、まだ終わっていない問題や戦いを控えた状態で飛ばされてきた人もいると思う。私だってまだ信次元の為、皆の為に解決しなきゃいけない事があるし、身近に早く目を覚ましてほしい人もいる。平和っていうのは、そう簡単には続かないもので…でもだからこそ、頑張るんだ。その尊さを知っているから、守りたいものがあるから、今回出会った皆との日々のような…そんな温かく楽しい時間を失われた過去になんかしたくないから、それぞれに出来る事を尽くすんだ。そして勿論、それは私も同じ。信次元には、大切な人、大事なものに溢れていて…今回出会った、これまでに絆を紡いだ別次元、別世界の皆ともまた、会って話して笑い合いたいから。
「…っと、そうだ。結局時間は……」
ふと思い出し、今度こそ日付けと時間を確認する私。向こうに行っている間に、それ以上の…それこそ何年もの月日が経っていたら致命的な訳で、一瞬怖くもなったけど…これまで通り、今回も不釣り合いな程こっちでの時間は経っていない。これに関しても、原理はよく分からないけど…世界としてのルールすらも違う次元間で、時間の流れだけは常に共通してるっていうのも変な話。ある意味これは原理とか云々じゃなく、「そういうもの」ってだけかもしれない。
「…さ、ってと。それじゃあ今日も張り切っていこう。ライヌちゃん、るーちゃん、ご飯にする?」
「ぬらっ♪」
「ちるぅ♪」
「そっかそっか、私もご飯…(…と、思ったけど…どうしようかなぁ…まだそんなにお腹空いてないっていうか、クレープが残ってる感がしないでもないっていうか……)」
ベットを降り、いりぐるみを飾って、私は振り返る。お腹…は、まぁ一旦置いておくとして、まずはライヌちゃんとるーちゃんのご飯を準備。それが済んだら次は、私の…女神としての、活動に入る。
皆と次に会えるのは、いつになるのか。案外近いか、それともずっと先か。でも少なくとも、これ切りだなんて思わない。信じてるし…また会うって、心に決めてるんだから。約束も、したんだから。
願おう。向こうの神次元の皆に、それぞれの次元や世界から来た皆に、幸せがある事を。頑張ろう。次に会う時、あれからこんな事があったんだって、自慢が出来るように。そして、そんな思いを胸に抱いて、今日も私は私のやれる事を……
「……?ブラン?」
そう思った時、着信の音を鳴らした私の携帯端末。その相手はブランで…何かあったのかな、と私は電話に出る。
「どうしたの、ブラン」
「…イリゼ、唐突なんだけど…わたし貴女に、訊きたい事があるの。ある人物を、知っているか…って話なんだけど…」
「ある人物?」
ある人物を知っているか。そういうブランの声音は、どことなく神妙。どうもこれは真面目な話らしい。そう思った私は気持ちを引き締め、次の言葉を待つ。そして訊き返した私に対し…ブランは言った。その、人物の名前を。
「……イリス?」
「えぇ。その子は、わたしを知っているらしい…というか、親しい間柄のように接してきたんだけど、わたしには覚えがなくて……」
「あぁ…だから『別次元の自分の知り合い』だと思った訳ね」
「そういう事。けどその様子だけど、知らないみたいね…」
イリス。それが、ブランの言った名前で…だけど残念ながら、私にイリスって子は知らない。知らないけど……放っては、おけない。
「…一先ずその子に待っていてもらってもいい?そっちに行くから」
「…いいの?知り合いじゃないんでしょう?」
「うん。だけど、だからってそれで終わりになんか出来ないよ。自分の事を誰も知らない場所に、よく分からないままに飛ばされた時の辛さは…よく、知ってるから。それに…その子本人を知らないだけで家族や友達を私が知ってるかもしれないし…もしかすると、イリスっていうのは知っている子の別の名前とかかもしれないからね」
全く知らない相手とは限らない。だとしても、その子の為に出来る事があればしてあげたい。そんな思いを私は伝え、ライヌちゃんとるーちゃんのご飯を用意してあげた後に、手早く準備。部屋を出て、ルウィーへ行く為廊下を進む。
「まさか、こんな事が起きるなんて…ね」
これまで何度も別次元に飛ばされる経験はしたけど、それが終わったと思った直後、別の件が発生するなんてこれが初めて。しかも、私が飛ばされるんじゃなくて、別次元から信次元に来るというのも初めてで…だけど、やる事は変わらない。違うとすれば…私が助ける側だってだけ。
…とまぁ、この段階で私が思っていたのはこんな感じの事で、ここからまた予想外な事が起きるんだけど…それは、もうちょっとだけ…ほんのちょっぴり、先の事。
(…ほんと、いつも…予想外だよね)
──そうして廊下を進む中、窓から見えた今日の空。広がっているのは、いつもと変わらない天気な空。この空は、皆のいる次元、皆のいる世界とは繋がっていない。…だけど、思いは繋がっている。繋がっているし…きっと天気な、綺麗な空を見上げた時、その時抱く気持ちは同じだ。私はそう…信じている。
今回のパロディ解説
・彼を育てた〜〜受け継いだ
機動戦士ガンダム Gのレコンギスタに登場するキャラの一人、アイーダ ・スルガンの台詞の一つのパロディ。しかしそれでも、要素の中にはネプテューヌ入ってますね…。
・「〜〜野生のモンスター〜〜逃げられたりして〜〜」
ポケモンシリーズにおける道具の一つ、ピッピ人形の事。でもイリゼが貰ったのは人形ではなくぬいぐるみですね。ピッピ人形も、見たところぬいぐるみですが。