超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth3&VⅡ Origins Exceed   作:シモツキ

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 このコラボを、Feldeltさんへ捧ぐ…ではありませんが、思いを抑え切れずに書く事としたのが今回の話です。
 前回の後書きで記載した通り、今回の話は『再編世界の特異点(Feldeltさん作)』とのコラボストーリーとなっております。タイトルの話数に関しては…この話が本編終了後であるという事、流石に二百話に到達するよりは前に完結出来るだろう…という推測から設定したものです。なので本編終了後、又は「別にそんな表現しなくても良くね…?」という気持ちの方が強くなった際には、変わるかもしれません。まあ、前置きはこの辺りとして……どうぞ。

…あ、因みに上でも触れている通り、出来る事ならば『再編世界の特異点(断章含む)』と、OEで行ったコラボ後日談を読んだ上でこちらを読んで頂けると、より楽しめるかと思います。


コラボエピソード 辿り着いた、その先で
第?話 それでも私は/それでも俺は


 次元と次元。本来行き来する事の出来ない、隔てられた二つの世界を繋ぐ門を潜り抜けて、向こう側へと脚を下ろす。

 何度経験しても、この感覚は慣れない。門を潜っている間はどちらでもない、本来あるべき法則(ルール)が存在しない空間にいるからか、はっきりとした時間が分からなければ常に違和感が付き纏う。

 そんな感覚を抱きながら、一瞬かもしれないし数分かもしれない時間を経て、訪れたのはどこか寂しい次元。もう薪が焚べられる事がなくなり、少しずつ少しずつ弱くなっていく焚き火のような…そんな次元。

 

 

 

 

 別次元とはいえ、ここは勝手知ったるプラネタワー。とはいえ勝手に歩き回る訳にはいかないし、そもそも私はそんな傍若無人な女神じゃない。だから待っていてくれた彼と一緒に廊下を歩いて…リビングに該当する広い部屋へ。

 

「久し振り、二人共」

「お、来たね?ぜーちゃん久し振り〜!」

「こんにちは、イリゼお姉さん」

 

 私からの挨拶に答えてくれるのは、ソファに座っていた二人。

 一人は茜。私の友達である、仙道…ではなく、凍月茜。もう年齢的には少女なんて呼べない…というか、そもそも最初に出会った時点で少女と言って良いのか怪しいラインだった茜だけど、外見的にはその時からあまり変わってない。…ん、だけど…やっぱり立場が変わったからか、そこはかとなく大人っぽさが増している。

 もう一人は、凍月夕。橙色の髪をした、茜の子供。外見相応に幼い…筈だけど、とても幼いとは思えない程落ち着いていてしっかりしている子。…うん、私って別次元においては、やけにしっかりしてる小さい子と妙に縁があるよね……。

 

「こんにちは、夕ちゃん。…えと、何歳になったんだっけ?」

「ボク?…えぇと、6歳と8ヶ月……」

「そっかそっか、もう夕ちゃんもそれ位に──」

「…と12日、6時間38分50秒コンマ……」

「いや細かい細かい細か過ぎるよ!?何そのリアルタイムに更新され続けてるであろう情報!?細か過ぎて伝わらないネタって事!?」

「……?」

「あ、ほんとにただ細かく言ってくれただけなのねっ!」

 

 こっちとしては何気なく聞いただけなのに、返ってきたのは予想の遥か斜め上を行くびっくり回答。いや、ほんとしっかりしてるね!少なくとも時間把握に関しては私以上だね!何この能力!?父親の影響!?又は茜の能力絡み!?

 

「いやいやぜーちゃん、流石にゆーちゃんには私の領域把握は受け継がれてないよー。…あ、因みに誤差は−1分22…今17秒になったかな」

「あ、そ、そうなの…というか、茜は時間も正確に分かるんだね……」

「それは勿論。時間から物の構造、果ては地の文まで、世の中の大概の事は分かっちゃうのがあかねぇだからね!」

 

 そう言いながら、茜はふふんと胸を張る。…まぁ、地の文云々は最早割と普通に読まれるものだから置いておくとして…ほんと凄い能力だよね…某アンダーソン君が落ち込む位凄い能力だよ茜…。

…なんて、早速翻弄されてしまった私だけど、この部屋にいるのは私達三人だけじゃない。ここへ案内してくれた彼も勿論私の隣にいて、彼は穏やかな顔をして言う。

 

「6歳8ヶ月…もうそんなに経ったのか…」

「経ったのか、じゃないよもう…悪くはないけど、私の動揺そっちのけで時間の流れを感じてるとか酷くない…?」

 

 がっくりと肩を落としながら文句を言うと、彼…凍月影は、それはすまないと言っているようにも、まぁ気にするなと言っているようにも見えるような表情を浮かべる。

 そう。案内してくれたのも、夕ちゃんの父親も、他ならぬ影君。影君もまた、茜と同じように殆ど外見が変わっていなくて…けれど影君の心は、あの時から変わった。変わって、しまった。

 

「元気出して、イリゼお姉さん。お父さんは、これが平常運転だから」

「うん、ありがとね夕ちゃん…でもその優しさはむしろ余計辛いよ……」

「…厳しくされたいタイプ?」

「そういう事でもなくてだね…(うぅ、純真無垢故にそう捉えたのか、私の心理を見透かして言っているのかが分からない……)」

 

 普通に考えたら前者だけど、この子は茜と影君の子供。となれば後者って事もあり得る訳で、私は夕ちゃんが秘めているであろうポテンシャルが恐ろしい。

 

「…こ、こほん。それはともかく…今日もスイーツ作ってきたよ」

「あぁ、いつも悪いねぇぜーちゃん…ごほごほ」

「茜、それは言わない約束でしょ?」

「…お父さん、お母さんとイリゼお姉さんは何を始めたの…?」

「寸劇、かなぁ…」

 

 すっ…とお菓子を入れたハンドバックを取り出すと、わざとらしく咳き込む動作をする茜。その茜を労るように寄り添うと、横からはこっちの世界に入る気ゼロな二人の声が。うーん、やっぱり二人は乗ってくれないか…ま、別にいいんだけどね。

 という訳で一芝居挟んだ後に、私は二種類のお菓子をテーブル上へ。

 

「二つあるのか…ロールケーキに、これは…プリン、いやクリームブリュレか?」

「惜しい、これはブリュレじゃなくてクレマカタラーナってお菓子だよ。茜、炙りたいんだけどバーナーある?」

「あ、うん。バーナーなら丁度ここに……」

 

 取り出したお菓子の片方…クレマカタラーナは、影君が勘違いしたクリームブリュレと同じように最後は炙る事で完成するもの。その為にバーナーがあるかどうか聞くと、立ち上がった茜はソファ裏に回り、取り出した小型のバーナーを渡してくれる。わぁ、ありがとう茜……って、

 

「な、何故にソファ裏からバーナーが!?」

「え、ソファは武器庫だから?」

「ここ杉崎家だったの!?じゃあソファ下にはバズーカあるの!?」

「あははっ、なーんてね。偶々別の用事で使った物を、一旦置いておいただけだよ」

「あ、な、なんだびっくりさせないでよ……」

 

 あり得ない場所から何気無く出されたバーナーに度肝を抜かれる私を見て、茜は何とも楽しそうに笑う。た、タイミング合い過ぎでしょう……。

 

「もー…」

「茜が悪いな、イリゼ」

「全くだよ……はい、皆どうぞ。甘いもの被りになっちゃうし、ロールケーキはまた後での方がいいと思うよ」

「わぁ、こんがりしてて美味しそう…」

「上手いものだ。さて…じゃあ、頂くとするよ」

「うん、召し上がれ」

 

 軽く炙ったクレマカタラーナを改めて並べ、軽く微笑む。お菓子作りが趣味になってから、もうかなり経つけど…やっぱり何度経験しても、こうして食べてもらう瞬間は緊張する。緊張するけど…自信もある。三人は、きっと美味しいと言ってくれるって。

 そうして三人に食べてもらった私は、こっちの次元のネプギアやイストワール達にもカタラーナを持っていく。それから元の部屋に戻って、色々と準備。…え、何の準備かって?それは勿論…数日間、こっちで過ごす上での準備だよ。

 

 

 

 

 当たり前だけど、こっちの次元において私は客人。信次元との通信手段も帰還手段もあるからこれと言って不安になる要因もなく、プラネタワーにいる間は影君や茜と談笑したり、夕ちゃんと遊んだりして過ごす私。

 ここでは、穏やかな時間が流れている。賑やかではなく、穏やかな時間が。

 

「茜、このお皿はここの棚で良いんだっけ?」

「うん、そうだよー。ぜーちゃん、こっちのプラネタワーの事はもう大体覚えちゃったんだねぇ」

「あはは、まぁね」

 

 夕食後。茜が食洗機から取り出した食器を、私が食器棚へと仕舞っていく。初めはこれにせよ料理にせよ、お客なんだからしなくても大丈夫だって言われてた私だけど…やってもらいっ放しは私の性に合わないんだよね。まあその結果、影君やネプギアが普段やってる事を私が取る形になっちゃったりもするんだけど…二人はさっきまで仕事をしてたんだから、これ位は任せてもらわないと。

 

「お母さん、テーブル拭けたよ」

「ゆーちゃんもありがと〜。ふふっ、働き者の子供と妹がいて私は嬉しいよ」

「うん、しれっと私を妹にカウントするのは止めてくれないかなぁ…」

「えー、でもぜーちゃんはえー君の半妹状態でしょ?」

「は、半妹って…いやまぁ、否定は出来ないけれども……」

 

 にこにこしながらそう言う茜は、本当に嬉しそう。それは名実共にあかねぇ状態なのが嬉しいのか、単に私をからかっているのか、或いはその両方か。

 

「…………」

「……?夕ちゃん、どうしたの?」

「あ、うん。どういう関係なのかは前からよく分からないけど、イリゼお姉さんがお父さんの妹なら、お姉さんじゃなくてイリゼ伯母さんの方が良いのかな…って」

「お、伯母さん…確かにそうなるけど、イリゼお姉さんのままの方が良いかなー……」

「伯母さん…だがイリゼ、イリゼが生まれた時期を考えれば、イリゼはおばさんどころか……」

「…………」

「影さん、それはデリカシーに欠け過ぎです」

「うん、えー君はそろそろデリカシーを身に付けた方が良いんじゃないかなー?」

「……すまん…」

 

 私からの睨み付けに加え、左右からネプギアと茜による追撃を受けて、影君は何も言い返せないとばかりの顔に。うん、まあね?影君に悪意が事は分かってるよ?でも同じ悪意がない発言でも、幼い夕ちゃんといい大人の影君だったら、そりゃあ…ね?

 

「はぁ…どれだけ経っても、影さんは変わりませんね…」

「…そりゃ、俺はどこまで行っても俺だからな」

「またそんな事言って…」

 

 そこから嘆息を吐いたネプギアの言葉に飄々を影君は返し、ネプギアが浮かべる呆れの表情。…けど、変わらない…か……。

 

「…ネプギアには、そう見える?」

「……はい。私から見る影さんは…何も、変わりません」

「…そう。ネプギアがそう言うなら、そこに嘘はないんだろうね。でも、私からすれば……」

「分かってます。私もそれを、否定しようとは思いません」

 

 折角味方してくれたネプギアにこう言うのは気が引けなくもないけど…私は問う。問いて、聞いて、私も答える。それにネプギアも言葉を返し、その間流れ続ける静かな空気。

 正直に言うと、私とこっちの次元のネプギアは、和気藹々とした間柄じゃない。勿論敵対してる訳じゃないけど…ネプギアからすれば私は、自分が守れなかったもの、失ったもの、手の届かなかったもの全てを自分の手で、自分達の…皆の手で掴み取った女神。姉も友達も犠牲にする事なく犯罪神を討ち、その後も脅威から次元を守り、繁栄を齎し続けている女神。勿論こっちと信次元は同じ歴史を辿った訳でもなければ、違う事も多いんだから、一概に比較出来るものでもないけど……それを理由に割り切れる程、今のネプギアは楽天的でもなければ、背負っているものも軽くはない。

 そして私からすれば、ネプギアは…ううん、この次元にいたネプテューヌ達全員が、そういう道を選んでしまった女神。犠牲になった側であろうと、そうするしかなかったのであろうと、それが事実であり…その先にある、少しずつ衰退へと進んでいるこの次元の今が、紛れもない現実。そんな未来を選んだ、女神として導いたネプギアを、私は……

 

「それにしてもさー、ほんとえー君とぜーちゃんは仲良しだよねぇ。ずっと前のえー君なら分かるけど、その頃を知らずクールからダークになった後のえー君にここまで入れ込むなんて、ぜーちゃんとギアちゃん位なものだよ?…あ、ゆーちゃんはまた別だけどね」

「う…別に、私は影さんに入れ込んでいる訳では……」

「私だって、そういう訳じゃ……」

「あらら…そんな事言うから、えー君悲しそうな顔になっちゃった……」

『え?』

 

 そんな私達の空気を断ち切るように、突然割って入ってきた茜。発された言葉を思わず否定した私だけど、悲しそうな顔になったと聞いた瞬間私は、それにネプギアも半ば反射的に影君の方へと振り返る。

 けれど影君はこっちを見ていただけで、特に悲しそうな顔はしておらず…視線を戻した私達に向けて、茜は言う。

 

「なーんて、ね。でも入れ込んでないなら、今みたい反応も普通はしないよね?」

「うぐっ…嵌めましたね茜さん……」

「ふふん、私には心の中のえー君が悲しそうに見えたんだよー。でもほんと、えー君もえー君で入れ込んでるんだから、ちょっと嫉妬しちゃうなぁ…」

 

 物見事に踊らされた私達二人が恨めしさを込めた視線を向けると、茜は軽く流した後にこれまでと同じトーンで…でもほんとに嫉妬しているのかも?…と思わせる口振りでぽつりと呟く。

 こうなると、夫である影君自身が否定してくれた方が早い。そう思ってまた私達が見つめると、影君は困ったように頭を掻きつつ口を開いて……

 

「いや、茜とネプギア、イリゼは別枠だからな…?少なくとも、嫉妬されるような事は何も……」

「……?でもお父さん、さっきにゃーにゃー言ってたイリゼお姉さんを撫でてたよね?」

「え……?ちょっ…二人共、そんなプレイを…?」

「ぶふぅっ!?ち、違うよ!?あれは敷地に入ってきた子猫と意思疎通図れるかと思って鳴き声の真似してたら、後ろから勝手に撫でてきただけで……」

「あ、事実は事実なんだ……」

「影さん…イリゼさん……」

 

 誤解解消どころか、更にえらい事になってしまった。さっきのアレを夕ちゃんに見られてた事が判明するわ、茜には唖然とされるわ、ネプギアからは引かれるわで、それはもう散々な展開。しかも影君はと言えば、何を言うでもなくただ「あちゃー…」みたいな顔をしていて…いや、あちゃーじゃないよ!?これ影君のせいだからね!?影君が許可無く撫でてきたからこうなったんだからねッ!?

 

「むむ…これはあれだね。猫耳と尻尾を買ってこなきゃいけない案件だよ。ゆーちゃんとギアちゃんは何色が良い?」

「え?うーん…お母さんが好きな色でいいかな。…というか、猫耳と尻尾…?……ぬいぐるみ…?」

「い、いや私は要りませんから…」

「ほら変な話になっちゃったじゃん!わ、私は責任取らないよ!?っていうか取れないよ!?」

「待て待てイリゼ、ほら…って、それは何に対する『ほら』なんだ?俺は何か聞き逃したか…?」

「へっ?…あ……〜〜〜〜ッッ!も、もうっ!知らないッ!」

「えぇー……何故…?」

 

 案の定話がアレな方面へ進んでしまった事で、その元凶たる影君に猛抗議をする私だったけど、テンパっていた私は例の悪癖、『思考しかしてない部分の続きをそのまま口にしてしまう』を発動させてしまい、更に動揺。これに関しては私の自爆だけど、冷静な思考なんて吹っ飛んでいた私は恥ずかしさのままに影君へと言葉を叩き付け、そのままずんずんと部屋を後に。

 この場面の最初で「穏やかな時間が〜〜」なんて表現したね。あれ撤回するよ!全然穏やかじゃないよ!全くもって気の休まる時間じゃないよぉおおおおおおおおッ!

……って位の精神状態になってしまう、恐らく私が大負けで、茜ネプギア影君がそれぞれ微負け、夕ちゃんはそもそも勝敗無しという、とんでもない食後タイムのひと時だった。…うぅぅ……。

 

 

 

 

「…いやはや全く…女性の心は読めないものだな……」

「一番度し難いのは色々と無自覚に引っ掻き回した影さんですけどね…」

 

 

 

 

 頬を撫でる、ひんやりとした夜風。何をするでもなく、ただぼんやりと街並みや夜空を眺めていたところで、背後に感じる一つの気配。

 

「…ここにいたんだ」

「あぁ。ここはよく見えるんだ。プラネテューヌが…今の、世界が」

 

 振り返る事なく、気配からの声に答える。声音からして、流石にもう落ち着いたらしい。

 

「…あまり、ギアを虐めないでくれないか。こうなったのはネプギアのせいじゃない。こうなったのは……」

「…うん。でも、ネプギア自身肯定や同情は求めてないと思うよ。だって、今のネプギアを肯定するのは、大切な人を犠牲にする事の肯定と同義なんだから」

「…そう、だな……」

 

 静かな声でそう言いながら、イリゼはバルコニーを進んでいき、手すりの前へ。

 夜風で揺れる、白に近い黄色の長髪。イリゼの心が表れているような、穢れのない綺麗な髪。

 訪れる、数秒間の沈黙。その沈黙の中で、見つめる俺の前でイリゼは振り向き……言う。

 

「……ねぇ、お義兄ちゃん」

 

 それは、俺に対して向けられた言葉。先程茜も触れていたが……全てを知ったイリゼは、その時から俺をそう呼ぶようになった。だが勿論、イリゼは俺の妹になった訳じゃない。

 これは、イリゼが下す俺への罰だ。心への楔だ。明の命を、ロムとラムの未来を、ネプギアの笑顔を守れなかった…こんな俺の家族や友になってくれた皆から全てを奪った、俺に対する咎だ。そこから目を逸らさないように、逸らせないように、俺をそう呼んでいる。

 そして同時に、俺へと課してもいる。これまで俺を兄と呼んでくれた、慕ってくれた者全てを不幸にしてきた俺に向けて、その苦しみを重ねたくないのなら、もう間違えるなと突き付ける為に、イリゼは俺を「義兄」と呼んでいる。その為だけに、自ら俺という呪いへと身を浸している。

 

「お義兄ちゃんは、肯定してほしい?今を、自分の選択を」

「…さて、どうだろうな…」

 

 呼び掛けに続くのは、俺自身に対する問い。俺を見据えての言葉であり、俺が言うつもりだった「俺のせいだ」を踏まえての、ならばどうしたいという言葉。

 それを、俺ははぐらかす。答えたくなかった訳じゃない。ただ…答えられなかった。それに対する明確な答えが、出てこなかった。

 

「…なぁ、イリゼ。少し…いいか?」

「…うん」

 

 出せなかった答えの代わりに、浮かんできたのは様々な思い。その思いに身を任せるように口を開くと、イリゼは俺の側まで来て、俺が片側に寄るまでもなく座っているガーデンベンチの左側へすっぽりと収まる。虹彩に色の戻ったその瞳で、俺を見つめる。

 それだけで、ふと思い出す。色褪せる事のない、明との記憶を。もう戻らない、優しかった過去の時間を。

 

「…随分と、長い旅をしてきた気がするんだ。いや実際、長い旅だった。多くのものを見て、多くの事をして、失って、奪ってきた」

「私もだよ。沢山の人と出会って、沢山の経験をして、掴んで、守ってきた」

 

 俺の言葉に合わせて、イリゼも言う。そこに皮肉や非難の意味はないだろう。俺は無くしてばかりの旅で、イリゼは手に入れ続けた旅だった…ただ、それだけなのだから。

 

「その旅の果てが、ここだ。俺に残ったのは少しばかりの幸せと、この狭い世界だ。…いや、これだけの環境があるのに狭いだなんて言うのは傲慢だな…あんな剣の中にブラン達を閉じ込めておいて、どの口が言うんだって話だ…」

「…外に出たいとは、思わない?」

「…出たくないと言えば嘘になるし、出たいかと訊かれれば…正直、素直には首肯出来ない。…引き返せなくなってからは、ずっと安息の場所なんてなかったから…人と世界の有り様をずっと自分の目で見てきたから…ここから出る事でまた、何かが大きく変わってしまうような気がする…」

「…それは、良い変化かもしれないよ?」

「かもな…ただ少なくとも、俺はもうギアを裏切りたくない…ギアの願いを、俺自身の手で踏み躙りたくはないんだ」

 

 あの時、ネプギアは言った。もう俺が戦わなくて良い世界で在り続けたいと。その言葉通り、ネプギアは必死に頑張っている。そんな努力が時にいとも簡単に水泡に帰すのが世界というものだが…もう俺は、壊す側になりたくはない。この穏やかな世界の中で、そう思えるように俺はなった。…それに、何を言ったって…俺は、ギアのお兄ちゃんなんだからな……。

 

「…けど、そもそも…この道に引き摺り込んだのも俺なんだ…。……これは、イリゼに話したって仕方ないと思うけど…正直、俺はギアや夕とちゃんと接する事が出来ているか、不安なんだ…。茜とは、何も考える事なく話せるのに…二人とは、どうしても頭のどこかで考えちまう。心のままに話す事が…多分、出来ていない…」

「…ネプギアにとっては、信用出来る相手だと思うよ。少なくとも、私はネプギアからそういう思いを感じたから。夕ちゃんにとっては…良い、お父さんなんじゃないかな」

「…良いお父さん、か…もっと早く、なりたかったな…良いお父さんで、いてやりたかったな……」

「…お義兄ちゃん……?」

 

 純粋な言葉が、優しい善意が、俺の心に突き刺さる。罪の意識を、呼び起こす。

 何が良いお父さんだ。あの二人に一度も優しくしてやれず、側にいてやらず、寂しさばかりを与えて、裏切って、傷付けて……最後は全てを奪って、その上で夕に、茜との子に愛情を注ぐ俺は…最低の、父親だ。ただ血が繋がってるだけの、親と形容するのも烏滸がましい存在だ。

 

「…はは、ほんとに効くな…イリゼの、お兄ちゃんは……」

「お義兄ちゃん、だよ。…後悔、してる?」

「…言うまでもない事さ、そんなのは…」

 

 後悔してる。してるに決まってる。後悔ばかりが浮かぶんだ。毎日のように、後悔が俺の心に押し寄せるんだ。やらないでする後悔より、やってする後悔の方が良いなんて言うが…そんな事、ある訳がない。やって、やって、やり抜いて……数え切れない程のものを、俺は失ったんだから。

 だけどそれは、俺自身で選んだ事。俺の意思で、俺の行動で、その結果生まれた、その結果失った、当然の後悔。…いっそ、壊れてしまえれば…こんなにも辛くは、なかったのに。

 

「…どこで間違えたのか、最初から間違っていたのか…どうするのが良かったのか、或いはこれからどうすべきなのか…もう分からない…考えるのが、しんどい……」

 

 こんな事を言ったら、明はまた怒るだろう。ブラン達も、ふざけるなって思うだろう。…だけどもう、俺には全てがくすんで見える。茜という光がなければ、きっと何の色も分からなくなる。そしてそうなってしまえば…金色の魚を追う少女のように、取り戻したいと思えるかどうかすら分からない。

 同じ場所に留まる為には、全力で走り続けなければならないという。その仮説に沿って考えるなら、俺も歩みを止めてはいけない。俺がここにいる事を、望んでくれる人がいる以上は。…だが、俺にはもう走る為の力も、駆ける為の翼もない。なのに俺は、死ぬ事も消える事も出来ない。許されていない。前に進む事も、進む事なく消える事も出来ない俺は……どうすれば、良いのだろうか。

 教えてほしい。正解を、これからの道を。もう考えたくない。考えて、苦しんで、結局また失うなんて、もううんざりだ。

 

「…………」

「…イリゼ?」

「…それが、お義兄ちゃんの求めるもの?その答えが…お義兄ちゃんは、欲しい?」

 

 す…っと立ち上がるイリゼ。不意の行動の意味が分からず呼び掛けると、イリゼは俺を見下ろしながら訊く。吸い込まれそうな瞳で、心に直接響くような声で。

 一瞬、言葉に詰まった。何と言えばいいのか分からず、「それは…」とだけ呟いて、イリゼを追うように立ち上がろうとする。だが、立ち上がった瞬間傾く身体。

 

(……っ…立ち眩み、か…)

 

 倒れ込む俺に続いて、反射的に受け止めようとしたイリゼもそれに巻き込まれる。無理をし過ぎた事で、人の身に余る力を持ち続けた事でぼろぼろとなった俺の身体は、気を抜くとすぐこうなってしまう。これもブラン達に比べれば些細なものだが、俺が失ったものの一つ。

 

「…悪い、イリゼ……」

 

 前に倒れた俺と、巻き込まれたイリゼは向かい合う状態だったんだから、俺がイリゼを押し倒すような形になってしまうのは当然の事。何とか倒れたイリゼの頭の両側に手を付いた事で、下敷きにしてしまう事だけは避けたが…女神であっても、後頭部や背中を打ち付ければ痛いだろう。

 だから…という訳ではないが、してしまった事への条件反射のように、俺はイリゼへと謝った。そして、すぐに立ち上がろうとして────

 

 

 

 

 

 

「──なら、おいで」

 

 その瞬間だった。イリゼの両腕が伸びてきて、俺の首へと回されたのは。

 抱くようにして回された腕が、俺を止める。声が、瞳が、俺を押さえる。立ち上がろうとする俺を、現実に帰ろうとする俺を、引き留めるように。

 

「おいで、影君。もう、苦しまなくて良いんだよ。私が許してあげる。私が癒してあげる。私が導いてあげる。居場所も、平和も、優しさも…失ったものだって、奪ったものだって、全部……私が、取り戻してあげる」

「…ぁ……」

「だから…言って、影君。たった一度、たった一言、影君自身で願ってくれれば……それだけで、全部叶うから。全部、叶えるから。それが…女神だから」

 

 心に響く、イリゼの言葉。俺だけを見ている、イリゼの瞳。全てを委ねさせてくれる、原初の女神の複製体(オリジンハート)

 声が、瞳が、イリゼの全てが、入り込んでくるようだった。包まれるようだった。何もかも忘れてしまえそうな程に……優しく、温かく、心地良い。

 

「…イリゼ……」

 

 思い浮かぶ。鮮明に見える。ブランがいて、ネプテューヌ達がいて、他愛のない雑談をしている世界が。明が、ロムとラムが、ネプギアが屈託のない笑みを浮かべる、そんな日々が。黒と白に家族の温かさを伝える、俺の姿が。

 あぁ、嗚呼、そんな世界でならきっと、誰もが幸せでいられるんだ。もしかしたら、時雨や光とも、友になれたのかもしれない。茜の父親ですら、同じ親として向かい合って、和解出来たかもしれない。それ程までに理想的な世界が、夢の様な未来が、手を伸ばせば届くところにある。求めるだけで、その夢は現実になる。

 求めたい。手を伸ばしたい。いや、そうするべきだ。そこは皆が笑顔でいられる世界なんだから。イリゼもそれを望んでいるんだから。蝋の翼でまだ見ぬ果てを目指し続けた男が太陽に焼かれて落ちるように、光の前では影が消えてしまうように、イリゼという光で俺が俺でいられなくなったとしても……それでもそこには皆の幸せがある。そうだ、それこそが辿り着くべき本当のゴールだ。だから、だから、だから俺は…俺はその世界に、その未来に…………

 

 

 

 

「…ごめんな、イリゼ…俺は生涯、ブランを信仰するって決めてるんだ」

 

 

 

 

 ゆっくりと首を、横に振る。溢れ出しそうな思いを堪えて、優しく温かく煌めくその世界を……夢に、戻す。

 

「…どうして?」

「…伝わったよ、イリゼの思いは。理想的で、最高で、不満なんて一つもない…そんな世界だ」

「なら……」

「だけど、不満はなくても…俺はイリゼから、誰かから与えられた世界に、身を委ねちゃいけないんだ」

 

 俺はイリゼを見つめ返しながら、言葉を返す。誰かに伝えるなんて思いもしなかった思いを、イリゼに話す。

 

「俺はどうしようもない奴だ。多くの人間から多くのものを奪って、大切な人達の命や未来すらも奪って、裏切って、その癖自分の一番大事なものだけは守って、世界にこんな今を押し付けた大罪人だ」

「…………」

「…けど…それでも、ネプギアは俺に付いてきてくれた。ネプテューヌは俺の背中を押してくれた。ベールは俺を認めてくれた。ノワールは俺に託してくれた。ブランは…最後まで、俺を愛してくれた。…ユニは、俺を否定するだろうし、ロムとラムは…きっともう、二度と俺をお兄ちゃんとは呼んでくれないだろうが……」

 

 紡ぐ度に、心が痛む。自分が嫌になる。そんな彼女達の命を、俺は奪ってきたんだ。

 ブラン達だけじゃない。俺を支えてくれた、俺の力になってくれた人も、沢山いる。黒と白だって…俺が、俺とブランが産んだんだ。俺が歩んできた道の中で、生まれてきてくれたのが二人なんだ。

 だから、背は向けない。向かせない。それは、俺自身が許さない。

 

「そして…イリゼは、今も俺を見捨てないでいてくれている。こんな俺でも、そう思ってくれた皆がいるんだ。なのに、俺が…そんな皆の思いを背負ってここに存在している俺自身が、この今を否定したら…それこそ皆に、もう合わせる顔がないよ」

「…だけど、影君が望んでいたのは皆との…皆も幸せになれる世界でしょ?皆が幸せになれる、その皆も幸せでいられる世界が、影君は嫌なの?」

「そうじゃないさ。それになイリゼ、この世界には夕が…こういう世界でも生まれた命があるんだ。前に進もうとする人達もいるんだ。茜はこの世界で俺といる事を望んでいて…この世界を守る為に、一秒でも長く、一人でも多くの人を幸せにする為に、ネプギアは踏ん張り続けてるんだ。その今を、この未来を、誰もが…いいや、イリゼの思う幸せじゃないからって理由で否定すると言うのなら、間違ったものとして消そうとするなら……」

 

 煌めく優しい世界の代わりに、心の中で思い出す。皆との思い出が。今を頑張る人達の顔が。生まれ育つ、新たな命が。くすんで見える俺の目でも、それ等が光り輝いている事だけは分かる。

 たとえイリゼでも…いや、イリゼだからこそ、ブランとも茜とも違う、眩し過ぎる程に強く輝く俺の光のイリゼだからこそ、否定はさせない。消させはしない。その思いを、意思を示すように…俺は右手を、イリゼの細い首へと添える。そして……

 

「…するなら?」

「…もう一度、命を懸けた兄妹喧嘩をするしかないな」

 

 その手を俺は、イリゼの胸元へと当てた。あの時の事を、思い出しながら。

 

「…ナイフで刺されて銃で撃たれる喧嘩は、もう勘弁かなぁ……」

「ん?何を言ってるんだイリゼ。あれは自分から刺さりにきて、自分からナイフの柄に弾丸が当たるよう動いたんだろ?」

「うわ、形の上ではそうとは言え、酷い解釈をするものだねお義兄ちゃん……」

 

 敢えてすっとぼけた言い方をすると、イリゼの瞳は半眼に。俺に対する呼び方も、前の影君からお義兄ちゃんに戻っていて…ほっとしたような、惜しいような、そんな感覚が胸に残る。

 

「…良いんだね?それが、お義兄ちゃんの…影君の、選択で」

「これで良いんだ。これが良いんだ」

「…奪った皆を、皆への責任を、責任という名の支えを、本来目指すべき幸福を考えない為の言い訳にはしていない?」

「していないさ。ここから先、更に地獄へ落ちる事になろうと、イリゼの言う幸せな未来をもう一度目指す事になろうと…何であろうと、俺は俺で居続ける。進む先は、俺自身で選ぶ。それが俺の使命であり…意地だ」

 

 言い切る言葉。示す意思。視線と視線が、心と心が混じり合い…イリゼの両腕が、俺の首からするりと離れる。俺も右手を、胸から離す。

 先に立ち上がる俺。立ったところで手を伸ばし、掴んだイリゼを引っ張り上げる。

 

「…強いね、お義兄ちゃんは」

「そうだな…もう少し弱ければ、もっと皆を頼って、もっと夢を信じて…イリゼ程じゃなくても、皆の笑顔を守れたかもしれないのに」

「だからこそ、私が居るんだよ。…決めたよ、お義兄ちゃん。今、お義兄ちゃんの心と触れ合って重なった事で、私の心も完全に決まった。…まだ、今は出来ないけど…私には手段がある。方法がある。それを用いて、私は、私達は……全てを再生する」

 

 さっきまでのものとは違う、どこまで強く透き通る瞳。その瞳で見据えられて、俺は思う。…あぁ、やっぱりイリゼは眩しいな…と。

 

「…ところで、イリゼ。さっきは…アレを、使ったのか」

「ううん。使うまでもないと思ったからね。でも、そう訊くって事は……」

「危うくイリゼを本当の義妹にしかけたって事さ」

「何それ…しかも本当の義妹って……」

「言うな。そこはかとなく矛盾してる感があるのは俺も自覚してる」

 

 また半眼を浮かべ、突っ込みと言うべきかどうか迷う言葉を口にするイリゼ。その返しに俺が肩を竦めると、イリゼもふっと頬を緩めて…歩き出す。

 

「そろそろ戻ろうよ。風邪引いたら、皆に心配かけちゃうよ?」

「それもそうだな…そうだ、イリゼ」

「ん?」

「…ありがとな。俺に寄り添ってくれて」

「ふふっ…どう致しまして」

 

 そうして俺達は、中へと戻る。今なら少しは、見える景色からくすみも取れそうな気がしたが…これ以上ない程の幸せをくれようとしてくれたイリゼの手を掴まなかったんだから、代わりにこれ位の言う事は聞いてやらないと…な。

…明。明がどう思っているかは分からないが…やっぱり明とイリゼを重ねるのは、もう一人の妹だって思うのは…止められそうにないよ。

 

 

 

 

 こっちの次元で過ごす時間は、休暇の様なもの。休暇…と呼ぶには色々しているけれど、とにかく長期の滞在はしない。するならするでかなり準備しなきゃいけないし…私にも、やるべき事があるんだから。

 

「またおいでね、ぜーちゃん。ぜーちゃんなら何度でも…って言うか、毎日だって大歓迎なんだから」

「ありがと、茜。流石に毎日は無理だけど…また来るよ」

「イリゼお姉さん、今回もいっぱい遊んでくれてありがとね」

「うん。私も夕ちゃんと遊ぶのは楽しかった…というか、ほんとしっかりしてるよね夕ちゃんは…なんか言い方が、親が子供と遊んでくれた相手に対して言う感じだよ…?」

 

 別れの時間、見送ってくれるのは影君達と、次元移動の際の万が一に備えて待機中のイストワール。でも勿論、他の皆とも挨拶済み。

 

「…イリゼさん。あの……」

「…ネプギア、仕事中だから後で…って言っていたクレマカタラーナとロールケーキ、食べてくれた?」

「え?…あ、はい。…美味しかったです」

「そっか。じゃ、次も美味しいお菓子を作ってくるから…頑張ってよ?」

「…勿論です。私は…何があっても、進み続けますから」

 

 エールにも、挑戦のようにも聞こえるように言った言葉に、ネプギアは力強く首肯。

 ネプギアの覚悟は、貫こうとしている意思は、ひしひしと伝わっている。だからこそ、それ以上の事は言わない。それがネプギア…この次元のパープルシスターとしての道ならば、私も信次元のオリジンハートとして、正対するだけ。…そうでしょう?この次元を導く、最後の女神。

 

「…………」

「…………」

「…えー君は何か言わないの?」

「ん?…いや…イリゼには、もう言葉は必要ないかな…と」

「えー、何そのさらっと以心伝心…ま、そう言うと思ってたけどね」

「流石は茜だな。…まぁ、あれだ…これからも会うさ。今は茜と、一緒だからな」

「そっか。じゃあ…私も、これからもお義兄ちゃんの前からは消えないよ。何があろうと、ね」

 

 最後に交わす言葉としては些か捻くれた、我ながらちょっと小首を傾げたくなるやり取り。でも、それでも良い。何だって良い。大事なのは、言葉じゃなくてその中の思いで…それはちゃんと、お互い通じ合っているんだから。

 

「それじゃ…またね、皆」

 

 その言葉でお別れを締めて、私は皆に背を向ける。向こうから開いてくれた次元の扉へと、足を踏み入れる。

 私の来訪からこの瞬間までに、この次元は殆ど変わっていない。局地的に、一時的に影響を与える事は出来たとしても、この次元の本流は変わらないまま。

 そして、この流れがいつまで続くかも分からない。どこかで潰えるのか、新たな道を歩み出すのか、それとも…私が、変えるのか。

 

(…そう。未来も、今も、過去も、決まってなんかいないんだよ。だから私は…私の意思で、私の作る道で、私の成すべき事全てを成す。それこそが正しい道だと、私が示す。それが私、オリジンハートで…イリゼだから)

 

 踏み出した瞬間、窓の向こうに見えた空。そこに、明るく優しい光はなく……けれど可能性の光は、確かにはっきりと残っていた。




今回のパロディ解説

・「〜〜細か過ぎて伝わらないネタ〜〜」
とんねるずのみなさんのおかげです内における、企画の一つのパロディ。えぇはいモノマネではないですからね。何のモノマネだって話です。

・某アンダーソン君
これはゾンビですか?に登場するキャラの一人、アンダーソンこと下村の事。時間と距離を正確に測れるのが彼の能力なので…茜と比較すると悲しくなりますね…。

・「〜〜杉崎家〜〜ソファ下にはバズーカ〜〜」
生徒会の一存シリーズに登場する主人公(杉崎鍵)の家及び、そこでのネタの一つの事。このネタ凄く好きなんですよね。だって普通に取り出すんですもん。

・金色の魚を追う少女
色づく世界の明日からの主人公、月白瞳美の事。影の見えている世界にそういう設定がある訳ではありません。単なる表現です、比喩なのです。

・同じ場所に〜〜ならない
不思議の国のアリスにおいて、女王が発した台詞のパロディであり、赤の女王仮説の事。えぇはい、例の乙女ゲーのアニメに影響されてますよ(色の事もありますし)。


 いやぁ…これまでとはまた毛色の違うコラボでしたが、書いてて非常に熱い思いとなりました。書きながら色んな思いが溢れそうになりました。例の如く、書き始めると長くなるのでコラボを書いてのあとがきや、時間軸を始めとする一部の補足はまた活動報告でやるとして……Feldeltさん!このコラボを許可して下さり、本当にありがとうございましたっ!
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