超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth3&VⅡ Origins Exceed   作:シモツキ

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第四話 衝撃の連続

──世界には、幾つもの次元があった。本来は繋がる事も、触れ合う事もない、幾つもの次元が。

 ある日突然、その内三つの次元は近付き、崩壊の危機を迎えた。次元を滅亡から救う為、信次元の女神達は協力し、原因の究明と解決を目指して行動を始めた。女神は人々と絆を深める事で、より強力な力を発揮する。次元崩壊…ディメンジョンエンドを回避する為、彼女達は戦い続ける……。

 

「みうーしなーう事ーさえー恐ーれなーい生き〜方ー──」

「ちょおぉぉぉぉおおおおいッ!?な、何しっ、何してんの!?何してんのッ!?」

 

 私は、突っ込んだ。それはもう突っ込んだ。何故って?…そんなの……説明するまでもないでしょうがッ!

 

「え?何って、アンジュヴィエルジュのパロディ……」

「行動じゃなくて動機だよッ!何アニメ版のアバンからオープニングをOE仕様に改造して突如ぶっ込んできてんの!?しかも地の文ジャックなんていう初の試みまでしてさぁッ!」

「くぅぅっ、染み渡るようなフルパワー突っ込み…!イリゼの全力でボケればそれ以上の全力で突っ込んできてくれるところ、わたし本当に大好きだよっ!」

「ありがとう!凄く嬉しいよ!けど開始早々やるボケじゃねぇええええええええッ!!」

 

 天……は天でも天井に向かって私は叫びを轟かせる。これまでネプテューヌは色んなボケをしてきたけど、これはトップクラスにぶっ飛んだボケだった。突っ込まざるを得ない、スルーしたら何らかの問題に発展するんじゃないかと思う位の、爆発物的ボケ。そしてそのせいで、気付けばキレた時のブランみたいな口調になってしまっていた。

 

「あははー、イリゼは今日も元気元気〜、だね!」

「……消してやろうかな…」

「ぶふぅっ!?ね、ねぷぅ!?今消すって言った!?ねぇ今わたしに殺人予告しなかった!?」

「え、気のせいじゃない?」

「ほんとに!?…い、いや…うん、そうだよね…流石にイリゼがそんな事言う訳ないもんね…びっくりしたぁ…」

 

 まだ乱神…じゃなくて乱心モード(…乱神でもいいかな?女神だし…)が残ってたのか、うっかり物騒な事を言ってしまう私。…暴言吐いた上にしらばっくれてごめんねネプテューヌ。でも悪いのはネプテューヌだからね?

 

「はぁ……ほら、出来たよネプテューヌ」

「ありがと〜。じゃ、今度はイリゼが座って」

「…ちゃんとやってよ?」

「分かってるって。流石のわたしも、自分は手当てしてもらっておいて相手には適当にやる…なんて事はしないよ」

 

 溜め息を吐きながら私は包帯を医療用テープで止めて、手当て終了。ネプテューヌと交代する形で椅子に丁度良い瓦礫へと腰を下ろして、手当てし易いようトップスを脱ぐ。

 私とネプテューヌがこの次元に降り立って…というか墜落してから数十分後。街らしき場所に到着して、何らかのお店だった様子の建物内で、私達は互いの手当てを行っていた。

 

「お客さーん、お痒いところはありませんかー?」

「ないので真面目にやって下さーい」

「はーい。…にしてもほんと、この次元には何があったんだろうね……」

 

 軽ーいボケと軽ーい突っ込みの後、少しトーンを落としたネプテューヌの発した言葉。…それは多分、誰もが思う事だと思う。

 一言で表すなら、この次元は…崩壊していた。大地は荒れて、数え切れない程の建物が崩れていて、人の気配なんて微塵もしない。極め付けは空で、暗い色ばかりが広がる空は……何本もの亀裂が走っていた。空に亀裂なんて、明らかにおかしい事だけど…見間違いでも幻影でもなく、確かに空が『壊れて』いる。街中を見る限り、それなりの文明ではあったようだけど……この現状は、私達の想像を遥かに超える惨状だった。

 

「…大きな戦争があったとか、モンスターが大挙して人の生活圏を襲い続けたとか、かな…。…いやでも、それなら空の亀裂が説明付かないか……」

「…まさか、次元同士が近付いた影響…?」

「ちょっ…や、止めてよネプテューヌ…縁起でもない……」

「だよね…じゃあ、犯罪神にこの次元の女神は負けちゃった、とか…?」

「それも縁起悪いから……」

 

 ネプテューヌが言ったのはどっちも縁起悪いし、想像はしたくない可能性。でもその反面、私は思う。そういうレベルの事でも起きなければ、こうはならないんじゃないか…と。

 

「…って、こんなネガティブな想像はわたしらしくないよね…ベールにもわたしは明るさが武器だって言われたんだし、もっとポジティブにいかないと…」

「ネプテューヌ…別に、無理に明るい事考えようとしなくたって大丈夫だよ?明るさが武器って点は同意だけど、だからって暗い事考えちゃいけないなんて事は……」

「って訳で、さっきのパロネタ再開しても良いかな!?」

「いや振りかい!パロネタしたいが為の前振りだったの!?そんな手順踏んでも駄目だからね!?」

「えー……作品タイトルとかわたし達の置かれてる状況とか、最早オマージュの域だと思うのにー…」

 

 口を尖らせながら言うネプテューヌの言葉に、私は深く溜め息を吐く。…ほんと、良くも悪くもネプテューヌはネプテューヌだよね……。

 

「全くもう…とにかくもう暫くは人を探そっか。何にせよ、私達はまずこの次元の事を色々知らなきゃ始まらないし」

「そだね。よーし、お手当て完了したよー!」

「ありがと。…変な事してないよね?」

「してないしてない。包帯を一ヶ所引っ張ると全部取れちゃうような巻き方とかしてないヨ〜」

「何その逆に器用な巻き方!?ちょっ、ほんとにしてないよね!?」

 

 まさかと思ってばっと立ち上がり、複数箇所に渡る包帯を確認する私。ほんとにまさかと思ったけど…多少の荒さはあるものの、包帯は普通に巻かれていた。…まぁどっちにしろ、こういう冗談は止めてほしいんだけど…。

 そんなこんなで手当てを終えて、私達はお店跡を後にする。向かう先は、この街の中心部…が、あると思われる方向。

 

「…モンスターはちらほらいるけど、人はほんとにいないね……もしや、ここってモンスターが文明を築いた次元だったり…?」

「かもねー…。……」

「…ネプテューヌ?なんか上の空?」

「あ、うん。実はさ、何となくこの街、プラネテューヌに似てる気がするんだよね。ほら、この建物とか」

「プラネテューヌに?」

「うん、プラネテューヌに」

 

 周辺警戒は怠らないようにしつつ進む事十数分。空だけじゃなく、地面や建造物にも亀裂が走ってるな…と思いつつ声をかけると、珍しくネプテューヌの反応が薄い。で、どうしたのか訊いてみると、かなり意外な事を口にした。…プラネテューヌに、って…言われてみると、そんな気がしないでもないけど……

 

「…ここには見覚えのあるものが全然ないし、プラネテューヌではないんじゃない?っていうか、プラネテューヌならネプテューヌが分からない訳がないよね?」

「それは勿論!でもさ、別次元にもプラネテューヌってある訳じゃん?」

「まぁね。けど、私が見たプラネテューヌはもっと信次元と似てたし……うーんでも、一例だけで断定するのは早計か…」

「むむ…自分で言っといてわたしもよく分からなくなってきた……」

 

 プラネテューヌっぽさもあるけど、プラネテューヌとは思えない。違うと思うけど、そう言い切る事も出来ない。そんな何とももどかしい思考が渦巻いて、足を止めてしまう私とネプテューヌ。けど情報が少ない状態で考えたって答えが出る筈もなく……そこでネプテューヌが、ふとある物へと指を指す。

 

「…あ、ねぇねぇイリゼ、あの斜めになったビルに登ってみれば、少しは何か分かるんじゃない?」

「上から見回すって事?…うん、悪くないかもね」

 

 平地で見回すのと、高所から見回すのとじゃ、得られる情報がまるで違う。女神化すればビルどころか何も無くとも好きなだけ上昇出来るけど、シェアエナジーの配給量が極端に落ちてる今は、極力シェア消費を抑えたいところ。そういう意味でも、ネプテューヌのアイデアは中々良くて、すぐに私は首肯した。

 

「よっ、ほっ、っと!」

「うっかり薄いガラスの所を踏んじゃってどーん!」

「え!?」

「…ってならないように気を付けて、一番高い所へとうちゃーっく!」

 

 斜めに倒れたボロボロのビルの側面を登るなんて、普通の人には危険行為だけど、私達にとってはアスレチックみたいなもの。軽快に跳びつつ私達は登り、一番高い地点へと一歩先にネプテューヌが到着し、すぐに私もその隣へ。

 

「さてさて、一体何が見えてくるかな〜…って……」

 

 

『…これは……』

 

 登って、見回して、そうして見えてきた景色。……それは、廃墟となった街だった。

 砕け、崩壊し、人の気配の消え去った街。分かっていた事で、これまでとは街の一部か大部分かの違いでしかなかったけど……受ける印象は、段違いだった。

 

「……流石に、ちょっと…これはクるものがあるね…」

「うん…私達の目的は次元の衝突を避ける事で、こっちの次元の問題をどうこうは考えてなかったけど……」

 

 もしかしたらわたしもネプテューヌも、心のどこかで「こんな状況の場所ばかりとは限らない」…と、思っていたのかもしれない。人が生活出来る場所もあるのかも、と思っていたのかもしれない。…けれど、次元全てがこうなのだと…まだ全てを見てきた訳でもないのに、そう思わせる程の衝撃がこの光景にはあった。

 その光景に、すぐには意識を切り替えられない私達二人。でも不意に、ネプテューヌがあるものを見つける。

 

「……あ、イリゼあそこ見て!誰かいるよ!」

「え?……ほんとだ…女の子、だよね…?」

 

 びっ、とネプテューヌが指を差したのは、それなりに離れた場所にある道路の一角。そこには確かに、女の子らしき人がいた。見間違いとかじゃなく、動く人影が私にも見えた。…いたし、見えたんだけど……

 

「…って待って、あの人結構な数のモンスターに囲まれてない…!?」

「だよね!?地元民があの数を相手に一人で勝てる訳が無いよ!…行くわよ、イリゼ!」

「…待って、ネプテューヌ」

 

 見えたのは、人影だけじゃなかった。むしろ全体からすれば、人影なんてちっぽけなもので……多くのモンスターにたった一人が囲まれてるなんて状況を、静観出来る訳がない。

 そう思ったのはネプテューヌも同じようで、即座に女神化して飛ぼうとする。けど、それを一度止める私。

 

「…イリゼ?まさか、見ず知らずの相手を助ける義理なんてない…なんて言うんじゃないわよね?」

「まさか。でも、これまでみたいに取り敢えず女神化を…って考えるのは危険だよ。距離が距離だから…飛ぶのには全面的に同意だけどね」

「あぁ、そういう事。じゃあ…一気に距離を詰めるわよッ!」

 

 シェアエナジーの配給が少ない分、今の私達は攻撃も防御も、移動だっていつもより少ないリソースで賄わなきゃいけないし……それに、判断や選択を間違えれば、シェアエナジー切れで継戦不能になってしまう事もあり得る。一応対策というか対処手段がない事もないけど、いつもより女神化するかどうかを慎重に決めなきゃいけないのは事実だし……だからって出し惜しむのは愚の骨頂。エで始まる出し惜しみの代名詞アイテムならともかく、使うべき時に使わないんじゃ、絶対私達は後悔する。

 そういう意図を込めながら、私は転換のタイミングで女神化。それからネプテューヌと頷き合って……二人同時にビルの壁を蹴る。

 

「まずはあの人と合流。戦況次第で離脱かモンスターの撃退かを考えるって感じかな…ッ!」

「そうね…ッ!」

 

 それぞれ長剣と大太刀を手に、私達二人は戦場へ強襲。某自由の名を関するMSの如く、すれ違いざまにマシン系モンスター二体の頭部を斬り飛ばし、モンスター群の頭上を駆け抜けて輪の中心へ。そして女神化を解きつつ、慣性を利用して女の子の前へ滑り込む。

 

「突然だけど、助太刀するよっ!」

「手分けして戦いましょう!こちらは私達が相手します!」

「……ッ!?…人間……?」

 

 モンスター群に得物を、女の子には背を向けたまま私達は言葉を飛ばす。

 そう、救出じゃなくて助太刀。私とネプテューヌが共に戦うという意図の言葉を発したのは、女の子が奮戦していたから。囲まれてこそいても、一方的にやられている訳じゃなく…それどころか、逆にモンスターを倒してすらいたから。どうも女の子は、ただの女の子じゃないらしく…だから私達は、共闘する事を提案した。

 

「…確認だけどネプテューヌ、ここに来るまでに他の人がいたりした?」

「ううん、後ろの子だけだったよ」

「なら、一先ずはこの場の戦闘を切り抜ければ良さそうだね」

 

 囲まれてる以上、ただ突っ込むのは危険な行為。女神化していればその危険ごとモンスターを捩じ伏せる事も出来るけど、今はそうじゃないんだから落ち着いて状況判断をする方が堅実。

 そう思ってネプテューヌと言葉を交わし、戦闘を再開しようとした……その時だった。

 

「ちっ……ここに来て新手かよッ!」

『へ?』

 

 語気の強い言葉と共に、鋭い敵意が私達へ刺さる。けれどそれは正面のモンスターからではなく、背後から。それに驚いて私達が振り向いた次の瞬間……女の子が、私達へと襲いかかってきた。

 咄嗟に太刀を掲げて女の子の武器(…メガホン?)による一撃を防ぐネプテューヌ。狙われなかった私はほっと一安心…な訳がなく、困惑と共に警戒心を一気に高める。

 

「ちょっ!?いきなり何するのさ!?」

「背後からの攻撃を防ぐのかよ…中々やるじゃねぇかッ!」

 

 初撃を防がれた女の子は、少し驚きながらも即座に次なる攻撃を仕掛ける。やっぱりその手に持つのはメガホンで…だけど戦闘用なのか、太刀とぶつかっても斬れたりひしゃげたりはしていない。

 

「ね、ネプテューヌ大丈夫!?」

「大丈夫!でも展開的には全然大丈夫じゃないよ!?」

「へぇ、さっきのはまぐれじゃなかったって訳か!あいつとの前哨戦には丁度良いかもなぁ!」

 

 続く女の子の攻撃を、ネプテューヌは目を白黒させながらも素早く凌ぐ。私は助けに入ろうと思ったけど、ネプテューヌが防御と回避のみを行って反撃どころか牽制すらしない事で女の子との距離が微塵も開かず、またぴょこぴょこ跳ね回って逃げてる結果、とにかく割って入り辛い。…少しでも、一振りでも牽制を入れてくれれば、強引にでも横槍を入れられるのに……!

 

「待って待って!待ってって!」

「せぇいッ!」

「止める気ゼロ!?もうッ、一回話を聞いてってば!こっちは貴女を襲いに来た訳じゃないのに!」

「生憎敵と馴れ合う舌は持ってないんでな!人間を模した姿で騙そうってなら、そうはいかねぇぜ!」

 

 ネプテューヌの言葉には取り合わず、女の子は攻撃を続ける。私は一瞬、言葉が通じてない…使っている言語が違うか言葉の意味合いが違うかでやり取りが成り立っていないという可能性を考えたけど、少なくとも会話は成立している。

 

「だーかーらー!敵じゃないってば!話を聞いて!いい加減にしないと、ゲイムギョウ界一優しさに定評のあるわたしでも怒るよ!?」

「ゲイム…?訳の分からない事をごちゃごちゃと…ッ!」

 

 ゲイムギョウ界一優しさに定評のある…?…という部分はさておき、ネプテューヌの声には次第に不満と苛立ちが募っていく。そして、怒り混じりの叫びすら女の子が欠片も取り合わず、上段からの一撃を放とうとした瞬間……

 

「あーもーッ!いいよっ!だったら徹底的にやってやろーじゃんッ!」

「……っ!…本気になったってか…!」

 

 腰の高さからネプテューヌは太刀を振り出し、女の子の打撃を弾き返した。

 それに目を見開きながら、一度大きく後ろへ跳ぶ女の子と、同じようにバックステップで距離を開けるネプテューヌ。私もその瞬間を見逃さず、ネプテューヌの隣に素早く駆け寄る。

 

「何も出来なくてごめんねネプテューヌ!ここは一度、あの子に落ち着いてもらう事を……」

「イリゼはちょっと下がってて!ここからは物理的交渉のターンだよッ!」

「力尽くって事!?っていうかネプテューヌ、木刀持ってたの!?」

「これの説明はまた後でね!」

 

 武器を太刀から木刀に持ち替え、今度は自ら突っ込んでいくネプテューヌ。止めないと、と思った時には既に遅し。迎え撃つ女の子のメガホンと振るわれた木刀が激突し、完全に二人は戦闘状態に入ってしまった。

 

(…どうしよう…こうなるとただ私が間に入ったところで全員危ないだけだし、女神化すれば制圧出来るけど、女の子はともかくネプテューヌは話を聞いてもらえる状態にしようとしてるだけ…だと思うし……)

 

 半端に止めれば互いに闘争心が残るし、女神化はそう易々とは使えない状態。じゃあ何がいいかと言えば……かなり消極的だけど、暫くは成り行きを見守って、どちらかが危なくなったらそこをガードして仲裁する事…というのが割とほんとにベターだと思える始末。

 

「…いや、でも…長引けば禍根が残る程の敵対意識に繋がる可能性もあるよね……だったら…」

 

 女神化こそしていないけど、ネプテューヌは本気の様子で、女の子もネプテューヌに負けていない。となれば、この戦いが長引くのはほぼ確実。そう判断し、またこちらの次元の事が殆ど分からない私達にとって、女の子の存在は必要不可欠だと考えて…私は決めた。女神化し、力技で二人の戦闘を止めさせる事を。でも……

 

「…………」

「…あっ……」

 

 一手で割って入る為、位置を変えようとした私。そう思って身体の向きを変えた瞬間、モンスターと目が……正確に言えば、マシン系モンスターのカメラアイと私の目があった。

 

(…わ、忘れてた…っていうか、忘れられてた……)

 

 流石にモンスター群の方もこの状況には困惑しているのか、それとも知性はなくとも蚊帳の外にされてしまった事を感じ取っているのか、その雰囲気は何とも微妙。その姿を見て、同じく流れに置いてかれたという事もあって、何故かシンパシーを感じてしまう私。

 

「あ、あはは……」

「…………」

 

 苦笑いしつつ、思わず私は肩を竦める。するとそれに呼応するように、モンスターもまた肩を竦め……

 

「いやそうだよねぇぇッ!君等にとっては、等しく敵なんだもんねっ!」

 

……るような動きで狙いを付け、遠隔攻撃を放ってきた。こっちを見ていたのは通じるものがあったとかじゃなく、単に私の方が戦い易いと判断したから…だと思う。そりゃそうだよね。下手にあっちに近付いたら、激突の余波でやられる可能性あるし。

 

「くっ……!二人共!一旦矛を収めて周りを見てッ!今は争ってるような状況じゃないよ!」

「喰らえッ!」

「ちぇすとーッ!」

「って聞いてないし!恐らく声が届いてすらいないし!…あーもうッ!なんでこうなるかなぁッ!」

 

 呼び掛けに対しては反応のはの字もなく、一方でモンスターは次々と私へ。元々モンスターと戦うつもりだったとはいえ、三人で手分けして戦えると思っていたものが、一人で相手しなきゃいけなくなったとなれば…しかも二人は勝手に交戦しちゃってるとなれば、私だって心穏やかでいられる訳がない。

 それから私は何度か呼び掛けた。けどやっぱり反応はなく……私も半ばキレながら、一人でモンスター群と戦う羽目になるのだった。ふ、二人共…後で覚えてなよ……ッ!




今回のパロディ解説

・冒頭のシーン
アンジュヴィエルジュのメディアミックスの一つ、アニメ版のOPまでのシーンのパロディ。意識した訳じゃないですが、実際アンジュとちょっと似てる展開なんですよね。

・「みうーしなーう〜〜生き〜方──」
上記同様、アンジュヴィエルジュのOP、Love is MY RAILのフレーズの一部のパロディ。このパロディは、かなり前から考えていたものだったりします。

・乱神
めだかボックスの主人公の一人、黒神めだかの能力(モード)の一つの事。この時のイリゼは別に赤い髪になってたりしません。単に心が荒れまくっていただけですね。

・エで始まる出し惜しみの代名詞アイテム
ファイナルファンタジーシリーズを始めとする、様々なゲームにて登場する回復アイテム、エリクサーの事。私は出し惜しみして結局使わない(使えない)タイプですね。

・某自由の名を冠するMS
機動戦士ガンダムSEEDシリーズに登場する機体、フリーダム及びストライクフリーダムの事。より具体的に言うと、それぞれが初出撃時に行った斬撃の事です。




 先日コラボストーリーを書いて下さったFeldeltさんが、今度はイリゼの3D…あ、あれはなんて言うのかな…こ、こほん。…イリゼを作ってくれました。こちらもOAの人物紹介に載せてありますので、良かったら見てみて下さいね。
 また、イリゼの台詞集を活動報告に載せてみました。こちらも読んでみて下さいませっ!
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