超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth3&VⅡ Origins Exceed   作:シモツキ

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第二十話 通話越しの再会

 斬り裂かれた胸部から漏れ出す、激しい閃光。放たれる攻撃や戦闘中に感じた『空気』から薄々そんな気はしていたけど……それは正しく、シェアエナジーの光。

 

『……っ…!』

 

 最後の一撃を叩き込んだのはネプテューヌだけど、感覚として分かる。この一撃が、ダークメガミに対する致命傷になったのだと。

 けれど、だからといって敵の真正面で棒立ちするような真似はしない。致命傷になったと感じているのは勘違いかもしれないし、致命傷だったとしても最後に一矢報いようとしてくる可能性はある。どんな状況だったとしても…ここが戦場である以上、油断禁物である事に変わりない。

 

(これで中から別の存在が出てきて、巨体は仮の姿に過ぎない…みたいな事になったら、最悪電波塔は諦めなきゃいけないかな……)

 

 距離を取った私達は、周辺で一番高いビルの屋上へ着地。うずめを降ろし、うずめもシェアリングサークルを解除して、警戒の為三人で構える。

 冗談抜きに、第二形態とか真の姿とかが出て来られたら洒落にならない。ふざけてるとかじゃなくて、ほんとにそういうのがあるなら某大瘴鬼の如く最終形態になる前にトドメをさせたと思いたい。だってうずめの活動限界はもう目前まで迫ってるだろうし、私達も相当集中力を注いだ事で疲労をしてるんだから。

 そんな緊張を抱きながら、ダークメガミを見つめる私達。けれど少しずつダークメガミの胸から放たれる光は弱くなり、次の瞬間がくんと揺らいで……ダークメガミは、崩れ落ちる。

 

「……やっぱり、ダークメガミは倒せたみたいね」

「うん、消滅を始めてるし間違いないね(…あれ、ダークメガミのあの死体…死体?残骸?…何かに似てる気がする…でも、えっと…何だっけ…?)」

 

 倒れたダークメガミはピクリとも動かず、嘗て二度戦ったジャッジ・ザ・ハードと同じように光の粒子となって消え始める。

 サイズがサイズだけに、完全消滅まではまだ少しかかりそう。でも今度こそ、私達には勝利の確信があって……漸く私達は、安心と共に力を抜く。

 

「やった…やったー!うずめ達、あいつに勝ったんだーっ!」

「そうだね…ってわわっ!?」

「きゃあっ!?ちょっ、うずめ!?」

「ほんと、ありがとう!ありがとうね、ねぷっち、いりっち!」

 

 真っ先に喜びを露わにしたのはうずめで、心から嬉しそうに跳び上がる。続けてうずめは抱き着いてきて、それに驚く私達。むぐぐ…二人纏めて抱き締められてるから、ちょっと苦しい…。

 

「も、もう…うずめったら……」

「やったぁ…やっと、やっとうずめ…あいつを、倒せたんだ……」

『…うずめ……』

 

 驚きと照れにちょっとだけ呆れを混ぜたような声を発するネプテューヌだけど、続くうずめの呟きを聞いて私達ははっとする。…そうだ、危険で厄介と言えどダークメガミはあくまで単なる敵でしかなかった私やネプテューヌと違って、うずめにとって奴は因縁の相手で、自分の守護する国をここまで壊してきた存在。抱く思いも倒した事で湧き上がった感情の強さだってきっと違うんだろうから、うずめの反応はこれっぽっちもおかしくない。

 

「…二人の、おかげだよ…二人がいたから、二人が力を貸してくれたから…うずめは……」

「…わたし達は友達だもの。力を貸すなんて当たり前よ」

「だね。それにうずめが信用出来ない相手だったら今の関係にはならなかっただろろうし、やっぱり倒せたのはうずめの力だよ」

「……っ、ぅ…二人共、大好き…っ♪」

 

 嬉しそうに、喜びを噛み締めるように呟くうずめの頭を、私達は左右から優しく撫でる。それによりうずめは一層腕に力を込めてきて、苦しさも増したけど、もう少しだけはこのままでいいかなって私は思う。だってこんなにも、うずめは幸せそうなんだから。

 そうして私達の首元に腕を回して抱き締めるうずめと、うずめを撫でる私達の間で優しい、穏やかな時間が流れ、心の中も穏やかになっていって……

 

『…………あ』

 

 次の瞬間、うずめの女神化が解けた。抱き締めたまま、うずめの頭に手を置いたままの状態で。

 

「…………」

「…………」

「…………」

 

 固まる空気、失われる言葉。抱き締められているから顔は分からないけど……視界の端に見えている耳は、凄まじい勢いで赤くなっていく。

 

『…あ、あの…うずめ……』

「う、うぅ……うがぁぁああああああああッ!!」

 

 あまりにもいたたまれず、冷や汗を垂らしながらとにかく何か言おうとした私達。けれど次の瞬間、うずめは震え出し……気が付いたらうずめは離れていた。というか、突き飛ばされていた。

 

「わ、っとと…うずめ、大じょ「ぬがぁああああああぁぁぁぁッ!!」……うぶじゃないみたいね…」

「う、うん…流石にこれは同情を禁じ得ない……ってうずめ!?そのままそっち行ったら落ちるよ!?ここビルの屋上だよ!?」

 

 両手で顔を覆って走り回るうずめに、私達は苦笑い。これがネプテューヌやネプギアであれば、女神化が解けたところでノーダメージだったんだろうけど…うん、まぁ…ほんと、運が悪かったとしか言いようがないね…。シェアエナジーの量なんて、感覚的に「後どれ位」としか分からないっていうか、そもそも根底に『思い』がある以上は正確に数値化するなんて出来る訳がないし…。

 

「はぁ…はぁ…さっきは突き飛ばして悪い…後、頼むからその前の事は忘れてくれ……」

「あ、う、うん…善処するよ……」

「わたしも…って、待った……二人共、コンヌは!?」

『……っ!』

 

 やっと落ち着いたうずめに、私達もほっと一息……なんて気持ちを吹き飛ばす、ネプテューヌの言葉。

 嗚呼、なんて迂闊な事か。油断禁物だって分かってたのに、全員揃ってここまでマジェコンヌの事を忘れてるなんて。

 

「完全に失念してた…ッ!…けど、いない……?」

「…えぇ、少なくとも見える範囲にはいないし、気配も感じないわね……」

「…逃げた、って事か…?」

 

 緩めていた警戒を最大まで上げて、背中合わせで周囲を見回す。けれどマジェコンヌはどこにも、電波塔の方にすらいない。

 

「こうも建物が多いと、逃げたのか隠れたのか分からないわね…ちょっと連合の大型MSの真似でもしてみる?」

「ま、街を火の海にするのは止めてくれねぷっち…」

「冗談よ。けど完全に無防備だったさっきのわたし達を襲わなかったって事は、逃げたと見て間違いなさそうね…」

 

 確信はないけど、状況からすると逃げたと見るのが一番妥当。逃げた…つまりもう近くにはいないのなら、私達が油断してしまったのも頷ける。だって気配や敵意を感じられる距離で、それを向けられている時に私達が油断をする訳がないから。

 

「…じゃあ、どうする?探してみる?」

「探すっつっても、手掛かりゼロじゃ厳しいよな…」

「勝ったと言ってもわたし達もかなり消耗してるし、ここはダークメガミを撃破出来た事で満足するのがいいんじゃないかしら?」

「そうだね。下手に探して返り討ちなんて事を避ける為にも、電波塔に戻ろっか」

 

 そうして深追いはしない事に決めた私達は、ビルから降りて電波塔へ。…因みに今度はネプテューヌがうずめを抱えて電波塔まで飛んだんだけど(昨日おんぶしてもらったお礼なんだとか)、それもうずめは恥ずかしがっていた。…私達って感性も変わるんだよね、女神化前後で。

 で、うずめの連絡により、避難していたウィード君達とも合流し、一先ず私達は管理施設内で休憩&軽傷の手当て。でもその休憩もそこそこに、私達は立ち上がる。

 

「…あの、さ。コンピューター、先に起動させておいてもいいかな?」

「ふふっ、構わないよ」

「…なら、俺達は念の為もう一度電波塔と発電施設の確認をしとくか。海男、ウィード、着いてきてくれるか?」

「そうだね、同行するよ」

「…あ…おう、俺も行くぜ」

 

 私とネプテューヌの顔を見たうずめは、海男さんとウィード君に確認を提案。それに海男さんもウィード君も頷いて、私達の反応も待たずに外へと向かう。…今の、って……。

 

「…わたし達に、気を遣ってくれたのかな…?」

「だよ、ね…もう、一緒にいてくれたっていいのに……」

 

 残る形になった私はネプテューヌと目を合わせ、肩を竦める。別に秘密の話をする訳でもないし、皆の事も伝えるつもりだったんだから…って。

 だけど、そうして気を遣ってくれた気持ちは嬉しいし、なら引き留めるのも野暮ってもの。だから私達は、二人でメインフレームのある部屋へ。

 

「…これでよし、っと…。ネプテューヌ、電源ボタン押す?」

「え、いいの?」

「いいけど?」

「よーし、じゃあ…目覚めよ、コンピューター!」

 

 こういうのやりたいだろうなぁ…と思って私が譲ると、ネプテューヌは元気良く電源ボタンをプッシュ。ちゃんと電力が配給されているコンピューターは問題なく起動し、もっと高性能な機器に慣れてる私達からすればちょっと長い起動時間の後、操作が出来るようになる。

 操作用の端末はもう起動済みで、交信する為のシステムも最後のフェイズ…後ワンタッチで交信が開始出来る段階まで進んでいる。実際に稼働させてのテストはしていないから、押してみたら何かの不手際で動かなかった…なんて事になってしまう可能性もゼロじゃないけど、それはやってみなければ分からない。けどきっと成功するよね、と私は思い……画面上のボタンを押す。

 

「…あっ!?イリゼ押しちゃったの!?それも押したかったのにー!」

「へ?あ…ご、ごめんうっかり……」

「もー…じゃあ代わりにイリゼのほっぺ押すもんねー!」

「んむっ…ごみぇんって……」

 

 ぐにー、っと押される私の頬。かなりしょぼいうっかりをしてしまった私と、凄く小さい事で不満を抱くネプテューヌという、何とも平和的且つ神っぽさに欠ける私達二人。…まぁ、それはいいとして、私達は操作用端末の画面を見やる。

 画面の中では、交信システムが稼働中。この端を介してコンピューターが指示を出し、それに沿って電波塔が電波を放つ。今はその指示段階で、進行度を示すパーセンテージと共に様々なプリンが画面上を流れ……

 

「って何これ!?えぇ!?何故にプリンが!?」

「あ、これプリンロードじゃん」

「プリンロード!?」

「うん、前にロード中も楽しめるといいよねと思ってわたしがネプギアと作ったんだ〜。ネプギア、あの時のデータを使ってくれたのかなぁ」

「何その遊び心ある仕様…え、ネプギアはどこまで細工してるの…?或いはまさか、割と余裕があったの…?」

 

 とか何とか言ってる間に、準備は完了。準備から実行の段階に移り、不可視の波が、この次元に…そして目指す先である信次元に向けて、放たれ始める。

 

(ここも電波塔も問題なく機能している…だから後は、届くかどうか……)

 

 次元間通信、と言うと大仰に聞こえるけど、やってる事は普通の通信と変わらない。信次元側の規格に合うよう機材をセットしたり、その機材にこれまでの次元間移動(要は私の経験)で得られた情報を元にしたシステムを組み込んでいたりはするけれど、結局のところはここと信次元とが概念的な領域で『近く』なっている事を利用して、電波に次元の壁を超えてもらおう(次元越しに電波を受け取ってもらおう)ってだけの事。…まぁ、これも十分凄い事ではあるんだけど。

 

「…………」

「…………」

 

 電波を飛ばす段階まで至ったら、もう私達に出来る事はない。私もネプテューヌも、こちらからの呼び掛けが信次元に届く事を待つしかない。

 五秒、十秒。一分、二分。緊張の中、無言で私達は反応を待つ。まずは何を話そう、何を訊こうって考えながら、その思考でもし繋がらなかったらどうしよう…という思考を打ち消して、二人でひたすらに端末を見つめる。そして……

 

「……ネプテューヌさん、イリゼさん…ですか?」

『……っ!』

 

 画面上の表示が変わった次の瞬間、尋ねるような、少し緊張の感じられる声が聞こえた。間違いない。聞き間違える筈がない。それは……イストワールさんの声。

 

「そ…そうだよいーすん!久し振りっ!」

「無事に繋がったんですね…!良かったです…」

「あぁ、やはりお二人だったんですね…!…お二人が無事で、安心しました…(>_<)」

 

 流石のネプテューヌも安心したようで声が上擦り、私も声に安堵が混じる。それはイストワールさんも同じだったみたいで、言葉の通り安心の感情が伝わってくる。

 大勝負の為に敵陣へ突入したり、別次元に飛ばされた時はいつもそうだけど、こうして無事が分かった時に「安心した」って言ってもらえるのは凄く嬉しい。それだけで胸がじーんとする位、心の中が温かくなる。だって、私の事を大切に思ってくれてるんだって分かるから。

 

「……っと、そうだ…!あの、イストワールさん!色々話したい事はあるんですが、まずは……」

「いーすんさん!お姉ちゃん達から通信が来たっていうのは本当で……ってほんとだ、繋がってる!お、お姉ちゃん!お姉ちゃんいるんだよね!?聞こえてるよね!?」

 

 安堵で一度心が落ち着き、落ち着いた事である事を思い出した私。けれどそれを訊き掛けたところで、通信の向こう側からは泡を食ったような声が。…これは……。

 

「お、おおぅ…情緒が凄い事になってるね、ネプギア……」

「〜〜〜〜っ!お姉ちゃん…良かった、良かったぁぁ…」

「ネプギア…心配かけてごめんね。でも、わたしは大丈夫だよ」

「お姉ちゃん…うん、うん……っ!」

 

 この通信は音声だけみたいだから、向こうの様子は分からないけど…聞こえてきた二人目の声の主、ネプギアが脱力してその場に座り込んでいる姿は容易に想像する事が出来る。

 それはそうだよね、と私は思う。ネプテューヌより基本しっかりしてて、犯罪組織との戦いでは急成長を遂げたネプギアだけど、本来成長っていうのは少しずつするもので、時には後退しちゃう事もあって、成長しても分からない部分はあるんだから。だから私は、今のネプギアの姿を「しょうがないなぁ…」なんて思わない。

 

「…えーっと…一応だけど、私もいるよ〜…?」

「へっ…?あ、は、はい!も、勿論分かってますよ!イリゼさんも無事で良かったです!」

「う、うん…あはは、愛されてるね…ネプテューヌ……」

 

……思わないけど、これ声を出さなきゃ暫く私の事気付かないんじゃ…?…って位ネプテューヌオンリーの感情を出されると、何とも言えない気持ちになっちゃうよね…はは…(因みにこの時、「うちの妹がごめんね…」というジェスチャーを苦笑いのネプテューヌから送られた)。

 

「…でも、ほんとに良かった…お姉ちゃんも、イリゼさんも、いつも通りの声で……」

「んもう、ネプギアは心配し過ぎだよ?それに、わたしがギョウカイ墓場で捕まってた時に比べればずっと短い期間だったでしょ?」

「な、長さは問題じゃないよ!…勿論、長い方が心配になるけど…大事なのはそこじゃないもん!」

「あ、そ、そっか…うん、言われてみると期間は一番の要素じゃないよね…」

(あ、珍しくネプテューヌが感情面の話で押し切られてる…)

「まあまあ、落ち着いて下さいネプギアさん。何も、どれだけ心配したかの話をしたい訳ではないでしょう?(・ω・`)」

「う……そ、それはそうですね…ごめんねお姉ちゃん、ちょっと取り乱しちゃった…」

 

 ネプテューヌはネプギアに押し切られ、ネプギアはイストワールさんに窘められ、私は一人苦笑い。ちょっと(?)ネプギアが暴走して、いつもと姉妹の立場が逆になっていたけど…これこそ正にプラネテューヌ組トーク。…落ち着かないけど、ある意味落ち着くなぁ……。

 

「それでは……っと、まずはイリゼさん。先程は何を言い掛けたんですか?(・・?)」

「あ…はい。こちらとそちらで、時間の流れにどれ程ズレがあるのかの確認をと思って……」

 

 落ち着いた会話に路線を移してくれたイストワールさん。そのイストワールさんに訊かれ、私は言い掛けだった質問を改めて口にする。

 これが気掛かりだったのは、これまでの次元移動において時間の流れはズレている事が殆どだったから。数日以上の経験をしていた筈なのに信次元では一日も経っていない…って事が何度もあったし、逆に私からすれば最近の…少なくとも大分前、なんて表現は使わない程度しか期間が経っていないのに、別の次元じゃ四年も経っていた…なんて事もあった(これはあったって言うか聞いただけど)。

 そういう経験をしているから、前者ならともかく後者だったら…後者で、しかも信次元がもう取り返しのつかない事態になってしまっていたら…という不安を抱いて訊いたんだけど……結果から言うと、両次元間に時間のズレは殆どなかった。殆ど、というのはこっちの時間に関しては正確なところが分からない(そもそもこっちの次元の一日が信次元の一日と同じ時間とは限らないし、私達は何日経ったと記憶してる…としか言えない)からなんだけど、少なくともショックを受けるようなズレはない。

 

「時間の流れのズレなんて、考えてみると不思議なものですね…。…まぁ、別次元なんて時点で常識じゃ語れない事ですけど……」

「そのズレを上手く使えたら便利そうな気もするけどねー。…あ、じゃあわたしも一つ質問いい?」

「なぁに?お姉ちゃん」

「これさ、なんで音声だけなの?」

 

 続けて…って程すぐじゃないけどネプテューヌが言った質問に、私も「あぁそういえば…」と内心同意。別に困る訳じゃないけど、音声だけな理由は気になる。

 

「あぁ…それなら、出来るだけ通信の負荷、負担を減らしたかっただけだよ。そっちの次元にある機材や技術がどれ位のものかは分からなかったから」

「あー…書類は細かく作ってあったし、プリンロードまで入れてくれたし、こっち来てからネプギアの評価うなぎ登りだよ?」

「へ?そ、そうなの?…それなら、嬉しいかな…えへへ…」

 

 今話している通り、動きや表情は伝わらないけど、私はネプテューヌの言葉にうんうんと頷く。本当に、ネプギアは頑張ってくれた。ネプテューヌが挙げた事もそうだけど、そもそも持ってきた機材自体もネプギアが作ったものだし、今回の次元移動はネプギアの頑張りあってのもの。勿論、私も皆も頑張ってはいるけど…唯一無二の活躍をしたと言えば、それはネプギアで間違いない。

 

「えへへじゃなくて、もっと胸張ってもいいんだよ?あ、いやそれともしてるのかな?いーすん、どう?」

「ふふっ、していませんよ。謙虚なのもネプギアさんの良いところです( ̄▽ ̄)」

「ですね。きっとネプギアの事だから、この事を自慢したりもしないと思うよ?」

「お、お二人まで…うぅ、それよりそろそろお互い何があったかを話した方がいいんじゃないんですか…?」

 

 今度はネプギアの照れてもじもじしてる姿が目に浮かぶ。しかもそこからの話題転換があからさまで、私達三人はちょっとほっこりしたんだけど…いい加減本題っていうか、お互い何があって、何をどこまで進められたかは話しておかなきゃいけない事。だからもじもじネプギアの追求はせず、そっちの話に移行する。…うーん、でも実際には久し振り、って程の期間が経った訳じゃないけど、一日一日の密度は凄かったし、どこから話したものかなぁ…。

 

 

 

 

「まずはねぇ、やっぱりこっちで会った人の話かな!ここからだよここから!」

 

 その前に、と機材のチェック及び交信で得られているデータの記録作業等で、本題の話は切り出す前に数分ストップ。取り敢えずやっておくべき事が済んだところで、最初に口を開いたのはネプテューヌだった。

 

「こっちで会った人、かぁ…ふふっ、もしかしてまた女神と出会ったり?」

「うん、したね。それも初日に」

「え、本当にしたんですか!?」

 

 軽い調子で訊き返したネプギアに私が答えると、分かり易く驚くネプギア。女神が存在している事は、予め想定していた事だけど…流石に初日に出会えた事はびっくりしたらしい。…まぁ、私達も驚いたんだけど。

 

「いやぁ、あれは中々鮮烈な出会い方だったね。それに、まだまだ驚く事はあるんだよ?意外な人と再会したり、喋るモンスターが沢山いたり、その纏め役は素敵なおじさま感溢れる魚類だったり…後なんと、パーティーメンバーに男の子が加入したんだよね!」

「へ、へぇ…その男の人が、そっちの次元の案内をしてくれたり…?」

「ううん、その男の子は記憶喪失なんだ」

「記憶喪失?…記憶喪失と言えば、お姉ちゃん達も……」

「だよねー、これにはわたしもびっくりだったよ。まさか別次元で、記憶喪失で、フルネームの名前は思い出せない、記憶喪失があまりない人…と……」

『……?』

 

 楽しそうにネプテューヌは話し、それにネプギアが受け答え。それを「これは中々長くなりそうだなぁ…」…と思っていた私だけど、ネプテューヌは何故か途中からトーンダウン。そして、ネプテューヌは…私の方へと向き直る。

 

「…イリゼ…わたし、凄い事に気付いちゃった……」

「凄い事…?」

「うん…あのさ、言ってた名前のウィードって…実はウィードじゃなくて、『ウィ井戸』なんじゃないの…!?」

「いや何その名前…って、ここはイドの中じゃないよ!?確かに今羅列した情報だけで言うとそれっぽいけど、私達あの機械でこっちに来た訳じゃないからね!?」

「…ウィード……?(−_−?)」

 

 何かと思えば、それはもうびっくりな勘違い。もしこれを誰かの話として聞いていたなら、ちょっと面白い考察だなぁ…と思えなくもないけど、当事者的には突っ込まざるを得ない位無茶苦茶な事。何を考えてるのネプテューヌ……。

 

「そうかなぁ…わたし的には大発見だと思ったんだけど……」

「…お姉ちゃん、話の腰を折って悪いんだけど…何があったかに関しては、わたしから先に話してもいいかな?」

「ほぇ?いいけど…どうして?」

「こちらからも、伝えたい事があるからですよ。…いえ、伝えなくてはならない事ですね。…次元の異常を引き起こしたと思われる、その要因に関しても」

『……!』

 

 イマイチネプテューヌは納得していない中、通信の向こう側からそんな提案が。どうしてだろうとネプテューヌが訊くと、返ってきたのはそれだけで身が引き締まるような答え。

 それを聞いて、私達は姿勢を正す。そうしなきゃいけない訳じゃないけど、引き締まった心に習って、身体も自然と引き締まった。

 そうしてネプギアとイストワールさんは話し出す。私達がこっちに来てから、信次元で何があったのかを。




今回のパロディ解説

・某大瘴鬼
<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-に登場するUBMの一つ、大瘴鬼ガルダランダの事。ダークメガミに関しても、本作は色々設定があるのです。

・連合の大型MS
機動戦士ガンダムSEED destinyに登場するMSの一つ、デストロイの事。あーんな感じに街を薙ぎ払えば隠れていられないでしょう。女神としては致命的な行為ですけどね。

・プリンロード
ポンコツクエスト〜魔王と派遣の魔物たち〜にて登場したネタの一つ、お寿司ロードのパロディ。あの回は個人的に好き、というか物凄く面白かったんですよね。

・ウィ井戸、イド
ID:INVADED イド:インヴェイデッドに登場する特殊な世界の事及び、その中での名探偵の名前のパロディ。…うずめはカエルじゃありませんよ?
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