超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth3&VⅡ Origins Exceed   作:シモツキ

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 前回の後書きで紹介したイリゼ(オリジンハート)のイラストですが、左右の文字はフレーバーテキスト的なものです。なので当然、あれもプロセッサユニットの一部…とかではありません。


第二十三話 歓喜、そして緊迫

 ふとした気付きから導き出した地域へ向かったユニちゃんとブランさんが発見したのは、黄金の塔。それは俄かには信じられない、実際カメラにも観測器にも一切映ってなかった存在だけど……すぐにわたし達は、その認識を改めた。…自分達の目で、その塔を見る事で。

 

「認識阻害によって隠されていた…そう見るのが妥当だろうな」

「そうですわね。でなければあのサイズの塔に気付かない訳がありませんし、観測器に映らないのも説明が付きませんわ」

 

 数回に分けて、それぞれユニちゃん達の言う塔を確認してきたわたし達は、会議室に戻ってきた。大きな衝撃と、事態の進展を胸に抱えて。

 

「あの塔は、一体なんなんでしょう…」

「少なくとも、何でもないただの塔って事はないでしょうね。あんなのを数日で建てられる訳がないし」

「わたしの自動記録からも逃れられる阻害の中にあった、という点からも何か特異な存在である可能性が高いでしょう( ̄^ ̄)」

「便宜的に『塔』って呼んではいるけど…そもそも、本当にそうなのかどうかも怪しいところね」

 

 わたしの呟きに、ノワールさん、いーすんさん、ブランさんがそれぞれ言葉を返してくれる。

 あの塔の正体は何なのか。誰が、何の為に建てたのか。塔が『ある』って事を理解したわたし達が次にぶつかったのは、抱いて当然とも言える疑問。

 

「すっごい大きかったよね…こことどっちが大きいかな…?」

「どっちだろう…。…あと、金ぴか…ちょっと、かっこよかった…(きらきら)」

「あ、ロムちゃんもそう思った?わたしもわたしもー!」

「あのねぇ…二人共、塔があそこにあった事の意味分かってんの?」

「かくされてたってことよね!」

「ひみつのとう、なんだよね…?」

「今起きてる異常の原因があれかもしれないって事よ…まぁ、二人の言ってる事も間違ってはいないけど……」

 

 何の曇りもない目で返答されて、額を押さえるユニちゃん。ふと視線を移してみると、ブランさんが物凄く申し訳なさそうな表情をしていた。…ふ、二人も別にふざけてるんじゃないんだよ?ほら、ロムちゃんもラムちゃんも純粋だから…。

 

「まあ何にせよ、これで次の目的は決まったわね。まだ分からない事ばっかりだけど、状況が進歩したのは素直に喜ばしいわ」

「そうだな。はっきりした目的に対して行動が出来るのは、気持ち的にも楽なものがある。イストワール、あの塔自体に関しては何か分かるか?」

「残念ながら、塔の方も調べるには時間がかかりそうです。安全性を考えれば、わたしに任せて頂きたいところですが……(-_-)」

「そうもいかないわ。わたし達は慎重に事を進める必要はあってもゆっくりしていられる余裕はないし、調べている間は何も起こらない、安全だっていう保証もないもの」

 

 肩を竦めたノワールさんの言葉で、話は進む。調査しに行った結果塔を見つけて、それは状況的に異常と関係している可能性が高い。なら、次にするべき事は塔の調査。

 でもそこで、イマイチ釈然としない…と言いたげな表情のラムちゃんが声を上げる。

 

「えっと…どーしてしらべるの?そんなことしなくても、ぶっこわしちゃえばかいけつじゃないの?」

「わたしも、そう思う…げんいんじゃ、ないの…?」

「あ、いやさっきは原因って言ったけど、別に原因と断定出来た訳じゃなくて…それに行く前お姉ちゃんが言ったように、危険な何かがある可能性も……」

『……?』

「えーっと、だから……」

 

 原因なら、それを排除すればいいんじゃないの?…ラムちゃん、それにロムちゃんが抱いていたのはそんな疑問で、その考え方は何もおかしくない。

 けど、これはそんな単純な話じゃない。わたしはそれを分かってるけど、理解している事と上手く説明する事は別。多分ユニちゃんも同じ状態で、だから言葉に詰まっちゃっていて……でもそこで、ユニちゃんの肩にぽん、と優しい手付きで置かれる手。その手の主は、ベールさん。

 

「では、想像してみて下さいまし。もしあの塔が、実は爆弾だったらどうなると思います?」

「ほぇ?ばくだんだったら…?…ばくだんを、こわしたら……」

「…ばくはつしちゃう?」

「えぇ、そうなってしまうかもしれませんね。或いは、もしも異常がもっと酷くならないよう食い止めてくれている、バリア発生装置みたいなものでしたら?」

「バリアはっせーそうち、だったら……」

「…た、たいへんなことになっちゃう……(おろおろ)」

 

 挙げられた二つの例えを聞いて、ロムちゃんは狼狽えた表情を、ラムちゃんははっとした表情をそれぞれ浮かべる。長く説明する事なく、例えを二つ上げるだけで。

 

「ですから、調べなくてはいけませんの。壊してもいいものなのか、調べる為に」

「たしかにそーね!さっすがベールさん!」

「あたまいい…!(きらきら)」

「…助かりました。ありがとうございます、ベールさん」

「うふふ。お礼には及びませんわ」

 

 二人からは尊敬の念を、ユニちゃんからは感謝を受けてにこりと微笑むベールさん。鼻にかけず、ただ穏やかに微笑むその姿は、本当に素敵というか、大人のお姉さんって感じで……

 

「うふ、うふふ、うふふふふ…♪」

(……ほんと、基本は憧れちゃう存在なんだけどなぁ…)

 

 その裏に見え隠れする下心に、わたしは何とも言えない気分になるのだった。……あ、ノワールさんとブランさんが、ちょっと「やられた…」って顔してる…この状況、二人的には「やられた」なんだ…。

 

「…えー、では話を戻すとして…ブランさんのご指摘はご尤もですし、判断は皆さんにお任せします。如何致しますか?(´・ω・`)」

 

 投げかけられた問いに、わたし達は顔を見合わせる。それからわたしが代表して、その質問に対して答えた。──実際に行って、調べてみます…と。

 

「分かりました。ですが、ベールさんの言う通り爆弾…というか罠である可能性は十分にありますし、それが触れるどころか近付いただけで起動してしまうものだとしたら、大きな損失を負う事にも繋がりかねません。爆弾程度で皆さんの命が奪われるとは思えませんが、敵の撃破ではなく証拠隠滅の為の自爆という事もありますからね。…ですので、一日わたしに頂けますか?(。-_-。)」

「…と、と言うと?」

「明日までに、出来る限り調べてみます。勿論、成果を上げられる保証はありませんが……」

「…そうね、私は構わないわ。イストワールの言う事は一理あるし」

「わたしも良いと思います。観測器の方も観測は続けてますし、この一日で何か分かるかもしれませんしね」

 

 マジェコンヌさんからの訊き返しに訳を話したいーすんさんへ、ノワールさんとわたしが回答。皆も頷く事でいーすんさんに肯定を示して、塔の実地調査は明日に決定。…ううん、正しくは「明日から」だよね。だって、明日一日で全部分かるとは限らないもん。

 

「じゃあ、今日はどうするの…?」

「まずはどういうメンバーで調査するかを決めないとでしょ。これも全員で行く訳には──」

 

 ちょん、とほっぺに人差し指を当てて言ったロムちゃんへ、腕を組みながら答えるユニちゃん。…けどその最中、不意に着信音が響いた。

 それは、ブランさんの携帯端末。通話機能のある端末が鳴るなんて、至って普通の事だけど……わたし達は全員驚いた。だって…着信音は、『誰か』が連絡をかけないと鳴らない筈のものだから。

 

「……っ!?これは……」

 

 目を見開いて、ブランさんは端末を取り出す。その最中、ノワールさんとベールさんの端末にもそれぞれ同じように着信が。

 ほぼ同時にかかってきた連絡に、まさか…と全員が息を飲む。そしてわたし達が緊張の面持ちで見つめる中、画面を確認したお三人は…言った。……それぞれの国の、教祖さん達の名前を。

 

 

 

 

 いーすんさんは言っていた。シェアエナジーの力による昏睡故に、わたし達女神には効かなかったんだって。いーすんさんがすぐに目を覚まして、マジェコンヌさんもかなり早期に意識を取り戻したのも、お二人がかなり女神寄りの存在だからだって。

 加えていーすんさんは、こうも言っていた。昏睡に対する見立てが正しいなら、まずわたし達と親しい人…特に先祖代々女神に関わってきた教祖家系のお三人が、マジェコンヌさんに次ぐ形で目を覚ますって。そしてその見立て通り……お三人は、目を覚ました。

 

「うぇぇぇぇぇぇんっ!ミナちゃあぁぁんっ!」

「ミナちゃん、ミナちゃん…!(ぐすっ)」

「ラム、ロム…ご心配を、おかけしました……」

 

 連絡後、プラネテューヌに来たミナさんがプラネタワーに入るや否や…どころか、その姿が見えた時点で、ロムちゃんとラムちゃんはミナさんの胸に飛び込んだ。

 涙声でしがみ付く二人の頭を撫で、優しく抱き締めるミナさん。それからミナさんはブランさんへと頭を下げ、それにブランさんはこくりと頷く。

 

「お、お姉様…あの……」

「……貴女が目を覚ましてくれて、安心しましたわ。チカ」

「……っ…お姉、様…っ!」

「…すまない。こんな非常事態の中、今まで何も出来なくて」

「別にケイが責任を感じる事じゃないでしょ…こんな時位、もっと感情的な事言えば良いのに……」

「それをケイに求めても無駄ってものよ。…けど、責任を感じる必要はないって点は私も同意ね。…ケイなら、これまでの分はこれからすぐに取り返してくれるでしょ?」

「…あぁ、勿論だよ。ノワール、ユニ」

 

 共に訪れたチカさんとケイさんにも、ベールさん、ユニちゃん、ノワールさんが側に寄る。

 それぞれの国の女神と、教祖のやり取り。その関係性は様々で、交わす言葉も違うけど……深い繋がりが、絆がある事は見ているだけで伝わってくる。それはブランさんとミナさんも同じで、言葉を交わさずとも通じ合ってる思いがあるんだって、見ているわたしはそう思った。

 

「…ちょっと、懐かしいな……」

「…懐かしい、ですか?(・・?)」

「あ、はい。懐かしいというか、半分は『自分もこうだったのかな』って感じなんですけど…ギョウカイ墓場で、お姉ちゃん達を助けた時の事を思い出して……」

 

 あの時と今とは色々違うけど、そこに喜びと安心のある、大切な人との『再会』である事には変わりない。わたしやお姉ちゃんは、すぐにいーすんさんが目を覚ましたし、そもそもまだ混乱している状態で心の整理が付いていなかったから、ほっと一安心…って位だったけど……他の人が教祖だったら、きっとわたしも今のユニちゃん達と同じ感情を抱いていたと思う。

 

「ミナちゃん、もうねちゃわない…?」

「えぇ、もう大丈夫ですよ」

「ほんと?もうねちゃだめよ?ずっとおきててね?」

「ず、ずっとは流石に…数日ならともかく、何日もとなると今度はそれが原因で体調を崩してしまいますから…」

「いやミナ、きちんと毎日寝なさい…貴女は女神じゃなくて人なんだから……」

 

 三人が到着してから数分後、わたし達は会議室に移動。その最中、ロムちゃんとラムちゃんはずっとミナさんにくっ付いていて、左右からかなり強く両手を握っていた。…あれ多分、手が痛かったら寝ないよね?…って事なんだろうけど……そういう問題じゃないよ、二人共…。

 

「まずは状況を説明するわ。それと、体調はどう?」

「今のところ不調はないよ。意識もはっきりしているしね」

「チカも大丈夫でして?貴女は元々身体が強くないのですから、少しでもおかしな点があればすぐに言うんですのよ?」

「は、はい!勿論ですわ!」

 

 会議室に着いたところで、お三人へ今の状況の説明を開始。その間にわたしはお茶を淹れに行って、ついでにお茶菓子を多めに用意。もしかすると、不調はなくても空腹は感じているかもしれないしね。

 

「…ここに来るまでに、どれだけの異常事態なのかは直に見てきたけど……」

「どうやら、僕達の認識以上の事態だったようだね」

「それも、別次元すら関わってくる程のものとは……」

 

 説明はいーすんさんがわたし達にしてくれた時より、多少でも状況の整理が出来ていた分スムーズに進行。お三人もすぐに状況を理解してくれて、そのまま話は次の段階へ。

 

「…で、今日はイストワールが可能な限り調べてみて、実地調査は明日以降…っていうのが今のプランよ。そこそこ時間が経っちゃったけど…イストワール、大丈夫?」

「大丈夫です。…と、言いたいところですが…三秒や三分の違いが結果に影響する事もあり得ますし、お三人への情報共有が済み次第、わたしは調べてみようと思います(・ω・`)」

「では…全員いる内に一つ、調査編成の提案をしても宜しくて?」

 

 ノワールさんがいーすんさんに振って、そこからベールさんが軽く手を挙げる。当然それに駄目だ、なんて言う人はいなくて、全員の視線がベールさんへ。

 

「わたくし達は先程、不測の事態に備えて調査をするメンバー、塔の見える距離で待機するメンバー、ここに残るメンバー…という分け方をしましたけど、今はチカ達教祖の三人も人員に組み込む事が出来ますわ」

「はい。お姉様、何でも任せて下さいな」

「ですので、ここは教祖四人とマジェコンヌに任せ、わたくし達全員が出る案に切り替えてもいいのではないかと思いますわ」

「それは…そうね。そっちの案は、わたし達全員が出る分塔に何かあった場合の対応力が高いし…」

 

 ベールさんが言っている編成は、ノワールさんブランさんが調査を行い、ラムちゃんがその側で塔と周囲を警戒し、ある程度離れたところでわたしが待機。更にその後ろ…塔とプラネテューヌの生活圏内の中間辺りではユニちゃん、ロムちゃん、ベールさんが塔と街のどちらにも対応出来るように待つ…というもので、その場合残るのはいーすんさんとマジェコンヌさんだけだから、塔周辺への対応力は高くても、街への対応力はやや欠けるって事で、最後の選択の時に外された案。

 その提案を聞いて、わたし達は考える。確かに決めた時と今とは状況が違うから、同じ案のまま進める必要はない。それにこっちの案ならすぐに駆け付けられるメンバーが多い分、きっとラムちゃん達も安心して塔の側に行ける筈。…だから、わたしとしては…ベールさんの提案に、賛成したい。

 

「…そうだな。私と彼女達四人であればまぁ、大体の事には対応出来るだろう」

 

 親指と曲げた人差し指を顎に当てていたマジェコンヌさんが同意して、わたしもベールさんに頷いて、そのまま全会一致で調査編成の変更が決定。となれば後は、明日に向けた準備をして……

 

「…そうだ、僕からも一ついいかい?」

「はい、なんですか?(・∀・)」

「僕達は無事、目を覚ます事が出来て、今は意識もはっきりしている。けど…今後、また昏睡状態に陥る可能性があるのかどうか、あるならそれはどれ程なのか…それに対する見解を聞きたい」

『あ……』

 

 冷静な顔で言ったケイさんの言葉に、わたしも皆もはっとする。

 そうだ、完全に忘れてた…というか、気にもしていなかったけど、『一度目覚めた人は、もう昏睡状態に戻らない』なんて、誰も言っていなければその保証もない。そしてそれはつまり、また昏睡状態になってしまうかもしれないって事。…その不安から、わたし達は自然といーすんさんの方を見て……皆からの視線を受けたいーすんさんは、小さく肩を竦めて言う。

 

「再び昏睡状態に陥る可能性があるかと言われれば……はい。それはあります

(。-_-。)」

『……!』

「…ですが、わたしは勿論マジェコンヌさんも目を覚まして以降、一切その予兆や意識が朦朧とする事などがなかった事から考えるに、その確率は極めて低いと思われます。…絶対ではありませんから、一人で火を使う事や、生活圏外に出る事は極力避けるべきではありますけどね(・ω・)ノ」

「そ、そうなんですね……良かった…」

 

 まず可能性を肯定して、その後「でも」とわたし達を安心させてくれるいーすんさん。極めて低いって言葉にわたしはほっとして、でも「絶対ではないもんね…」と頭の隅に留めておく事を決める。……因みに良かった、と小声で呟いたのはユニちゃんで、それを目聡く(耳聡く?)聞き取ったケイさんがにやりと笑って、聞かれたユニちゃんは顔を赤くしていた。…今のユニちゃん、ちょっと可愛かったなぁ…。

 

「…他に、何か質問はありますか?

( ̄▽ ̄)」

「わたしは大丈夫です。…あ、ですが今後何かあるかもしれないので、その時は……」

「えぇ、その時はわたしに聞いてくれればいいわ、ミナ」

「…分かりました。では皆さん、明日に備えた準備をお願いしますね(`_´)ゞ」

 

 そう言っていーすんさんは部屋を出る。向かう先は…多分、執務室。集中して調べ物をする時は、大概執務室か自室だから。

 

「さてと…ではお姉様、アタクシは一度リーンボックスに戻りますわね。まだ最低限の確認と身支度しか出来てませんので……」

「あ、じゃあわたしもちょっと席を外しますね。観測器の設定を、色々弄ってみたいので」

「ならばわたくしも行きますわ、先程イストワールが言った事がありますからね。…それと、申し訳ありませんわネプギアちゃん。わたくし達も、もう少し機械に精通していれば……」

「いえ、いいんです。わたしはやれる事をやっているだけですから。皆さんも明日の準備、お願いしますね」

 

 すまなそうに言うベールさんへ、わたしはゆっくりと首を横に振る。わたしは偶々機械が好きで、今は偶々それが役に立ってるってだけだもん。違う状況じゃ他の人の趣味が役に立つかもしれないし、気にする必要なんてない事だよね。……あ、弄るって言っても、遊ぶ的な意味じゃないよ?

……と、思いつつ席を立とうとしていたら、気付けば向けられている優しい視線。

 

「…あの頃から、随分と成長したものだね」

「そうですね。お姉さんや、イリゼさんがいないから…というのもあるかもしれませんが」

「まぁ…頼もしくなったってのは、確かに事実ね」

「皆さん……」

 

 それは、三人の教祖さんからの視線。言っているのはきっと、前の旅での事。確かにあの時のわたしは、イリゼさんや皆さんに着いていくばっかりで、引っ張る事なんて出来てなかったけど……正直、今も引っ張れてるかって言われたら、全然自信がないけど…少なくともお三人は、前より頼もしくなったって言ってくれてる。…なら、そう思ってくれる事には応えなきゃだよね。

 そう思いながら、わたしも会議室を出る。明日の調査に向けて、今日出来る事をやる為に。

 

 

 

 

「…でね、それからはケイさん達は全員一度戻って、それからもう一度プラネタワーに来てその日は泊まったの。いーすんさんの推測通り、その後もまた昏睡しちゃう事はなくて、皆元気だよ」

「そっか……はぁ、やっぱり目覚めたって話を聞くと安心するね…」

「うんうん、この調子で他の人もどんどん目覚めてくれると嬉しいよね!」

 

 続くネプギアとイストワールさんの話を、今も私達は傾聴中。手掛かりの見つけ方だとか、塔の存在だとか、色々驚く点は多かったけど…やっぱり一番印象深いのは、ケイさん達が目覚めた事。しかも口振りを聞く限り、それも昨日以前の話っぽいから、今は更に別の人も目覚めてる可能性があるんだよね。

 

「…そういえばイリゼさん、そちらではきちんと休息を取っていますか?わたしもあまり偉そうな事は言えませんが、休息はきちんと取って下さいね?(>_<)」

「大丈夫ですよ、イストワールさん。シェアエナジー節約の為にも、食事や睡眠は毎日欠かさず取っているので」

「む…どうしてイリゼだけなの?どーせわたしは呑気に食っちゃ寝してそうとかだったら、流石にわたしも怒ったりするよ?」

「ご安心を、ネプテューヌさん。今回に関しては、イリゼさんの方が悪い気負い方をしそう…という思いからの発言ですから

( ̄∀ ̄)」

「うっ…ほ、ほんとに大丈夫ですからね…?」

 

 まさかこのタイミングでそんな指摘をされるとは、と思いがけず私はたじたじに。た、確かに悪い気負い方をした結果、それを別次元で吐露しかけたり、イストワールさんの前で泣いちゃったりした事はあったけど……うぅ、思い出すと今でも恥ずかしい…。

 

「ふふん、イリゼにはわたしが付いてるからだいじょーぶだよ!…で、塔の正体って分かったの?伝説ポケモンが待ち構えてるラストダンジョンとか、ドリルとして地中に沈んでいく要塞塔とかだったり?」

「ど、どっちも全然違うよ…こほん。…これからが一番重要な部分だから、よく聞いてね。……翌日、予定通りわたし達は塔へと向かって、そして……」

 

 咳払いで(多分)表情を引き締めたネプギア。日数経過から考えるに、その翌日か更に次の日で、塔の正体が分かった可能性が高い。そして恐らく、その塔の正体が一連の異常とその解決にも大きく関わっている部分。だからこそ聞き逃すまいと、私とネプテューヌも気を引き締め、次元越しのネプギアの声に意識を集め……

 

 

──次の瞬間、地震のような振動と、何かの崩れる音が響く。

 

『……ッ!?』

「え、い、今の音って…お姉ちゃん、何かあったの……?」

「わ、分かんない!けど多分何かあったパターンだよこれ!ちょ、ちょっと二人共待ってて!わたしとイリゼは一回何が起きたか確認に……」

「──ねぷっち、いりっち、無事か!?もし無事なら、すぐに出てきてくれッ!」

 

 突如起こった異常な揺れと音に、ばっと私達は周囲を見回し、機械からも驚きの声が聞こえてくる。更に弾かれるようにネプテューヌが飛び出そうとした瞬間、聞こえてきたのはネプギアともイストワールさんとも違う声。

 それは、この部屋に来る直前海男さんから「何かあったらこれで連絡を」と渡されていた通信機からの声で、声の主は間違いなくうずめ。聞こえてきているうずめの声は、明らかに切羽詰まっていて、思わず立ち止まってしまう私達。そうして私達が顔に緊張を走らせる中……うずめは言った。

 

「あいつだ、紫ババァだ!くそっ、嵌められた…!アイツは逃げたんじゃねぇ!逃げたと見せかけて、この電波塔を狙いに再度仕掛けてきやがったんだッ!」




今回のパロディ解説

・伝説ポケモンが待ち構えてるラストダンジョン
ポケモン不思議のダンジョンシリーズに登場するダンジョンの内、てんくうのとうとじげんのとうの事。今回はよりピンポイントなネタなので、『ポケ』モンにしました。

・ドリルとして地中に沈んでいく要塞塔
漫画版デュエルマスターズに登場する、サザンスピアの事。最後各キャラの切り札が集まって止めようとするシーンは良いですよね。逆シャアのラスト的でもありますし。
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