超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth3&VⅡ Origins Exceed   作:シモツキ

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第三十三話 意外過ぎる新メンバー

 あ…ありのまま、今起こった事を話そうと思うわ。わたしは一部が崩落した天井の瓦礫を見ていたと思っていたら、わたしはわたしを見ていたの。…そう、わたしがわたしを見つめてました状態よ…。な…何を言っているのか分からないと思うけど、何なら「初っ端からまたベタなパロディを…」とかも思ってるかもしれないけど、わたしも正直どういう事なのか分からないわ…。

 実は瓦礫で頭を打ってたんじゃ…とかも思ったわ。でもこれは、わたしの分身とか偽者とか、そういう定番の展開とかじゃあない…というか、前者はそもそもわたしが分身なんて出来ないんだから、そっちに関してはある訳がないわ。とにかく…なにか、普段以上の超展開になっているんじゃないかしら……。

 

「お…お姉ちゃん!?」

 

 わたしが唖然としている中、聞こえてくるのは裏返ったようなネプギアの声。ネプギアの姉といえば、他でもないわたしの事だけど……今の声は、わたしに向けられたものじゃない。

 

「はぁ…一先ず死んだり大怪我したりしなくて良かったぁ…。折角楽しみにして来たのに、到着と同時に超高度から転落して即今回の旅どころか人生が終了しちゃうなんて、死んでも死に切れないもんね!」

「え…あ、えっ……?」

『ぽかーん……』

 

 砂煙の中から出てきたわたしじゃないわたしは、転落事故(?)という災難にげんなり……と思いきや、突然別人になったかのようなハイテンションでにかっと笑顔に。…何かもう色々と分からな過ぎて、ネプギアは「え?」を連呼しているし、うずめ達はぽかんとしてるしで……やっぱり、訳が分からなかった。

 

「……?あ…そこのお嬢さん達だいじょーぶ!?今のに巻き込まれてたりしない!?」

「へっ?…あ、大丈夫…ですけど……」

「そっか、なら良かったよ。…って、その姿…もしかして皆は女神だったり!?」

「うぇっ!?あ、は、はい…」

「そっかそっかぁ。女神様が一人、二人、三人……うんうん、早速こんな出会いがあるなんて、これは怪我の功名ってやつだね!」

 

 相変わらずわたし達が戸惑っている中、わたし達に気付いたわたしじゃないわたし(…パーカーワンピが黒いし、一先ず黒いわたしって事にしようかしらね)は、女神だって気付いた途端に目を輝かせて上機嫌に。……わたしって、側から見るとあんな感じなのかしら…。

 

「あ、あのー…数えられてないから多分大丈夫だとは思うが、一応俺は……」

「うん、君は女神じゃないって分かってるよ!でも大丈夫!君だってわたしが今出会えた人の一人だからね!」

 

 つい数時間前わたしが言ったのと似たような事を言いながら、ハイテンションでのやり取りを続ける黒いわたし。まだ何も分かってないし、多分一番驚いてるのはわたし自身だと思うけど…取り敢えず、このハイテンションな女の子は間違いなく『わたし』だって事は飲み込めた。というか、ほんとに言動がわたし過ぎて認めるしかなかった。

 

(…けど、どういう事かしら…確かにわたしは、別次元の自分を見た事があるし、少しだけど会話もしたわ。けど、今ここにいるのは……)

 

 どう見ても突然現れたのはわたしで、それは間違いない。でも顔付きや言動はわたしそのものでも、あの時見たわたしと違って、何から何までわたしと同じ…って訳じゃない。服…はまぁいいにしても、黒いわたしの髪は人の姿のわたしよりもずっと長いし、何よりスタイルは今のわたしと張り合えそうなレベルで……

 

「■…■■■■■■ーーーーッ!!」

『……──ッ!』

 

 そうわたしが思っている中、不意に山となっていた瓦礫が四散。それと同時に形容し難い咆哮が響いて……わたし達は理解した。奴は…残された化け物はまだ、その活動を停止なんてしていないんだって。

 

「うげっ、まだやられてないのー…?」

「……っ!二人共!奴がまた暴れ回る前に仕留めるわよッ!貴女は下がっていてッ!」

「あ、うん!状況は分からないけど、取り敢えずりょーかいだよっ!」

 

 奴がまだ動くのなら、止めなくちゃいけない。その意思の下わたしは声を上げて、先陣を切るように動き出す。

 

(まずは…って、左側のもう一本の腕も潰れてる?…だったら……!)

 

 瓦礫を吹き飛ばしながら姿を現す、巨躯の化け物。けれどネプギアが斬り落とした一本に加えて、瓦礫で潰されたのかもう一本も肘から先がなくなっている。それを視認したわたしは、ネプギアにアイコンタクトを送って…一気に左側、化け物から見て右側へと弧を描きながら強襲する。

 

「やっぱり、これなら…ッ!」

「うんッ!」

 

 無茶苦茶に放たれる光弾と光芒を最小限の動きで避けて、ネプギアと立て続けに化け物へ斬撃。その連撃はすんなりと当たり、脇腹の辺りを強かに斬り裂く。

 思った通り、化け物は右腕が両方無くなった分左に比べて弾幕が薄い。普通ならそこはカバーしようとするものだけど、化け物はただひたすらに暴れるだけ。

 

「…ほんと、何も考えずただ暴れてるみたいね。いや…それ以前に、今はもう思考すらないのかしら……」

「でも、その分攻撃を当てても全然止まらない…!」

「むむぅ…ほんっと、オバさんってば嫌なものを残してくれるんだからーッ!」

 

 わたし達の動きで気付いたうずめも加わって、わたし達三人は左側へと攻撃を集中。ほんとに化け物は乱射一辺倒でわたし達への『対応』という行為が一切ないから、突飛な動きにさえ気を付けていれば攻撃を当てるのはさっきまでより格段に楽。

 でも、ネプギアの言う通り止まらない。刃が深く入っても、本当にただ深い傷が一つ出来るだけの状態。…不味いわね…ここまで効果がないってなると、思った以上に時間がかかりかねない……!

 

「…何か、動きを止められれば一気に決める事も出来るのに……!」

「動き?あっ、それなら任せてっ!ちょっとで良いなら、完全に止めちゃうよ!」

「ほんと!?なら、頼むわ!」

 

 必要なのは、数より威力。けれど思考ゼロで暴れてるなら、動きの予測も誘導だってするのは困難。…そう、歯噛みしたわたしだけど…そこでわたしより上を飛んでいたうずめがくるりと振り向いて、Vサインを作ると同時に更に上昇。

 何をするかは分からない。でも、うずめが自信満々でそう言うなら……!

 

「せぇいッ!」

 

 もう一度ネプギアに視線を送って、わたしは化け物の足元へ。地面すれすれの高度から接近を仕掛けて、前後の脚を横にした大太刀で斬り付ける。やっぱり、その攻撃も殆ど聞いてないみたいだけど……胴より脚は身体の動きに直結する分、動きが鈍る可能性も高い。勿論、どこまで効果があるか分からないけど、一瞬でも鈍れば儲けもの。

 そう考えながら、通り過ぎたわたしは踵を返してもう一撃。同時に両腕へシェアエナジーを集中させて……眼前に撃ち込まれた光弾を反射的に避けた瞬間、天井すれすれまで上がったうずめの声が響く。

 

「二人共離れてッ!おもーい一発、いっくよーッ!」

『……っ!』

 

 声に従い離れた瞬間、メガホンを構えたうずめの叫びが轟く。声そのものは全方位に、威力を持った音波はメガホンを介して円錐状に広がっていき、不可視の圧力となって化け物の頭上から襲い掛かる。

 それは、並みのモンスターなら一撃で吹き飛ばして、大型モンスターが相手でも確かなダメージを与える攻撃。流石に元の強さが違うからか、化け物が潰れる事はなかったけど……真上からの圧力に押されて、化け物の動きがその場で止まる。うずめがわたしへ、言った通りに。

 

(流石の力ね…ッ!これなら、いける…ッ!)

 

 期待通りの攻撃にわたしは笑みを浮かべながら、大太刀を掲げて巨人の前方上方へ。溜め始めていたシェアエナジーを解放して、エクスブレイドを形成する。

 それと同時に、化け物の背後へネプギアが移動。ネプギアもM.P.B.Lを腰に構えて、その刀身から大出力のビーム刃を展開。

 交錯するわたしとネプギアの視線。そしてわたしは翼を全開に広げ、ネプギアは地面を踏み締め、同時に得物を化け物へ振り抜く。

 

「斬り…ッ!」

「裂くッ!」

 

 正面からはわたしの縦一閃が、背後からはネプギアの横一文字が化け物の身体を両断し、軌跡が描く紫の十字。振り抜いたわたし達はふっと身体から力を抜き……笑みを浮かべた瞬間、化け物の身体は崩れ落ちる。

 

「や、やったのか…?」

「うぉわっ!?君、それはやられてない展開になっちゃう発言だよ!?…と、思ったけど…やれたみたいだね。立ったフラグを機能させないなんて、さっすが女神!」

「ふふーん、でしょ〜?」

 

 モンスターと同じように、モンスター以上の速度で崩れた化け物は消え始め、張り詰めていた空気が霧散。一気に明るくしたのは案の定黒いわたしで、にこにこしながらうずめが着地。わたしも追って着地して、わたし達は集合する。

 

「お疲れ様、皆!疲労回復にこのドリンクどう?」

「あ、ありがとうございま……って何ですかそれ!?緑なのはともかくとして微妙に透けてますし、何か凄くネバネバしてません!?」

「まぁ、色んな木の実とか薬草とかのエキスを調合しまくってるやつだからね。効果は抜群だよ?飲んだ後すっごい喉乾くけど」

「そ、それはそうでしょうね、見るからに粘ついてるんだから…。というか、戦闘直後に喉が乾く飲み物はちょっと……」

 

 てへっ、と笑う黒いわたしに、わたしは全く…と肩を竦める。…って、これわたしがわたしに突っ込んでるじゃない…何この斬新な一人ボケ突っ込み……。

 

「さってと、偶然だったみたいだけど、落ちてきてくれたおかげで助かったよっ!…えっと……」

「…わたし?わたしはネプテューヌ!何を隠そう、次元を股にかける昆虫ハンターだよ!」

『……!』

 

 うずめが言い淀んだのを見て、びしっと自己紹介をする黒いわたし。名乗った名前は…やっぱり、ネプテューヌ。わたしと全く同じ名前である事に、わたし達は再び驚いて…黒いわたしは、それにきょとんと首を傾げる。

 

「…あれ?どしたの皆?あ、もしかして次元云々が分からなかったり?」

「い、いえ…そういう事じゃないんですが……」

「じゃあ、どうして?」

「それは……」

「待って。それはわたしから、最後に言わせて頂戴」

「……?」

 

 理由を言おうとしたネプギアに、わたしはくすりと笑って口止め。何故かは…ふふっ、言うまでもないわよね。

 

「ま、いっか。それよりさ、次は皆の名前を教えてっ」

「あ、はい。わたしの名前はネプギアって言います」

「わーっ、名前にネプって付くなんて奇遇だね!海王星のわたしとしては、センチメンタルな運命を感じずには…って、わわっ!ネプギアは女神化を解くと名前だけじゃなくて見た目もわたしとそっくりさんになるんだね!これは尚更運命を感じちゃうっていうか、わたしに妹がいたらきっとネプギアみたいな子なんだろうなぁ…」

「…ふふふっ」

「ほぇ?おねーさん、何か面白い事でもあったの?」

「ううん、何でもないわ」

 

 名前を聞いて、女神化を解いたネプギアを見て、黒いわたしは二度に渡って目を輝かせる。…なにか、クイズを考えてる人を答えを知ってる状態で隣から見てるみたいで、ちょっと楽しくなってきたわ。

 

「俺はウィードだ。さっきも触れた通り、俺は女神じゃないが…宜しくな」

「うん!わたしは男女問わず色んな人と仲良くなりたいから、フレンドリーに話しかけてね!」

「それじゃあ次は…俺だな。俺は天王星……」

 

 自己紹介は続いて、次はうずめの番に。ネプギアと同じくうずめは女神化を解いて、それから名前を言おうとしたけど……その瞬間、それまでにこにこしていた黒いわたしが目を見開く。

 

「……っ!?…うずめ……?」

「うん?…どうして、俺の名前を……?」

「あ…え、っと……さ、さっきの戦闘中に、その名前が聞こえた…とか、かなー……」

 

 先んじて名前を言った黒いわたしにうずめが驚くと、黒いわたしはどこかぎこちない様子で返答。どうも気になる反応だけど……言ってる事自体には、別におかしいところはない。それに、わたし達だって一言一句全ての言葉を覚えてる訳じゃないから、言ったかどうかなんて確かめようがないし…。

 

「あー、そうか…ははっ、なんか俺このパターン多いな」

「そういえば、確かにそうね。案外、別次元に行ったらもっと色んな人が貴女の事を知っているかもしれないわよ?」

「う、うんうんわたしもそう思うな〜!だってほら、この通りうずめって格好良いし!」

「俺が格好良いだと!?…ふっ、流石ねぷっち。分かってるじゃないか」

「…ねぷっち……」

「…うん?別の呼び方の方がいいか?」

「へ?あ…ううん大丈夫、ねぷっちでオッケーだよ!」

 

 ぶんぶんと首を横に振ってサムズアップする黒いわたし。ねぷっち、って呼ばれ方に何か思うところがありそうな感じもあったけど…これだって別に、そこまで追求するような事じゃない。そもそも「○○っち」なんて、渾名としては割とポピュラーな方だもの。

…と、いう訳で三人の自己紹介も終了。残るはこのわたし一人で…当然、黒いわたしの視線もわたしの方へ。

 

「最後は紫髪のおねーさんだね。なんて名前なの?」

「えぇ。…驚く準備はいいかしら?ネプテューヌ(わたし)

「え…?それって、どういう……」

 

 純粋そうな瞳で見られたわたしは小さく笑って、意味深長に前振りを入れる。そして、その言葉で黒いわたしがきょとんとする中、わたしは女神化を解いて……言う。

 

「わたしはプラネテューヌの守護女神パープルハート。そして……世界を股にかける主人公兼ゲームハンター、ネプテューヌだよっ!」

「えっ……えぇぇぇええええええっ!!?」

 

 びしぃ!とさっき黒いわたしが言った事に沿って正体を明かした主人公、期待通りに黒いわたしは目を見開く。ふっふーん、サプライズ大成功〜!いやぁ、ドッキリ感もあるし気持ち良いねっ!

 

「ちょっ、え…えぇぇっ!?何これ何これ!?大人のおねーさんが女神化を解いたら、ちっちゃいわたしになっちゃったよ!?あれ!?わたしはここにいるよね!?わたしネプテューヌだよね!?」

「いいよいいよその反応!さっすがわたしなだけあって、リアクションには余念がないね!」

「わわっ!わたしに褒められた!…うぅ、これはあれを言うしかないね…こほん。……あ、ありのまま今起こった事を話そうと思う。わたしは……」

(まさかの同じネタ!?意図せずに天丼ネタ!?)

 

 当たり前といえば当たり前だけど、黒いわたしは目を白黒させてわたしの周りをぐるぐると回る。しかもばっちりビビットな反応をしてくれた黒いわたしに言葉を返すと、なんと黒いわたしはわたしが冒頭で言ったのと同じ発言を迷わず口に。しかもしかもその途中に「なんでなんで!?二人いる!?」とか言ってるし……もーこれは間違いない。誰がなんと言おうと、やっぱりこの女の子はわたしだよっ!

 

「び、びっくりしたぁ…まさかちっちゃいわたしがいて、しかもわたしは女神で、女神としての姿はあんな美人さんなんて……」

「わたしだってびっくりだよ。別次元のわたしと会うのはこれが二回目だけど、初めて会ったわたしは同じく女神だったから外見もほぼ同じだったもん」

「あはは、確かにスタイルは違うよね。…にしても凄いなぁ…ほんとに昔のわたしとそっくり、っていうか同じだもん……」

「…なぁうずめ、これ目を閉じるとどっちが喋ってるのか分からなくなりそうだな」

「確かに…今はまだ発言の内容で判別出来るけど、他愛ない雑談とかしてたら絶対分からないな……」

 

 「わたしじゃないわたし」との会話で、大いに盛り上がるわたし達。これもある意味自問自答だけど…そういう細かい事は言いっこなしだよね。ちょっと真面目な事を言えば、わたしも黒いわたしも同じ『ネプテューヌ』だけど、立場や経験は多分全然違うだろうし。

 

「…って、あれ?そう言えばさ、ネプギアはさっき『お姉ちゃん!?』って言ってたよね。あの時は何が何だか分からなかったけど、もしかして……」

「そう!この可愛い可愛いネプギアは、わたしの妹なのさー!」

「うわわっ!?お姉ちゃん!?」

「やっぱり!ならつまり、ネプギアはわたしの妹も同然って事だよね!んふふ〜、さっきちっちゃいわたしがにやっとしてたのは、こういう事だったんだねっ!」

「わわわっ!?ね、ネプテューヌ…さん!?」

 

 そこから話はネプギア…というか姉妹の事に。自慢しながらわたしが右から抱き着くと、またまた黒いわたしは目を輝かせて左側からネプギアに抱き着く。顔を赤くしてわたわたしているネプギアが可愛くてどんどん身体を密着させると、気付けばネプギアはぐるぐるお目目に。…む…でもこれ、おっきいわたしのないすばでーの影響も少なからずあるよね…普通に成長出来たら女神化しなくてもこんな良いスタイルになれるって分かったのは嬉しかったけど、これはちょっと気を付ける必要があるかも……。

 

「うきゅぅぅ……」

「あっ…ね、ねぇちっちゃいわたし、ネプギアがショートしかけてるんだけど……」

「おっと、これは流石に不味いね。ネプギアー、大丈夫ー?」

「ふぇ…?…あ…う、うん…なんだか凄い気持ちになったけど、大丈夫……」

 

 ぽけーっとした状態になっちゃったネプギアから離れると、ネプギアはふるふると軽く頭を振って復活。…でも、こういうところもやっぱりネプギアは可愛いなぁ。

 

「あー、っと…二人共、そろそろいいか?」

「うん?そろそろって…あっそうだ。わたし達、何も洞窟探検しに来たんじゃないもんね」

「そういう事だ。向こうで何もなきゃそろそろ海男達は到着してるだろうし…ここに長居するのも危険だしな」

 

 うずめに言われて思い出したわたしは、確かにマジ卍コンヌと戦いになってからそこそこの時間が経ったもんね、と首肯する。ついでに周りを見回してみて……もう一度首肯。うん、これは。完璧にうずめの言う通りだよ。だって所々見てて不安になるレベルで損傷してるもん。しかもおっきいわたしが落ちて来た事で、一部は完全に穴空いちゃってるし…。

 

「と、なると…このまま拠点に直行か?それとも引き返して、楽な道の方を行くのか?」

「このままだな。ババァとの戦いになる前も言ったが、もう半分以上行ってるしよ」

「拠点?拠点って何の事……っと、待って!その前に〜♪」

『……?』

 

 拠点について質問を…と思いきや、おっきいわたしはくるりと振り返って化け物の方へ。既に小型モンスター並みのサイズにまでなってしまった化け物の残骸に、一体何の用事だろう…とわたし達が眺めていると、おっきいわたしはおもむろに表紙が紫の本を取り出して……

 

「てりゃっ!…あー、やっぱりこんな感じになっちゃうんだ…でも、一応ゲットだね!」

 

 べちりっ!…と開いた本を叩き付けて、それからにこにこ顔で帰ってきた。……え、何この奇行…おっきいわたしは何をやってるの…?

 

「お待たせっ!それで、拠点って何の事?」

「あ、あぁ…色々あって、俺達は今街から離れた拠点へ移動…の、陽動をしてたんだよ。で、誘き寄せた相手に深手を負わせる事が出来たから、その拠点に行こうと思ってな。…一緒に来るか?」

「いいの?」

「勿論だ。偶然とはいえねぷっちには助けられたしな。…まぁそりゃ、ねぷっちにその気がないってなら別だが……」

「ううん、行く行く〜!折角の出会いだし、皆とはもっと話したいからね!」

 

 某お昼のバラエティを思わせる反応で同意したおっきいわたしは、またまたまたもや目を輝かせてわたし達を見回す。見た目はほんとに大人のわたし(ま、勿論わたしも中身は大人だけどね)だけど、こうして出会った人達と一杯話してみたい…って思うところはわたしと全くおんなじで、そういう姿を見ていると安心するようなちょっとむず痒く感じるような。ただでも、何にせよ……わたしと違うわたしがパーティーインしたんだもん、ダブルネプテューヌ&トリプルネプ体制になったんだもん、こんなの楽しみじゃない訳がないよねっ!よーし、それじゃあ拠点に向かってしゅっぱーつ!

 

「あ、そうだおっきいわたし。天井突き破るのはナイスだけど、やっぱり落ちるなら突き刺さるか地面に穴開けるかしなきゃ駄目だよ〜!」

「あ、やっぱりちっちゃいわたしもそう思う?我ながら、ただ瓦礫の上でべたーん…は芸がないなぁと思ったんだよね。次は気を付けよっと」

「…凄ぇ会話してるな、二人……」

「だな…怪我する事は一切考慮してない辺りが特に凄ぇ…大きいネプテューヌも何か特殊能力持ちなのか…?」

「あはは…でも、お姉ちゃんが二人いるっていうのは変だけど…なんだか安心もするなぁ……」

 

 そうしてわたしはおっきいわたしと雑談を続けながら、ネプギア達はわたし達の後に続く形で、移動開始。戦いに勝てて、びっくりな相手との出会いも出来たわたしは当然上機嫌で……

 

「……ふふっ、こんな素敵なサプライズだったなんて…これはこれからも楽しみだなぁ…」

「ほぇ?おっきいわたし、どしたの?」

「何でもないよ〜!」

 

 ちょっと…いや、かなり個性的な新メンバー、『おっきいわたし』と共に、わたし達は拠点へと向かうのだった。




今回のパロディ解説

・あ…ありのまま〜〜かしら……。
ジョジョシリーズに登場するキャラの一人、ジャン=ピエール・ポルナレフの代名詞的な台詞のパロディ。当然これは、後半で出てきたパロディの元ネタでもあります。

・わたしがわたしを見つめてました、「なんでなんで!?二人いる!?」
ご注文はうさぎですか?のOP、Daydream café内のフレーズの一つのパロディ。パロの中にパロを仕込むという、割とどうでもいい技術ですね、はい。

・マジ卍
パロディ…というか、女子高生を中心とした若者言葉の事。マジ卍コンヌって、何気に一文字しか違わないんですよね。…因みに、マジ卍は使った事がありません。

・某お昼のバラエティ
バラエティ番組、ウチくる!?の事。「行く行く〜!〜〜」の部分ですね。というか、番組終了していた事を知りませんでした…調べてみて、初めて知りました…。
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