超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth3&VⅡ Origins Exceed 作:シモツキ
全神経を張り詰め、いつどこから仕掛けられても対応出来るように備えながら、路地を駆ける。
街中に響いた、恐怖の悲鳴。逃げる人曰く、突如モンスターが現れたとの事。ならば放置する訳にはいかない。危険を排除し、人の安全を確保しなくちゃいけない。何故ならわたしは、女神だから。
「慌てないで!大丈夫よ、貴方達は女神が守るわ!」
T字路で足をアスファルトに突き立てるようにして強引に止まり、曲がると同時に再加速。すれ違う人に声を掛けながら視線を走らせ、モンスターの有無を確認する。
数秒後、わたしは一つ先の十字路から出てくる人を発見。その人にも声を掛け、続けてその人が出てきた側へ飛び込んで……見つ、けた…ッ!
(先手、必勝……ッ!)
路地を悠々と徘徊する、数体の猛争モンスター。その内の一体、一番近くて今は横を向いているモンスターに狙いを定めたわたしは、腕を交差させて両手を腰に吊るした片刃剣の柄へ。そしてわたしは強く地を蹴り、引き抜くと同時に肉薄し……一閃。
「ガ、ゥ……ッ!?」
「悪いわね、次ッ!」
逆袈裟の如く振り出した二振りの刃がモンスターの首元を捉え、二本立て続けに深々と斬り裂く。
猛争モンスターと言えど、首を斜め十字に斬り裂かれれば一溜まりもない。その狙い通りにモンスターは崩れ落ち、すれ違いざまに聞こえたのは驚愕に満ちた呻き声。
次の瞬間、他の猛争モンスターもわたしに気付く。わたしに、倒れ伏す仲間に気付いて激しい唸り声を上げるも、そんな程度で臆するようなわたしじゃない。
「せぇええぃッ!」
得物の間合いに入る直前に飛びかかってきた二体目に対し、わたしは上半身を前に傾けつつ右斜め前へ出る事で回避。更に右の剣を横から突き出す事で胴を斬り裂き、すかさずターン。剣と共に右腕を振る事で遠心力も掛け合わせ、背後から左剣での回転斬りを叩き込む。
胴への一撃で動きが止まっていたところへの、回転横一文字。自身の突撃の力も相まった斬撃を受けた上での追撃を喰らったモンスターもまたがくりと膝を突き、わたしは撃破を確信。
それと同時に背後に感じた、剥き出しの敵意。反射的に横へと跳び退くと、一瞬前までわたしのいた場所を通過していく三体目の鉤爪。…まともに喰らえば一溜まりもないのはこっちも同じね。でも……
「恨むなら、街中に出て人々に恐怖を抱かせた自分自身を恨む事ねッ!」
その場から跳んだわたしだけど、それは単なる回避行動じゃない。路地故の狭さを利用し壁際まで跳んだわたしはそのまま壁へと足をかけ、三角飛びで一気にモンスターの眼前へ。その勢いのまま左剣でモンスターの顔を斬り裂き、情け容赦ゼロで鼻面へと刺突。
肉を引き裂き、骨を砕く感覚。突き刺した右剣は頭を貫通し、胴まで刺さってそこで停止。素早く剣を引き抜くとモンスターはびくりと一度痙攣し…呆然とした顔のまま、最後の一体も絶命した。
「…ふぅ。出没したモンスターが、この三体だけなら助かるんだけど……」
通常個体より危険な猛争モンスターでも、先制攻撃で一体落とし、早々に群れとしての能力を奪ってしまえばこんなもの。油断すれば女神でも危ないけれど、油断しなければ三体程度女神の脅威になりはしない。
とはいえ、まだ安心には程遠い。現れたモンスターが三体だけなんて何の根拠もありはしないし、そもそも現れたっていうマンホールもここにはない。だからわたしは、抜剣したまま再度走り出し…すぐに、猛争モンスターの本体を発見する。
「…やっぱり、そんな簡単にはいかない訳ね……」
ゴミ捨て場を荒らし、そこに捨てられていた食べ物を貪るモンスターの群れ。視認出来るだけでも十体以上で、何体かは周囲に目を光らせている。今のところ、曲がり角の壁を背にしているわたしは見つかっていないけど…こうなると、さっきみたいな不意打ちは通用しない。
(……っ!…あれは……)
どう仕掛けるか。それを思案していたわたしは蓋の無くなったマンホールと、そこから出てくる新たな猛争モンスターを発見。…さて、どうするべきかしら…女神化しても、この広さだと機動力は活かし切れないし…って、こっちに来た……!?
「(気付かれた…?それとも偶々…?いやひょっとしたら、倒した時に臭いが付いて……)…って、何であろうと動くしかないわね…ッ!」
来る理由が分からない以上、隠れてやり過ごせる保証はないし、人の方向に行ってしまったら本末転倒。だからわたしは構え直し、その場で跳躍。壁の出っ張りに爪先をかける事で数秒間留まり、モンスターが角を曲がる瞬間に降下。直上から頭と背中に剣を突き刺し、そのモンスターを踏み台にして群れへ突進をかける。
「斬り、伏せるッ!」
策も何もない、純粋な突進で一体へと肉薄し、連撃を叩き込んでそのまま倒す。出来れば続けざまにもう一体位倒したかったところだけど、案の定即座に警戒のモンスターが臨戦態勢へと入って、一拍の後複数体纏めて突っ込んでくる。
対するわたしは二振りの片刃剣の柄尻を連結させ、双剣を双刃刀形態へ。それを頭上で回転させて接近するモンスターを牽制し、周囲に視線を走らせながら再び構える。
「アンビデクストラスフォーム…なんて、ね。さぁて、どっからでもかかって…っとッ!」
薄く笑みを浮かべたわたしは、直感的に双刃刀を後ろへ。背後へ突き出した刃は後ろから飛びかかってきたモンスターを突き刺し、そこから捻りを加えて双刃刀を振り出す事で刺さったモンスターを投げ飛ばす。
もし相手が普通の群れなら、これで臆する個体も出てくると思う。けれど猛争モンスターの群れは宙を舞う仲間の下を潜るように、何の躊躇いもなくわたしへ突撃。……っ…汚染モンスター程じゃないけど、やっぱり猛争モンスターも少なからず狂ってるわね…ッ!
(対多数戦だから手数が欲しいところだけど…ッ!)
流れるような動きで双刃刀を振るい、飽和攻撃をされないよう細かいステップで常に立ち位置を変えながら、次々と襲い掛かるモンスターを迎撃。
多分双剣に戻した方が、対応力そのものは上がる。けれど通常よりもタフな猛争モンスターな以上、必殺のつもりで斬っても倒し損ねる可能性はあるし、モンスターの肉体に剣が引っかかったままになってしまったら致命的。さっきまでは一体一体と戦えていたから確実に倒せたけど、そうもいかない今は多少手数が減っても重さを増やし、想定外を少しでも減らさなきゃいけない。
「ちっ…出し惜しみするな、って事かしらね…ッ!」
突っ込んできた二体を横にした双刃刀で受け止めた後押し返し、一瞬離した左腕で横のモンスターの頭に肘打ち。ここまでで数体は倒し、更に何体かには手傷を負わせられたけれど、包囲もかなり狭まっている。
このままだと負ける…とまでは言わずとも、重傷を負ってしまう可能性は低くない。そして当然だけど、こんな所で重傷になるのは絶対に御免。であれば、もうこの期に及んで女神化を出し惜しむ必要はない。だってそもそも、全力を出せないだけで何かリスクやデメリットがある訳じゃないんだから。
決めたら後は行動するだけ。一瞬程度の余裕がある中で女神化しようと、そこからわたしが狙うのは大振りの一撃。そうして双刃刀を振るおうとした、その時だった。
「てゃあぁぁああああああっ!」
上から押し潰そうとするかのように、跳び上がってわたしへと迫るモンスター。その横っ面に飛び膝蹴りを入れたのは……ネプギア。
ネプギアは跳ね飛ばされるモンスターを尻目に着地…と同時に前転をかけ、勢いを殺す事なく立ち上がる。
「セイツさん、挟撃をッ!」
「……っ!了解よッ!」
飛び膝蹴りの勢いのまま包囲の外へと駆け抜けたネプギアは、片脚を軸にターンしながらビームソードを発振。その意図を理解したわたしは二振りの剣の連結を解除し、ネプギアと共に攻勢へ移行。
「逃がしは……」
「しませんッ!」
増援に慌てる隙を突いてわたしは包囲網から逃れ、ネプギアと群れを挟み込む形に。物量という意味じゃ、ネプギア一人が増えてもその差はまるで埋まらないけれど、戦力的に言えば倍増したも同然の援軍。
それにネプギアが来てくれた事で、こっちは単独から複数になった。0と1に大きな差があるのは多くの人が知っている事だと思うけど…戦いにおいては、1と2の差もまた大きい。
「ボスを叩くわよ、ネプギアッ!」
「はいッ!」
前の敵を何とかしなきゃいけない。けれど後ろも気になって、前に集中する事が出来ない。そんな心理にすべくわたし達は苛烈な攻撃を仕掛け、連携自体も機能不全に追い込んでいく。
一体、また一体と倒れていくモンスター。今が最大の攻め時だと感じたわたしは、回し蹴りで進路上の一体を壁に跳ね飛ばしつつ長と思しき個体へ突進。走りながら片方を持ち替え、右剣は順手、左剣は逆手で斬り掛かる。
「はぁぁッ!」
「……ッッ!」
「掛かったわねッ!」
横薙ぎの右剣と振り出された鉤爪が激突。普通なら力比べになるところだけど、わたしからのアイコンタクトを受け取ったネプギアは、わざと大きな声を上げて背後から接近。その声と気配でほんの一瞬、僅かにモンスターの注意がわたしから逸れ…その隙に、わたしは左剣で下から肩口を斬り上げた。
「後はこれで…終わりよッ!」
攻撃の直後、わたしはバックステップ。その動きで瞳を怒らせるモンスターの噛み付きを回避し、跳んでいる内に右剣左剣を再連結。更にそこからもう一度後方へ跳んだ瞬間、群れの長のモンスターが吠え、先程跳ね飛ばした個体が割って入ってくる。
それは当然の事。長が守らせようとするのも、配下の個体が守ろうとするのも、普通の行為。…だからこそ、わたしはそれを織り込んでいた。そういう事を考えると思ったから…敢えてわたしは、この個体を生かしておいた。
配下の個体が跳び込んできたその瞬間、わたしは左脚で踏ん張り今度は正面に蹴り飛ばす。わたしの爪先で顎を強かに打ち付けられたモンスターはひっくり返りながら後方へ飛び、狙った通りに群れの長へ衝突。その衝撃でどちらの個体も動きが止まり……配下諸共群れの長を貫く、わたしの双刃刀。
「グッ、ギ……ァ…!?」
「…ごめんなさい。でも、容赦は出来ませんから」
突進の加速と二本分の重量が乗った刺突を喰らって止まった群れの長の後方から、ネプギアもまたビームソードで背後から刺突。一拍の後、わたし達は同時に得物を引き抜き…二体のモンスターは、息を引き取る。
こうなってしまえば、後はもう一体一体倒していくだけ。普通のモンスターで、ここが生活圏外なら見逃す事も考えるけど、ここは街中。だから一体残らず殲滅し…戦場となった路地には、無事に静寂が戻ってくる。
「お疲れ様です、セイツさん。到着が遅くなってすみませんでした…」
「ううん、ナイスタイミングだったわよ。それに心強かったわ」
「そ、そうですか?セイツさんにそう言ってもらえるのなら…ふふっ、光栄です」
「はぅっ……!」
にこり、と微笑みを見せてくれるネプギア。その瞬間、ネプギアの飾らない…素直で清い心とわたしに向けてくれる感情で、思わず高鳴ってしまうわたしの胸。せ、戦闘終了直後にこれなんて…ああぁどうしよう、今物凄くベールに共感しちゃってるわ…!
「…わたしにも、こんな感じに素直だけど芯の強い妹がいたら、きっと幸せよね……」
「え、えーと…セイツさーん……?」
「…はっ…こ、こほん。それはともかく…皆、発生したモンスターの掃討は完了よ。これからわたしは、発生源…マンホールの中へと入ってみるわ」
ときめきでつい緊張感のない事を考えてしまったわたしだけど、まだこの件は解決していない。むしろ核心部分は手付かずな訳で、これを捨て置く事は出来ない。
「なら、わたしも……」
「ううん、ネプギアはもう少し周囲を回ってみて。早々に群れから離れた個体がいるかもしれないし、その個体に誰かが襲われたら取り返しがつかないもの」
「それは…そうですね。でも、一人で行くのは……」
「分かってる。だから、大丈夫だって判断出来たら来て頂戴。…悪いわね、色々走り回らせちゃって」
「気にしないで下さい。皆さんの安全の為ならこの位なんて事ないですから」
そう言ってネプギアは女神化し、空に上がって捜索を開始。それを見送ったわたしはマンホールの前に立ち、潜んでいる個体がいないか中を覗く。
「聞こえてたわよ、セイツ。どう?本当にネプギアは良い子でしょ?」
「えぇ。良い子過ぎて、多分有事じゃなかったら抱き締めてたわ」
「む、ネプギアはあげないわよ?でも、気持ちは分かるわ」
「うふふ、わたくしも同感ですわ」
「ちょっ…お姉ちゃんセイツさんベールさん!?つ、通信をオンにしたままそんな会話しないで下さいっ!」
そんなやり取りを(わざとネプギアに聞こえるように)した後、わたしは小さく息を吐いて穴の中へ。タラップを使う事なく落下する形で一気に下まで降り、まず爪先で、続いて片膝を突く事で衝撃を分散させつつ着地。立ち上がって、ぐるりと見回す。
「ここは…下水道、か……」
中央を流れる水と、様々なものが混ざり合った独特の臭い。人影もモンスターの影もなく、気配の類いも感じられない。
(足跡は…あった)
当然暗くて視界の悪い下水道だけど、十体以上もの群れなだけあって足跡はちらほら残っている。これなら辿っていく事は容易。そう判断したわたしは周辺警戒を継続しつつ、足跡を辿って歩き始めるのだった。
*
突然の猛争モンスター出没騒動は、皆ですぐに対応に当たれたおかげで何とかなった。逃げる途中で転んで怪我しちゃったって人もいたけど、逆に言えば人的被害はそれ位。でもどうして現れたのかが分かってないから、取り敢えずそのマンホールと周辺地域には軍の人達に待機してもらって、わたし達は教会に戻ってきた。
「はい、はい。ありがとうございます。では引き続きお願いしますね( ̄^ ̄)ゞ」
「いーすん、なんて言ってた…?」
「依然何もなし、との事です。やはり、現れたモンスターはセイツさん達が倒したもので全ての可能性が高いですね(´・ω・`)」
連絡を受けたいーすんに、ぷるるんが質問。やっぱり街中で起きた事は放っておけないみたいで、今のところぷるるんはずっとわたし達と一緒。
「そっかぁ…ほんとにねぷちゃん達が近くにいてくれて良かったぁ……」
「あ、そ、そうだね!いやぁ、やっぱり天気の良い日はお出掛けしてみるもんだよ!運が良かった運が良かった!」
「いやねぷてぬ、本当に運が良ければそもそもこんな事起きないと思うんだけど……」
言葉の裏に感謝が込められたぷるるんの発言を受け、慌ててこくこくと首肯するわたし。当然偶々とかじゃなくて、ぷるるんとセイツのデートサポートの為に居たんだけど…まぁ、これは言えないよねぇ。後、わたしの咄嗟の誤魔化しにケチ付けるなんて…覚悟しておきなよピー子!後でその服のフードの紐弄って、片側に偏らせてやるもんねー!ダサいよー、直すの面倒だよー?
「さて…こうなるとこの後も動きなしってなりそうだし、この辺でお茶にするのはどう?」
「あ、それならあいちゃん。わたしもお手伝いするですよ」
それから数分(わたし達が戻ってからは数時間)後、あいちゃんとこんぱが席を立つ。それを「お茶かぁ、そういえばお昼は立ったまま食べられるもので軽く済ませちゃったし、何か食べたいなぁ」と思いながら見ていると……あいちゃんが扉の前に立った瞬間、ガチャリと扉が勝手に開く。
「えぇ!?その扉自動ドアだったの!?或いはあいちゃんはフォース的な何かを!?」
「い、いやどっちも違うわよ!?っていうかなんで勝手に…って……」
「あ、ごめんなさい。驚かせちゃったみたいね」
びっくりして思わず身を乗り出したわたしだけど、実際にはただ廊下からセイツが開けただけ。なぁんだ…まあでも、偶にあるよねこういう事…誰かの部屋とか会議室とかならともかく、ここはリビング的な部屋だし…。
「ただ今戻りました、皆さん」
「お帰り、ねぷぎあ。二人共お疲れ様」
「大変だったようだな」
「そうなんだよ〜、まさか急にモンスターが…って、え?マジェコンヌ?」
セイツに続いて入ってきたのはネプギアで、二人は下水道の探索を行っていた。だから二人が今帰って来た事は普通に理解出来るんだけど…更にその後ろからマジェコンヌも部屋に入ってきて、それに驚くわたし達皆。
「マジェコンヌさんとはね、下水道を探索してる中で会ったの」
「下水道を探索してる中でって…な、何やってんのマジェコンヌ…」
「あ…ち、違うよお姉ちゃん!マジェコンヌさんは、わたし達が言ったマジェコンヌの捜索をしている中で、下水道に行き着いたって話であって……」
「あ、そ、そっか…う、うん…そりゃそうだよね…」
「ネプテューヌ…君は私が好きで下水道に行ったとでも思っていたのか……」
珍しく半眼で見てくるマジェコンヌの視線を受けて、わたしは誤魔化すように苦笑い。うん…ごめんねマジェコンヌ、完全にそっちだと思ってたよ……。
「…けど、猛争モンスターの発生源を探して入ったせーつ達と、まじぇこんぬを探してたまじぇこんぬが、同じ場所で会うって事は……」
「そうね。わたし達もここに来るまでで話したけど…猛争モンスターの件とマジェコンヌの件は、何かしらの関係があるのかもしれないわ」
腕を組みながら話すセイツの言葉で、引き締まる雰囲気。思い返せば昔のマジェコンヌも、うずめ達と戦ったマジェコンヌもモンスターを使役していた訳で、そういう意味じゃ今セイツが言った事も、あり得ないような話じゃない。
「…でも、ネプギアちゃんが見つけたのって…その、あたしが…酷い事、した日だよね…?だけど猛争モンスターは、それより前からじゃなかった…?」
「それはおかしな事ではありませんよ、プルルートさん。確かにその二つは初発見の時期が違いますが、マジェコンヌさんの方は『これまで見つかっていなかっただけ』という可能性も大いにありますから(´-ω-`)」
「一個人と一部とはいえ膨大にいるモンスターじゃ、そもそも見つかる可能性が違うものね。それにマジェコンヌの場合、仮に見つけたとしても『わたし達の知るマジェコンヌ』と勘違いして、そのまま見過ごしちゃう事もあり得るでしょ?」
「そっか…じゃあいーすん、この話をノワールちゃん達にも……」
「重要な事なんですから、ご自分で言いましょうね。プルルートさん( ̄∇ ̄)」
「う…は、はぁい……」
そう言っていーすんは、ぷるるんに見えないようにしつつこっちへウインク。あ、因みにノワール達はわたし達が戻る前に自分の国に帰ったんだよね。三人が来てるって事も、ぷるるんには知らせてなかったからさ。
「…ねぷぎあが見たまじぇこんぬは、何が目的なんだろう…少なくとも、禄でもない事なんだろうとは思うけど……」
「うーん…まあそれも、マジェコンヌを見つける事が出来ればきっと分かるよ。今日だって、猛争モンスターとマジェコンヌは関係あるのかもって事が分かったんだからさ」
「まあ確かに、本人から聞き出すのが一番手っ取り早くさえあるな。では引き続き、明日も私は探させてもらおう」
「お願いしますね、マジェコンヌさん。わたし達も、何か必要ならいつでも協力しますから。…あれ?でも、協力してるのはわたし達だがら……」
「はは、気にしなくていいさネプギア。気持ちはきちんと伝わっているよ」
小首を傾げるネプギアに肩を竦めて、軽く笑うマジェコンヌ。それは細かい事も真面目に気にしちゃう、何ともネプギアらしい言動で、わたし達も思わずほっこり。…あっ、そういえば……
「ねぇねぇぷるるん、セイツ。デートの方はどうだったの?二人は今日、デートしてたんでしょ?」
「うぇ…?…えっとぉ…それは……」
「楽しかったわよね、プルルート」
「……う、うん…途中で終わっちゃったけど…今日はありがとね、セイツちゃん…」
「わたしも楽しかったんだから、お礼なんて不要よ。でも尻切れ蜻蛉なのは事実だし…今度またデートしましょ?…あの時言った通りに、ね」
ここは触れておかなくては、と思ってデートの話をわたしは口に。するとぷるるんは少し回答に窮していたけど、セイツに訊かれた後は小さく笑って、セイツもまたその笑みに笑顔を返す。
わたし達は二人のデートを音声でしか知らないし、役目があったから会話もよく聞けてなかった場面も何度かあったけど、それでも…今のやり取りと、二人の笑顔だけで分かる。ぷるるんは、このデートが心の癒しになったんだって。セイツの、わたし達の作戦は、大成功したんだって。
「さて、と。それじゃあ下水道の臭いが服や身体に付いちゃってるだろうし、わたし達はお風呂に入ってくるわね。行きましょ、ネプギア、マジェコンヌ」
「はい。…え、一緒にですか…?」
「そうよ。嫌かしら?」
「い、嫌じゃないですけど……」
「じゃあじゃあわたしもお風呂入ろっかなー。いいよね?セイツ」
「ふふっ、勿論。いっそ、皆で入る?」
「いいね!よーし、ならこんぱもあいちゃんもピー子もぷるるんも、いーすんも皆でお風呂にGO!」
「わっ、ちょっ、ぴぃ達も!?」
「ぴぃ達もだよー!さぁ、お風呂に向かって走れー!」
さらっと二人をお風呂に誘うセイツは、ほんとに皆が好きなんだなぁって感じ。そしてセイツが皆を好きなように、わたしも皆で楽しく過ごす事が大好き。だからここぞとばかりに話に乗って、皆を立ち上がらせては扉の方へぐいぐいーっと押していく。
実を言えば、これもぷるるんの事を思って、って部分もある。あるけどやっぱり一番強いのは、皆で楽しくお風呂に入りたいなって思ったから。って訳で…今からわたし達はお風呂に入ってくるから、今回のお話はここまでだよ!折角お風呂でお終いって流れなんだから、ラストはあのパロディにしようかな!
こほんっ!お風呂入らなきゃ駄目だよ?歯磨きもしようね!じゃあ、読者の皆また来週〜!
……あれ?えーっと、週の頭は月曜じゃなくて日曜だから…次話はまた来週、でいいんだよね…?
今回のパロディ解説
・アンビデクストラスフォーム
機動戦士ガンダムSEEDシリーズに登場するMS用武器の一つ、エクスカリバー対艦刀二本を連結させた形態の事。えぇはい、ソードインパルスお馴染みのあのポーズです。
・フォース
STAR WARSシリーズにおける、エネルギーの一つの事。フォースというのは能力ではなく、操作されるエネルギー自体の名前らしいですね。
・「〜〜お風呂に向かって走れー!」
夕日に向かって走れのパロディ。別に走る必要はないでしょとか、お風呂まで走っていくのは危ないよねとか、ネプテューヌの発言なだけあって突っ込みどころ満載ですね。
・お風呂入らなきゃ〜〜また来週〜!
8時だョ!全員集合のEDにおける掛け声のパロディ。顔洗えよとか宿題しろよとか風邪引くなよとかもありますが…全部入れたらしつこかったですかね?